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留学生が知っておきたい「英語メールの書き方」: メールから見るイギリス文化

こんにちは。ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)で物理学を専攻しているAyatoです。今回は、イギリスでの生活や学業において避けては通れない、電子メールの作法について深く掘り下げてみたいと思います。

イギリスという国で生活を始めると、日本とはまた違った種類の礼儀作法や、言葉の裏に隠された機微に驚かされることが多々あります。特に電子メールという、相手の顔が見えない文字だけのコミュニケーションにおいては、その傾向が顕著に現れます。

イギリス人にとってのメールは単なる情報伝達の手段ではなく、相手との良好な関係を維持し、お互いのプライバシーや時間を尊重していることを示すための、きわめて高度な社交ツールなのです。

英語メールの実践的な執筆例とテンプレート

まずは実際の執筆例をテンプレートとして見てみましょう。例えば、大学のIT担当者にプログラムの環境構築について質問する場合、以下のような構成が理想的です。

件名:Query regarding Environment Setup for Project A – Student ID 1234567

本文:

Hello [相手の名前(宛名の詳細は後述)],

I hope your week is going well.

I am writing to kindly ask for some guidance regarding the environment setup for Project A. I have been following the instructions provided, but I seem to have encountered a small issue with the dependencies.

I was wondering if you might be able to offer some advice or point me in the right direction when you have a spare moment? I have attached a screenshot of the error message for your reference.

Thank you very much for your time and help.

Kind regards,
Ayato

この短い文章の中には、週の半ばの挨拶、「kindly ask」というクッション、「I was wondering if」という婉曲表現、そして相手の負担を最小限にするための資料添付という配慮がすべて凝縮されています。こうしたテンプレートを基盤に、AIと共に自分の意図を肉付けしていくのが上達への近道です。それぞれの詳細については後述します。

英語メールの宛名の書き方

宛名の書き方は相手の立場や関係性によって異なり、ケースバイケースなので表にして以下にまとめました。始め方が丁寧でないのではないか、と気になる場合は、最も丁寧な形にすると良いでしょう。

相手の立場関係性宛名
大学職員/その他初コンタクト/ 名前不明To whom it may concern/ Dear 〇〇 Team
大学職員/その他相手からの返信に対する返信Dear Ms./ Mr. [Surname]
大学教授(Professor)初コンタクトDear Professor [Surname]/ Dear Prof. [Surname]
大学教授(Professor)顔見知り/親しいHi Prof. [First name]
※教授との距離による。Surnameの方が丁寧
大学教員(Dr.)初コンタクト/ 親しいDear/ Hi Dr. [Surname]/ [First name]

挨拶という名の社交儀礼と時間軸

ここからはイギリス人とメールでやり取りする際に、気を付けるべき事項についてお話しします。メールを書き始める際、まず直面するのが挨拶の書き方です。事務的な問い合わせであれば依然としてフォーマルな表現が使われますが、大学内でのやり取りや一度会ったことのある相手であれば、かなり早い段階で“Hi 〇〇” (〇〇さんこんにちは)といった親しみやすい挨拶に移行します。しかし、ここで重要になるのが挨拶の直後に続く一言です。

イギリス人は本題に入る前に、必ずと言っていいほど相手の近況を気遣う一言を添えます。月曜日であれば週末がどうだったかを尋ね、週の後半であれば週末の予定が良いものになるよう願う言葉を添えるのが、もはや儀礼的な習慣となっています。週の半ばであれば、一週間が順調に進んでいることを願うといった具合です。

イギリス留学での英語メールの書き方

この一文は、単なる社交辞令以上の意味を持っています。相手が仕事や勉強以外の生活を持っていることを認め、その時間を尊重しているという意思表示なのです。

ロンドンという多種多様な背景を持つ人々が密集して暮らす都市において、この一見無駄に見える数行が、コミュニケーションの摩擦を抑えるために不可欠な役割を果たしています。これを省略してすぐに用件に入ってしまうと、相手に「事務的すぎる」、あるいは「余裕のない人間」だという印象を与えかねません。こうした細やかな配慮の積み重ねが、長期的な信頼関係を築くための第一歩となると考えています。

イギリスの英語メールならでは: 婉曲表現の扱い方

冒頭のテンプレートでも紹介しましたが、イギリスのメールで最も難解であり、かつ面白いと思うのが婉曲表現です。

「行間を読む」重要性

彼らは自分の意見や不満を伝える際、驚くほど柔らかい言葉を選びます。しかし、その柔らかい言葉の裏には、時として非常に強いメッセージが隠されています。この曖昧さや遠回しな表現は、日本人にとっては結局何が言いたいのかと困惑させる原因にもなりえます。

しかし、この「行間を読む」作業こそがイギリスでの生活を豊かにします。

例えば、教授からのフィードバックに「これは興味深い視点ですね」と書かれていた場合、それは必ずしも面白いねと絶賛されているわけではありません。文脈によっては「少し的外れだが、まあ着眼点は分からなくもない」という非常に丁寧な否定であることもあります。

彼らは対立を避けるために、肯定的な言葉の中に否定的なニュアンスを忍び込ませる、受動的攻撃性、いわゆるpassive aggressive(パッシブ・アグレッシブ)と呼ばれる技術に長けています。

イギリス人の受動的攻撃を受けた実体験

これを理解していないと、メールでのやり取りで致命的な誤解が生じることがあります。

私が以前、プログラムの環境構築の方法について担当者に問い合わせた際のこと。担当者から「マニュアルの中に解決策があると確信しています」という返信が来ました。言葉通りに受け取れば非常に前向きで親切な言葉に見えますが、その真意は「そんなことはマニュアルに書いてあるのだから、わざわざメールで聞かずに自分で調べなさい」というかなり強い釘刺しであったことに後から気づきました。

こうした言葉の裏側を読み取る力は、単なる語学力ではなく、現地の文化に浸り、人々の反応を観察することでしか養われない感覚です。

クッション言葉の使用

また、何かを頼む際にも、「もしよろしければ(I would be more than happy if you wouldn’t mind doing ~)」や「もしお手すきであれば(I was wondering if you could ~ in your good time)」といったクッション言葉を多用します。これにより、相手に断る余地を与えつつ、こちらの要望を伝えることができます。こうした控えめな姿勢は、相手に対する強要を避け、自由な意思を尊重しているというメッセージになります。

結びの言葉に宿る微かな感情

メールの最後を締めくくる結びの言葉も、相手との距離感を示す重要な指標です。ビジネスやフォーマルな場では一般的で礼儀正しい「Best regards」といった表現が好まれますが、より親密な関係であれば、温かみのある言葉「Warm regards」「 Yours」「 Best wishes」、時にはイギリスらしいカジュアルな表現「Best」が選ばれます。

イギリス留学での英語メールの書き方

面白いのは、これらの言葉から相手の感情の変化を読み取れることです。それまで非常に丁寧で温かい結び言葉を使っていた相手が、急に事務的で短い「Regards」という一言だけの結び方に変えた場合、それは何らかの理由で不快を感じているサインかもしれません。

あえて温かい言葉を意図的に抜き去ることで、自分の不快感を示すわけです。これは非常にイギリス的な、声高に叫ばない抗議の形です。結びの一語にまで気を配ることで、相手との現在の関係性を再確認することができるのです。

AIを活用したイギリス式英語メールの実践的な練習法

さて、こうした複雑なニュアンスを身につけるのは一朝一夕では難しいものです。そこで、現代的な練習方法としてAIを活用したトレーニングを提案したいと思います。

まず、書きたいメールの概要を伝えてAIに文面を書いてもらいましょう。そして、生成された文章をそのまま使うのではなく、なぜそのように書かれているのか、あたかもプログラムのソースコードにコメントをつけるかのように、それぞれのフレーズの意図を自分の頭で考えて書き込んでいきます。この際、正解かどうかを気にする必要はありません。あなたがその表現を読んでどう感じたか、どのような効果を狙っていると思ったか、という自分なりの解釈が重要です。

コメントを書き終えたら、その文章をAIに送り返しましょう。その際に、自分の解釈がAIの意図したものと同じか、あるいは違うのかを判断してほしいと依頼します。

もし解釈が異なっていた場合は、本来はどういう意図だったのか、なぜその特定の表現でその意図を表現できるのかを詳しく教えてもらうように聞きましょう。そうすると、表現に隠された今まで自分の知らなかった世界を教えてくれるものです。

単なるテンプレートを丸暗記するのではなく、言葉の選択の背後にあるロジックを理解することで、より自然で説得力のあるメールが書けるようになります。これは、異文化間のコミュニケーション能力を鍛えるための非常に強力な訓練になります。

AIを活用したメール作成における効率化と注意点

業務の効率化という観点から、AIをメール作成に活用することは現代において非常に有効な手段の一つとして広く推奨されています。

特に英語が母国語ではない私たちにとって、文法的な正確さを担保し、自然なフレーズを瞬時に生成してくれるAIの存在は、精神的なハードルを下げる心強い味方となります。しかし、そこには無視できないいくつかの注意点が存在します。

