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学生としてヨーロッパを旅行するなら知っておきたいこと【イギリス大学留学】

こんにちは!ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)で物理学を専攻しているAyatoです。

この記事では、学生としてヨーロッパを旅行する時に知っておきたいことについてまとめています!有益な情報を盛りだくさん載せていますのでぜひ読んでいってください!

イギリス留学中の旅行のススメ

さて、皆さんは日本から14時間もかけて(あるいはトランジットの場合は1日かかることもあるでしょう)ヨーロッパに来て勉強をしています。学生の本分は勉強ですから、しっかりと学ぶことに時間を割くことは大前提ですが、息抜きをすることも大切です。

勉強の合間に息抜きしましょう

古代ローマのストア派哲学者として有名なセネカでさえ、リフレッシュの重要性について以下のように説いています。

精神には休養が必要であり、絶えず緊張し続けると、精神の飛翔を妨げる

ルキウス・アンナエウス・セネカ

海外大学で学ぶと高プレッシャーに晒されることは珍しくありませんが、せっかくヨーロッパにいるのですからその機会を最大限に活用しましょう。

学生のうちにヨーロッパ旅行をしておくべき理由

なぜヨーロッパ旅行をした方が良いのかは、卒業後日本からヨーロッパに来ることの難しさを考えると明らかです。フルタイムの仕事が始まると20日間の有給休暇があるとはいえ、体調を立て直すために有給休暇を使ったりするとなかなか大旅行に行くことはできません。仮に時間はなんとか作れるとして、移動にかかる時間とコストを考えるとやはり働き始めてからヨーロッパ旅行に来るのは難しいです。

また、ヨーロッパにいる間と比べると、日本から来るには時間もコストも10倍くらいかかります。ユーロスターなど陸路を使って複数の国を横断するのは時間をふんだんに使える時期でないと難しいでしょう。移動距離が長いと、消費体力が大きくなります。歳をとると使える体力が減り、その埋め合わせをするために高額でハイクオリティな交通手段を使うと、コストも高くなるわけです。

つまり、まさにいま地理的に近いヨーロッパに行っておくことが、人生トータルで見た時に、最小限の投資で最大の経験を得ることにつながるわけです。

ただ、なんらかの理由でそれができなくても、私は別に良いと思っています。それは、本業が学業ということと、絶対にこうであるということはないと考えているからです。また転勤でヨーロッパに来るかもしれないし、出張もあるかもしれないからです。

倹約旅行?豪勢な旅行?

学生としてのヒントを書くとしたので、倹約旅行のヒントをいろいろ書いてもいいのですが、なんでもかんでも安ければ良いというのは違うと思います。そのため、お金を使わない旅行と使う旅行の二つを対比させ、両面を吟味した上で倹約旅行をするならこういうことをすると良いというのを紹介する形にします。

倹約旅行

さて、まずお金を使わない方です。予算が少ないからなのか、貯金したいからなのか、お金を使わない理由は置いておきましょう。

メリット

このスタンスの良いところは、お金を使わないので、旅行の回数そのものを増やせることでしょう。また、自分がバイトなどで稼いだお金だけで行けるというのも良いですね。さらに、あらゆる工夫とリサーチが求められるので、一種のプロジェクト管理を経験することができます。これはそれなりに達成感があります。また、気力と体力もある時期でないと実行は難しいでしょう。

デメリット

デメリットは、リスクが大きいことです。金銭的リスクは逆説的ですが、完璧な人間はいないという前提に基づけば真です。例えば、安い交通手段は定刻通りである信頼度が低かったり、預け荷物は別料金というように料金に含まれない事項があったりします。そのため、余裕を持った行動が重要になり、時間をロスする前提で動かなければなりません。

安全性のリスクとしては主に窃盗が挙げられます。ホステルに泊まると、部屋をシェアすることになりますので、寝ている時などに私物を盗まれる可能性があります。また、会社が人件費にお金をかけていないとなれば、研修がしっかりとなされておらず、雑な運転や対応で安心・安全を脅かすリスクがあります。

豪勢旅行

次に、豪勢な旅行ですが、基本的に倹約旅行であげたような倹約によるデメリットはないと考えて良いでしょう。

メリット

良いことは、様々な経験が安心して効率よくできることに尽きます。高級なレストランで一流の地酒を飲んだりして至福のひとときを過ごせます。素晴らしい顧客対応とフルフラットがある航空機、バスタブとコンチネンタルブレックファスト付きホテルは心の安らぎを与えてくれます。移動時間が「耐える時間」になるのか「休息の時間」になるのかはお金を払うかどうかです。

また、物、サービスの価値を見極める目も養えます。予算のことを考えないで判断を行うので、本当にこの対象に自分の期待する価値があり、相応しい額面であるかを精査することになります。その結果高い買い物をすることになっても、欲しいもの、価値のあるものを買っていますから勿体無いとは感じないわけです。

一人旅?みんなで旅行?

次に、単独か団体かで違いを見ていきましょう。これらの情報が皆さんの意思決定に役立てば良いなと思います。

一人旅

メリット

単独のメリットは圧倒的になんでも自分で決められることです。どこで食べるかを疲れている時に揉めることもないし、どこに行きたいかを話すこともありません。自分の食べたいもの行きたいところやりたいことだけに自分の持つエネルギーとお金を割くことができます。

デメリット

デメリットは、全て自分で調べるのが大変なことです。特にリスクヘッジは自分だけだと気づかないこともあったりします。ですからあまり気が休まらないかもしれません。あとは、1人は少し寂しいかもしれないですね。独身貴族と考えればめちゃくちゃ充実していて楽しいですが。

団体旅行

メリット

団体の圧倒的メリットは一人当たりのリサーチの負担が軽いことです。お互いに情報提供しながら進めていけるので、とても楽です。何かあっても、3人以上いればなんとか解決できることがほとんどです。1人でも解決するしかありませんが、1人と2人とでは精神的な安定度が違いますよね。仮にも何があるかわからない海外にいるわけですから。また、みんなとわいわいおしゃべりしながら時間を過ごせるので、なんでもない移動時間も楽しい旅行の思い出になります。

デメリット

デメリットは、単独旅行の裏返しで、なんでも自分で決めるわけには行きません。

学生向け【ヨーロッパ旅行】旅程の立て方

実際に旅行の予定を立てる時には以下の順番で話を進めるとスムーズです。理由は優先順位付けをするとこうなるからです。ホテルまでは、前もって十分事前に行うことをお勧めします。それ以降は、直前でもできることなので優先順位は低めです。旅行前の時間がある時にできればOKでしょう。

目的は人それぞれ

旅行では、皆お目当てが異なります。それぞれがある程度楽しめるように各人が何を大事だと考えているかしっかりと話しておきましょう。1人なら、何を目的にするか明確にしておきましょう。これが、今後の意思決定において優先順位を決定する軸になります。例えば、観光名所周りをとっても、そこに行ってとりあえずさっさと見ていくのが大事な人もいれば、じっくりと鑑賞、理解したい人もいます。他にも食事やショッピング、会話、様々ですね。

航空券

おおかた一緒に行く人が決まるあるいは行ってやりたいことが決まったら、まずは航空券です。とりあえずこれを抑えれば、行って帰ってくることが確定します。日程調整をして、これを終えればあとは目的も含めて細かいことを詰めていくだけです。1ヶ月前くらいの予約で、オフピークシーズンなら相場は片道40ポンドからくらいでしょう。安いですね。

格安航空(LCC)のeasyJet, Ryanair, Wizz Airはよく利用させていただいています。

宿泊先

Trip.comというアプリを使えば航空券とホテルを一緒に予約できます。個人的にこれはよく使います。Booking.comなども使い勝手が良いです。大手旅行会社に頼めば全てやってくれますが、その分割高ですね。今はもう全てオンラインで自分で予約できるようになっているので、とても安くハイクオリティな旅を設計できると思います。

ホテルには大きく分けて2種類あります。通常の個室ホテルと共同部屋のホステルと呼ばれる宿舎です。友達がヨーロッパにいるならその人の家に泊めてもらうのもできると思いますが……。

ホテル or ホステル

個室ホテルは、一泊1〜3万円程度ですが、ホステルだと部屋、トイレ、シャワーが共同なので一泊3000円程度で済みます。部屋は大体4人から10人でシェアです。外を歩き回って寝るだけならホテルそのものが高級である必要はないので、ホステルでも用を満たすという考え方もあります。

実際何回かお世話になりましたが外回りが充実していると本当に寝るだけなのであまり不便しないです。一人旅行だと寂しさも少し紛れますしね。結構友達っぽい会話もできます。

ただ、素性を知らない人間であることには変わりないので、セキュリティ対策は自分でしっかりとする必要があります。例えば、寝る時はパスポート財布の入った鞄を布団に入れて寝るとか、ロッカーがあるホステルなら南京錠を持参して、あるいは購入して、安全に保管しておくなどです。ロッカーがないホステルもあるので、その場合は荷物をまとめてロックするなどの工夫をすると安心です。

追加料金を払ってでも、バスタブでリラックスしたいと感じるであろうくらい疲れる旅程を立てている場合はホテルにしましょう。リラックスするということにお金を払っているわけですから、お金の無駄ではないでしょう。

また、ホステルでは食事をするところがついていない場合もあることに注意しましょう。さらにど田舎だと外に出ても本当に食べるところがなかったりするので、空港などで事前に購入しておくことが必要です。

交通手段

ここからは割と旅行直前でリサーチしても間に合うところではありますが、ある程度は宿泊先を確保する時に調べていることでしょう。

調べるべきなのは、空港からホテルまでの交通手段と観光先との交通手段です。特に前者は時間帯によって利用できないこともあるので注意しましょう。深夜電車は走っていないことが多いです。電車、空港専用シャトルバス、一般バス、トラムなどが一般的な交通手段です。

乗り方はインターネットで事前に調べることをお勧めします。ヨーロッパの都市だとバス、トラムは日パスを買うことで回れるところが多い印象ですが、国によって制度がかなり違うのでリサーチ必須です。万が一乗れない時も、Uberのアプリをダウンロードしておいて、最大限活用しましょう。割高ではありますが、信頼度利便性共に素晴らしいです。深夜早朝でも来てくれます。

インターネット

渡航先でインターネットが使えることは重要です。見知らぬ土地でその場のリサーチをする機会が多いからです。地図は前もってダウンロードしておけば、GPSでインターネットなしでも現在位置がわかりますが、不便ではあります。

インターネットに接続する方法は三つあります。一つは日本の回線をローミングで使うこと。信頼度が高い分、少量のデータを高額で使うことになります。二つ目はWi-Fiを使うことです。セキュリティリスクが多少あるのと、速度が限られ、使える場所も限られます。三つ目は、eSIMを事前に購入しておくことです。安く、大量のデータを使えるのでもっともお勧めです。

個人的に導入が簡単だと思ったのはAiralo というアプリです。デメリットは処理が複雑かもしれないことです。ITに詳しくない人にお勧めする時は代わりにセットしてあげるのが良いです。ただ、説明は書いてあるので書いてある通りにダウンロードすれば使えるようになります。使えなくても設定条件を変えて試行錯誤すると使えるようになると思います。笑

学生のヨーロッパ旅行で知っておくと得なこと

予約は早めに

航空券、ホテルと英国国内の電車チケットは事前にオンラインで購入したすることができ、1ヶ月前に購入しておけば、10分の1程度の価格に抑えることができます。行く日にちが決まったらその二つはしっかり押さえておきましょう。

Trainlineというアプリで電車を予約すると安いです。

National railwayの遅延に対する補償

National railway(国鉄)は遅延することがあります。遅延時間に応じて補償金が出ます。インターネット検索で補償を請求するサイトが出てきますので、そこから一定額の払い戻しを受けることができます。

チップ

旅行先でレストランに入った時に、チップを支払うことがほとんどです。およそ支払い代金の13%程度が上乗せされて請求されますので、さらに払う必要はありません。レシートにはservice chargeと書いてあります。

ちなみに、このチップは言えばなしにすることもできますが、失礼な印象になるかもしれません。

アメリカだとチップなしでは従業員の生活が成り立たないという話を聞いたことがありますし、チップは文化経済的に重要なものだと思います。

Oyster card(オイスターカード)など

学生の場合16-25 Railcardあるいは18+ Student Oyster photocardに登録すると、3割引になります。活用しましょう。

結局人伝の情報が強い

多くの話は人から人伝で聞いたことが多いです。友達とコミュニケーションをして、良い情報を聞きましょう。このウェブサイトに辿り着いている人は検索も上手なので人と会った時にも良い質問をしていると思いますが。

思わぬ損失を防ぐために

航空券のオンラインチェックイン

格安航空会社の場合は、オンラインでチェックインできることがほとんどです。逆にオンラインでやらないとカウンターでチェックインする時に手数料を取られることがあります。これが高くて、1人1万円です。馬鹿馬鹿しいのでオンラインで済ませましょう。

荷物上限を守る

格安航空会社の場合、荷物制限が厳しめに設定されているところが多いです。チェックされる時とされない時がありますが、上限オーバーしたら多額な追加料金を払う羽目になります。そうならないように事前に上限を確認し、それを超えないようにパッキングしましょう。衣類は圧縮袋に入れるとかなり容量が減りますのでお勧めです。

総括――ヨーロッパ旅行をシミュレーションする

迷いなく旅を進めるには頭とメモでシミュレーションをしておくことが大事です。今まで書いてきたことの半分はこれはどうするのが最善なのだろうという問いを立てることから始まっています。とは言いつつも、どんなに緻密なプランにも予想外のことは起こりえます。

その場所に行ったことがある人に便利な交通手段を聞いておくのが良いです。予想外のことが起こった時は、最終手段としてUberタクシーを使いましょう。高くても確実です。

ここまで読んでくれてありがとうございました。良いヨーロッパライフを過ごしましょう!