まず、AIは時に過剰に丁寧すぎたり、逆に文脈を読み違えて不自然に冷淡な表現を選んだりすることがあります。先述したようなイギリス特有の微妙なニュアンスや、特定の相手との間に築かれた固有の信頼関係に基づいた微調整は、最終的には人間にしかできない非常に繊細な作業です。

また、機密性の高い情報や個人情報を安易に入力してしまうことは、セキュリティやプライバシー保護の観点から厳に慎まなければなりません。AIが生成した文章はあくまでも優れた土台として捉え、必ず自分自身の目で見直し、自分の声や相手に対する真摯な思いが最終的な言葉に反映されているかを確認するプロセスを欠かさないことが、効率化と誠実さを両立させるための鍵となります。

AIへ入力するプロンプト(指示文)の工夫

AIを単なる代筆者としてではなく、自分の意図をより正確に伝えるための共創パートナーとして活用するためには、プロンプトの組み立て方に独自の工夫を凝らすことが重要です。

単に「メールを書いてください」と指示するだけでは、どうしても平均的な文章になりがちですが、いくつかの要素を意識的に盛り込むことで、文脈に即した文面を得ることができます。

受信者との関係を詳しく伝える

まず、リライトを依頼する際には、送り手である自分と受け手である相手との現在の関係性を具体的にAIに伝えることが欠かせません。さらに、そのメールを送ることで相手にどのような行動をとってほしいのかという最終的なゴールも明示します。

AIに役割を与える

プロンプトを工夫する際にもう一つ意識したいのは、役割設定という手法です。

AIに「あなたはイギリスの大学で長年学生指導にあたっているアドバイザーです」といった役割を与えます。その上で「私の下書きを、相手の機嫌を損ねることなく、かつこちらの要望が明確に伝わるようにイギリス風にリライトしてください」と依頼するのです。

また、一度のリライトで満足せず、対話を重ねるプロセスも有効です。生成された文章に対して「もう少し親しみやすさを出してください」といった具体的なフィードバックを返すことで、AIは代替となるフレーズを提案してくれるだけでなく、なぜそのフレーズの方が適切なのかという理由まで説明してくれます。

学業における実践的コミュニケーション

学生として教授や大学のスタッフにメールを送る際は、丁寧さと同時に簡潔さが求められます。彼らは日々膨大な数のメールを受け取っているため、いかに相手の時間を奪わずに要件を伝えるかが重要になります。

件名には必ず、自分の学生番号、氏名、そして用件を明確に記載してください。本文では冒頭で簡潔に要件を伝え、最後には「お忙しいところ恐縮ですが、お手隙の際にお返事をいただけますと幸いです」という謙虚な姿勢を見せます。この構成こそが、相手の手間を最小限にし、かつ自分の誠実さを伝えるための最短ルートです。

また、イギリスでは返信のスピードも信頼関係の一部です。すぐに答えが出せないような複雑な内容であれば、まずはメールを受け取ったことと、現在確認中であることを伝える一報を入れるのが洗練された対応です。

ネイティブの感覚を養うためのリソース

ここで、私自身もイギリスでのコミュニケーションを円滑にすることを目的として参照している、おすすめのリソースをいくつか紹介します。

Oxford Learner’s Dictionaries

一つ目は、Oxford Learner’s Dictionaries(オックスフォード・ラーナーズ・ディクショナリーズ)という無料のウェブ辞書です。おすすめの理由は三つです。

Oxford Learner's Dictionaries | Find definitions, translations, and grammar explanations at Oxford Learner's Dictionaries
The largest and most trusted free online dictionary for learners of British and American English with definitions, pictu...

第一に、英英辞典であるということです。英和辞典は対応する日本語を素早く掴みたい時に便利ですが、正確な定義や文脈中におけるニュアンスの理解がしにくくなるという欠点があります。英英辞典はその点を解決します。

イギリス留学で英語メールを向上するためのツール: 英語辞書

第二に、発音が聞けるということです。発音を知っておくことは損ではないと思います。また、イギリス発音と、アメリカ発音の二つが聞けるのも特徴です。

第三に、学習者用の辞書であるということです。日本語の辞書でも、英語の辞書でも経験する問題としては、知りたい言葉の説明の中に自分の知らない単語があるということだと思います。その点、学習者用の辞書では、調べた単語のレベルよりも低いレベルにカテゴライズされた単語のみで説明が出てくるので、上記のようなことは起きにくくなっています。

Hedgingを学べるサイト

二つ目は、Hedgingに関するウェブです。

Hedgingとは、確度を下げて主張を行う技術のことです。例えば、「〜だ」を「〜かもしれない」「〜という可能性もある」というように書くことです。以下の大学提供のサイトに、詳しい説明や例があるので、興味がある方はご覧ください。

UEfAP↓

Writing Features:Hedging – UEfAP

George Mason University↓

Hedges: Softening Claims in Academic Writing
In academic settings, writers need to be cautious and critical about the claims they make. With the help of the special ...

Grammarly

三つ目は、Grammarlyという文法添削サイトです。ニュアンスを理解するというよりは、文法的をチェックすることで正しく伝わるかどうかを見るためのものです。

Grammarly: Free AI Writing Assistance
Grammarly makes AI writing convenient. Work smarter with personalized AI guidance and text generation on any app or webs...

無料版と有料版があり、文法、スペルは無料でチェックできます。有料版は、文法的に誤りではないが、このようにするとより簡潔、よりよい表現であるという提案をしてくれます。

異文化理解という旅の終わり

イギリスのメール文化を学ぶことは、単に英語の表現を覚えること以上の意味を持っています。それは、彼らが大切にしている価値観や、他者との接し方を理解することに他なりません。表面的な言葉の裏にある、相手を尊重し、調和を尊ぶ精神を感じ取ることができれば、メールのやり取りはもっと実りあるものになるでしょう。

完璧な英語を目指すよりも、相手を思いやる気持ちを言葉に込める努力を続けることが、最も大切なマナーだと言えるでしょう。今回の記事が、皆さんのイギリスでの円滑なコミュニケーションの一助となれば幸いです。学業も、そしてこうした日常の些細な学びも、すべてが皆さんの滞在生活を形作る大切な要素です。

どうぞ、一通のメールを丁寧にしつらえて、充実した日々を過ごしてください。ところで、今回お話ししたような相手の領域を侵さず、相手に選択権を与えるような丁寧さのあり方は、社会学ではnegative politeness(ネガティヴ・ポライトネス)と呼ばれているそうです。


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マンチェスター大学で神経科学を研究!研究室の雰囲気や日本との違い【交換留学レポ】