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learningはレクチャーのみで勉強する方法です。主にオックスフォード大学とケンブリッジ大学がそれを実施していました。ほとんどの大学がPBLを取り入れていて、統合型授業(PBLとレクチャーの混合)の場合とPBLだけの大学がありました。私が卒業したグラスゴー大学は統合型授業を採用していて、それも選んだ理由の一つでした。 私はそれに加え、あまり大きすぎない大学が良かったのと、当時数少なかった解剖学の授業で実際の人体の解剖ができると言われていた大学だったことを理由にグラスゴー大学を選びました。 グラスゴー大学医学部1、2年目の時間割: 解剖学 グラスゴー大学の医学部は他の理系の学部と別なので入学直後から医学の勉強が始まりました。最初から皮膚の構造について授業がありました。スコットランドに着いたばかりの私にはスコティッシュアクセントが難しく、教授のほぼ全員がグラスゴーの人だったので授業を聞き取るのにも苦労したのを覚えています。 入学したときにもらったgoody bagに入っていたもの 1年目のレクチャーは朝に医学部のホールで行われ、お昼休憩の後は解剖学などラボの時間でした。ホルマリンに漬けられたご遺体がいくつもある部屋に入り、実際にメスを渡されて解剖していきます。週ごとに習っているトピックに合わせて教授の指示に従って解剖していきました。始める前にはご献体くださった方に感謝の気持ちを込めてお祈りをしました。 週2くらいの頻度でPBLがあり、それ以外はレクチャーでした。PBLではレクチャーで習っていることと同じ内容で、患者さんの事例が渡され、担当の先生(教授ではなく医師)を含めてグループでディスカッションを行います。 PBLの授業で先生が描いた膵臓とその周辺の臓器 PBLの他にもVS(Vocational Studies)という授業があり、同じくグループに分かれます。この授業ではコミュニケーション力を上げたり、道徳的な話し合いをしたりする場でした。Breaking bad news(癌の診断報告といった残念な結果の告知の仕方など)や怒りを表す患者さん、そして性病の診断結果の報告など、難しいコミュニケーションの場でどう対応するかを習いました。 先生がまず見本を見せたあとグループ内で話し合います。その後1人ずつカメラのついた部屋に行き、患者役のボランティアさんに対して指定されたやり取りを行います。グループ全員で1人ずつのパフォーマンスを評価します。とても緊張しますが、毎週のようにあったので段々と慣れていき、自信がつきました。 病院実習の始まり 1年目は1ヶ月に1、2回だけ、病院に行ってグループでBedside Teachingがありました。これは実際に入院している患者さんに先生が許可をとり、患者さんの病名を知らない状態でグループごとに質問をし、病名を当てる授業でした。その後その病気について話し合い、学ぶ場でした。やはり最初の方でこれを経験できるのはとても楽しかったです。時々GP(General Practitioner/かかりつけ医)にも行き、GPでよくみられる病気の話や、対処法、そして在宅医療などの勉強もしました。 2年目からは2週間に1回くらいに増え、3年生では週2回ほどありました。 魔の3年目 グラスゴー大学では3年次が一番きついとされていました。最初の15週間は週3回朝から晩までレクチャーを受け、残りの2日は一日病院実習か、GP実習でした。時々レクチャーの時間の代わりにCBL(Case Based Learning)というPBLよりも実習につなげたグループ(私は正直PBLとの違いはあまり感じませんでした)での授業もありました。 その15週間が終わると、とても大きな大事な試験があり、それに合格すると本格的な実習が始まるのでした。 急な臨床実習漬けの毎日 試験合格の翌週から実習が始まりました。数人ごとに病院と科が分けられます。だいたい同じ病棟には1人、多くても2人でした。私は最初にCCU(Coronary Care Unit/冠動脈疾患集中治療室)に割り振られ、病棟に着きましたが私を待っているような人はいませんでした。みんな忙しなく動いている中ぽつんと立ち止まっていると、看護師さんが話しかけてくれました。医学部生だと言うと、「医師はみんなあっち行ってるよー」とだけ言われ、どうしたらいいかわかりませんでした。 そのまま動けないでいると、HCA(Healthcare Assistant)の方が荷物置き場を教えてくれ、荷物を置いて出てくると看護師さんが「もしかして臨床実習初めて?」と察してくれました。そうだと伝えると、医師を一緒に探し、紹介してくれました。 医師からはなんの指示もなく、とりあえず「Follow me」とだけ言われたので、ただひたすら必死について回りました。このように臨床実習では教えてくれそうな医師を捕まえ、同行していいか聞き、医師の仕事を見学します。運が良ければ結構教えてくれる医師もいて、運が悪ければ邪魔扱いされながら1日を過ごしました。 回診の時間には医師と一緒に病室を巡回し、ただよくわからないままついて回りました。決められた授業などがある時は抜けて授業に行き、大学から与えられたチェックリストをこなしていかなければなりませんでした。そのチェックリストには「問診をする」「循環器の身体診察をする」「血圧を測る」「心雑音を聞く」「心筋梗塞の患者さんの話を聞く」などいくつもの項目がありました。 GlasgowにあるQueen Elizabeth University Hospital その科の臨床実習が終わるまでにチェックリストの項目をすべて達成し、その科の医師からサインをいただき、提出することが必須でした。その他にもPhysiotherapist(理学療法士)やOccupational therapist(作業療法士)などの医療従事者について回る日もありました。 一応それぞれの科にEducational Supervisor(教育担当指導医)という実習生担当の先生(医師)がいて、実習が始まった数日後に1回、終わる時に1回ミーティングをします。しかしみんなとても忙しいので記憶にあまりないくらいその2回以外は関わってくれず、ミーティングの時間を確保するのも一苦労でした。最後に出席率や態度、やる気が評価されると“Merit”が与えられました。 3年生は一般内科と一般外科をいくつか回りました。3年目が終わると、Intercalationといって一旦医学部から抜け、他の学士号(提携している科目のみ)を1年で取得することのできるコースもありました。私は残念ながらやりませんでしたが、それで学士号をもう一つ取得することで就職に有利になることもあります。 4年目: 本格的な病院実習へ 4年生になると授業はほぼ病院内で行われるので、キャンパスに行くことはほとんどありませんでした。色々な病院を回るので車がないと不便でした。 コロナの後からできた医学生専用のscrubs(医療用白衣) 更に10週間ずつ一般内科と一般外科を回り、レベルアップしたチェックリストをこなすと同時にPortfolioの提出が必要でした。それには自分が選んだ患者さんのケースレポートと、その病気についての論文らしきものを書きました。 その合間にも授業があり、一般外科と一般内科が終わるとまた試験がありました。それに合格すると他の科の実習が始まりました。 私の代はここでコロナのパンデミックが始まり、一時中断になりました。 5年目と最終試験: OSCEとは 最終学年では最終試験に向けての勉強はもちろんのこと、実習や課題もひたすら出されました。神経内科、形成外科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、産婦人科、小児科、救急科、精神科そしてGPを回りました。それぞれのチェックリスト、そしてレポートは相変わらず必須でした。 それに加え、Prescribing Safety Assessmentという処方するための試験もあり、それにも合格しないと卒業して研修医が始まってから処方だけできないことになるのです。ただしこの試験は当時おそらく年3回くらいチャンスがあり、研修医1年目の終わりまでに合格すればいいとのことでした。 実習の終了から試験までわずか2週間しかなく、実習も毎日5時まである中で勉強するのは大変でした。筆記試験では記述問題と選択問題の2つがありました。それに加え、OSCE(Objective Structured Clinical Examination/客観的臨床能力試験)という臨床試験もありました。 OSCEでは小部屋にそれぞれ試験監督の先生とボランティアの他の学年の学生や役者さん、病院の患者さんのいずれかがいます。受験生は1人ずつ部屋のドアの前に立ち、1回目の笛が鳴るとドアに貼ってあるInstructionを読みます。そこには「あなたは2年目の医者です。患者は38歳の女性、主訴は頭痛。問診をし、CNS examinationをしなさい」などという情報があります。2回目の笛が鳴るとノックをして部屋に入り、自己紹介から始めます。 そこでコミュニケーション力、理解力、知識、そして与えられた項目を正しく実施するかなどで総合得点がつけられます。試験監督がその後質問をしてくることもあります。患者さん役の人があえて難しく反応してくることもあり、対応力を試されます。 このような形式の試験を連続で4つ行い、それが4日間続きました。 この試験もある一定の数を合格しないと卒業できません。毎年多くの学生が落第しますが、筆記は得意でもOSCEのせいで落第してしまった学生も少なくありませんでした。 そのくらい重要でしたので、試験勉強しながらも週末に何人かの友達と集まり、3、4時間かけてお互いに模擬OSCEをして練習しあいました。 イギリスの医学部卒業後と研修医生活 今は変わってしまいましたが、私たちの代は最終試験の前にもう一つ適性検査があり、その結果に応じて研修先の病院が決められました。現在はこの試験は廃止され、研修医の勤務先はランダムになったそうです。しかし、これも不評のため再び変更される可能性もあるようです。 最終試験に無事合格すると6月末に卒業式があり、そこからは正式に自分のことをドクターと呼べます。そして8月の最初の水曜日から与えられた病院で研修医が始まります。最初は仮免許状態で働くのですが、オピオイドの処方ができないなどの小さな制限以外は他のジュニアドクターとほぼ同じでした。 医学部の卒業式典の様子 卒業式 研修医の時にも担当のSupervisorがいて、定期的に業務の経過報告をします。お給料も入り、本格的に医者としての仕事ができ、医学生の時よりも毎日が充実していて楽しかったです。 研修医の間も同じくチェックリストのようなものがあり、しっかりとすべてをこなさないといけませんでした。授業も週1でお昼休みにあったのでその出席や、ケースレポート、先輩医師とのディスカッションなど、仕事の合間を縫って行わなければなりませんでした。CAPSというClinical procedure(臨床手技)のチェックリストもありました。 同期や他の医療従事者からの評価も必要で、それをすべてクリアすると2年目に上がれます。2年目は本免許になるのでできることが少し増え、同様にクリアすると研修医修了書がいただけます。 その後のキャリアは人それぞれで、専門医になったり、いろいろな科を転々としたりするなどさまざまです。最近ではイギリスの医師免許の書き換えだけで行けるオーストラリアに1、2年行く人も増えました。 最後に 医学部の勉強は決して楽ではなく、試験のたびに涙しながら勉強していました。卒業の日を夢見て頑張ってきたからこそ、最終試験に合格した時の気持ちは今も忘れられません。 医者の道を進んで本当に良かったと思いますし、私を育ててくれたグラスゴー大学にも感謝の気持ちでいっぱいです。

数学を「深く考える」イギリスの大学院で数学を学ぶ日本人インタビュー

今回は、Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のMasters(修士課程)で、Mathematics(数学)を履修している岡野くんにインタビューしました。岡野くんとはKing’s College London(キングスカレッジロンドン)のUndergraduate(学士課程)時代に、大学のJapan Society*で知り合い、今はフラットメイトとして一緒に生活しています。 大学時代、僕はLiberal Arts(リベラルアーツ)、いわゆるArts and Humanities(文系)の科目を履修していました。基本的に理系、特に数学には昔から苦手意識があり、岡野くんは自分とは全く違う世界にいる印象を持っていました。しかし、今回インタビューをして実際にどんなことを学び、何を感じているのかを詳しく聞けたことで、数学の実態が少し分かったような気がします。数学をイギリスで勉強することに興味がある方や僕のように文系だけど、数学の魅力を感じてみたい方にとって、この記事が学びの様子を知るきっかけになれば幸いです。 *Japan Society=ソサエティは日本の大学でいうサークルのようなもので、Japan Societyは日本人や日本の文化に興味がある人が交流するコミュニティ イギリスの大学院で学ぶ「数学」という分野 Q:最初に、大学時代、何学部に所属していたか、今は大学院で何を勉強しているか教えてください。 僕はKing’s College LondonでNatural, Mathematical & Engineering Science(自然科学、数学、工学数学)という学部で勉強していました。去年キングスカレッジロンドンを卒業して、今はImperial College LondonのMastersでPure Mathematics(純粋数学)を専攻しています。Pure Mathematicsっていうのは、数学的な構造や法則そのものを探究する分野です。実社会での応用を目的とするのではなく、定義、命題、証明を追究する、いわば数学そのものを考えるための学問です。大学院はより難しい大学でチャレンジして、そこからPhD(博士号)の取得にも繋がりやすそうだと思い、別の大学でMastersをすることにしました。 https://jp.education-moi.com/article-50-imperial Q:大学時代はどのようなことを勉強していましたか? 数学の理論的な部分を中心に、定義や証明、そこから導かれる定理を深く追究していました。King’sは特にGeometry(幾何学 - 図形や空間の性質について研究する数学の分野)に力を入れている大学で、Topology(位相幾何学 - 形の“つながり”や“連続性”に注目する数学)について詳しく学べたことはすごくアドバンテージになったなと思っています。 数学の授業と研究内容 Q:Mathematicsの授業スタイルってどのような感じなんですか? 学部ではLecture(レクチャー - 講義)が中心で、先生が教科書をもとに進めていくスタイルです。加えて、Seminar(セミナー)形式の実践的な授業もあり、そこではPhD(博士課程)の学生と一緒に問題を解きます。特に試験対策になるような応用的な演習が多かったです。 岡野くんの代数学のノート Q:文系の場合、大学のFinal Grade(最終成績)はExam(試験)やCourse work(宿題)、プレゼンテーションだったり色々な課題で測られますが、Mathsの成績採点ってどんな感じなんですか? えーとExamが成績の100%です!辛いです笑。もっと応用的な分野だったら、成績の40%ぐらいをCourse work*が占める場合もあるけど、基本的にはExamが中心ですね。キングスで勉強していた時、最終年には「King’s Project」と呼ばれる研究プロジェクトがありました。自分で設定したテーマを研究する、小論文のようなものです。 *Course work=コースワーク - 宿題のようなもの Q:Mathsのプロジェクトってどんなものを研究するんですか? 大学で僕はWaring’s Problem(ウェアリングの問題)を研究しました。1770年にイギリスの数学者のEdward Waring(エドワード・ウェアリング)という人が提唱して、実際に解かれるまで130年ぐらいかかった問題です。 Q:... ? 一言で言うと、whether every natural number can be expressed as a sum of a fixed number of kth powers of natural numbers, for any integer k≥2. (「すべての自然数は、k乗の数(平方数、立方数、4乗数…)の和で表せるのか?」)という問題です。 Q:はい...? この世の中の自然数って、実は4つ以内の平方数で表せるんです。何かランダムな数字を言ってみて? Q:39! 39は36(6²)+1(1²)+1(1²)+1(1²)で表せます。 じゃあこれが3乗(立方数)になった場合は、どうなるか? 27(33)+8(23)+1+1+1+1で表せる。立方数になると7つ以内で表せます。 じゃあこれ以降は?k乗の数が増えていくとどうなるのか?最大で何個まで足せば、必ずどんな自然数をもk乗の数の合計で表せるようになるのか?そういうことを求める問題です。 Q:なるほど!わかりやすい。これだった自分が中学の数学で勉強したこととかを使ってでもできそう。 そう!特にNumber Theory(数論)の分野って、一見意味がわからないようなことをやっているように思えても、中学や高校で学んだ数学をより高等な技術で再構築している感じなんです。 数学に魅了された理由 Q:数学に興味を持ったきっかけって何だったんですか? Quadratic Formula(2次方程式の解の公式)って覚えてる? Q:こういうやつですよね。 そう。これがなぜそうなるのか、中学校の時に自分で導き出せたことがあったことがきっかけです。(https://sugaku.fun/quadratic-equation5/) 母親が運転する車に乗っている時、ふと自分で証明できました。 Q:すげー! 高校に入ってからも数学の大会に出る機会があって、そこから数学の分野にのめり込んでいった感じです。純粋に数学の問題を解く、証明するのが楽しいっていうのがMathsを追究していきたいと思った大きな理由でした。 イギリスの大学で数学を学ぶ意義 Q:大学でMathematicsを勉強することを決めた上で、なぜイギリスの大学を選んだのですか?イギリスの大学で数学を勉強するメリットってなんだと思いますか? そもそも自分は国外に出て、英語で勉強したいという思いがまずあったからイギリスを選びました。イギリスだとどの大学にも世界的に有名な教授がいたりします。例えばUniversity of Oxford(オックスフォード大学)にはFermat’s Last Theorem(フェルマーの最終定理)を証明したAndrew Wiles(アンドリュー・ワイルズ)教授などのレジェンド級の教授達が在籍しています。 Q:聞いたことある定理!解かれるまでに300年ぐらいかかった問題ですよね。なるほど。先生で大学を選ぶっていうこともあるんですね。文系の学生が大学を決める時にはない感覚かもしれないです。 うーん。自分の興味のある分野を把握して、そこの有名な教授で志望校を決めるみたいなこともあるけど、注意点はあります。先生って色々な大学を転々とするので、自分が入った時とか最終学年とかになって、気になっている先生が大学からいなくなっている場合もあるのでリスキーかもしれない。そこは気をつけないといけないと思います。 イギリスの大学院で数学を学び感じたこと Q:今、大学院に上がってMathsを続けて勉強していて、大学から変わったなと感じる部分はありますか? 単純に内容量やレベルが上がったのはあります。他にも前提知識みたいなものが増えて、授業スピードが上がるので、勉強は大変になりましたね。 Q:同じ学問をKing’s College LondonとImperial College Londonの2校で勉強している中で、大学間でのMathsの授業スタイル・教え方の違いなどは感じましたか? Imperial College Londonの方がより先生がストイックな気がします。短時間の授業で色々なことをカバーするので、スピードがとにかく速い。一方、キングスの先生は優しくて、ゆっくり丁寧に教えてくれたかな。他にもインペリだと、授業以外で数学に触れられる時間がキングスよりも多いです。他の大学との交流会があって、University of Warwick(ウォーリック大学)とお互いに研究内容を発表し合うイベントもありました。 Q:イギリスでの学びを通して、自分の中の価値観や姿勢が変わったと感じる部分はありますか? はい。特に「考えること」に対する姿勢が変わりました。やはり数学って「どう考えるか」「なぜそう考えたのか」というプロセス自体が凄く重視されます。学びを通じて、僕自身も単に答えを求めるのではなく、「問いを立てること」「考え続けること」の重要性に気づくきっかけになりました。同じ志を持った仲間が周りにいると、それだけでモチベーションが上がるし、日々の学習の刺激にもなります。教授のレベルも驚異的だったりします。すごい人は本当にありえないレベルです。どんな質問にも即座に正確に返してくれるんです。そういった本当に頭のいい人たちの中で学べるのは貴重な体験です。多文化環境の中で数学を学ぶことで、様々な価値観に触れ、自分の考え方も広がったなって感じます。 数学を学ぶ上で必要な特質 Q:数学を学ぶことに向いているのはどんな人だと思いますか? 僕は大きく分けて3タイプいると思います。一つ目は数学が好きな人。特に証明や定義、ロジカルな部分に面白みを感じる人。二つ目は数学が得意な人。これは他の分野に特に興味がないけれど、数学の力を何かに応用したいと思っている人です。僕が勉強した分野はPure Mathematics(純粋数学)でしたが、Mathsには他にもBiomathematics*やApplied Mathematics**みたいに色々な分野があります。Mathematicsは大学1年目で、他のNatural Science(自然科学)の分野で習う数学の内容を全部カバーしてくれたりするので、大学後のキャリアに繋げることもできたりします。そもそも論理を組み立てる力っていうのも養うことができますしね。で、最後は暇な人。 *Biomathematics=生物数学 - 生物学的現象を数理モデルや数式を用いて解析・予測する分野**Applied Mathematics=応用数学 - 現実世界の問題を数学的に定式化し、解決に導くことを目的とする分野 Q:笑笑 いや、でも本当に。究極的には、数学って紙と鉛筆と自分の頭だけで無限に楽しめる「最強の暇つぶし」なんです。広大なラボや膨大な量の本もいらないからコストがかからない。でも、その中でフェルマーの最終定理みたいな300年かけても解けない問題がまだ存在したり、Millennium Prize Problems(ミレニアム懸賞問題)という一つの問題に100万ドルの懸賞金がかけられていたりする世界なので、自分で考えて問題に挑戦すること自体が面白いっていうのはありますね。 Q:一緒に暮らしていて気づいたけど、すごい長い時間をかけて宿題とかやってるよね。1ヶ月間ぐらいあった試験期間とかは本当に大変そうなのが伝わってきました。 Mathsに興味ある人って、忍耐力が本当に必要だと思います。僕は一問解くのに3日ぐらいかかったこともあります。逆にそれぐらいかけて、解けなかったこともあります。問題を解いていくというプロセスを根気よくやっていかないと、数学が嫌いになることもあると思います。これだけ忍耐力が必要なのに試験になると、タイムリミットがある中で問題を解かないといけなくなるから、本当に試験が嫌いです。 Q:でも中学で初めて興味を持って、大学を経て大学院でも続けて勉強しているってことは本当にMathsに興味があるってことなんですね。 うん。ただ、試験はゴミです笑笑 Q:じゃあ最後に、好きな数字はなんですか? 2かな。まず2は最小の素数であること。2によって線分が成り立つこともあるし、自乗っていうのもすごく使いやすいのもある。んー、でもCharacteristics of field 2(標数2の体)の時はクソめんどくさいんだよな。でも、結局2なんだよな。 Q:やっぱりよくわかんないわ数学笑笑 文系の僕にとって、数学はずっと“遠い世界”でした。しかし、岡野くんとのインタビューを通じて、その世界が少しだけ近づいた気がします。 「深く考える」「論理を積み重ねる」「わかるまで粘る」。それらは数学に限らず、あらゆる学問や人生にも通じる価値かもしれません。 https://www.imperial.ac.uk/mathematics

マンチェスター大学の寮での食事事情: 毎日のご飯とスペシャルディナーの数々

こんにちは!Midoriです。私は2024年の秋から約1年間、イギリスのThe University of Manchester(マンチェスター大学)に交換留学しました。留学中は大学の寮に住み、そこでの生活が良いことも悪いことも印象に残りました。今回はそんな思い出深い寮生活の食事をご紹介します。 マンチェスター大学の伝統ある寮「St Anselm Hall」 まずは軽く寮を紹介します。私が入ったのはSt Anselm Hallという大学から歩いて約30分のところにある寮です。100年以上の歴史があり、伝統的なイギリスの寮です。 住民は学部生と大学院生合わせて約130人ですが、学部1年生と留学生が多いように感じました。学部も出身もさまざまで、非常に多様性が高い環境でした。 マンチェスター大学 - St Anselm Hallの部屋 部屋は全部一人部屋で、かなり広かったです。独立洗面台、本棚、机、椅子、クローゼット、ベッドが備え付けられていました。初めて部屋を見た時はあまりの広さと収納の多さにびっくりしました。 トイレ、シャワーとキッチンは共用で、全部のフロアにありました。洗濯機と乾燥機は寮全体でそれぞれ3つしかなく、寮の玄関付近の洗濯部屋にありました。 寮にはさまざまな施設が併設されていて、中でもDining hall(食堂)は毎日行く場所でした。 マンチェスター大学: 寮の食事システムとは? 食事付の寮だったため、食堂には毎日行ってご飯を食べました。平日は朝食と夕食、週末はブランチがあり、日曜日は早めの夕食もありました。 食事時間 朝食は7時半~9時半、夕食は17時15分~19時15分でした。ブランチは11時半~13時で、日曜日の夕食は17時~18時半でした。こうやってみると、朝食とブランチの時間は妥当なのに、夕食が異常に早いのが分かります。 最初の頃は夕食が早すぎて慣れず、あまり食べられなかったのですが、一日中研究室にこもってから帰る生活が始まるとお腹ペコペコなのでたくさん食べました。寝る前にお腹がまた空いてお菓子を食べてしまうことに変わりなかったのですが……。 食堂の雰囲気 食堂には長いテーブルが4つあります。普通の座席としての3つは並列で、それに対して偉い人が座るTop tableは奥にありました。Top tableはハリーポッターに出てくるダンブルドア先生たちが座るところみたいな感じで、他の3列のテーブルと垂直になっています。 初期の頃は毎回違う人と一緒におしゃべりしながら食事を取っていましたが、数週間経つと一緒に食べるメンバーが固定してきます。しかもその傾向はかなり顕著で、ざっくりヨーロッパ出身者、南アジア出身者、東アジア出身者、ミックスの具合でグループが分かれました。もちろんそこの出身者だけというわけではなく、多少の混ざり合いはあります。 しかしやはり出身地が近い人と話が合いやすいので、どうしても似た者同士で集まってしまいますね。私もいつも中国人や香港人、ミャンマー人などと一緒に食べていました。たまにヨーロッパ出身者集団に混ざることもあり、またある時は仲良いインド人と食べていました。 食事の時間は寮生活の楽しみの一つでした。食堂に行くと必ず誰かいるという安心感があります。また、住民たちと毎日会うので、お互いの生存確認というか、元気かどうかを直接確認できるのもよかったです。 朝食の時はその日の予定や昨晩の出来事を話すことが多く、夕食では日中の出来事を共有することがほとんどです。そのようなたわいもない会話こそ大事で、今になってはかけがえのない日常だったなと感じます。 マンチェスター大学の寮で出される食事メニュー 夕食: 日替わりメニュー ところで食堂ではどのようなご飯が出るのか気になりますよね。皆さんご想像の通り、まずいイギリス料理です。 夕食のメインは毎日異なります。チキンカレー、チキンパイ、Schnitzel(シュニッツェル)、ラムステーキなどがありました。誰でも食べられるようにするため、夕食に限らず全てのメニューに必ずハラルとビーガン用のものがありました。 マンチェスター大学の寮での食事事情 - とある日の夜ご飯 サイドはほぼ毎日同じものがあります。それはズバリChipsですね。その他にはジャケットポテト、グリーンピース、ご飯、丸ごとトウモロコシ、野菜ミックスなどです。 その他、サラダバーとドリンクバー、デザートがありました。メインとサイドは食堂スタッフに欲しいものを伝えて取ってもらいます。それ以外は自由に取ることができ、いくらお代わりしてもいいことになっていました。 朝食: 典型的なEnglish Breakfast 朝ご飯は毎日同じメニューです。多くの人が想像するEnglish Breakfastです。 トマト、豆、ソーセージ、ベーコン、目玉焼き、マッシュルーム、ベーグル、ハッシュドポテト、クロワッサンなどから欲しいものをスタッフに伝え、取ってもらいます。 マンチェスター大学の寮での食事事情 - 毎日同じメニューの朝ご飯 私は食べ物に加えて必ず紅茶を飲んでいました。紅茶は小学生の頃から毎朝飲んでいて、その習慣は今でも続いています。普通の紅茶(English Breakfast Tea)を飲むときもあれば、Earl Grey Teaも好きです。どちらも美味しいですね。 朝ご飯は昔からガッツリ食べるほうだったため、このボリューミーな朝食はいつも問題なく完食しました。一方でそういう習慣がない人はソーセージ1つだけだったり、目玉焼きしか取らなかったりと、少食な人もそこそこいました。 デザートは朝も夜もあります。ヨーグルト、ゼリーは常に置いてありました。夜になるとそこにケーキが加わります。そのケーキはとても甘く、いつも「カロリーやばそうだな」と思いながら食べています。 月曜日のスペシャル: フォーマルディナー 月曜日の夜だけフォーマルディナーという特別な夕食会が行われます。普段と違って、食事は18時半スタートで、全員一斉に食べ始めます。 マンチェスター大学の寮のフォーマルディナー(https://www.stanselmhall.co.uk/catering) 18時25分ごろに食堂のドアが開き、食堂の外で待っていた学生たちが中に入り、入った順に着席します。18時半になるとTop tableにいる寮の委員会が連絡事項をアナウンスします。それが終わると入り口から一番近い人がデカいスプーンを木の板に3回力強く叩き、偉い方々が入場します。 その偉い方がTop tableに着いて、お祈りの言葉を述べると夕食会が始まります。 フォーマルディナーのメニュー 食べ物はあらかじめ各テーブルに大きい皿に用意されていて、それを自分たちの皿に取ります。夕食会のメニューは毎週ほぼ同じです。メインは必ずチキンカレーが出ました。サイドは大体Chipsとブロッコリー、ニンジン、ご飯などです。 飲み物は一升瓶より一回り小さい瓶に入っている水かピンク色のジュース(?)です。どの飲み物が自分の座ったテーブルに置いてあるのかは完全に運です。ちなみにピンク色の飲み物はとても甘く、いかにも人工的に作った甘さという感じだったので私は好きじゃなかったです。 時間と戦いながら交流を深める機会 食事時間は決まっていて、開始してから30分後くらいになると食堂スタッフが片付けを始めます。私は食べるのが遅いためいつも必死でした。 毎回決まって端っこの席から順番に片づけられるため、自分の席がそこから遠ければ遠いほど時間稼ぎになります。席はほぼ運で決まりますが、自分にとってかなりの「死活問題」なのでどこの席になるかは大事でした笑。 速く食べたい一方で寮の全員と同じ時間に一緒に座って食べるのはフォーマルディナーしかないため、交流する貴重な時間でもありました。特に先ほども触れたように、席順はランダム同然であるため、普段全く話さない人と同じテーブルになることがよくあります。そのため交友の輪を広げる絶好のチャンスなのです。 方や急いで食べなければいけない焦りがあり、もう一方でほかの人とおしゃべりしたい気持ちもあり……。いつも葛藤しながら過ごしていました。 食事が片づけられると、デザートの時間です。ドーナッツ、ケーキ、ビスケットが週ごとに代わる代わる提供されました。 19時15分になると食事時間は終了し、再びお祈りをしてから食堂を退出します。出た先にはお茶とコーヒーが用意されていて、私はいつもそこで緑茶か紅茶を飲みます。デザートが甘くて重いためそれを緩和するという意味もあります。 フォーマルディナーの格好 フォーマルディナーは文字通りフォーマルだけあって、皆正装で来ます。また黒いガウンの貸出しがあり、借りた人はガウンを羽織り、ハリーポッター気分を味わいながら夕食会に出席します。この100年以上続いた伝統的な夕食会は寮の中でも重要なイベントであり、厳正に行われます。 ……と思いきや正装で来るのは最初の数回だけで、そういう人は段々減っていき、ある時からみんな普段着で来るようになりました。このギャップが面白かったです。初回は全員気合を入れ、男子はスーツ、女子はドレスを着ていて、とても華やかでした。 マンチェスター大学の寮のフォーマルディナー(https://www.stanselmhall.co.uk/catering) 2回目は一部正装の人がいましたが、ほとんどが普段着で、Tシャツの人もいました。ガウンを持っている人はそれを羽織っていました。厳粛そうに見えるディナーにも面倒という理由で意外と適当に服装を済ませるのが海外らしさを感じます。私は3回目から普段着にガウンを羽織って行くようになりました。 マンチェスター大学の寮で味わう特別な日のディナー 異文化の祝日 マンチェスター大学にはさまざまなバックグラウンドを持った学生が集まるため、各々が祝う行事も異なります。一部の祝日に合わせ、食堂ではスペシャルメニューが出されます。 マンチェスター大学の寮での食事事情 - 旧正月(春節)に合わせて提供された中華料理 例えば旧正月(春節)の際には中華料理、ディワリの時はインド料理といった具合ですね。ハロウィンの時やクリスマス、イースターの時期には食堂内で装飾が施されていて、ちょっとした非日常を味わうことができました。 Pancake Day(パンケーキデー) 毎年イースターの40日前はShrove Tuesdayというパンケーキを食べる日です。寮の食堂ではパンケーキ単体といろいろなトッピングとシロップが用意され、学生が好きな組み合わせでパンケーキを自作できます。 マンチェスター大学の寮での食事事情 - 自分でトッピングをしたパンケーキ そして食後にはpancake race(パンケーキレース)が行われます。4人グループがリレー形式でフライパンに載せたパンケーキをひっくり返しながら定められたコースを走り、時間を競う試合です。一番速く全員が走り終えたグループの勝ちです。 このパンケーキレースは大変盛り上がります。学生チーム以外に食堂スタッフチームも参加し、激戦が繰り広げられました。試合中には声援が飛び交い、見ていてとても楽しいです。そしてスタッフチームはとても速くて、毎年優勝しているみたいです。 クリスマスディナー また、クリスマスの時はクリスマスディナーがあります。フォーマルディナーのクリスマス版みたいな感じです。ほとんどの人はこのディナーにスーツやドレス、はたまたクリスマスにふさわしい華やかな服装で出席しました。食事も普段と比べ物にならないくらい豪華で、ワインまで振舞われました。 マンチェスター大学の寮での食事事情 - クリスマスディナーの日に装飾された食堂 Easter Ball イースター前後あるいは年度末になると学部単位やSociety(サークル)単位でBall(舞踏会)が開催されます。私の寮も例外ではなく、5月上旬に食堂で開催されました。この時はフォーマルディナーやクリスマスディナー同様、みんな礼服で参加します。外部のBallの参加費は1万円を優に超えますが、寮内のBallは無料でしたのでとてもありがたかったです。 マンチェスター大学 - 寮のEaster Ballのお知らせポスター また、開催は5月上旬ということで、18時半でも外はお昼と同じくらい明るいためあまりディナー感はなかったですが……。 最後に 以上が私の暮らしていた寮での食事と行事のディナー事情でした。日本に住んでいた時の大学の宿舎は食事付きではないためどれもなかなか体験できないことでした。 https://passporter-media.com/articles/42/ https://jp.education-moi.com/article-62-manchester

芸術の夢を追い渡英:マンチェスター大学生の授業や暮らしの実態

Rickyさん 幼稚園から高校まで日本でインターナショナルスクールに通ったのち、2023年にイギリスのThe University of Manchester(マンチェスター大学)に進学。専攻は演劇と映画研究。趣味は音楽、作詞作曲で、仲間とバンドを組んで活動している。 マンチェスター大学の専攻「Drama and Film Studies(演劇と映画研究)」 専攻について教えてください。 マンチェスター大学のSchool of Arts, Languages and Culturesに所属していて、その中のDrama and Film Studiesというコースで2つの分野を専攻しています。 Drama Studiesでは、舞台や演劇、音楽ライブなどの生のパフォーマンス全般について学んでいます。例えば出演者側は何を伝えようとしてパフォーマンスをしているのか、どういう工夫をしてメッセージを伝えているのか、あるいは観客がそのパフォーマンスを見て、出演者が伝えたい意味をどう受け取るのかなどについて考えます。 Film Studiesで扱う対象はDrama Studiesと対照的で、映画やテレビ、カメラワーク全般について学びます。例えばアメリカとイギリスの映画の歴史を比較したり、世界中の映画がこれまでどのような進化を遂げ、発展してきたのかを調べたりしています。さらに、映画は社会問題を映し出す手段になることがあり、デモの1つの形として表現されます。それだけでなく、映画界では人種差別やマイノリティ差別といった問題があります。そのような社会学的な観点からも勉強します。 この専攻を選んだ理由は何ですか? 父が映画好きで、昔からよくリビングで映画を鑑賞していたので自分も一緒に観ていました。その影響で映画製作や俳優に興味を持ち、その業界に関わることが小さい頃からの夢でした。 どういう授業がありますか? 授業はlecture(講義)、seminar(セミナー)、screening(スクリーニング)、workshop(ワークショップ)の4種類があります。講義では映画や舞台の理論的なことを学びます。スクリーニングでは、毎回映画を1本観ます。観る映画は講義の内容に関連するものです。その後のセミナーでは2時間かけて講義で学んだ内容とスクリーニングで観た映画を結び付けながら分析やディスカッションをします。 ワークショップは講義寄りのものと実用的な内容のものがあり、内容はいろいろあります。将来俳優になることも視野に入れているので、演技について勉強できるものを選びました。その他には講義に近い形でアメリカの舞台を分析する内容のものも履修しました。 秋晴れのキャンパス 授業の課題はそこまで大変じゃないですね。課題の一つに「映画を観る」というのが毎週出されます。映画は毎週2本観ることになっていて、1本は授業で、もう1本は宿題として各自で観ます。 その他でいうと、リーディングの課題が結構多いです。3時間ほどかけないと読み終わらない超長い理論系のエッセイを読むというのがあります。音楽に理論があるのと同様に、映画や舞台にも理論があります。それに関するものを読んで勉強します。例えばアメリカでは過去に男性を優位に見せるように作られた映画がたくさんありましたが、最近はどうなっているのか、映画業界はどうやってそういうことをなくしているのか、などについての理論ですね。 マンチェスター大学の日本人会とバンド活動 授業以外の活動は何かしていますか? マンチェスター大学の日本人会「Manchester Japan Society(MJS)」に所属していて、週に1回、10~20人ほどの外国人学生に日本語を教えています。受講者のレベルに応じて「初級」「中級」「上級」の3つに分けられています。自分は日本語がそれほど得意ではないので「初級」を担当しています。受講者は日本語初心者で、一番基本的なところから教えています。 この活動を通してもっといろいろな人に日本語を知ってもらいたいです。また、教えることは自分の日本語力向上にもつながり、ウィンウィンの関係にあると思います。 MJSではこの他、2週間に1回「パブソーシャル」を開催していて、メンバー・非メンバー関係なく誰でも参加できます。そのイベントは大学の近くのパブで開催され、日本人学生だけでなく、日本に興味がある学生もたくさん集まり、毎回大盛り上がりを見せます。新しい人と話したり、日本人と交流したりすることでホームシックを解消しています。 今年は一般メンバーですが、来年度からは幹部になって運営に携わりたいと考えています。 日本語講師以外は? 小さい頃からずっと趣味で音楽をやっていました。家族が音楽好きです。そのため、車の中でいろんなジャンルの曲が流れているなど、音楽に囲まれながら育ちました。2人の兄は楽器をやっていて、その影響も強く受けました。トランペットやサックス、ギターなど楽器7種類を演奏できます。 仲間と音楽に打ち込む日々 大学で意気投合する仲間を見つけて、バンドを組んで日々の練習に熱中しています。既に存在する曲を練習する一方で、バンド用に自分でも作曲します。また、自分より楽器演奏が上手な友人にコーチングを受けることもあります。 イギリス留学の光と影: マンチェスターでの生活のリアル マンチェスター大学は学生寮が充実していますが、寮で暮らしていますか? 去年は大学が提供しているHulme Hallという寮に暮らしていました。そこはキッチン、トイレとシャワーが共用でした。自分と同じ衛生観念を持つ住民があまりいなくて、居心地よくなかったですね。例えば使用した食器をすぐに洗わないで数日放置し、ハエが発生することがよくありました。また、棟ごとに当たり外れがあって、比較的新しい棟の部屋だときれいだけど、古い棟はネズミが現れます。 そういう生活に嫌気を指し、今年度からは3人の友人と合同で一軒家を借り、仲良く暮らしています。ただ、不動産会社の対応がひどいです。前の人が退居してから掃除などせずにそのまま渡されました。排水溝が詰まっていたり、ゴミ箱が壊れたりと、入居当初から本来やらなくていいはずのことに頭を抱えていました。 これから物件を借りる人へのアドバイスとして、内見は必ず現地に足を運んで自分の目で確かめることです。ウェブサイトに載っている写真はきれいに見せたり、不都合な部分を写さなかったり、部屋が広く見える角度から撮影されたりしているので、信用しないほうがいいです。 普段の食事はどうしていますか? 昨年度は寮で食事が出たので、それほど自炊はせずに済みました。今年度からは自分で食事を準備しないといけないです。クックパッドのレシピやユーチューブの動画を見て作り方を習っています。また、毎日調理する手間がなくていいように、作り置きもします。 自分で作ったマカロニチーズ 今日もハンバーグを5食分作り、お腹が空いた時や明日以降の飯として、電子レンジで温めるだけで食べられるようにしました。外食はたまにしますが、やはり値段が高いので控えています。それに、自炊したほうがファストフードなどを食べるより健康にいいと思います。 イギリス生活が2年目に突入して、どうですか? 渡英してから初めて一人暮らしをし、自分はそれまでどれだけ恵まれた環境にいたのかを実感しました。料理や洗濯などは来たばかりの頃は全くできなくて、少しずつ学んで徐々にできるようになりました。留学は学問を究めるだけでなく、生活スキルを磨く期間でもあると感じました。 最近の悩みはクリーニング屋さんを見つけられないことです。ロンドンに行った時は靴専門のクリーニング屋さんを見かけたのですが、マンチェスターにはそれらしきものはなく、調べたらデリバリー制のクリーニングしかないみたいです。自分で専用の袋を買い、そこにクリーニングに出したい服を入れて、配達を依頼すると自宅までクリーニング会社の人が服を取りに来るシステムのようです。日本みたいに、クリーニング屋さんの店舗に服を持っていくのとは違って、戸惑っています。 イギリスに来てからの生活で、困ったことはありますか? 去年食中毒になって救急車で搬送されました。その後、病院で10時間ほど待たされ、結局痛み止めだけ渡されて帰宅しました。待っている間が一番つらくて、診察を受けて薬を渡されたことには既に症状は緩和しましたね。イギリスの国民保健サービス「National Health Service(NHS)」で受診して、無料なのはありがたいのですが、とにかく待ち時間が長いです。 これに関連する話をしますと、インフルエンザにかかっても薬をもらえない場合があると聞きました。そのため薬は日本でそろえたほうがいいですね。留学前に痛み止めや抗ウイルス薬、風邪薬、解熱剤など、一通り持ってくると安心です。 マンチェスターという街に住んだ感想 マンチェスター市はどういう街ですか? とても暮らしやすい場所だと思います。人々はフレンドリーですし、さまざまな地域から来る人がいるため、多様性が高いです。ロンドンは確かにマンチェスターより発展していて、便利で繁栄しているのですが、個人的には人が多すぎて住みたいと思えない環境です。 ちょっとエモいマンチェスター市の風景 ただ、マンチェスター市は寒いですね。もうちょっとヒートテックを持ってくればよかったと常々後悔しています。 イギリス留学までの道のり そもそもなぜ留学しようと思ったのですか? 小さい頃から留学するのが夢だったこともあり、自分がやりたい芸術系の勉強はどちらかというと海外のほうが有名でしたので、留学は必然的な感じでした。映画関係の勉強というとハリウッドがあるアメリカのロサンゼルス(LA)が一番名門です。しかしアメリカの学費が高すぎてびっくりし、とても志望できないと思い、目標をアメリカの次に芸術分野が有名なイギリスにしました。 留学するまでにやったことを教えてください。 インターナショナルスクールを6月に卒業して、9月に渡英して入学したという流れです。その1年前の11月にUCASでの出願が終わり、2月に合格をもらいました。UCASでは5つの大学に願書を出しました。必要だった書類はPersonal Statement(志望理由書)、Reference(推薦状)、成績です。 自分が通っていたインターナショナルスクールでは、出願するにあたり必要な準備を教えてくれる授業があったので、そこまで苦労したり戸惑ったりしなかったです。その他、留学準備や学校選定のためにやったこととしては学校の先生から個別にエッセイの書き方を教わったり添削を受けたりしました。あとはオンラインで各大学の担当者と面談して情報収集していましたね。 マンチェスター大学に留学して広がった世界 留学を通して気づいたこと、学んだことはありますか? 人として成長したと実感しました。また、マンチェスターだけでなく、近隣の地域やヨーロッパに行ったり、異なる文化背景で育った人と交流したりすることができます。それを通じて、人生のあり方は本当にいろいろで、自分が好きなように自由自在に生きたいと思えるようになりました。 元々インターナショナルスクールに通っていたので、他の学校と比べると関わっている人の多様性が高いのですが、マンチェスターに来てからはさらにいろいろな人がいて、彼らと話し、日々が勉強になります。 将来の道は未定だが、選択の幅は広い 卒業後は何をしますか? 卒業後のことははっきり決まっていないです。修士課程に進むかもしれませんし、イギリスかアメリカでオーディションを受け、成功したら俳優への道を進むかもしれません。一方で、日本に戻って音楽仲間と一緒に音楽の道を切り開くのも選択肢の1つです。 いずれにせよ、大学で学んだことや課外活動の経験を生かし、音楽関係、もしくはドラマ・映画製作に携わりたいと考えています。どれもうまくいかなかった場合に備え、音楽や映画以外で興味がある心理学のAP(アドバンスト・プレースメント)をとりましたので、それを生かしたいと思います。 https://jp.education-moi.com/article-62-manchester

LSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)現役生|英語との出会い〜イギリス留学まで

こんにちは。ロンドンにあるLSE(London School of Economics and Political Science)に通う大学1年生のRunaです。日本の中学校とイギリスのボーディングスクール(全寮制学校)を卒業し、現在に至ります。  英語に出会って、留学をしてから私の人生がガラリと変わりました。イギリスで何を学び、何を感じ、何が変わったのか。そんなことをこれからお話ししていけたらいいなと思います。  カナダで短期留学: 他国の生徒の英語力に圧倒され 中学2年生の時に初めてカナダのサマースクールに2週間参加しました。勉強がメインのプログラムで、英語だけでなくカナダの歴史なども学びしました。英語がほとんど喋れなかった私は他の国からの留学生とカタコトで喋るのが精一杯でした。 そこで目の当たりにしたのは英語がものすごくできる留学生たち。同じ年齢でも、みんな流暢に英語を話します。自己主張も強く、授業中にみんな手を挙げて発言していました。同じアジア人で母国語は英語ではないにもかかわらず、同世代の子たちがコミュニケーションを取れている!と驚きました。  この時、英語は違う文化で育ってきた人を繋いでくれるんだと気づき、「もっと英語が上手くなりたい」「もっと話せるようになって他の文化や国について知りたい」と決意しました。 高校からの留学を決意した理由と海外への憧れ サマースクールをきっかけに、他の外国人留学生に感化され、それまで以上に海外への憧れを抱くようになりました。小学生の頃から周りの友達が単身で海外へ行き、帰ってくるたびにネイティブのように英語を喋っていました。そういう姿を見て、私も将来は留学したいと思っていたのですが、実際に短期留学をしてから初めて本格的に留学を決意しました。 義務教育までは日本で受けてほしいと親から言われていたので、中学校は日本でした。でも自分の中では一刻も早く行きたかったので中学卒業時に高校留学を決めました。憧れと思いつきから始まった高校からの留学でしたが、親と何度も話し合いを重ね、理解と応援を得ることができました。そして、ようやく留学への気持ちが固まり、一つずつ準備を進めていきました。 イギリスという国に留学先を決定  アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなど、英語圏の国を中心に留学先を考え始めました。イギリスに決定した理由は、  ボーディングスクール(全寮制学校)の数が他の国と比べて圧倒的に多い  国自体の歴史が古く、伝統がある バレエやミュージカルなどの文化が根強く、私の好きなことが生活の中にある  ブリティッシュイングリッシュのアクセントがかっこいい  治安が比較的良い  日本人留学生が他の国に比べて少ない  美術館やお城など、歴史的建物が点在していて、日本では見られないような光景が広がっている  という憧れがあるからでした。  通っていたボーディングスクールの校舎 ボーディングスクールでGCSEとA-levelを修了 GCSEとA-Levelの4年間、イギリスの地方にあるボーディングスクールに通いました。A-levelでは別の学校に通ったので1回6th formを受験しました。詳しい受験プロセスは別の回で紹介したいと思います。  寮生活した高校時代は人生でまた二度と体験のできない、とても充実した濃い時間でした。一番成長できた日々でもあり一番辛かった日々です。  通っていたボーディングスクールの校門 https://jp.education-moi.com/boarding-schools/uk#a-level LSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)経済・経営の学びとロンドン生活 ボーディングスクールを卒業後、ロンドンにあるLondon School of Economics and Political Science(LSE)に進学しました。現在は大学1年生として経済と経営を学んでいます。大学生活はボーディングスクール時代とはまったく異なります。入学から1年が経った今振り返ってみると、本当に学びの多い1年間でした。 ボーディングスクールとの一番の違いは、すべてのことが自分次第であるという点です。スケジュール管理、課外活動への参加、宿題の量やタイミング、私生活と学業のバランスなど、どれも自分から動かなければ何も始まりません。誰も代わりにやってくれない、というのが大学生活の現実です。  特に誘惑の多いロンドンという街で、すべてが自己責任という環境は多くの気づきを与えてくれました。  ロンドンの大学生として見る日常生活の光景 以上、私の高校留学から大学までの経緯をまとめてみました。これからそれぞれを深掘りして書いていけたらいいなと思います。  https://www.lse.ac.uk

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イギリスのNHS利用|留学生が知っておきたい医療サービス

イギリスの病院に行くとき、多くの人はNHS(エヌ・エイチ・エス National Health Service)という公共の医療制度を利用しています。留学生もビザ申請時に健康保険付加料(IHS)を支払えば、NHS提携の公立病院を受診できます。ですが、NHSをうまく活用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があるんです。 この記事では、留学前に知っておきたいNHSの基本的な使い方や、ビザ申請時に支払うIHSについて、さらに病院やGP(かかりつけ医 General Practitioner)の違い、実際に病気になったときの流れまでわかりやすく解説します。 Haruna これまでに何度もイギリスの病院を利用している現地在住者が解説します!どんな流れで医療サービスが受けられるのか、ぜひ参考にしてみてくださいね。 イギリスのNHSって何?医療制度の基本 はじめに、イギリスの公的医療制度「NHS」の仕組みや利用方法についてわかりやすく解説します。 NHS(National Health Service)の概要 1948年にスタートしたイギリスのNHS(National Health Service)は公的な医療制度です。特徴は、多くの医療サービスが無料だったり、もしくは低料金で受けられること。留学生ももちろん対象。ビザ申請時にIHS(健康保険付加料)を支払うことで、NHSのサービスを使えます。 一部は自己負担になる場合もありますが、一般診療、救急医療、入院治療、妊産婦ケアなど幅広いサービスが無料です。 IHS(Immigration Health Surcharge)について イギリスに6か月以上滞在する留学生は、ビザ申請時に「IHS(Immigration Health Surcharge)」を支払っておくことで、ビザの開始日からNHSの医療をイギリス住民と同じように利用できるようになります。料金はビザの有効期間によります。 ビザの期間ごとのIHS料金 ビザの期間料金 ポンド/円6か月以下なし(申請がイギリス国内の場合は£388 / 約73,720円必要)6か月超〜1年未満£776 / 約147,440円 (1年分)1年£776 / 約147,440円1年超〜1年6か月以下£1,164 / 約221,160円 (1年半分)1年6か月超〜2年未満£1,552 / 約294,880円 (2年間分)2年£1,552 / 約294,880円 参考 https://www.gov.uk/healthcare-immigration-application/how-much-pay ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。IHS支払い時には最新の情報を必ずご確認ください。 オンライン上でビザ申請時にコースの開始日と終了日を入力し、デビットカードかクレジットカードで支払います。もしも支払いを忘れたり、金額が足りていないと UK Visas and Immigration(UKVI)からメールで知らされます。指定期間内に全額を支払わない場合はビザの申請が却下されてしまいます。 病院とかかりつけ医の違い(Hospital と GP) 日本では、自分の症状をベースに専門医を選んで直接病院に行くことが多いですよね。しかし、イギリスではまずかかりつけ医であるGP(General Practitioner)を訪問し、そこから病院(Hospital)の専門医を紹介してもらう流れです。 病院の外来は基本的に紹介制で、専門的な検査や手術、入院治療が必要な場合に利用します。救急(Accident and Emergency)でなければ、基本的にはGP→病院の流れが一般的です。 GPで相談できること GPは地域の診療所、かつ最初に相談する窓口で、必要に応じて病院や専門医を紹介してくれます。風邪や体調不良、慢性的な症状など病気や健康全般について相談でき、処方箋も出してくれます。 GPで診てもらい検査に進む場合は、その結果が出てから精密検査や追加診療で専門医のいる病院に紹介されるケースが多いです。診察は対面のときもあれば、GPに行かずに電話で遠隔診療する場合もあります。 閑静な住宅地にひっそりとたたずむGP 渡英後はまず「GP登録」から始めよう イギリスに到着したら、なるべく早めに「GP(かかりつけ医)」への登録をしましょう。登録のタイミングや方法をここからお伝えします。 登録のタイミングと方法 GPの登録方法は、直接GPに行くかオンラインのどちらかです。大学によってはキャンパスに近いGPを紹介しているので、スタッフに尋ねてみましょう。 GPの登録方法 ①GPを探す NHSの公式サイト「Find a GP(GPを探す)」から、新規登録者を受け入れているか、受付時間、利用者の口コミを確認できます。自宅から近く便利なGPに登録する人が多い傾向にあります。 ②登録フォームに入力/記入する 登録フォームは、各GPのウェブサイト、NHSアプリから入手できます。GPで渡される用紙も可能です。 【登録に必要な情報】 氏名 住所 生年月日 学生ビザ証明の共有コード(Share Code) 連絡先(緊急連絡先も含む) 現在の健康状態・病歴 アレルギーの有無 服用中の薬 など 身分証明や住所証明についてはGPによります。地域内の住民のみを受け入れているGPへの登録には、住所証明を用意した方が無難です。また、なかには新規の登録者を受け入れていないGPも。 もしも、留学中に住所が変わる場合はGPへ報告しましょう。NHSの予約に関することや検査結果などが郵便で送られてくることがあります。引っ越し先が登録中のGPの地域外でも、新居に近い新しいGPに移ることができます。 GPの予約方法・診察の流れ 診察は予約制です。コロナのパンデミックを経て、多くのGPでは感染拡大を避けるために、予約をしてからGPへ来てもらう形を取っています。予約方法は、電話、もしくはオンラインです。電話予約はすぐにつながらず、かなり待たされる場合も。オンライン予約を実施しているGPでは、NHSアプリや各GPの予約サイトからリクエストできます。 私が登録しているGPの場合は、GPの予約システムからメッセージ形式で問い合わせをし、少し待ったあとにメッセージや電話で返信があります。問い合わせ内容によっては、看護師や医師と遠隔で会話し、そこで診察が終わる場合もあります。もしくは対面での予約日を決めていきます。 オンラインのいいところは、問い合わせ内容を細かくテキストで伝えられるところです。電話での会話では医療専門用語がすぐに出てこず、詳細をすべて伝えきれないことも。オンラインで履歴を確認できるため、あとで詳細を振り返るのにとても便利です。近年どんどんオンライン化が進み、以前よりサービスの手軽さが上がったと感じています。 夜間や土曜日に予約が取れることもあり、大学のスケジュールに合わせて利用できるのは留学生にとってもうれしいですね。 実際に病気になったら?病院の使い方ステップ 実際に体調を崩したとき、どうすればいいのか不安に感じる方も多いかもしれません。ここでは、症状が出てから病院で診てもらうまでの流れや、緊急時の対応まで、具体的なステップをわかりやすく解説します。いざというときの参考にしてくださいね。 【NHS利用】症状が出てから病院へ行くまで ここでは、GPや病院などNHSを利用するフローの例をご紹介します。長年NHSを利用しているなかで遭遇した、よくあるパターンをシェアさせていただきますね。 NHS利用の流れ 問い合わせ(電話、オンライン) 問診(GP、電話、ビデオ通話) 必要に応じて診察や血液検査や尿検査などの実施(処方箋のみの場合もあり) 検査結果を聞く(GPか電話の場合が多い) 治療が必要な場合は処方箋をもらう or 病院紹介 【病院紹介の場合】 病院での診察予約に関する手紙が届く(病院が指定する予約日時の記載あり) 指定された予約内容を変更したい場合は病院に電話 予約日時の希望を伝え、確定 病院で診察・検査 GPで結果を聞く(病院の検査結果がGPに送られる場合) ※追加で検査を実施する場合は医師から連絡があり、新しい予約日時を相談する流れになります。 病院はGPと違って、多くの専門科が揃っており規模が大きいです。施設が広いため、初めて訪れる場合は指定の場所を見つけるのが難しいことも。予約時間の前に早めに到着しておきましょう。 病院の内部 NHS 111の使い方 NHS 111は、電話やオンラインですぐにGPにつながらない場合や、GPの診療時間外でも相談したいときに利用できる便利なサービスです。まずは電話かオンラインで問い合わせることで、どういったアクションを踏めばいいかをアドバイスしてくれます。相談内容によって対応は変わりますが、以下のような例があげられます。 看護師からの折り返し電話を予約 夜間・週末のGP診療を案内 歯科やメンタルヘルスなどの専門サポートを紹介 登録しているGPに連絡するよう指示 薬剤師に相談するよう案内 自宅で経過観察するよう指導 NHS 111では、病院の予約・キャンセルや診断書の発行はしてもらえないので注意してください。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/urgent-and-emergency-care-services/when-to-use-111/ 緊急の場合はどうする? GPの診察を待てずに急いでいる!そんなときは緊急外来(A&E)や救急車(999)を利用します。 まず、A&Eについて。 A&E(Accident and Emergency/事故・緊急外来)は、GPの予約を待っていられないほどのつらい症状や怪我があるなど、緊急性の高い場合に利用します。Accident and Emergencyのほか、Emergency Department(救急部)やCasualty(救急)とも呼びます。着いたらまず受付で症状を伝えます。 過去に利用した感想は、とにかく待ち時間が長いということです。予約を取らないことと、重症患者が優先されるため、先に着いているのに後から来た人が早く診てもらっていたりします。診察の流れは、各自の状態によって変わります。 緊急時の例 緊急性が低く深刻でないと判断→GPの予約をすすめられる、処方箋をもらう 緊急の場合→専門病棟に移り場合によっては入院 病院の正面玄関と別にある緊急外来用の入り口 緊急外来ではとても待てないような、命に関わる緊急時であれば、999へすぐ電話を。交通事故や発作など重大なシチュエーションには迷わず利用しましょう。電話で聞かれる内容は、場所、999にかけた理由、連絡先など。救急隊員の到着を待っている間ににできることや、どれくらいで着くかも教えてくれます。 黄色と緑が目印の救急車  処方薬と薬局の使い方 診療後に薬が出されたら...?ここからは、NHSの処方薬の受け取り方や薬代について、基本的な情報をわかりやすくまとめました。 薬はGPが発行する「処方箋」で薬局でもらう GPでの診察が終わり、処方薬が必要であれば処方箋が出されます。診察後にGPと連携している近隣の薬局(Bootsなど)に行き、Prescription(処方箋)というコーナーでスタッフに自分の生年月日、名前、住所を伝えると、あらかじめ用意してある薬が手渡され、支払いに進みます。 薬局内の処方薬受け取りカウンター 薬代の仕組み NHSで処方してもらう薬の料金は、2025年の時点で処方薬1品につき※£9.90(約1,880円)です。ひとつの処方箋に複数の処方薬がある場合は、すべての薬の合計金額を支払います。ですが、留学生でも18歳以下で大学やカレッジでフルタイム教育を受けている学生はNHSの薬代が無料です。 処方薬が頻繁に必要な人は、処方箋前払いシステム(Prescription Prepayment Certificate)を利用するのも手です。各自のケースが対象になるかの確認は必要ですが、利用できる場合はかなりお得です。 例えば有効期限が3か月間のPPCは、事前に£32.05(約6,090円)支払えば、有効期間中にいくつでも薬を受け取れます(一部は適用外)。PPCの購入はオンラインがメインで、申請日から有効です。申請を完了すると、メールでPPCの証明書が送られてくるので、薬を受け取るときに提示できると便利です。 ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/prescriptions/save-money-with-a-prescription-prepayment-certificate-ppc/ 市販薬はスーパーや薬局でも買える 処方薬以外はどうでしょうか。結論として、スーパー、薬局で簡単に手に入ります。痛み止めや風邪薬、胃腸薬、花粉症などのアレルギー薬、目薬、塗り薬など種類は豊富です。自分に合えば、留学中にイギリスで薬を買って服用することもできるので、必ずしも日本から持ち込まなくてもなんとかなる場合もあります。 ※個人差がありますので、薬の調達については慎重に判断されることをおすすめします。 NHSと留学保険の違い これまでNHSのサービスについてご紹介してきましたが、イギリス留学中に本当にNHSだけあれば安心なのだろうか?と不安に思う人もいるでしょう。ここからは、NHSのサービスが対象外になる場合と、留学保険との違いについてお話ししていきます。 NHSで医療費の支払いが発生する例 処方薬1品につき£9.90(約¥1,880円)かかるとお伝えしましたが、そのほかにも支払いが発生する例があります。 ・歯科医療 ・眼科治療 ・かつらや布製の医療用サポーター NHSのサイトでは、歯科医療について、治療が始まる時点で18歳未満、または19歳未満で所定のフルタイム教育を受けている場合は、NHSでの歯科治療が無料になると伝えています(治療内容によっては費用が発生する場合もあり)。 治療費がかかる場合には、日本より高いと言われていますので、渡英までに歯の状態を診てもらうと安心ですね。 眼科の例では、街中の眼鏡屋で行っている一般的な視力検査なら£20(約3,800円)ぐらいから受けられますが、専門的な検査になるとさらに費用がかかります。眼鏡を作る場合、場所によっては学生割引が使えるので、検査の前にリサーチしてみましょう。 NHSを使って治療ができる街中の歯医者 Haruna 実は私も、イギリスで歯の詰め物が取れてしまって、数ヶ月放置したあとに日本の歯医者にかかったのですが、衛生的に良くない!こんなに放っておくなんて!とすごく怒られた記憶があります…。 留学保険で補える部分もある NHSのサービスがこれだけ充実しているのなら、留学保険はいらないんじゃ?と思う人も多いでしょう。しかし、留学保険に入ることで受けられる恩恵も多いのが事実です。 NHSの病院、つまりはイギリスの公立病院を利用するとなると、無料で診療が受けられる分、長く待たされることもザラです。問題の症状が落ち着くまでに、ある程度の時間を要すこともめずらしくないのです。その点、留学保険に入っておくことで、プライベートの私立病院が利用できます。ロンドンには日系クリニックが数件あるため、日本人ドクターに日本語でサポートしてもらえる点もありがたいです。 私がまだ学生だったころ、もうダメかと思うような辛い症状があったときや、小さな手術を受けたときもすべて留学保険が適用され、プライベートの日系クリニックを利用しました。電話一本ですぐに予約がおさえられ、スムーズな日本語のサービスが受けられたことで、改めて保険の大切さを知りました。 ※持病や既往症は補償されない場合がありますので、各保険会社に問い合わせてみてください。 医療以外のトラブルにも留学保険が活躍します。加入するプランによりますが、盗難や破損、飛行機の遅延も補償されるケースがあります。 「何がどこまでカバーされているか」知っておくと安心 NHSのサービスだけでいいの? 心配だから留学保険に入る?答えは人それぞれ。留学生のなかには、医療サービスにおいてはNHSだけでじゅうぶんだった、という人もいれば、留学保険があってよかった、という人も。しっかりとそれぞれの特性を把握したうえで、自分に合った選択をしてみてくださいね。 医療の備えは安心な留学生活の第一歩 イギリス在住の筆者も、これまでに何度もNHSのお世話になってきました。幸い、GPの受付スタッフや看護師、医師たちには毎回親切にしてもらっています。電話やオンラインでの問い合わせには、ほとんど返信があり、しっかり話を聞いてくれます。ただ、サービスの質に関してはGPによりけり、という声も多いです。GP登録をする際には、口コミをチェックしたり、同じGPに登録している学生の話を聞いたりと、下調べをしておくとより安心です。 安心して留学生活が送れるように、医療面での準備を万全にしておきましょう! https://www.nhs.uk