こんにちは!Midoriです。私は2024年の秋から約1年間、イギリスのThe University of Manchester(マンチェスター大学)に交換留学し、Neuroscience(神経科学)の研究に取り組みました。マンチェスター大学の神経科学分野は有名で、世界トップレベルの研究者が集う最先端分野です。また、神経科学の中でも特に難病解明に力を入れています。 この記事ではイギリスの研究生活について詳しくお伝えし、日本の研究環境との比較も書きます。 マンチェスター大学の交換留学生として研究する マンチェスター大学 大学3年生の秋から約1年間、マンチェスター大学の生物・医学・健康学部に交換留学しました。私が在籍していた日本の大学はマンチェスター大学との協定で、生物学専攻の学生はお互いの大学に1学期もしくは2学期間留学し、その間に研究に取り組むことができるようになっています。 通常の交換留学は留学先の大学で授業を履修するのみですので、かなり特殊な制度と言えます。また、この制度のおかげで私は卒業研究をイギリスで取り組むことができ、留年せずに他の留学していない学生と同じように4年間で学士課程を卒業することができました。 研究機関としてのマンチェスター大学の研究環境 ラッセルグループに所属し、世界大学ランキング上位校 冒頭でも触れましたが、マンチェスター大学の神経科学分野は世界最先端を走っています。そのため、使用している設備も最先端のもので、優れた研究成果を次々と生み出しています。 また、マンチェスター大学はラッセルグループ*に所属していて、神経科学に限らずさまざまな分野の研究が高い評価を受けています。世界大学ランキングでも上位にランクされる研究型大学であり、優秀な教授陣が指導にあたってくれるため研究に意欲的に取り組みたい人にとっては素晴らしい環境が備わっていると言えます。 *1994年に設立されたイギリスを代表する24の主要研究型大学からなる連盟です。オックスフォード大学やケンブリッジ大学、インペリアルカレッジロンドン、UCLといった、世界トップ10に名を連ねる名門校が加盟しています。 生物・医学系の研究棟 研究室が入っている研究棟は4階建ての巨大な四角い建物です。この建物には関係者しか入ることができません。学部生の入棟可能な時間は平日の朝8時から夕方の6時までです。学生証をかざし、一回で一人しか通れない扉から入ります。 マンチェスター大学の研究棟の外観 これは日本、少なくとも私の大学にあるほとんどの研究棟とは異なります。日本の場合は平日の大体朝9時から夕方5時までは開放されていて、誰でも入れるようになっています。それ以外の時間帯は建物の扉が施錠され、学生証や教職員証を持っている人のみが入れる仕組みです。 マンチェスター大学の研究棟の話に戻ります。私の研究室は3階にありました。行く時はいつも階段ですが、たまに疲れすぎてエレベーターを使う時もあります。建物が四角になっていて、ずっと歩き続けたら1周することができます。 実験スペースは事務スペースと分かれていました。事務スペースには全員に専用の机とパソコンが与えられましたが、実験スペースは全てが共用です。また、隣の研究室との間に壁があるわけではないため、事務スペースでも実験スペースでも交流があります。 細胞生物学系の研究室が使っていた実験スペース 蛍光顕微鏡が置いてある暗室 大規模のハエ飼育施設 これらの場所に加え、私はハエの飼育されている施設もよく利用しました。その施設は4階にあり、研究室から離れています。そこはマンチェスター大学でハエを使っている13の研究室が共同で利用している場所です。これはなかなかの規模ですので、当然ハエの施設も大きいです。作業スペースがたくさんあり、必要な試薬や実験道具、顕微鏡といった機械などもそろっています。 ハエ施設にある実体顕微鏡 私の一番のびっくりポイントはインキュベーターの大きさです。インキュベーターとは一定の温度に保つことができる装置です。いろんな温度に設定できる冷蔵庫を想像するといいでしょう。 私がそれまで見たことがあるインキュベーターは大きくても業務用冷蔵庫サイズです。しかしマンチェスター大学のハエ施設のインキュベーターはそれをはるかに超え、人が入れるサイズでした。もはや冷蔵庫ではなく4畳くらいの部屋でした。巨大インキュベーターは2つあり、それぞれ25℃と18℃に保たれていました。その他にも30℃や22℃など異なる温度に設定されている通常の冷蔵庫サイズのインキュベーターが複数ありました。 ハエが飼育されている巨大インキュベーター そのインキュベーターの中にハエを入れて飼育します。温度が変わると成長速度が変わり、器官の形成様式も変わってくるため実験によってインキュベーターを使い分けています。 余談ですが、冬になると1時間に1回くらい25℃インキュベーターの中に入って暖を取っていました笑。実験スペースには冷暖房設備がなく、冬になると極寒の中で実験することになるので私はいつも凍えていました。25℃インキュベーターは命の恩人です。 マンチェスター大学の研究室の雰囲気 多様なメンバーがいる小さなグループ 研究室はこぢんまりとしていましたが、出身が異なるメンバーから構成されていました。PIに加え、博士課程の学生が1人、修士課程が4人、学部生は私を含め2人の計8人です。研究室にいる教員はPIのみだったため、その先生が全員の研究指導を担当していました。 指導教員(PI)はドイツ人で、学生はインド、リトアニアから来ていました。また、イギリス人でマンチェスター出身の学生が1人いました。その人は私が今まで出会った唯一の生粋のMancunian(マンキュニアン/マンチェスター人)です。 私の研究室にはいませんでしたが、大きな研究室だとPIに加え、准教授や助教が複数人いて、さらにポスドク(博士研究員)や技術職員、秘書などがいます。デカいグループだと学生を含め数十人になるところもあります。 指導教員の指導スタイル 指導教員は半放任主義で、コアタイムはなかったです。いつ来ていつ帰ってもいいよというスタンスでした。研究室にいる時間については何も言われませんが、無事であることを確認するため休む時は事前に連絡することくらいが指導教員の設けたルールですね。 指導教員は一人で7人の学生の面倒を見ながら、講義や資料準備をしたり、大学の業務をこなしたり、時には学会に参加したりして、常に多忙を極めていました。しかし、それほど忙しいにもかかわらずジョークを言うことを忘れず、よく冗談を言って笑わせ、研究室はいつも和やかな雰囲気に包まれていました。 また、昼ご飯の時間は必ずみんなで食べていました。研究棟内の実験スペースと事務スペースの間にフリースペースがあり、その近くに電子レンジや冷蔵庫などがあります。そのテーブルでいつも指導教員と一緒にご飯を食べながら、研究の話をします。指導教員曰く、ご飯を食べながら話し合えば時間の節約になるということです。 前述の通り研究室にはポスドク研究員も技術職員も秘書もいませんでした。学生はみんなそれぞれの研究テーマに取り組み、実験手法は先輩もしくは先生に教えてもらいました。 実験をしたら指導教員に結果を報告し、次の実験について話し合います。自分から行かないと指導教員からは何も言われないため、自分が行動しないと何も始まらない環境でした。ただ、指導教員に何か相談すれば必ず丁寧に対応してくれ、研究に関する議論にも熱心に向き合ってくれます。 マンチェスター大学での研究ルーティーン 午前 平日は毎朝8時に起床し、寮の食堂で朝ご飯を食べて9時に出発していました。寮から研究室までは徒歩30分です。バスに乗ることもできますが、私は交通費節約のため、また沿道の自然を楽しみながら歩くのが好きだったためいつも歩いていました。 9時半ごろに研究室に到着すると、まずはハエ施設に行きます。ハエの様子を確認し、餌が古くなっていたり、数が増えすぎたりしていると新しい餌の瓶に入れ替えるなどの作業をします。 その後、神経細胞の培養実験を行います。前日の夕方に産卵環境をセッティングして、十数時間後には狙ったステージの卵が得られます。その卵を集め、処理を行って神経細胞のみが残るようにして培養します。 培養したハエの神経細胞 一回の培養実験で大体2時間かかります。それが終わると大体昼ご飯の時間です。研究室の外にあるフリースペースで指導教員や他のメンバーと一緒に食べます。私はいつも家から持ってきたサンドイッチを食べていました。たまにアジアンスーパーで買ったカップ麺を食べ、少し日本を思い出します。研究室のメンバーはカップ麺を食べないのか、いつも興味津々に私が麺をすすっているところを見つめてきます。 昼食中は研究の話が多いですが、日常生活の話もよくします。例えば先輩が最近新しい靴を買った話とか、先生のパソコンがいつも不調で作業が一筋縄にいかないとか、寮の夕食の話とか、話題はいろいろなところに及びます。 午後 昼食後は解剖実験などの実験をやるか、前日に培養した神経細胞を固定・染色する実験をします。他にやる実験がない日は自分の席でデータ分析や報告書を書きます。 解剖実験などがある時は実験に夢中になりすぎて帰りそびれたことが何回かあります。夕方6時を過ぎると研究棟から出られなくなりますので、よく5時58分からダッシュしていました。研究室は3階にありますので、階段を猛スピードで降ります。ギリギリ間に合うことが多いですが、間に合わず閉じ込められることも数回ありました。そういう時は全力で扉の外にいる帰宅寸前の受付職員を呼び止めて、扉を開けてもらいます。 研究室の決め方 研究内容だけでなく、指導教員との相性も大事 交換留学生は正規生と違って、授業きっかけや先輩からの話、研究室見学などの事前情報を判断材料にして研究室を決めることはほぼできないため、運任せのところがあります。というのも、研究室や指導教員を決めるのは研究テーマだけでなく、研究室の雰囲気や指導教員との相性が大事です。 「研究内容が合致するけど方針が合わない指導教員よりも研究内容がややずれていて方針が合う指導教員を選べ」と言われるほど、「人」はとても大事です。 もちろん、前年度に留学していた先輩から話を聞く方法もありますが、そこから得られる情報はかなり限られると思います。私もそうでしたが、研究室の数がたくさんあり、他の研究室との交流が少ないため情報は得にくいです。自分の研究でかなり精一杯になるので、他の研究室を気にする暇はないです。近い分野の先輩であればそれなりに情報はあると思いますが、そうでなければ得られる事前情報はゼロに等しいです。 というわけで、交換留学生は研究内容から研究室・指導教員を選ぶのが唯一の道です。 指導教員決めの流れ 指導教員の調べ方としては、マンチェスター大学の研究者一覧サイトからキーワードを検索してやりたい研究に近い分野の教員を探します。そこから研究内容や研究室の空き状況をメールで問い合わせるのが一般的なやり方です。あるいは交換留学生担当の教員が必ずいますので、その先生にやりたい研究を相談して、研究室を探してもらいます。 しかしそのサイトに載っている情報がやや不足していて、教員の研究内容が書かれていても研究室の情報が全くないのです。また、日本の大学や研究機関と違って、研究室のホームページというものがありません。そのため、どんなメンバーがいるのか、各メンバーの研究テーマ、あるいは研究以外での研究室の活動はどのようなものがあるのかなどを知る由がないです。 留学が始まる前、つまりまだ日本にいる時に複数の教授と面談などを経て指導教員を決めておいて、渡英後すぐに研究を始められる状態にするのが一般的です。教授によっては事前に論文が数報送られてきて研究室としてやっている研究についてある程度理解を得てから来なさいという場合もあります。 交換留学生担当の教員に相談 私の場合、指導教員も研究テーマも決めないままイギリスに渡りました。 上記の難しさもありましたが、その他事務的な手続きの問題で決めなかったです。渡英後に研究室を検討し始め、時期が遅すぎて空きがある研究室が限られていたため、交換留学生担当の教員に入れそうな研究室を探してくれるようお願いしました。具体的にはその先生と面談し、自分の興味のある分野やこれまでのラボ経験などを説明し、それを基に考えてくれました。 私は当時やりたい研究がはっきり決まっていたわけではなく、漠然と細胞生物学や動植物生理学に興味がありました。 留学に行く前までは細胞生物学や動植物生理学、生態学、動植物分類学の実験・実習などさまざまな実務経験がありました。それに加え、キイロショウジョウバエ(研究で一番よく使われるハエ)を実験動物に使っている研究室で実験補助のアルバイトをしたことがあり、ハエの飼育や遺伝子抽出などの経験がありました。これらを踏まえ、交換留学生担当の教員はハエを使った神経科学の研究をしている研究室を紹介してくれました。 早速その研究室のPI(Principal Investigator/研究室主宰者)と面談し、研究内容が面白かったのとよさそうな先生だったため、その研究室で卒業研究に取り組むことを決めました。 研究室の実験以外の活動 他の研究室との合同セミナー 毎週木曜日の朝9時半から、他の細胞生物学系の研究室と合同でセミナーが開催されます。各研究室が順番に担当し、担当になった日は研究室のメンバーが最近の研究成果を発表し、それを基に全員でディスカッションします。 私は毎回参加していますが、正直のところ難し過ぎて最初から最後まで理解できたためしはなかったです。発表の最初はイントロダクションで、研究の背景が説明されます。そこはほとんど理解でき、次の手法の最初の一部までが限界です。それ以降、聞いたことのない実験手法や解析方法が出てきて、頭がはてなだらけになります。 発表の途中や発表後には各研究室のPIやポスドク、学生が質問したり、補足説明をしたりするのですが、私は一度もその議論に参加することができませんでした。自分の研究室の人もあまり発言せず、記憶の中では博士課程の先輩生以外が発言しているところを見たことがないです。 食事会・ボウリング 指導教員は稀に学生と一緒に外でランチします。私も3回行ったことがあります。初めて行った時は修士課程の先輩と指導教員とマンチェスター大生である指導教員の息子の4人で行きました。白昼堂々、指導教員が豪快にビールを飲んでいてめちゃめちゃびっくりしました。 その他の2回はキャンパスから近くて評判がいい中華料理屋さんに行きました。中華料理となると皆頑張って箸で食べようとしていて、でもあまりうまくいかない光景が微笑ましかったです。 ある時、博士課程の先輩が急にボウリングしたいと言い出し、指導教員を含め研究室の全員で行きました。2ゲームをやり、とても楽しかったです。私に僅差で負けた指導教員は悔しがっていたのが良い思い出です。 ボウリングの結果 研究室として行う研究以外の活動はあまり多くなかったが、たまにあると楽しいです。 マンチェスター大学の研究生活を経て 以上、マンチェスター大学での研究生活についてでした。研究室では実験手法や論文の書き方といったことだけでなく、実験データの整理方法や研究との向き合い方、コミュニケーションや議論の仕方なども学び、さまざまな場面で応用できる力を身につけました。 また、指導教員とは今でも連絡を取り、先日大学卒業の報告をしたらとても喜んでくれました。その研究室の一員として研究に取り組むことができた自分は恵まれていると思っています。 https://passporter-media.com/articles/42/ https://jp.education-moi.com/article-62-manchester