【実体験】イギリス留学準備術: 合格通知からビザ取得までの記録

3月に入り、イギリスの大学や大学院から合否結果が届いてきたと思います。大学からオファー(合格通知)を受け取るといよいよ本格的な留学準備が始まります。入学までには多くの手続きがあり、スムーズに進めるためには計画的な準備が必要です。本記事では、オファーを受け取った後の具体的な準備プロセスについて、僕の経験を踏まえて詳しく解説していきます。 合格結果の確認と入学手続き 出願してからオファーをAcceptするまで 合格結果が届く時期は大学や学科によって異なり、ここは待つしかありません。僕は出願した5校のうち4校は2月初旬までに結果が届きました。しかし第一志望の大学だけ3月までオファーが来ず、もどかしさを覚えました。遅くて7月ごろに結果が出る場合もあるそうなので、気長に待つことが大事だと思います。UCASのTrackシステムをこまめにチェックしましょう。 オファーの種類(Conditional・Unconditional) イギリスの大学からのオファーには、「条件付きオファー(Conditional Offer)」と「無条件オファー(Unconditional Offer)」の2種類があります。条件付きオファーは、IELTSスコアや最終成績の提出といった特定の条件を満たすことで合格となります。UCASで出願した全ての大学から合否が届いた後は、Firm Acceptance(第一希望)とInsurance Acceptance(第一希望に合格できなかった場合の第二希望)の大学とコースを選択します。第一希望の大学からUnconditional Offerをもらった場合はInsurance Acceptanceを選択する必要はありません。 オファーを受け取った後の対応 自分が受け取ったのが条件付きオファーの場合は手続きを早めに済ませることが大切です。通常、オファーの承諾期限が設定されているため、遅れないように注意しましょう。一部の大学ではInternational Students(留学生)がオファーを承諾する際、デポジット(Deposit - 入学金)の支払いが必要です。この金額は大学によって異なりますが、£1,000~£5,000が一般的です。支払期限も設けられているため、期日を確認して早めに対応しましょう。 不合格だった場合の選択肢(Extra・Clearing) もし出願した全ての大学が不合格(Unsuccessful)だったとしても、結果をもらった後に追加で一つのコースに出願できる「エキストラ(Extra)」と定員に達していないコースに出願できる「クリアリング(Clearing)」というシステムがUCASにあります。Extraは2月末から7月初旬まで、Clearingは7月中旬から9月~10月ごろまで行われます。期待した結果が出なかった場合でも諦めずに他の大学やコースにトライしてみましょう。  イギリス学生ビザ(Student Visa)の申請を徹底解説 イギリスでの長期留学には学生ビザ(Student Visa)が必要です。申請にはいくつかの書類が必要で、その用意やビザ発行までに時間がかかります。とにかく早めの行動が大事です。  必要書類 CAS 大学からのオファーを承諾し、パスポートなどの書類を提出すると、「CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)」という入学許可証が発行されます。CASはビザ申請に必須な書類で、入学証明となる番号(CASナンバー)が書かれています。発行には通常数週間かかりますので、余裕を持って手続きを進めましょう。  パスポート パスポートの有効期間が留学期間をカバーしている必要があります。期限が短い場合、事前に更新しておきましょう。申請時にパスポートを提出し、そこにビザが発給されることになります。また、見開き2ページ以上の余白ページがあることも確認しておきましょう。  過去のパスポート 過去10年間の渡航歴を聞かれた時、昔使っていたパスポートがあると便利です。ただし、トランジットで立ち寄り、滞在期間が1日未満だった国も渡航歴に含まれます。こういった場合はパスポートにその記録がない時があります。できるだけ正確な情報を書くことが推奨されているので、僕は法務省の出入国在留管理庁というところで自分の渡航歴に関する開示請求を行いました。500円程度で調べてもらえます。https://www.moj.go.jp/isa/publications/privacy/record.html 英語力の証明書 大学によってビザ申請時に英語力の証明を求めるところもあります。GCSEやIBなどのスコアで証明できる場合と、イギリス政府が認定するSELT(Secure English Language Test)の結果しか受け付けてくれない場合があります。このSELTはイギリスのビザ取得専用の英語力試験です。中には「IELTS for UKVI」や「Pearson PTE Academic UKVI」などがあります。IELTSとは異なるもので、指定のスコアを満たすため改めて受験する必要があります。 申請費用と健康保険料(IHS) 申請時にはビザ申請料(£490)の支払いが必要です。さらにIHS(Immigration Health Surcharge)という健康保険料(£776×コースの年数)も支払います。IHSを支払うと、イギリス滞在中にNHS(国民保健サービス)を原則無料で受けられます。 ビザ申請の流れ 書類の準備ができたら、イギリス政府のUKVI(UK Visas and Immigration)の公式サイトから専用の申請フォームに情報を入力し、書類をオンラインで提出します。オンライン上の手続きが済んで、申請料及びIHSを支払うとVFS Globalのビザ申請センターの来館予約ができるようになります。日本には東京と大阪にビザ申請センターがあります。予約した日にパスポートを提出し、生体認証情(指紋と顔写真)を登録します。審査は通常3週間ほどかかり、終了しないとパスポートが返却されません。ビザはパスポートと共に返却されます。ビザ申請センターで受け取るか、郵送してもらうかを選べます。 審査開始後に財政能力証明書の提出を要求される場合があります。これはイギリスでの生活費をカバーできる資金があることを証明するためのものです。ロンドンの大学で勉強する場合は£12,492以上。ロンドン以外の場合は£10,224以上(授業料を除く)。つまりロンドンでの生活費: £1,438/月、ロンドン以外での生活費: £1,136/月: 9ヶ月分の生活費をカバーできる証明が必要です 。預金通帳や金融機関の取引明細書を英文に翻訳したものが必要です。あらかじめ準備しておくとビザ申請がスムーズに進むでしょう。  より詳しい流れについては下のサイトに説明してあるので、確認してください。https://www.westminster.ac.uk/sites/default/public-files/general-documents/student-visa-application-guide-applying-from-outside-uk-v2.pdf  申請は「何事も早めに」が鉄則! 前述の通りビザの審査には通常3週間ほどかかると言われています。繁忙期にはそれ以上の時間がかかることもあります。ビザ発行が渡英日に間に合わずフライトを変更せざるを得なかった友達が何人かいました。審査期間が多少長くなってもいいように、早めに必要書類を集めて申請することが大事です。「ビザ申請ドットコム」や「IMMIGRATION.UK」といったビザ申請を代行してやってもらえるサービスがあり、書類の翻訳など自分でできるか不安があった僕は活用しました。利用すれば必要な書類を揃えて代行者に提出するだけです。その後の申請フォームの入力やビザ申請センターの予約などは全部やってもらえます。  寮とシェアハウスの探し方 ビザ申請と並行して、イギリスでの住居を確保する必要があります。選択肢としては大学が運営している大学寮、民間の学生寮、シェアハウスなどがあります。 大学寮 vs 民間の学生寮の違い 同じ大学の人と交流できる大学寮は、初めての留学で最も安全で便利な選択肢だと思います。特にロンドンなどの都市部では、民間の賃貸物件の家賃が高いです。そのため、大学寮を利用することでコストを抑えられます。僕は大学1年の時に大学寮で暮らして、2、3年の時は民間の学生寮で暮らしていました。民間の学生寮だと、ロンドン中の大学から学生が集まるので他大学生との交流が深まります。ただし、これらの寮は人気が高く、申込期限が早いです。オファーを受け取ったらすぐに申し込むことをお勧めします。早めに申し込みをしなかったせいで、キャンパスから遠い場所にあったり、家賃が高い寮しか残っていなかったりという話も友達から聞きます。 大学が寮の情報を発信していますし、部屋の予約ができるResidence(住居)のサイトやWebポータルにも情報があるので、そこのSNSなどに登録して最新情報をチェックしましょう。  僕が住んでいた民間の学生寮 シェアハウス探しの注意点と便利サイト シェアハウスは費用を抑えつつ、学生のみならず現地の人々と交流できる点が魅力的です。ただし、契約詐欺や知らない人とシェアしなければいけないというリスクもありますので、信頼できるサイトを利用して物件を探し、可能であれば現地で内見してから契約を結ぶことが望ましいです。住居探しには、Rightmove(https://www.rightmove.co.uk/)やZoopla(https://www.zoopla.co.uk/)などの物件検索サイトが便利で、よく使われています。また、SpareRoom(https://www.spareroom.co.uk/)を利用すれば、ルームシェアの相手を見つけることもできます。  必須手続き: eVisaについて 返却されたパスポートに載っているビザはあくまで仮のEntry Clearance Visa(入国許可証)というもので、発行されてから90日まで有効です。正式なビザはeVisa(Online immigration status)という電子書類です。UKVIから送られてくる案内に従い、オンライン上でビザの申請番号やパスポート番号を登録して、アカウントを作成します。 イギリスに入国する際、パスポートのビザだけでなくeVisaの提示が求められる場合があります。そのため渡航前に手続きを済ませておくといいでしょう。これまではBRP(Biometric Residence Permit)カードという物理的な書類だったのでした。2025年の1月からオンラインに置き換わりました。 今回紹介したプロセスの他にも航空券を予約したり、持ち物を準備したりするなど、渡英までにやっておく必要があることはたくさんあります。それらについてはまた別の記事で書きますので、楽しみにしていただければ幸いです。CASやビザの発行などには思っている以上に時間がかかるものもあります。留学生活がスムーズに始められるよう、計画的に準備を進め、安心して渡英しましょう。  https://www.gov.uk/student-visa

UCL現役大学生の留学体験記!イギリス留学のリアルと道のり

京都からイギリスへ: UCL大学留学を決めるまで 自己紹介・バックグラウンド  はじめまして。Nanaです。京都市出身で、中学まで地元で過ごし、高校からイギリスの学校に進学しました。  現在は、University College London(UCL、ユニバーシティカレッジロンドン)でArts and Sciences(アーツアンドサイエンス)学科で勉強しています。一つの専門分野を3年間かけて学ぶ一般的なイギリスの大学とは異なり、この学科ではリベラルアーツ教育に似ていて、文理問わず幅広い分野の科目・デパートメントの授業を取ることができます。  留学を決意したきっかけ 中学2年生の時にスイスでサマースクールに参加した体験が留学を志した原点です。いろいろな国から生徒が来ていて、英語だけでなく、ドイツ語、イタリア語、フランス語などを操る同年代の生徒と出会いました。言語がもたらす新しい人との出会い、つながりや発見に心躍らされました。私もグローバルな世界で過ごしたいと強く思った経験でした。 学校選びから出発まで 本格的に留学を考え始めたのは中学2年生の冬あたりでした。サマースクールで訪れたスイス、友人がすでに留学していたアメリカとイギリスを留学先の候補にしましたが、結局イギリスとアメリカの学校に出願し、先にオファーが来たイギリスの学校に入学することに決めました。 友人に紹介してもらった留学エージェントを通して、学校の選定、受験、インタビュー(面接)を経て、イギリス南西部にあるTaunton School International(TSI、トーントンスクールインターナショナル)への入学が決まりました。インタビュー(面接)や試験はすべて、オンラインで行いました。 Taunton School International(トーントンスクールインターナショナル) の校舎 しかし、この時期(2020年)にちょうど新型コロナウイルス感染症が流行り始め、4月に予定していた渡英は先送りされてしまいました。イギリスには行けなかったものの、学校側がいち早くオンライン授業を導入したため、4月-6月の1学期間は日本の自宅で授業を受けました。思い描いていた留学の始まりではありませんでしたが、振り返ってみればホームシックにならず、少しずつ英語に慣れていく良い機会だったと思います。 Lancing College(ランシングカレッジ)のチャペル TSIではGCSEと呼ばれる中学課程に当たるものを1年間学習しました。2年目からはLancing College(ランシングカレッジ)という現地校に入学し、A-level経済、数学、応用数学、日本語を履修し、受験を経て、UCLに入学しました。 UCL大学生のキャンパスライフ ロンドンならではの魅力と学びの日々 現在通っているUCLはロンドン中心部にあり、1826年に設立された大学で、150を超える国から学生が集まる国際性と400以上のコースを提供し幅広い研究分野を持っているのが特徴です。ロンドンという大都市ならではの刺激的な環境もあり、学びだけでなく生活面でも多くの発見がある大学です。 University College London(UCL)に入学 リベラルアーツ型の学び: Arts and Science学科の特徴 大学ではArts and Science(アーツアンドサイエンス)と呼ばれるリベラルアーツの学科で勉強しています。この学科はイギリスの大学にしてはとてもユニークです。イギリスの大学では基本的に高校で専攻した教科を中心により深く学びます。例えば高校で経済を専攻すると大学でも経済学部やビジネス系の学部に進み、その学部で必修授業をとります。 しかし私の学部では多くの学問の知識をいかに融合させて社会課題の解決策にアプローチするのかに重きを置いています。こういった学問を英語ではInterdisciplinary studiesと呼び、分野横断的(学際的)な学びを意味します。社会課題を解決するのにもさまざまな切り口や専門知識が必要なうえ、分野が異なる人々と協力することも欠かせません。そのようなことを中心に学んでいます。 そのため、履修する授業の半分以上を自分で選択できます。学科の中で、3年間を通して全く同じクラスの組み合わせを取っている学生は誰一人いません。こういった環境が自分の学習生活を唯一無二にします。 実際に履修している授業紹介 私が今年取っている科目は、Principle of international public law(国際法)、Mathematical analysis, Real analysis(解析学)、Database system(データベースシステム)、Macroeconomics/Open and Closed economy(マクロ経済学)、Quantitative methods(定量調査)、Sustainable energy(持続可能エネルギー)、Mandarin(中国語)です。 分野がバラバラでそれぞれ全く関係なさそうに見えますが、Sustainable energyで学ぶエネルギー政策はMacroeconomicsの経済政策につながっていたり、Quantitative methodsで習得する基礎プログラミングはDatabase systemで応用できたりと、他の学生とは違った視点で問題の解決法を見いだすことができます。 課外活動とロンドンでの暮らし 日本語を教えるJapan Societyでの活動 授業外では、Japan Societyと呼ばれるソサエティ(サークル)に参加していて、2週間に1度、学生に日本語を教えています。 Finance and Economics Societyで得た学びと人脈 また、Finance and Economics Societyにも参加しており、週1くらいの頻度で開催されるロンドンの投資銀行などの金融業界で働く方によるセミナーに参加しています。UCLのネットワークはかなり広く、トップ企業で働く卒業生も多いので、いろんな人から話を聞けるチャンスがたくさんあります。 ロンドンの美術館・博物館巡りで深める学び ロンドンには大英博物館(British Museum)やナショナルギャラリー(National Gallery)など、たくさんの権威ある美術館と博物館が集まっていて、ほとんどが入場無料ということもあり、休日にはなるべく行くようにしています。 昨年取ったSocial Theoryの授業ではオリエンタリズム(西洋が東洋をどのようにとらえていたのかを研究する学問領域)のトピックを扱ったのでテムズ川畔にあるTate Britain(テート・ブリテン) の絵画を見に行きました。 Colonialism(植民地主義)などのトピックを考える際、博物館の作品は貴重なソースとなり、実際に鑑賞することでコンテンツの理解をより深めることができます。 高校留学・大学留学を通じて得た学び 広がった視野と情報へのアンテナ 留学して良かったことは、視野が広がったことと得られる情報が増えたことです。異なる文化や価値観を持つ人たちと関わる中で、自分が当たり前だと思っていた考え方が、実は国や環境によって大きく異なることに気づきました。Taunton School時代のルームメートはブルンジ人でした。初めて聞く国からの生徒だった彼女とどうしても話をしたくて、どんな国なのか、何語を話すのかなどを調べた記憶があります。 多様な視点を学べる国際的なクラスメートとの出会い 授業では、さまざまなバックグラウンドを持つクラスメートと意見を交わす機会が多く、同じテーマでも多様な視点があることを学べたのは、とても刺激的でした。日本では、自分がどの政党を支持しているか、政策まで議論することはなかったですが、イギリスでは自国の政策はもちろん、他のヨーロッパ諸国の政策まで網羅している学生も何人かいて、意識の高さがうかがえました。 経済の授業では特に、GDP(国内総生産)成長率やインフレ、利子率を必ず頭に入れておく習慣ができました。円安など、身の回りで起きていることが身につけた知識で理解できるようになっていくのが楽しかったです。 英語力と自己発信力の向上 また、英語でコミュニケーションを取る力が自然と身につき、自信を持って自分の意見を発信できるようになったのも大きな成長です。さらに、留学生活を通じて新しい友人や経験に出会い、自分自身の挑戦する力や柔軟性も養われたと感じています。 留学生活で感じた辛さと乗り越えた経験 言語の壁とコミュニケーションの葛藤 留学で辛かったことのひとつは、最初の頃に感じた言語の壁です。英検2級を取得後に渡英しましたが、授業では、ネイティブスピーカーや先生たちのスピードについていけなかったです。留学当初は宿題を終わらせるのにも、クラスメートの3倍時間がかかりました。 授業がわかるようになっても、友達との会話や冗談を理解し、話すまでにはかなり時間がかかりました。小学校の間に英会話塾に週1で通っていましたが、実際に会話しようとすると、自分のシャイな性格も相まって単語が出てこない場面が多くあり、自分の意見を思うように表現できず、もどかしさを感じることがありました。 辞書を片手に専門用語と格闘する日々 大学に入ってからは、専門的な単語も多くて、今でも辞書は手放せません。ですが、一つ一つの単語の意味を調べる習慣がついたことで、理解できない単元があっても、わかるまで調べたり文献を読んだりして、人一倍深い学びを得たと思います。 これからイギリス留学を目指す人へのメッセージ 留学は挑戦の連続ですが、ぜひ恐れずに一歩踏み出してみてください。その経験が、自分自身を大きく成長させ、未来への大きな力になるはずです。 https://passporter-media.com/articles/10/ https://jp.education-moi.com/article-51-ucl

【イギリス高校留学】15歳で親元を離れたボーディングスクールでの生活

私は15歳から親元を離れ、イギリス留学を始めました。大学もイギリスで、卒業後もしばらく滞在していたため、気づいたら14年間イギリスにいることになっていました。苦あり楽ありの留学体験をお届けします。 イギリス全寮制高校への道: 留学を決意するまで 小さい頃、父の仕事でアメリカに行っていたことがあり、英語には多少自信がありました。しかし、滞在は4歳から6歳までのわずか2年半だったため、帰国し中学生になった頃には英語力がかなり落ちていました。ある日、母と当時の英語の家庭教師からの要望に応じ、英語のエッセイを書いてみました。すると「アメリカの小学校2年生レベルだね」と言われ、ショックを受けました。これを機に、英語をちゃんと勉強しようと決意しました。 ちょうどその頃、インターナショナルスクールに通っていた2つ上の兄がイギリスの大学に進学したいと言ったので母と3人でイギリスの大学の下見に行くことになりました。自分にとって未知の国だったイギリスに惹かれていたのと、いつかは留学したいという思いが相まって、ついでに高校も見ようと母と決めていました。 ノッティンガムシャーの高校見学 複数の大学や高校を巡り、その中のひとつの高校にとても良い印象を持ちました。イギリス東中部、Nottinghamshire(ノッティンガムシャー州)のWorksop(ワークソップ)というところにある高校です。先生が優しく、校舎も広くてかっこよく、生徒達の行儀もとてもよかったです。みんな紳士的で礼儀正しく、先生方の指導が行き届いていることが伝わってきました。 若くして単身留学することを心配していた母も、このしっかりした校風が気に入りました。校長先生とお話をし、その後校舎見学をしました。また、私が医学部志望だったため、英語力をネイティブ並みに上げる必要があると言われ、もうその夏から入学することを勧められました。もともとイギリスでそのまま医学部に行くつもりはなかったのですが、先生方や両親と相談し、見学に行った2ヶ月後には留学を決心しました。 学校の校舎 イギリス高校留学|ボーディングスクールの生活とは? 寮のシステムと制服 イギリスに着いてすぐ、寮長さんや寮母さんに挨拶しました。説明を受け、私はYear 10(日本の中学3年に該当)に入学しました。日本の中学に相当する学年では制服が決まっています。ブレザー、シャツ、スカート、そしてcravatと呼ばれるネクタイのようなものに加え、靴下も学校指定のものを着用しました。 この学校には数種類の寮があり、女子は学期中ずっと過ごす「Full boarding(フルボーディング)」用、平日だけ暮らす「Weekly boarding(ウィークリーボーディング)」用、そして「Daily student(夜には家に帰る通学生)」用の寮がそれぞれ1つです。男子寮はDaily studentと住み込みの生徒が混ざっていて5~6つの寮がありました。各寮には30~40人くらいの生徒がいました。 1つの寮には最下級生のYear 9(中学2年生)から最上級生のYear 13(高校3年生)までが一緒に暮らしており、2、3人部屋もあれば1人部屋もあります。新入生は基本的に多人数部屋に割り振られ、最高学年の生徒は1人部屋が与えられました。私は最初3人部屋に入りました。その後2人部屋になったり3人部屋になったりの繰り返し。最終学年になったらついに1人部屋を手に入れました。毎学期、部屋のメンバーは先生が決めて変えていました。 校長先生の住むお家。学校の入口のすぐ隣にある 深夜の勉強と寮のおきて 渡英当初の英語力では会話についていくのが精一杯で、授業は全く理解できませんでした。現地の生徒ばかりの学校で、私の学年にいた留学生は他に男子2人だけでした。英語の授業以外は現地の生徒達と一緒に受けるため、取り残されないように懸命でした。深夜と早朝の時間を活用し、ひたすら教科書の翻訳をする日々が続きました。 ある明け方、普段電気が点いている部屋が消灯されたので階段に座って勉強していました。すると寮母さんが駆けつけてきて、「Yui、こんな時間に勉強しないの!ここはアラームがついているの。勉強は日中だけでも十分なのだから夜はしっかり休みなさい」と注意されてしまいました。どうやらこの階段にはアラームが設置されていて、人が入ると寮母さんなどの責任者だけが知らされるようになっていました。それ以来、夜中の勉強はやめました。 ホームシックと戦う日々 寮生活はとても厳しく、朝1回、お昼前に1回、お昼後から夕方にかけて3回、そして夕飯後の宿題時間に3回、点呼がありました。そして寝る前には先生が各部屋を回って携帯電話を没収し、電気も強制的に消されます。しかしほとんどの子は偽物の携帯を預けていました。 留学した最初の年はスマホもWi-Fiもなかったので私はガラケーを使っていました。インターネットは共用のパソコンルームのみで使うことができます。家族と連絡を取るときは国際電話でした。 週に1回、Skypeが使えるパソコンを予約して家族とビデオ通話することができました。しかし世界中から留学生が来ているので常に予約枠の取り合いでした。日本との時差の関係で都合の良い時間帯が限られ、目当ての時間枠が取られてしまってよく落ち込んでいたものです。 最初の1年間はホームシックでほぼ毎日泣いていました。言葉があまり通じなかったため友達もできなかったです。「かわいそう」と寄ってきてくれる生徒や授業で一緒になった生徒とたまに話す程度でした。都会ではなかったので、アジア人が少なく、奇異の目で見られているように感じました。 留学1年目の冬。膝下まで雪が積もるほどの大雪でした 辛かった陸軍の訓練 私の学校はCCF(Combined Cadet Force)という連合将校養成隊の時間があり、Army(陸軍)の訓練をしました。陸軍の他に、Navy(海軍)、Royal Air Force(空軍)もあり、現地の生徒は選択が可能でした。その頃、私たち留学生は選べず、一番人数の多い陸軍に自動的に振り分けられました。軍隊用の重たい迷彩服を着て寒い中2時間くらいマーチングし、銃の練習や匍匐前進などをするのはとても苦痛でした。また、落ち葉や枝を集めたり、数人組で運動させられたりと、グループでの活動が多かったです。友達の少ない私には楽しくはありませんでした。 礼拝の時間でスピーチに挑戦 一方で、週5回の朝のChapel(礼拝)の時間は比較的平和な時間だと感じました。讃美歌を歌い、お話を聞くだけの時間でした。木曜と土曜日以外の曜日に毎週、礼拝が行われました。日曜日だけ、朝の礼拝は全校生徒ではなく、寮生のみの参加で人数が少なかったです。そのため留学生にも皆の前で話をする機会が与えられました。 私も数回日曜日にスピーチした後、全校生徒の前で話す機会をもらい、3.11の出来事などを話しました。現地の生徒が多かったので、彼らにとって海外に触れられる貴重な機会だったと思います。その他、日本や中国の祝日の時には文化のお話もしました。 日本ではクリスマスは外で過ごし、お正月は家族で過ごすものだと伝えたら、イギリスとは真逆なので驚かれました。話した内容に興味を持ってくれ、それをきっかけに会話が弾むことがよくありました。先生方は、私たち留学生が学校に溶け込めるよう、常に様々な工夫をしてくれていました。 チャペル 深める交流: スポーツとイベントの舞台裏 ハリーポッターの世界!イギリスならではのスポーツ イギリスのBoarding school(ボーディングスクール・全寮制学校)特有のスポーツの時間もありました。季節や性別によって競技が分けられています。秋には男女共にもホッケー、冬は女子がネットボール、男子がラグビー、夏は水泳、クリケット、クロスカントリー、ラウンダースなどから自由に選択できました。 ハリー・ポッターに出てくるような寮対抗の大会や他校との試合もありました。他校との試合では、全生徒が実力別に分けられ、相手校の同じレベルのチームと戦います。そして試合後は相手チームと一緒にSupper time(おやつの時間)があり、ポテトやパン、フルーツ、ケーキなどを一緒に食べました。 ラグビーコートが9面もある広大な敷地を持つ学校。裏にはゴルフコースも プロムやダンスパーティー 年に数回、寮ごとのパーティーがあり、他の寮の子も主催寮の生徒に招待されれば参加できました。男子寮が開催するダンスパーティーに出席する際はProm(プロム)に行くような感じのドレスアップをしました。また、冬休みに入る前は各寮の寮生全員が一丸となって練習したダンスを全校生徒の前で発表するイベントもありました。 その他にも私はInternational Eveningを主催したことがあります。各国の生徒が協力して国の料理を作り、みんなでビュッフェスタイルで食べるイベントです。先生方に協力していただき、ダイニングホールとキッチンを借りて行いました。そこで日本人チームはトンカツを作りました。 日本人チームが作ったトンカツ 英国ボーディングスクールの授業内容 1年目はGCSEを勉強しており、Science(理科)、Mathematics(数学)、English as a Second Language(英語), Religion(宗教学)とStudent Selected Studies(選択科目)でした。選択科目にはGeography(地理)、History(歴史)、Art(美術) , Design and Technology(デザインとテクノロジー)、Food and Nutrition(料理と栄養学)などがありました。 私は理系だった上、英語の授業についていくのに必死だったこともあり選択科目ではArt、Design and Technology、そしてFood and Nutritionを選択しました。英語がネイティブの生徒はフランス語なども選択可能でしたが、留学生は必ずEnglish as a Second Language(ESL)をとらなければならず、他の言語は選択できませんでした。ESL以外の授業は全て現地の生徒たちと一緒でした。 私は日本で購入した電子辞書をどの授業にも持っていき、常に単語の意味を調べながら受けていました。最初の1年は辞書を使用して試験を受けることが許されていました。試験の際には先生から英和辞典が手渡され、それを使って試験に挑んでいました。 イギリス高校留学で得たこと 先生のサポートに感激した日 特に印象に残っているのは理科の授業で試験が返却された時のことです。私は60%しか得点できず、周りの不真面目な子たちと同じくらいの点数でとても悔しかったのですが、先生は私の努力を褒めてくれました。 しかし他の生徒がそれを聞いて「でも辞書を使ってるしね」と嫌味を言いました。それに対し先生は「じゃあ君は他の国に行ってその国の言語でテストを受けた場合、辞書を使えばこの点数取れるのか?簡単なことではないよ、母国語で受けても簡単じゃないんだから」と返してくれました。この先生のサポートは今でも忘れられません。このように素晴らしい先生方がたくさんいる学校でした。  Comfort zoneに戻るか挑戦を続けるかの決断 渡英してから1年経った時の夏休みに帰国した際、正直イギリスに戻るか少し悩みました。友達が少なく、授業も難しい。でもやっと英語にも慣れてきたこと、そして何よりも先生方の期待に応えたい気持ちがあり、もう1年、せめてGCSEだけでも終えようと、戻る決心をしました。 重たい足を引きずり、再び寮に戻ると、先生が「戻ってきてくれてよかった」と声をかけてくれました。複雑な心情で戻ってきたけれど先生方がいれば頑張れると思いました。 私の学年に新しい留学生が増え、寮にも何人か入ってきました。英語が全く話せなかった中国人の生徒が1人いて、その子に英語を教えながら暮らしていたらいつの間にか自信もつき、留学生活が楽しくなっていました。そして授業にもついていけることに気が付きました。友達も増え、去年から同じクラスだった生徒達に「Yui、英語すごく上達したね」と言われたときは本当に嬉しかったです。 おかげでGCSEは良い成績で卒業できました。次回はA-level、やホストファミリー、休暇の過ごし方について書きたいと思います。 https://passporter-media.com/articles/9/

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King's College Londonに入学!新入生の1週間どう過ごした?