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海外経験が少なくてもいける?高校卒業まで日本で過ごした私がイギリスの大学に進学して感じたこと

こんにちは!KCL(キングスカレッジロンドン)でPPE(哲学・政治学・経済学)を学んでいるAyanoです。私は高校まで日本で過ごし、大学から海外に進学しました。高校生の時にカナダに留学したこともありますが、それ以外はほとんど海外経験がありませんでした。今回は、高校卒業まで日本で過ごした私が海外大学に進学して感じたことを紹介します。 イギリスは大学進学が初海外生活という人が少ない 日本の高校卒業資格だけでは直接海外の大学に進学できない 日本の高校の卒業した場合、海外の大学入学前にファウンデーションコースなどの準備課程を受講する必要があります。日本だけでなく、その国の高校卒業資格だけでは直接進学できないという国は他にもあるのですが、そのせいか、大学から海外に行くという人は少ないように感じます。 2024年、ファウンデーションコースのため渡英 周りの留学生を見ていても、高校からイギリスのボーディングスクールに通っていたり、イギリス以外の国でIB(国際バカロレア)やAP(Advanced Placement)など、イギリスの大学にそのまま進学できる資格が得られる高校に通っていたりする人が多いです。 準備期間であるファウンデーションコースに通う その分、私のように高校の卒業資格でイギリスへ直接進学できない場合は、ファウンデーションコースというプログラムへ進学します。私も今通っているKCLで開講されているファウンデーションコースに通いました。 KCLのファウンデーションコース時の初授業 ファウンデーションコースの良い点は、完全に留学生向けのコースなので、エッセイの書き方など、英語で専門科目を学ぶための準備を1年間かけてできることです。 KCLのファウンデーションコースは、学部で学びたいことに基づき複数あるpathwayから一つ選んで進学するという仕組みでした。そのため、英語以外にも学部で希望する専攻に近いことを幅広く学ぶこともでき、学部生になってからはファウンデーションが英語力だけではなく、知識面でも予習になったように感じることも多いです。 イギリスの学部課程は通常3年間のため、ファウンデーションコースが必要な場合でも4年で大学を卒業することができます。最初の1年はその後の学部課程に慣れる準備ができるような時間でもあったので、個人的にとてもありがたかったなと感じます。 イギリスの大学では英語で学ぶことに慣れるのが大変だった 私がイギリスの大学に慣れるのに時間がかかった点は、専門的な内容を英語で学ぶということです。ファウンデーションコース自体が留学生向けということもあり、学部課程の授業が始まってからその違いを強く感じました。 講義の速さがまるで違う 特に大変だったのは、英語で聞きながらメモを取ることと、授業中に発言することです。 ファウンデーションコースの時は、そもそも講義の時間が長めに取られていて進行がゆっくりだったり、講義スライドに写真などが多く使われていたりしました。 一方、学部課程に進学してから、講義で教授の話すスピードが速くて驚きました。メモを取ろうとしても何をメモしたかったか忘れてしまう、ということが最初の頃はよく起こっていました。講義は1時間しかないのに、ファウンデーションの時の何倍も濃い内容で、録画されている講義を見返すことも多かったです。 授業中に発言することのハードルの高さ また、セミナーなどの少人数授業では、言いたいことがあってもそれを言葉にするのが難しく感じることもありました。他に発言するクラスメイトも多いので、言おうか迷っていたり、自分なりに言葉を選んだりしているうちに次のテーマに変わってしまう、ということも多かったです。 経済学や統計学など、答えが明確にある場合は発言しやすかったですが、ディベートやフリーのディスカッションが中心のセミナーの場合は、周りの学生に気後れすることがたくさんありました。 時間の経過と入念な準備で乗り越え 最初の頃特に大変だったのはこの2点ですが、どちらも時間とともに少しずつ慣れていきました。もちろんただ慣れていったわけではなく、授業の準備をより入念にしたり、講義の前にリーディングを欠かさず行ったり、セミナーの前に講義をしっかり理解するなど模索していた部分はあると思うのですが、1年間の学部生活を終えて、だいぶ慣れたなと感じます。 イギリスの大学であまり困らなかったこと 専門用語 意外と困らなかったこともあります。1つ目は、専門用語です。専門用語は講義やリーディングの中で定義が説明されることが多いため、意味が分からなくて困ることはなかったです。 例えば「大統領制」と「議院内閣制」という2つの言葉を並べたときに、2つの違いを全員がうまく説明できるとは限らないのではないでしょうか。この2つがどう違うのか、それぞれの制度にはどのような利点があるのか、などを学べるため、専門用語が難しい・分からないから困ったことはなかったです。むしろ、専攻に関する話は英語でした方が楽なくらい日本語が出てこないなと感じることもあります。 教員へ質問するハードルの低さ 2つ目は、教員に分からないことをいつでも質問しやすい、ということです。授業中や授業終わりに先生に聞くこともできますが、メールやオフィスアワーを使うこともできます。メールもオフィスアワーも利用したことがありますが、いつも丁寧に答えてくれるので、とても利用しやすかったです。 最後に 海外大学に実際に進学してみて、高校からイギリスに留学している人や、IB校出身などのバックグラウンドを持つ学生が多いのは確かですが、海外経験が多くなくても特別困るということはないように感じます。 もちろん最初から全てがうまくいったわけではないですし、今までとの違いを感じる瞬間もありました。でもそれは「海外の大学だから」と限定されたことではないようにも思います。日本の大学に進学したとしても、新しい環境で学び始める以上、慣れるまでに時間がかかることはあるからです。 イギリスの場合は、1年間ファウンデーションコースという準備期間を通して、少しずつ慣れていくことも可能なので、私のように高校まで日本にいても、十分楽しみながら海外で大学生活を送れるのではないかと思います! 通学路から見えたビッグベン 少しでも海外大学への進学を考えている方の参考になり、留学生活をイメージするきっかけになれば幸いです。皆さんの挑戦を応援しています! https://passporter-media.com/articles/41/ https://passporter-media.com/articles/49-kcl-foundation/