こんにちは、キングスカレッジロンドン(KCL)のAyanoです。 私が通っているKCLでは、実際に授業が始まる週の前に、1週間「新入生オリエンテーションウィーク」のようなものを設けています。この週では自分のコースの説明会や、サークルを紹介するWelcome fairをはじめとした大学のイベントがたくさん開催されていました。今回はロンドンに到着してからの最初の1週間をどう過ごしていたのかを紹介していこうと思います。 キングスカレッジロンドンの最初の1週間 大学寮の入寮日は、オリエンテーションウィークが始まる直前の週末でした。学生のほとんどがこの週末に入寮するため、寮内でのウェルカムイベントもこの週末にありました。アイスブレーカーや、ピザパーティーなどがあったと思います。また寮は早期入寮することもできます。 キングスカレッジロンドンのAtlasに入寮! 入寮してからは日用品を買ったり、持ってきた荷物を片付けたりする必要があるので、大学が始まる数日前にはロンドンへ来ておくといいのかなと思います。入寮日に寝られるように、寝具や枕などは事前にオンラインで注文し、入寮日までに届くようにしておくのがおすすめです。 オンラインで注文しておいた荷物 寮のルーフトップからの景色が綺麗だったのがお気に入りです! 大きめのスーパーが近くにあれば、食料品だけでなく、フライパンや食器などのキッチングッズのほか、タオルなどの日用品も売っていますし、今はロンドン中心部にIKEAもあるのでおすすめです! コースの説明会とオリエンテーション 最初の1週間では、どのコースも説明会のようなものを行います。オンラインと、キャンパスでやるものがあります。私がファウンデーションの時は、説明会はオンラインで、その後に対面でオリエンテーションイベントがありました。1年後の学部課程の説明会ではキャンパスで行われました。 対面のオリエンテーションで配られたお菓子 キングスカレッジロンドンのコース説明会 ファウンデーションの時は学部課程の進学までの流れを中心とした説明でしたが、学部課程の説明会では3年間のコースを通しての説明で、卒論の流れや、交換留学についてなども説明がありました。まだ授業が始まっていない時期なので少し緊張もありましたが、説明会に参加して「いよいよ大学が始まるんだな」という実感が湧きました。 学生証の受け取りと事前の予約手続き 学生証の受け取りは事前に予約する必要がありました。学生証受け取り予約にはイギリスに到着していることを証明するため、パスポートのスタンプや航空券を大学側へ送った気がします。 新学期の間は学生証がなくてもキャンパス内に入れるように手続きをするブースがあるので、それがキャンパス内にあるうちに学生証の受け取りを済ませておくと楽かなと思います。 学生証をもらいにキングスカレッジロンドンのキャンパスへ! キングスカレッジロンドンの学生証 キングスカレッジロンドンのWelcome fair 新学期に開催されるWelcome fairにも参加しました。これはSociety(サークル)などが集まってブースを作り紹介している新歓のようなイベントです。KCLには約400のSocietyがあります。スポーツの他、文化系やアカデミックなものもあります。 気になっていたサークルがあればこのWelcome fairで話を聞くこともできますし、私は行くまで知らなかったサークルも見つけたので面白いなと思いました。 キングスカレッジロンドンのWelcome fairの様子 キングスカレッジロンドンJapan Societyのブース キングスカレッジロンドンのWelcome fair会場に入るまでの長蛇の列 これはキャンパスではなくイベントスペースを借りて開催され、無料のチケットを事前に予約しておく必要があります。私は2、3週間前に予約していたのですが、ロンドンに来てからの予約だと売り切れになってしまうことがあるので、事前に予約しておくといいと思います。 またスポーツ系のサークルを中心に新学期が始まって最初の数週間はメンバーシップを購入しなくてもテスターのセッションやレッスンに参加することができます。その宣伝もここで行われていました。 最後に 最初の1週間は授業がないとはいえ、ロンドンでの新生活に慣れるのに大変だったなと思います。イベントや、荷物の整理など思っていたよりも忙しく過ぎていきました。新しい環境に慣れる時間でもあり、大学生活が始まる前の準備期間としてとても大事な1週間だったと思います。オリエンテーションウィークのイベントをうまく活用して、大学生活のスタートを楽しんでほしいなと思います。 最後まで読んでいただきありがとうございました!みなさんの留学を応援しています! https://passporter-media.com/articles/49-kcl-foundation/

イギリスのファウンデーションコース|現役KCL生が日本の高校から進学するまで

こんにちは、キングスカレッジロンドン(KCL)のAyanoです。今回は日本の高校からイギリスのファウンデーションコースに進学するまでの各段階でどういう準備をしたのかを紹介していこうと思います。 ファウンデーションコースとは? ファウンデーションコースは、日本の高校など、イギリスの大学入学資格(A-levelやIB)を持っていない高校を卒業した生徒が、イギリスの大学に進学するために必要な準備をする1年間のプログラムです。 このコースでは必要な英語力に加えて、学部課程で希望する専攻に近い内容を学びます。 私が通っていた日本の高校の卒業資格では直接イギリスの大学の学部課程に進学できなかったため、高校3年生の時にファウンデーションコースに出願しました。 イギリスのファウンデーションコース: 出願準備〜合格まで 高校2年生の終わり〜3年生の春: 進学先決め この時期にイギリスの大学に出願することを決め、本格的に出願準備を始めました。ファウンデーションコースはイギリスの大学が提供しているものと、大学以外の教育機関が実施しているものがあります。大学が実施しているファウンデーションコースだと、ファウンデーションコースからその大学への入学がある程度保証されているため、そちらを選びました。 この時期はイギリスの大学を調べながら、 どういう大学に行きたいか 行きたい大学があればそこはファウンデーションコースも提供しているか そのファウンデーションコースから進学したい学部へ行けるか などを調べ、いくつか候補を絞っていきました。 当初は生活費が高いため予算的にロンドンは選択肢に入れておらず、最終的に進学し今も在籍しているKCLはもっと後になって出願することを決めました。 この時期に候補に入れていたのはThe University of Sheffield(シェフィールド大学)、Lancaster University(ランカスター大学)、University of York(ヨーク大学)などのファウンデーションコースだったと思います。 同時にIELTSの受験準備も進めていました。 高3の6月: IELTS受験 この時期にIELTSを受験しました。IELTSには主に2種類の試験があり、留学を目指す人が受けるIELTS Academicと移住や就労を目指す人が受けるIELTS General Trainingに分かれます。高2の時には現状を知りたいと思いGeneralのIELTSを受験しましたが、この時に受けたIELTSが初めてのAcademicでした。 ファウンデーションコースの場合は、英語要件がIELTS Overallで5.5〜6.0程度と、学部への直接進学要件に比べるとかなり低いのでありがたかったです。 この時Overallで6.5を取れたため、これ以降IELTSは受験していません。 IELTSの有効期限は2年なので、高校2年生ぐらいから早めに準備し受験しておいてもいいのかなと思います。 https://passporter-media.com/articles/8/ 高3の夏: Personal Statementや出願書類の作成 この時期は大学へ提出するPersonal Statement(パーソナルステイトメント)を書きました。私はUCASを経由して出願していないのですが、Personal Statementと同じようなものがファウンデーションコースの出願にも必要でした。 また10月ごろに出願開始となるので、高校側に必要な書類を依頼しました。予想の成績証明書や卒業見込証明書は日英両方で作ってもらい、英語での推薦書も依頼しました。推薦書は英語の先生に依頼しました。 私が通っていた高校から海外進学する人はほぼいなかったと思うのですが、それでも先生方が協力してくださり、とても恵まれたと思います。 高3の秋: イギリスの大学見学 この時期に、実際にイギリスの大学を見てみようということで、母と2人で1週間ほどイギリスへ行きました。出願する大学に実際に足を運んでキャンパスを見学しました。また、それまでイギリスに行ったことがなかったので、母とロンドン観光もしました。 見学したシェフィールド大学 見学したイギリスの大学の図書館の様子 そしてロンドンを観光する中で「ロンドンに住みたい!」と思うようになり、ロンドンにある大学にも出願することを決め、日本に帰ってきてから急いで出願準備を始めました。 当初は経済的な負担が大きくなると思いロンドンは避けていたのですが、やっぱりロンドンの大学に進学したいと両親に伝えたらあっさりとOKしてくれたので、最初から両親としっかり話しておけば良かったなと思っています。 ここで新しく出願することにしたのがQueen Mary University of London(ロンドン大学クイーンメアリー校)と、今通っているKCLです。 実は母とロンドン観光している時に、KCLのキャンパスのすぐ隣にあるCourtauld Galleryという美術館に行ったのですが、その時すぐ隣にあるKCLを見て、「これがロンドンの大学なんだ〜」とぼんやり思ったのを覚えています。その後実際にそこに出願し、通うとは思いもしませんでした。 キングスカレッジロンドンの隣にあるCourtauld Galleryに向かう途中 高3の12月: ファウンデーションコースへ出願完了 ロンドン以外のファウンデーションコースは全て出願が始まった10月ごろに願書を出しました。新しく出願することになったロンドンの2校には12月に出願して、この時期に出願は全て終わったという状態でした。 高3の2月: キングスカレッジロンドンからファウンデーションコース合格通知 2月上旬に第一希望にしていたKCLから合格通知が来たので、KCLに進学することにしました。ファウンデーションコースでも学部と同じようにConditional offer(条件付きオファー)という形でもらったのですが、その条件が「高校を総合成績4.0以上で卒業すること」だったので、問題ないだろうと思い、すぐにデポジットを払った記憶があります。 イギリスのファウンデーションコース: 受講開始までの流れ 高3の3月: キングスカレッジロンドンの寮の予約 確かこの時期に大学の寮のポータルがオープンしたので寮を予約しました。KCLの寮は一度予約してデポジットを払っても1回までなら変更可能ですし、8月ごろまでにキャンセルすれば、そのデポジットが返金される仕組みでした。そのためオファーを受諾するかわからなくても、とりあえず予約する人が多いのかなと思います。 どの寮にするか迷ったのですが、Atlasという寮にしました。 キングスカレッジロンドンのAtlasという寮の部屋(https://www.kcl.ac.uk/accommodation/residences/atlasより) 幹線道路沿いのため音が気になりましたが、綺麗な寮で駅や大型スーパーにも近くて良かったと思います。キッチンのみシェアのEn-suiteでした。 KCLはロンドンの他の大学と比べて、どの寮も大学まで少し遠い場所にあるのが残念です。私が住んでいたAtlasもZone 1にあるのですがキャンパスまでは電車を乗り継いで30分ほどかかります。 ロンドンのZone区分(https://www.graddinghomes.com/blog/uk/london-zonesより) もう少し通いやすい場所に寮を作ってくれたらいいのにと思っています。そのためか、1年生でもプライベートの寮やフラットに住んでいる人も意外と多かったです。 ファウンデーションコース開始前の7月: イギリス留学のビザ申請 渡航まであと2ヶ月となったところで、大学からCASが発行されビザ申請の準備ができたので、東京のビザセンターに行ってきました。ビザ申請は全て自分で行いました。日本人の場合、財政証明は基本的に必要ないため、特別に準備する書類もなくスムーズにできました。審査には3週間ぐらいかかると聞いていたのですが、5日ほどでビザが下りました。 この時に申請したビザはファウンデーションコース用のビザだったので期限が1年ほどです。そのため翌年、学部課程用にまたビザを申請したのですが、この時も5日ほどでビザが下りました。 多くのファウンデーションコースで同じかもしれませんが、KCLのファウンデーションコースでは、ファウンデーションコースが終わる日と、その後の学部が始まる日の間の日数の関係で、ファウンデーションコースが終わった後の夏休みにイギリス国内でそのままビザを申請することができません。そのため、ファウンデーションコースが終わった後はビザ申請のため日本に帰る必要があります。 https://passporter-media.com/articles/5/ ファウンデーションコース開始前の9月: いざ渡英! そして無事にロンドンへ向かうことができました!この時は、両親と一緒にロンドンへ来ました。両親は私の入寮の手伝いなどもしてくれました。また、一緒に大学周辺を散策したり、ロンドンを観光したりできてとても良かったです。 キングスカレッジロンドンのファウンデーションコース入学のため渡英 イギリスでファウンデーションコースを実際に受けてみて 日本の高校からの出願で大変だったのは、イギリスの大学に関する情報収集、共有し合える仲間が身近にいないこと、そして英語での書類作成に学校側も慣れていなかったことなどです。しかし、最終的にスケジュール的に問題もなく出願でき、今振り返ると意外となんとかなるんだなと感じます。 ファウンデーションコースで学ぶことで、英語でのエッセイやプレゼンなどの基礎的なスキルを身につけてから学部課程へ進学できるので、とても良かったと思います。 最後まで読んでいただきありがとうございました!みなさんの留学を応援しています! その後のファウンデーションコースでの学びや学部への進学プロセスについて気になる方はこちらの記事もチェックしてください! https://passporter-media.com/articles/41/