英国ボーディングスクールから理系の名門大学インペリアルカレッジロンドンへ

 初めまして、Kenshuと申します。19歳で、香港で生まれ育ちました。幼少期から香港のインターナショナルスクールに通い、4年前からイギリスに留学しています。現在ロンドンのImperial College London(インペリアカレッジロンドン)でChemical Engineering(化学工学)を学んでいます。 香港で生まれ育ち、イギリス: Concord Collegeへ留学するまで 小さい頃、父のお仕事の影響で日本と香港を行き来していました。小学校から中学2年生までは香港のインターナショナルスクールに通っていました。途中、日本の中学受験をしたものの、香港に残ることにしました。2019年以降新型コロナウイルス感染症が世界各地で繰り返し流行り、深刻な問題になっている真最中、私はイギリス留学を決め、海を渡りました。2021年の9月に一人でイギリスに渡り、今までの4年間を過ごしてきました。 イギリスでの学校選びにはそれほどの時間をかけませんでした。いくつかの学校に応募し、最初に合格が決まったところに行くことにしました。私が行くことになったボーディングスクール(全寮制学校)はイングランド西部のShrewsbury(シュルーズベリー)にあるConcord College(コンコルドカレッジ)という高校です。 Concord Collegeの校舎 英国ボーディングスクール生活での戸惑いとホームシックの日々 最初の数日は英語で流暢に話し合う生徒たちを見て、会話にうまく入れなかったです。イギリス英語特有のアクセントやスラングを理解しようと必死でした。英語は何年も勉強していましたが、実際に学業や日常生活で使うのはまったく別の経験でした。 戸惑いは言語だけではありませんでした。イギリスの気候は日本とは大きく異なり、灰色の空と頻繁な雨が毎日続き憂鬱でした。食事にも全く慣れず、食堂で出会ったのはシェパーズパイやジャケットポテト、フィッシュアンドチップスばかり。日本のご飯が恋しくてたまりませんでした。 Concord Collegeのグラウンド 寮生活の思い出 Concord Collegeでは70%が寮生徒、30%が現地生です。全寮生徒には一人部屋を与えられました。私がForm4(中学3年)、Form5(高校1年)にいたときは小さい部屋でしたが、Form 6(高校2、3年)に入るともっと大きい部屋を与えられました。そこで夜遅くまで友達とゲームをしたりするのが一番の思い出です。 毎朝7時半に点呼があり、8時にダイニングホールで朝食を食べます。8時半に授業が始まり、午後4時まで9時限(1時限35分)あります。その間に昼休みと中休みが挟みます。4時に授業が終わると自由時間になり、私は毎日自由時間に昼寝をしていました。 6時半から8時10分までの100分間はprep timeという自習時間があります。全生徒が教室などに集って自習します。最初はすごく面倒で退屈な時間だなって思っていましたが勉強が忙しくなるにつれ、とても重要な時間になってきました。prep timeが終わると10時まで課外活動やクラブ活動が始まります。 課外活動 バレーボールとサッカーに打ち込んだ日々 私は学校のバレーボールとサッカーのチームに所属していました。毎週火曜日と日曜日はバレーボールの練習です。水曜日には他校との親善試合があり毎週それに向けて練習をしていました。Concord Collegeでの一番の思い出はバレーボールチームにいたことかもしれません。 一緒にバレーボールに打ち込んだ仲間たちと サッカーは毎週日曜日の午後にトレーニングがありました。イギリスはサッカー大国なのでみんなすごく上手でAチームに入るのにすごく大変でした。最終学年になった時にやっとAチームのセンターバックのスタメンをもらって嬉しかったのを鮮明に覚えています。 Aチームは日本で言う1軍のことで、全部で50人以上いる部員から15人ほどしか選ばれません。Aチームに入るには基本的に監督による評価、練習試合のパフォーマンスなどを総合的に見て選抜されます。Aチーム以外にもBチームがあり主に下の学年の生徒たちが所属します。 日本と香港には無いイベントの数々 クリスマスやハロウィーンになるとディスコやパーティーがよく開催されます。日本や香港の学校ではあまりない経験だったので友達とディスコに行ったときは圧倒されました。学外からDJを呼んでいたのでやっぱりイギリスの学校はすごいな〜って思いました。 毎年11月5日にあるBonfire Nightという日には学校で大きな花火が打ち上げられ、すごく綺麗です。 Concord Collegeで毎年Bonfire Nightで打ち上げられる花火 英国ボーディングスクールの授業内容 GCSE:理系科目が得意で、文系科目は必死 Concord Collegeのカリキュラムは、私がそれまで経験してきたものとは大きく異なっていました。最初の2年間では、GCSE(イギリスの中等教育修了試験)に取り組みます。選択科目からはHistory(歴史)、Geography(地理)、Computer Science(コンピューターサイエンス)、Statistics(統計学)の4つを履修しました。それからPhysics(物理)、Chemistry(化学)、Biology(生物)の3つの理系科目、English(英語)、Mathematics(数学)、Advanced Mathematics(応用数学)を選択しました。私は理系だったので地理、歴史、英語などの科目は苦手で、他の生徒たちについていくのに必死でした。 Concord College で一番ユニークだなって思うところがSaturday Testsという制度です。毎週土曜日に3つの科目の小テストがあります。科目は毎週ローテーションします。例えば、1週間目はMaths、Physics、Biology、2週間目はGeography、History、Computer Science、3週間目はEnglish、Statistics、Chemistryという感じです。特に2週間目はエッセイ科目が多く、その週の月曜日に復習を始めていたのですごく苦労しました。 2年目の5、6月になるとGCSEの試験が始まり、週に3、4つテストがありそれが2ヶ月間続きました。合計25テスト(9教科)を終えた後、2ヶ月間の溜まった疲れがどっと出てきてそれからの1週間は何もやる気が起きなかったです。 2年間のGCSEカリキュラムを終え、そのままConcord CollegeでA-levelに残ることを決めました。 A-Level:科目数が減り、内容が難しくなった イギリスでは2年間のGCSEを終えた後A-levelカリキュラムに2年間取り組みます。A-levelでは数学、応用数学、物理、化学を選びました。どれも理系科目で自分の得意分野でもあり、大学でChemical Engineering(化学工学)を専攻したいと思っていたのでこの4つを選択しました。 選択する科目がGCSEより少ない分、内容は難しくなり、特に物理は理解するのにすごく時間がかかりました。A-levelでもSaturday Testsは引き続き実施され、毎週2科目になりました。A-levelではGCSEとは違って授業がないfree periodという時間も増え、より自由な時間割になりました。でも私は勉強ではなくほとんどの時間を寮に戻って昼寝をしていました。 GCSEと同様、A-levelを始めてから2年目の5、6月になると試験があり、6月末までに10テストを終えました。志望大学の進学条件で、私は化学で最高評価のA*をとらなければいけなかったので化学の試験当日は落ち着かなかったのを覚えています。化学のA*を取るには90%以上得点する必要があります。そのため、化学の復習には他の教科より多くの時間を費やしていました。 A-levelが終わるとConcord Collegeから卒業し、夏休みに入りました。 https://jp.education-moi.com/boarding-schools/uk#a-level 高校の勉強と両立しながら挑んだイギリス大学受験 私はイギリスの大学に行きたいという思いが昔からあり、Personal statement(志望理由書)などの準備に力を入れていました。Engineering and Science Admission Test(ESAT)※の勉強だったり面接の準備だったり色々なことをやる必要がありました。Concord Collegeにいた最後の年は勉強と受験対策の両立で忙しくて大変でした。2025年の1月に運よくImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)からのオファーレターをもらうことができました。今でもその瞬間だけは忘れられないです。 ※ESATは、University of Cambridge(ケンブリッジ大学)やインペリアルカレッジロンドンなどの理工系学部への出願者に課す入学試験です。 https://esat-tmua.ac.uk/about-the-tests/esat-test インペリアルカレッジロンドンに進学 今年の9月にImperial College Londonに入学し、化学工学を専攻しています。 今はロンドンで大学生活を送っていますが、振り返ってみると15歳でイギリスに渡ったとき、不安だらけでした。言葉も文化も違う環境に飛び込んで、自信をなくしたこともあります。でも、その経験を通して、今まで気づかなかった自分の強さや、新しい視野を得ることができました。これからも留学に関する情報や経験を共有していき、少しでも同じ道を考えている皆さんの参考になれたらうれしいです! https://jp.education-moi.com/article-50-imperial

【イギリス大学受験】GCSE, A-levelからインペリアルカレッジロンドン合格

こんにちは!Kenshuです!今回はイギリスの大学に入るために必要な準備、「どうやって受験するの?」などを自分の経験と一緒に説明していこうと思います。一つ注意点として、僕はイギリスの高校から進学したので、日本や他国の高校からの進学とは少々異なる部分があると思います。日本の公立高校から進学したい方は以下の記事を参考してください。 https://passporter-media.com/articles/14/ イギリスの大学に合格するまでの大まかな流れ 基本的にイギリスの高校から大学に出願するにはこのような流れをたどります。 イギリスの大学に合格するまでの流れ GCSE Form 4、5の2年間受け、Form 5の最後に試験がある AS-level A-levelの1年目であるForm 6に受ける試験 UCASから出願 基本情報の入力 GCSEとAS-levelの成績、Personal Statement(志望理由書)の提出 志望校選択 Admission TestsとInterview(面接) A-level Form 6、7の2年間受け、Form 7の最後に試験がある 最終合格発表 これらのプロセスの一つ一つについて、自分の経験を基に詳しく解説していきます。 GCSE: イギリス大学受験の幕開け 実はイギリスでの大学受験はGCSE(中等教育修了試験)から始まります。この理由は後述します。 GCSEはForm 4(中学3年)からForm 5(高校1年)にかけて学ぶイギリスのカリキュラムです。6科目以上取らなければいけなく、学校によって受けられる科目の数は異なります。僕の行っていたConcord College(コンコルドカレッジ)では必修科目含め10個まで受けることができたので僕は10科目を取りました。 https://passporter-media.com/articles/24/ GCSEにはEnglish(英語)とMathematics(数学)の必修科目の他、選択科目がたくさんあります。コンコルドではPhysics(物理)、Chemistry(化学)、Biology(生物)、Geography(地理)、Computer Science(コンピューターサイエンス)、History(歴史)、Art(図工)、Drama(演劇)、Religious Studies(宗教学)などを受けられました。自分の周りの生徒たちはほとんどが8から10科目を取っていました。 Form 5の5、6月になるとGCSEの試験が始まります。各科目1(最低評価)から9(最高評価)までのGradeがつけられます。 「大学受験はGCSEから始まる」とい言えるのは大学に出願する際、GCSEの成績を提出しなければいけないからです。例えば、イギリスの一流大学で物理を専攻したかったらGCSE Physicsで必ずと言っていいほど8か9が必要になってきます。 そのためGCSEの結果次第で自分のやりたい分野や行きたい大学が絞られます。 AS-level(A-levelの1年目) GCSEのカリキュラムと試験が終わった後はA-levelというカリキュラムを取ります。A-levelはGCSEと同じ2年間のカリキュラムです。AS-levelというのはA-levelでの1年目の期間と試験です。学校によってAS-levelの試験を受けないところもあります。コンコルドではAS-levelを取っていました。 GCSEよりも学ぶことの難易度が上がり、複雑なためA-levelのカリキュラムではGCSEの半分となる3科目以上取ればいいです。僕はMathematics(数学)、Further Mathematics(応用数学)、Chemistry(化学)、Physics(物理)の4科目を取りました。 A-levelでは科目選択が一番重要になってきます。先ほどの例みたいに大学で物理を専攻したいのであれば、Physics、Mathematicsは必須になってきます。僕はEngineering(工学)がやりたかったのでその受験で必要な科目を選択しました。 Form 6(高校2年生)の5、6月にAS-levelの試験が始まります。GCSEより科目数が少ないため楽だと思うかもしれませんが、個人的にこのAS-Levelの結果がイギリスの大学受験で成功する上で一番重要だと思っています。 AS-LevelではA(最高評価)からF(最低評価)までのGradeが付けられます。 AS-levelの試験の時間割 A-levelのPredicted GradeとしてのAS-level イギリスの大学に出願する際、A-level Predicted Gradeというものを高校が大学側に提出します。これは各教科の先生が生徒がA-levelの試験でどのぐらいのGradeを取れるのかを予想したもので、主にAS-levelの成績で判断されます。AS-levelを取っていない学校だと期末テストや授業態度などで評価されます。 このPredicted Gradeがなぜ重要になってくるのかというと各大学とコースには出願に必要なRequired Gradeがあり、Predicted Gradeはその条件を満たさないといけないからです。 例えば僕が出願したImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のChemical Engineering(化学工学)コースではA*A*AAが必要でした。これは2科目でA*(Aの一つ上の評価)、2科目でAを取らないといけないという条件です。AS-levelの評価によるPredicted Gradeがこれを下回ってしまうと(例えばA*AAA)、合格するのがすごく難しくなってしまいます。つまりAS-levelの時点で自分の行きたい大学とコースのRequired Gradeをしっかり把握し、それをクリアしなくてはいけません。 UCASでイギリスの大学に出願 イギリスの大学への出願は日本と異なり、大学ごとに応募するのではなく、UCASというシステムでイギリス全国の志望校に一括で出願します。最大で5つの大学に出願することができます。志望校は立地、難易度、コースの内容、大学の順位などを考慮して決めます。僕はImperial College London、University College London(UCL)、The University of Edinburghなどに出願しました。 出願開始はForm 6の最後あたりで、Form 7の10月から1月が締め切りです。日程は大学によって異なります。 UCASではまず自分の基本情報(名前、生年月日、国籍)を入力します。これらの他に自分のGCSEとAS-levelの成績を入れ、Personal Statement(志望理由書)を提出します。Predicted GradeとReference(推薦書)は学校が大学側に送ってくれます。 Personal Statement(志望理由書)で書く内容 また、必要書類の中でもPersonal Statementが一番重要だと思います。これは志望理由をエッセイにまとめるものです。なぜ自分が選んだ分野を専攻したいかや自分がやってきたExtracurricular(課外活動)、自分はどんな人なのかを大学側にアピールするエッセイです。 僕はPersonal Statementで化学工学に興味を持った理由、今まで読んだ本やインターンした経験、自分でやった研究、学校での委員会活動などを書きました。 書ける文字数が決まっているので本当に書きたいことだけを残して何回も書き直したり、先生と相談したりしました。最終的にドラフトが10回目で先生からOKサインが出てUCASから提出しました。 Reference(推薦書) Referenceは高校が大学に提出する推薦書です。僕は自分のTutor(担任)に書いてもらいました。先生がReferenceを作成したあと、一度だけ生徒に見せられます。その時に入れてほしい部分や書いてほしくない部分などを言います。 Referenceでは主に学校での活動を中心に自分のPersonal Statementで書けなかった部分を書いてもらいます。僕は数学のコンペティションやスポーツなどを書いてもらいました。 Admission Tests(入学試験)とは? 大学とコースによってはUCAS上の書類だけではなくAdmission Tests(入学試験)と面接を課すところもあります。主にUniversity of Cambridge(ケンブリッジ大学)、University of Oxford(オックスフォード大学)、Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)、London School of Economics and Political Science(LSE)などの大学で必要なことが多いです。 Admission Testsにはいろんな種類があり、数学系だったらTMUA(Test of Mathematics for University Admission)、工学系だったらESAT(Engineering and Science Admissions Test)、法律だったらLNAT(Law National Aptitude Test)などです。 ESAT(Engineering and Science Admission Test) 僕はインペリアルのChemical Engineering(化学工学)コースに出願したのでESATを受ける必要がありました。ESATではMaths 1、Maths 2、Chemistry、Physics、Biologyの中から3つを選びます。僕の専攻はChemistryが必須だったのでMaths 1、Maths 2とChemistryを取りました。 ESATではA-levelよりも難しい問題が出ます。選択問題で1科目27問あります。各科目の成績は1から9までを0.1単位で評価されます(僕は6.2、5.7、5.3を取りました)。この成績は大学に送られ、入試における評価対象になります。 僕はUCASとESATを10月に大学に送りました。少し期間が空いて12月にInterview(面接)の招待メールが届き、すごく嬉しかったです。 →A-level & 入学試験対策ができるオンライン家庭教師 インペリアルカレッジロンドンのInterview(面接) 面接は主に12月から2月の間で行われます。僕の場合1月にインペリアルで対面の面接をしました(オンライン面接の場合もあります)。面接では志望理由やPersonal Statementに書いたインターンのことを聞かれました。 同じコースに出願した友達は全く違っていたそうです。Real Life Questions(ケース面接みたいなもの)などを問われ、それをどう論理的に答えるかを見られたと言っていました。面接内容は大学と面接官によって違うのかもしれません。 僕の場合、ロンドンで面接が11時に始まるので前日に友達とロンドンに前乗りし、インペリアル近くのホテルで一泊しました。シュルーズベリーからロンドンまで電車で5時間もかかるのでその間は友達と対策などをしたり昼寝したりしていました。 面接に行く前日に到着したLondon Euston駅 面接当日の様子、聞かれた内容 面接当日では50人ぐらいの受験生がいました。最初に教授から挨拶があり、その後AからEの5グループに分けられました。形式は一対一の個別面接で、グループ内の10人がそれぞれの部屋で同時に行われました。僕が割り振られたAグループが最初に始め、順番にEまで面接が行われます。 自分の番が最初だったのですごく緊張しました。面接は20から30分ほどあり、緊張しながらも落ち着いて答えることができました。 面接を終えた1週間後にOffer Letter(Conditional Offer)をインペリアルからもらいました。Conditional OfferとはA-levelの試験で大学に指定されたGradeを取れれば入学できますよという条件付きの合格通知です。 https://passporter-media.com/articles/5/ A-levelとConditional Offer(条件付き合格)  Form 7の5、6月にA-levelの試験があります。この試験の結果でConditional Offerの条件に満たしているかどうかが分かり、自分の行きたい大学が決まります。 6月末に学期が終わり、高校を卒業しました。しかしA-levelの結果が出るのは8月中旬で結構時間がかかります。7月中は結果が気がかりで、すごくストレスでした。A-levelの結果がConditional Offerに満たしてると正式に合格となり、Unconditional Offerに切り替わります。 Concord College卒業生がもらったOfferの大学 イギリスの大学進学を目指す方へ この記事で説明したように、イギリスの大学受験は、日本のシステムとは異なる独自の流れがあります。UCASを通じた出願、Personal Statementの作成、必要書類の準備、そして条件付き合格への対応など、計画的に進めることが重要です。しっかりとした準備と戦略を立てた受験計画で、イギリス大学への夢を叶えましょう! https://jp.education-moi.com/article-50-imperial