留学生が知っておきたい「英語メールの書き方」: メールから見るイギリス文化

こんにちは。ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)で物理学を専攻しているAyatoです。今回は、イギリスでの生活や学業において避けては通れない、電子メールの作法について深く掘り下げてみたいと思います。 イギリスという国で生活を始めると、日本とはまた違った種類の礼儀作法や、言葉の裏に隠された機微に驚かされることが多々あります。特に電子メールという、相手の顔が見えない文字だけのコミュニケーションにおいては、その傾向が顕著に現れます。 イギリス人にとってのメールは単なる情報伝達の手段ではなく、相手との良好な関係を維持し、お互いのプライバシーや時間を尊重していることを示すための、きわめて高度な社交ツールなのです。 英語メールの実践的な執筆例とテンプレート まずは実際の執筆例をテンプレートとして見てみましょう。例えば、大学のIT担当者にプログラムの環境構築について質問する場合、以下のような構成が理想的です。 件名:Query regarding Environment Setup for Project A - Student ID 1234567 本文: Hello [相手の名前(宛名の詳細は後述)], I hope your week is going well. I am writing to kindly ask for some guidance regarding the environment setup for Project A. I have been following the instructions provided, but I seem to have encountered a small issue with the dependencies. I was wondering if you might be able to offer some advice or point me in the right direction when you have a spare moment? I have attached a screenshot of the error message for your reference. Thank you very much for your time and help. Kind regards,Ayato この短い文章の中には、週の半ばの挨拶、「kindly ask」というクッション、「I was wondering if」という婉曲表現、そして相手の負担を最小限にするための資料添付という配慮がすべて凝縮されています。こうしたテンプレートを基盤に、AIと共に自分の意図を肉付けしていくのが上達への近道です。それぞれの詳細については後述します。 英語メールの宛名の書き方 宛名の書き方は相手の立場や関係性によって異なり、ケースバイケースなので表にして以下にまとめました。始め方が丁寧でないのではないか、と気になる場合は、最も丁寧な形にすると良いでしょう。 相手の立場関係性宛名大学職員/その他初コンタクト/ 名前不明To whom it may concern/ Dear 〇〇 Team大学職員/その他相手からの返信に対する返信Dear Ms./ Mr. [Surname]大学教授(Professor)初コンタクトDear Professor [Surname]/ Dear Prof. [Surname]大学教授(Professor)顔見知り/親しいHi Prof. [First name]※教授との距離による。Surnameの方が丁寧大学教員(Dr.)初コンタクト/ 親しいDear/ Hi Dr. [Surname]/ [First name] 挨拶という名の社交儀礼と時間軸 ここからはイギリス人とメールでやり取りする際に、気を付けるべき事項についてお話しします。メールを書き始める際、まず直面するのが挨拶の書き方です。事務的な問い合わせであれば依然としてフォーマルな表現が使われますが、大学内でのやり取りや一度会ったことのある相手であれば、かなり早い段階で“Hi 〇〇” (〇〇さんこんにちは)といった親しみやすい挨拶に移行します。しかし、ここで重要になるのが挨拶の直後に続く一言です。 イギリス人は本題に入る前に、必ずと言っていいほど相手の近況を気遣う一言を添えます。月曜日であれば週末がどうだったかを尋ね、週の後半であれば週末の予定が良いものになるよう願う言葉を添えるのが、もはや儀礼的な習慣となっています。週の半ばであれば、一週間が順調に進んでいることを願うといった具合です。 この一文は、単なる社交辞令以上の意味を持っています。相手が仕事や勉強以外の生活を持っていることを認め、その時間を尊重しているという意思表示なのです。 ロンドンという多種多様な背景を持つ人々が密集して暮らす都市において、この一見無駄に見える数行が、コミュニケーションの摩擦を抑えるために不可欠な役割を果たしています。これを省略してすぐに用件に入ってしまうと、相手に「事務的すぎる」、あるいは「余裕のない人間」だという印象を与えかねません。こうした細やかな配慮の積み重ねが、長期的な信頼関係を築くための第一歩となると考えています。 イギリスの英語メールならでは: 婉曲表現の扱い方 冒頭のテンプレートでも紹介しましたが、イギリスのメールで最も難解であり、かつ面白いと思うのが婉曲表現です。 「行間を読む」重要性 彼らは自分の意見や不満を伝える際、驚くほど柔らかい言葉を選びます。しかし、その柔らかい言葉の裏には、時として非常に強いメッセージが隠されています。この曖昧さや遠回しな表現は、日本人にとっては結局何が言いたいのかと困惑させる原因にもなりえます。 しかし、この「行間を読む」作業こそがイギリスでの生活を豊かにします。 例えば、教授からのフィードバックに「これは興味深い視点ですね」と書かれていた場合、それは必ずしも面白いねと絶賛されているわけではありません。文脈によっては「少し的外れだが、まあ着眼点は分からなくもない」という非常に丁寧な否定であることもあります。 彼らは対立を避けるために、肯定的な言葉の中に否定的なニュアンスを忍び込ませる、受動的攻撃性、いわゆるpassive aggressive(パッシブ・アグレッシブ)と呼ばれる技術に長けています。 イギリス人の受動的攻撃を受けた実体験 これを理解していないと、メールでのやり取りで致命的な誤解が生じることがあります。 私が以前、プログラムの環境構築の方法について担当者に問い合わせた際のこと。担当者から「マニュアルの中に解決策があると確信しています」という返信が来ました。言葉通りに受け取れば非常に前向きで親切な言葉に見えますが、その真意は「そんなことはマニュアルに書いてあるのだから、わざわざメールで聞かずに自分で調べなさい」というかなり強い釘刺しであったことに後から気づきました。 こうした言葉の裏側を読み取る力は、単なる語学力ではなく、現地の文化に浸り、人々の反応を観察することでしか養われない感覚です。 クッション言葉の使用 また、何かを頼む際にも、「もしよろしければ(I would be more than happy if you wouldn’t mind doing ~)」や「もしお手すきであれば(I was wondering if you could ~ in your good time)」といったクッション言葉を多用します。これにより、相手に断る余地を与えつつ、こちらの要望を伝えることができます。こうした控えめな姿勢は、相手に対する強要を避け、自由な意思を尊重しているというメッセージになります。 結びの言葉に宿る微かな感情 メールの最後を締めくくる結びの言葉も、相手との距離感を示す重要な指標です。ビジネスやフォーマルな場では一般的で礼儀正しい「Best regards」といった表現が好まれますが、より親密な関係であれば、温かみのある言葉「Warm regards」「 Yours」「 Best wishes」、時にはイギリスらしいカジュアルな表現「Best」が選ばれます。 面白いのは、これらの言葉から相手の感情の変化を読み取れることです。それまで非常に丁寧で温かい結び言葉を使っていた相手が、急に事務的で短い「Regards」という一言だけの結び方に変えた場合、それは何らかの理由で不快を感じているサインかもしれません。 あえて温かい言葉を意図的に抜き去ることで、自分の不快感を示すわけです。これは非常にイギリス的な、声高に叫ばない抗議の形です。結びの一語にまで気を配ることで、相手との現在の関係性を再確認することができるのです。 AIを活用したイギリス式英語メールの実践的な練習法 さて、こうした複雑なニュアンスを身につけるのは一朝一夕では難しいものです。そこで、現代的な練習方法としてAIを活用したトレーニングを提案したいと思います。 まず、書きたいメールの概要を伝えてAIに文面を書いてもらいましょう。そして、生成された文章をそのまま使うのではなく、なぜそのように書かれているのか、あたかもプログラムのソースコードにコメントをつけるかのように、それぞれのフレーズの意図を自分の頭で考えて書き込んでいきます。この際、正解かどうかを気にする必要はありません。あなたがその表現を読んでどう感じたか、どのような効果を狙っていると思ったか、という自分なりの解釈が重要です。 コメントを書き終えたら、その文章をAIに送り返しましょう。その際に、自分の解釈がAIの意図したものと同じか、あるいは違うのかを判断してほしいと依頼します。 もし解釈が異なっていた場合は、本来はどういう意図だったのか、なぜその特定の表現でその意図を表現できるのかを詳しく教えてもらうように聞きましょう。そうすると、表現に隠された今まで自分の知らなかった世界を教えてくれるものです。 単なるテンプレートを丸暗記するのではなく、言葉の選択の背後にあるロジックを理解することで、より自然で説得力のあるメールが書けるようになります。これは、異文化間のコミュニケーション能力を鍛えるための非常に強力な訓練になります。 AIを活用したメール作成における効率化と注意点 業務の効率化という観点から、AIをメール作成に活用することは現代において非常に有効な手段の一つとして広く推奨されています。 特に英語が母国語ではない私たちにとって、文法的な正確さを担保し、自然なフレーズを瞬時に生成してくれるAIの存在は、精神的なハードルを下げる心強い味方となります。しかし、そこには無視できないいくつかの注意点が存在します。 まず、AIは時に過剰に丁寧すぎたり、逆に文脈を読み違えて不自然に冷淡な表現を選んだりすることがあります。先述したようなイギリス特有の微妙なニュアンスや、特定の相手との間に築かれた固有の信頼関係に基づいた微調整は、最終的には人間にしかできない非常に繊細な作業です。 また、機密性の高い情報や個人情報を安易に入力してしまうことは、セキュリティやプライバシー保護の観点から厳に慎まなければなりません。AIが生成した文章はあくまでも優れた土台として捉え、必ず自分自身の目で見直し、自分の声や相手に対する真摯な思いが最終的な言葉に反映されているかを確認するプロセスを欠かさないことが、効率化と誠実さを両立させるための鍵となります。 AIへ入力するプロンプト(指示文)の工夫 AIを単なる代筆者としてではなく、自分の意図をより正確に伝えるための共創パートナーとして活用するためには、プロンプトの組み立て方に独自の工夫を凝らすことが重要です。 単に「メールを書いてください」と指示するだけでは、どうしても平均的な文章になりがちですが、いくつかの要素を意識的に盛り込むことで、文脈に即した文面を得ることができます。 受信者との関係を詳しく伝える まず、リライトを依頼する際には、送り手である自分と受け手である相手との現在の関係性を具体的にAIに伝えることが欠かせません。さらに、そのメールを送ることで相手にどのような行動をとってほしいのかという最終的なゴールも明示します。 AIに役割を与える プロンプトを工夫する際にもう一つ意識したいのは、役割設定という手法です。 AIに「あなたはイギリスの大学で長年学生指導にあたっているアドバイザーです」といった役割を与えます。その上で「私の下書きを、相手の機嫌を損ねることなく、かつこちらの要望が明確に伝わるようにイギリス風にリライトしてください」と依頼するのです。 また、一度のリライトで満足せず、対話を重ねるプロセスも有効です。生成された文章に対して「もう少し親しみやすさを出してください」といった具体的なフィードバックを返すことで、AIは代替となるフレーズを提案してくれるだけでなく、なぜそのフレーズの方が適切なのかという理由まで説明してくれます。 学業における実践的コミュニケーション 学生として教授や大学のスタッフにメールを送る際は、丁寧さと同時に簡潔さが求められます。彼らは日々膨大な数のメールを受け取っているため、いかに相手の時間を奪わずに要件を伝えるかが重要になります。 件名には必ず、自分の学生番号、氏名、そして用件を明確に記載してください。本文では冒頭で簡潔に要件を伝え、最後には「お忙しいところ恐縮ですが、お手隙の際にお返事をいただけますと幸いです」という謙虚な姿勢を見せます。この構成こそが、相手の手間を最小限にし、かつ自分の誠実さを伝えるための最短ルートです。 また、イギリスでは返信のスピードも信頼関係の一部です。すぐに答えが出せないような複雑な内容であれば、まずはメールを受け取ったことと、現在確認中であることを伝える一報を入れるのが洗練された対応です。 ネイティブの感覚を養うためのリソース ここで、私自身もイギリスでのコミュニケーションを円滑にすることを目的として参照している、おすすめのリソースをいくつか紹介します。 Oxford Learner's Dictionaries 一つ目は、Oxford Learner’s Dictionaries(オックスフォード・ラーナーズ・ディクショナリーズ)という無料のウェブ辞書です。おすすめの理由は三つです。 https://www.oxfordlearnersdictionaries.com 第一に、英英辞典であるということです。英和辞典は対応する日本語を素早く掴みたい時に便利ですが、正確な定義や文脈中におけるニュアンスの理解がしにくくなるという欠点があります。英英辞典はその点を解決します。 第二に、発音が聞けるということです。発音を知っておくことは損ではないと思います。また、イギリス発音と、アメリカ発音の二つが聞けるのも特徴です。 第三に、学習者用の辞書であるということです。日本語の辞書でも、英語の辞書でも経験する問題としては、知りたい言葉の説明の中に自分の知らない単語があるということだと思います。その点、学習者用の辞書では、調べた単語のレベルよりも低いレベルにカテゴライズされた単語のみで説明が出てくるので、上記のようなことは起きにくくなっています。 Hedgingを学べるサイト 二つ目は、Hedgingに関するウェブです。 Hedgingとは、確度を下げて主張を行う技術のことです。例えば、「〜だ」を「〜かもしれない」「〜という可能性もある」というように書くことです。以下の大学提供のサイトに、詳しい説明や例があるので、興味がある方はご覧ください。 UEfAP↓ https://www.uefap.org/writing-features-hedging George Mason University↓ https://writingcenter.gmu.edu/writing-resources/research-based-writing/hedges-softening-claims-in-academic-writing Grammarly 三つ目は、Grammarlyという文法添削サイトです。ニュアンスを理解するというよりは、文法的をチェックすることで正しく伝わるかどうかを見るためのものです。 https://www.grammarly.com 無料版と有料版があり、文法、スペルは無料でチェックできます。有料版は、文法的に誤りではないが、このようにするとより簡潔、よりよい表現であるという提案をしてくれます。 異文化理解という旅の終わり イギリスのメール文化を学ぶことは、単に英語の表現を覚えること以上の意味を持っています。それは、彼らが大切にしている価値観や、他者との接し方を理解することに他なりません。表面的な言葉の裏にある、相手を尊重し、調和を尊ぶ精神を感じ取ることができれば、メールのやり取りはもっと実りあるものになるでしょう。 完璧な英語を目指すよりも、相手を思いやる気持ちを言葉に込める努力を続けることが、最も大切なマナーだと言えるでしょう。今回の記事が、皆さんのイギリスでの円滑なコミュニケーションの一助となれば幸いです。学業も、そしてこうした日常の些細な学びも、すべてが皆さんの滞在生活を形作る大切な要素です。 どうぞ、一通のメールを丁寧にしつらえて、充実した日々を過ごしてください。ところで、今回お話ししたような相手の領域を侵さず、相手に選択権を与えるような丁寧さのあり方は、社会学ではnegative politeness(ネガティヴ・ポライトネス)と呼ばれているそうです。 Ayatoの他の記事↓ https://passporter-media.com/articles/35/

【海外大生の就活事情】ボスキャリ(BCF)2025参加体験談

こんにちは。Midoriです。今回は日英バイリンガルを対象とした世界最大級の就活イベント、ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)について参加者の体験談をご紹介します。 ボスキャリ(BCF)とは? ボスキャリはキャリアフォーラムネット(CFN)が主催する日英バイリンガルを対象とした3日間の就活イベントです。ボストン以外でもロンドン、ロサンゼルス、東京、大阪で開催されていますが、11月下旬に開催されるボストンのものが最大です。 約200社の説明会 面接して内定の可能性も ボスキャリには約200の企業が出展し、世界中から参加学生が集まります。普通の就活イベントというと説明会や面談がメインのものを想像されるかと思いますが、ボスキャリでは多くの企業で実際に選考が進みます。当日中に内定が出ることも珍しくありません。 当日企業説明を聞いてみて気になったところにレジュメを出して面接するということも可能なので、効率よく就活を進められます。 ロンキャリとの比較 ちなみにロンドンで開催されるロンドンキャリアフォーラムはヨーロッパ最大級ですが、ボスキャリと比べると規模ははるかに小さいです。例年40社ほどが出展し、同様に就職活動を行うことができます。 イギリス留学中で「ボストンまで行くのはちょっと……」と思った方はぜひそちらも調べてみてください。キャリアフォーラムの雰囲気を掴むという意味でもいい経験になると思います。 @passporter_ ロンキャリって何?ボスキャリとの違いは by Ayaka ロンキャリは、イギリス・ロンドンで開催される海外大生向けの就活イベント🇬🇧 ボスキャリとの違いはまず「企業数」。ボスキャリは企業数も多く、採用枠も多い。ロンキャリは参加企業数が少な分採用枠も少なめ。勤務地はどちらも日本配属が中心。 「開催地」の違いは、ボスキャリ→ボストン、ロンキャリ→ロンドン。 「開催時期」も違っていて、ボスキャリは年末ごろ、ロンキャリは年始ごろ。 「参加者」は、ボスキャリ→北米中心、ロンキャリ→ヨーロッパ中心。 ボスキャリのほうが規模が大きいけど、ロンキャリならではのメリットもある‼️ メリット①二日間だから体力的にも楽 企業数が限られている分狙い撃ちができるから、初参加でも回しやすい! メリット②ボスキャリのいい練習になる しかも最近参加企業数が増えているから、今後もっと伸びる可能性もある。企業によってはイギリス🇬🇧と日本🇯🇵のインターン枠も出てるから、イギリス在住の学生はぜひチェックしてみてね。 ➡️ メディアサイトでは留学生によるお役立ち記事も読めるよ!プロフィール欄のリンクからアクセス @passport_to___ 【Who are we?】 📚 海外留学を目指す学生や、いま留学中の学生に向けて 経験者のリアルな情報を発信しています。 🎓 運営メンバーは現役海外大学生&卒業生! 留学を目指す人と留学生がつながれる場所になっています✨ 🤝 海外大学生同士でつながれるコミュニティ 交流会や就活・キャリアイベントを開催予定 ! #留学生活#海外大学#イギリス留学#イギリス大学#就活 ♬ Vlog - wouldliker ボスキャリ2025参加の流れ ここからは実際に参加してきた学生の体験談です。 大学に進んだとなれば次に気になるのは就職のことですよね。 私は最終学年であるにもかかわらず、あまり就活について深く考えていなかったのですが、行ってみたいと思える企業に出会い、内定を頂いた過程をご紹介します。まずはボスキャリ参加の流れです。 ①参加登録・各企業に応募 まずはCFNでアカウントを作成し、参加登録を行います。基本情報を入力し、レジュメを記入すれば準備完了です。 とはいえ、そのまま出願するのはもちろんおすすめしないので、CFNのサイトに書かれたTipsなども見てみてください。大学によってはCFNの担当者が講演しに来ることもあるので、そちらも併せて参加すると理解が深まると思います。オンラインでも説明会が多数行われています。 ボスキャリ2025のウェブページ また、事前応募を行い、何度かオンライン面接を終えておくのが無難です。特に人気の企業だと、当日は最終面接のみというところもあります。事前にある程度選考が進んでいると、企業から開催日のディナーに呼ばれることもあるので、ぜひトライしてみてください。 ②飛行機と宿を取る 当初あまりピンと来る企業がなかったため、自分の重い腰を上げるためにも先に飛行機と宿を取りました。時期が近づくと高くなるので早めに押さえておいたほうが良い、というのもあります。 飛行機はヒースロー空港(LHR)から出るBritish Airwaysにしたので特筆することはなく、割愛させてもらいます。宿はホテルではなく、他大学の友人と6人で空港近辺のAirbnbを取りました。大人数で泊まるメリットとして、朝は6人でタクシーをシェアできたので、比較的安い値段で会場まで辿り着くことができました。人と泊まることにそこまでストレスを感じない方でしたらおすすめです。 キャリアフォーラムには「トラベルスカラシップ」というありがたい制度があり、運が良ければ$350(イギリスからボストンへ飛ぶ場合)が支給されます。早めに飛行機を取れば大部分はこれでカバーできるのではないかと思います。こちらは事前応募が必須で当日受け取りなので、忘れずにチェックしておいてください。 いざボストンへ!ボスキャリ2025レポ ここからはある程度キャリアフォーラムについて知っている方向けのレポです。ご存知ない方にとっては想像がしづらいかと思いますがご容赦ください。 事前応募した企業との面接 前述の通り就職についてあまり考えていなかったのですが、それでもさすがに10社弱は応募してからボストンへ向かいました。 ボストンへ行くまでにご縁がないと判断された企業もありましたが、ご縁のあった4社とは面接を予約させてもらいました。一次と二次がそれぞれ2社ずつでした。面接後、そのまま次の面接に案内していただいたこともあれば、結果は後日というところもあり、そのあたりは企業によります。 ボスキャリのWalk-in(ウォークイン) 事前応募は締め切っていても当日受付(Walk-in)が可能な企業も多くあります。そのため、事前に何社か目星をつけた上でレジュメを出して回りました。 ボスキャリ当日の会場の様子(CFNウェブページより) その場ですぐ面談となる場合もあれば、面接予約を取る場合もありましたし、まずは書類審査からという会社もありました。書類審査が先にあり会期中に選考へ進める場合は、電話やメールで面接の連絡が来ます。 面接へ行き、レジュメを出し、説明会を聞き、面接の準備をして、みたいなことを繰り返しているとあっという間に1日が過ぎていました。 ボスキャリ中の面接で聞かれたこと 受けた企業に限る話かもしれませんが、大体は「留学の理由」「ガクチカ」「就活の軸」「実現したいこと」など同じようなことを聞かれました。それぞれの企業で若干深掘りの仕方が異なるという印象です。 Walk-inの場合は特に深い企業研究は想定されていないので、就活生の人となりの方を重視しているのだと思います。私は業界研究すらままならないまま行ってあまりうまくいかなかったので、皆さんはせめて就活の軸と業界は定めてから行ったほうが良いと思います。 逆に、ビジネス全般に幅広く興味があり、どの業界もある程度知識があるという方であれば、卒なくこなせるのではないかと思います。Walk-inでは企業分析の時間が取れていない人がほとんどなのでそこまで求められないわけです。 ボスキャリで企業主催のディナー ディナーの有無や誰が招待されるかなどは完全に企業によるため、あまり明言はできませんが、私は金曜日と土曜日の両日それぞれ別の企業に招待していただきました。 写真はディナーで食べたパスタです。ボストンは海沿いにあり、海鮮が有名なようで非常に美味しかったです。 ボスキャリのディナーで振舞われた海鮮パスタ 企業によっては選考の一環であるといった話を小耳に挟みましたが、私が参加したディナーではそのようなことはありませんでした。説明会や質問会などと比較してより長い時間をかけて企業の方とお話しできますし、よりラフな感じで実際の職場の環境も聞けるので非常に有意義な時間でした。 また、他の就活生がどのような勉強をしていて、どんなキャリアパスを考えているのかを聞くのも、自分の就活を見つめ直すきっかけにもなりましたし、単純に他の大学、地域の話を聞けて楽しかったです。 ボスキャリ終了後 Web面接 私は事前応募が遅く、かつ少なかったので当日中に内定は出なかったのですが、後日Web面接を設定していただけた企業がいくつかありました。ボスキャリ当日に応募して後日選考に進んだ企業もあります。 ボスキャリでさまざまな企業の方とお話しする中で、自分の目指したい姿が固まったこともあり、その後無事、心に決めた企業から内定を頂くことができました。案外どうにかなるものですね。 以上、参加者による体験談でした。海外留学経験者の就活の参考になれば幸いです。皆さんの就活がうまくいくことを願っています!

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