キングスカレッジロンドン「リベラルアーツって何を学ぶの?」学科の先生インタビュー②

前回の記事ではKing’s College London(キングスカレッジロンドン)のDepartment of Interdisciplinary Humanities(学際的人文学部)のDeputy Director(副学科長)であるChristopher Holliday先生にリベラルアーツ教育についてのインタビューを行いました。 Christopher Holliday先生 キングスカレッジロンドンの学際的人文学部の副学科長。専門は視覚文化教育。リベラルアーツプログラムの創立に携わった教員の一人。University of Warwick(ウォーリック大学)でFilm and Television Studies(映画・テレビ学)分野のBA(学士号)とMA(修士号)を取得し、キングスカレッジロンドンでFilm Studies(映画研究)のPhD(博士号)を取得した。 リベラルアーツ特集の最終回となる本記事ではインタビューの続きをお送りします。リベラルアーツの学びとしての広がり、キングスカレッジロンドンでリベラルアーツを学習することの意義、そしてキングスのリベラルアーツ課程の卒業生の進路などについてお話しいただきました。 近年注目を集めているリベラルアーツ 前回の記事でChris先生へのインタビューを通じてキングスのLiberal Arts(リベラルアーツ)課程について詳しく聞きました。リベラルアーツでは学生は複数分野を自由に組み合わせて履修し、自分だけの学位を“キュレート”する学び方が特徴で、分野横断的な「つながり」を考える力が養われます。必修のコアモジュールでは、概念やテーマを通じて多様な視点から議論することを重視しており、知的好奇心を刺激する設計になっているということを教えていただきました。 Yuki リベラルアーツはアメリカ発祥の学問ですが、ここ最近イギリスはもちろん日本でもリベラルアーツ教育を取り入れる大学が多くなってきたなと感じます。先生にとってリベラルアーツ教育が世界に広まっている理由はなんだと思いますか? 一つの分野に絞り込まない学際性 長い学問の歴史の中で、Single honours(単一専攻課程)のような「一つに分野を絞り込む」はむしろ最近の考え方なんです。 人間はもっと知的好奇心が旺盛な生き物だと思っています。それなのに、17歳や18歳という若い時期に、「この3年間はこの一つの分野だけ」というものを決めさせるのは大きすぎる決断ですし、少し早すぎるかもしれないです。そんなに若いうちに、なぜ自分を無理に限定しなければならないのか、と。それがリベラルアーツのInterdisciplinary(学際的)な考え方が学生に響く理由の一つだと思います。 リベラルアーツの授業が行われるキングスカレッジロンドンのStrand Campus 学生は、まだ世界のことも、自分自身のことも模索している段階にいます。私たちはそういった学生たちに選択肢を広く持てるようにしておくことが大事だと思っています。彼らが「無理やり一つの学問に押し込められている」と感じないようにする。もちろんリベラルアーツでも一つか二つの分野に集中することはできますが、最終地点を変えたくなった時のために選択肢を開いておくことができるんです。 単一学問だけでは社会課題を解決できない そしてもう一つは、現実の社会にある多くの課題を解決するには、学際的な発想が必要とされているという点です。 今の社会に存在する課題は一つの分野の知識や一つの利害関係者だけでは解決できません。複数の分野を横断して考えられること、異なるオーディエンスに向けて同時に発信できること、そういう力が必要です。ですから、こうした学際的な学位プログラムは、社会の現実によりしっかりと結びつけるよう作られています。 決して「専門性を平板化する」ことが目的ではなく、むしろ自分の専門分野は自分が思っている以上に他分野を横断できる、ということを学ぶのです。それが学生を訓練する上で大切なんです。 現代の世の中はかつてないほど複雑になっていて、そこから生まれる課題は、一つの学問だけの視点で簡単に解決できるものではありません。だからこそ、学際的な枠組みや視点を学生に身につけてもらい、それを実際の社会の中で応用できるようにする。そういった教育が、これからの世界にますます必要とされるのだと思います。 イギリス、そしてキングスカレッジロンドンでリベラルアーツを学ぶ意義 Yuki なるほど。ではイギリス、そしてキングスカレッジロンドンでリベラルアーツを勉強するということは学生にどのようなものをもたらすと思いますか? 汎用性の高い人材を育成 イギリスのリベラルアーツの学位は、幅広いスキルを身につけて、非常に適応力の高い人材を育てるためのものになっています。その結果、様々な進路に進む可能性が開かれています。 授業中の様子 そして汎用性の高い「批判的思考」「異なるオーディエンスに向けたライティング」「問題解決」「コミュニケーション」といったスキルも同時に養われます。 こうした学際的な学びに焦点を当てていること、それによって得られるスキルは、非常に高い就業適性を持つものになっていると思います。つまり、多様な分野を横断して考えることのできる柔軟性と多様性を得られることが強みです。 ロンドン全体をキャンパスとして活用 キングスのような場では、単なる知識の寄せ集めではなく、それらの知識を活かして実際に幅広い分野に進んでいけるようなリベラルアーツ教育を設計しています。特定の学問分野に加えて、メディアやコミュニケーション、クリエイティブ産業、教育、国際関係など、幅広い分野で学び、将来に備えることができます。 他にもキングスカレッジロンドンでは大学の立地を最大限に活かしています。イギリスでリベラルアーツを提供している大学は他にもありますが、クリエイティブ産業などと直接的なつながりを持ち、インターンシップのモジュールを提供できているところは多くありません。 文化施設との距離も近く、劇場や博物館、テート美術館で授業をすることもできます。それはロンドン中心部にあるキングスだからできる強みです。その強みを活かして私たちはロンドンという都市全体をキャンパスとして活用しています。 “Lives of London”モジュールが最初の実践の場 ロンドンは学際的学習の実験室のような場所で、少し歩くだけで、すぐに学際的な思考を必要とする対象に出会える場所です。 私たちは、ロンドンという都市を理解するにはどんな学問分野が必要なのかを学生に問いかけるようにしており、Lives of Londonというモジュールを1年次に提供しています。ここで学ぶのは単なるロンドンの地理や歴史などではなく、ロンドンという都市を通して、リベラルアーツ教育をどう展開できるのかということです。 だから、知的好奇心・探究心が旺盛な人にとって、ここでの学びは本当に価値のあるものになると思います。そして私たちはそういう学生に世界に出て変化を生み出してほしいと願っています。キングスでのリベラルアーツの学位は、まさにそれを可能にするための準備をしっかり整えてくれるものになっています。 Yuki Lives of Londonは僕の一番好きなモジュールでした。大学を卒業して、リベラルアーツの友達数人とまだ連絡をとっているんですが、彼らのお気に入りでもあったみたいですよ。あのモジュールはリベラルアーツそのものについて学べただけでなく、ロンドンに来て数ヶ月しか経っていない中で「自分自身について考えるための場所」を見つけられたように感じました。私にとって、大学1年目にあのモジュールを受けることができたことは本当にワクワクしましたし、刺激的でした。 このロンドンを学ぶというモジュールは過去に「主に留学生だけに向けてのものなんじゃないか」という批判が出たことがありました。もちろん留学生がこのモジュールから多くを学べるのは確かですが、当然ロンドンで育った学生にとっての学びの機会も含まれるべきだと思います。だからこそ“Lives of London”という名前をつけているんです。 ロンドンで育った人にとっての「地域としてのロンドン」とロンドンの外から来た人にとっての「ランドマークとしてのロンドン」は全く異なります。どこで育ったのか、どんな背景を持っているのか——そうしたことがロンドンでの経験を大きく形作るので、私たちはその点についてもきちんと考慮するようにしています。 リベラルアーツの学位全般に言えることですが、基本的に「世界で起きていることをリアルタイムで追っていく」ことが大事です。だからシラバスもその時々のロンドンで起きていることに合わせて更新します。例えば授業の一環でタイムリーな展覧会に行ったり、授業に合った演劇を観に行ったりします。そうやってコアモジュールを「世界に応答するもの」にしているんです。 Lives of Londonはその最たる例です。というのもロンドンを中心に据えているわけですから。都市というもの、特にロンドンという場所は常に変化していて、生き生きと動いている存在です。だからこそ私たち教員も、それに敏感である必要があるんです。 キングスカレッジロンドン: リベラルアーツ学生の進路 Yuki リベラルアーツ課程で今まで印象に残っている学生はいますか?卒業生の皆さんはリベラルアーツでの経験を活かして、どのような進路を進んでいますか? 正直なところ、私たちの学科は発足してからそれほど時間が経っていないので、卒業生の進路について把握できているのはまだ一部に限られます。それぞれがどんな分野に進んでいるのか、すべてはわかっていないんですね。 ただ、何人か印象に残っている学生はいます。例えばメガ・ハリシュはインドのバンガロール出身で、詩や散文を書くクィア※作家です。 ※Queer(クィア)とは性的マイノリティを包括的に表す言葉。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど。作品のジャンルでもある。 彼女はキングスでのリベラルアーツの第1期生で、リベラルアーツソサエティの初代会長も務めていました。今も学生に向けてリベラルアーツの学位について話をしに戻ってきてくれることがあります。学科の立ち上げ期から関わってきた存在として、すごく印象的な人ですね。 それからレベッカ・ガイザー。彼女は5年ほど前に卒業したのですが、自分で劇団を立ち上げて「RJGプロダクション」という制作会社を運営しています。いくつか注目度の高いプロジェクトにも携わってきました。 今思い返してみると、彼女は音楽専攻でもなかったのは面白いですね。レベッカのように、入学時と卒業時で自分の将来のイメージが大きく変わる学生をよく見かけます。彼女の場合も、様々なモジュールを受講していく過程で、関心が大きく変わっていったんだと思います。 もうひとりはエマニュエル・ドット。私のアニメーションの授業を取っていた学生です。専攻は政治学で、副専攻として映画を選んでいました。エッセイの指導をしたこともあります。彼女は今、環境政策の分野で活躍していて、持続可能性に関する議論の中で大きな成果を上げています。 それにしても、学生たちが入学時に私が想像していたものとは全く違う進路に進んでいくのを見るのは本当に面白いことです。 Yuki 本当に色々な学生がいて、先生としても彼等の進路を見届けるのは興味深いんじゃないですか そうですね!様々な学生が集まって行われるセミナーが楽しいのはまさにその部分で、異なる伝統知を持った学生たちが集まるからこそ、議論がすごく生き生きとするんです。どんな視点が飛び出してくるか、教員側でも本当に予測できないんです。 「この仕事に同じ一日はない」とよく言われますが、本当にその通りで、特にリベラルアーツ課程ではまさにそうなんです。学生自身が日によって違う学部や学科の内容を取り扱っていて、同じ一日なんて存在しない。私たち教員チームとしても、その活気を強く感じています。 多様な視点が交差する教室から生まれる学び Yuki 先生は映画学科の授業も担当していたとのことで、その時とリベラルアーツの授業を担当するときの違いは感じますか 違いはいくつもあります。これはリベラルアーツの授業を行う時によくあることなんですが、どうしても自分の専門分野に引き寄せて話してしまいがちなんです。授業を作る時はそれを避けて、特定の分野に偏りすぎないシラバスを作らなければなりません。 リベラルアーツ授業へのこだわり 例えば、古典専攻の学生や政治学専攻の学生がいる中で、私が映画の例ばかりを使うと、映画を専攻していない、あるいは映画に興味のない学生を置き去りにしてしまいます。常にバランスが必要なんです。そのため、私たちのモジュールはチームティーチングで行うことが多いです。 キングスのリベラルアーツのオフィスがあるVirginia Woolf Building 異なる分野の教員が週ごとに教えるスタイルで、学生は複数の視点から学ぶことができます。私たち教員も自分の専門を活かしながら、授業全体が一方的に偏らないように心がけています。 授業を作る中で特に重視しているのがリーディングです。複数の分野からテキストを集め、特定の専攻に閉じない、学際的な視点を持った資料を用意します。もちろん、必要に応じて特定分野に即したものを選ぶこともありますが、基本的には異なる学問の交差点を意識しています。 リベラルアーツの教員としてのやりがい 正直なところ、リーディングを設計する作業は、私にとってこの仕事の中で最も好きな部分の一つです。教育者としてモジュールを設計するのは非常にやりがいがありますし、リベラルアーツだからこそ挑戦的でもあります。そして、普段は読まないような研究に触れられたり、一緒に教える同僚から専門的な知識を学べたりするのも、大きな魅力です。教員として、この学位プログラム全体は本当にやりがいのあるものです。 教員として学生を見てきた中で特に印象的なのは、学生が最初はこれを受けたいというモジュールのリストを持ってきても、卒業する時にはそのリストの中のモジュールを結局一つもやらなかったというケースですね。その間に自分の情熱を育てたり、新しい興味を見つけたりするんです。 リベラルアーツの一番大事な点はそこにあると思います。自分は何を知っているのか、その知識がどう変化していくのかを学ぶことができるんです。だから本当にやりがいがあります。それぞれの学生がこれまで辿ってきた学びのお祝いとなる卒業式は私の大好きな日です。 キングスカレッジロンドンのリベラルアーツの未来 Yuki 先生自身、このキングスカレッジロンドンでのリベラルアーツの将来はどんなものになっていくと思いますか? 学生がより多くの分野を学ぶ機会を持てるように、様々な経路を開いて行きたいと思います。 特に今力を入れているのは大学院レベルでの発展です。現在、私たちは新しいリベラルアーツの修士(MA)課程を設計中ですが、そもそも「リベラルアーツの修士課程」とは何か、それはどうあるべきかという課題に直面しています。 修士課程は通常、学部課程より専門分野を絞っています。例えば映画を学び、修士課程でアニメーションや個別のジャンルを研究する、といった具合です。でも私たちは大学院レベルでそれをそのまま踏襲するつもりはありません。学際的な人文系として、幅広さを維持しつつ、学部課程の単純な再現にはならないようにしています。 つまり、「リベラルアーツのMAとは何か」「何を学生に訓練させるのか」「学部課程とどう違うのか」を真剣に考えながら設計しているんです。 もちろん、修士課程ができれば、その数年後には博士(PhD)課程の設立も考えていくと思います。MAについて今はあまり詳しく話せませんが、数年以内には形になると思います。そして、学部でリベラルアーツを楽しんだ学生が、そのまま修士課程に進めるような道も提供したいと思っています。キングスでのリベラルアーツの変化というものは、そこから生まれると思います。 リベラルアーツを志す人たちへ Yuki それは楽しみですね!最後にどのような人たちにこのリベラルアーツが向いていると思うか、もしイギリスでリベラルアーツを勉強することを目指している人たちに何かメッセージがあったらお願いします。 まず、自分の知的好奇心に従うことはいつでも大事だと思います。もし興味を持っているものが一つの学問分野に収まりきらないなら、リベラルアーツ課程はまさにあなたのために作られていると言えます。 この学位は、Major(専攻)以外で厳密に決めなければならない部分は少なく、柔軟性が組み込まれています。もちろん、留学生にとっても同じことが言えます。1学期や1年間の留学などを通じて、様々な知的環境で学ぶことができ、異なる専門性や知識に触れることができます。 特定の分野の内容ももちろん学びますが、それと同時に「学ぶとはどういうことか」「学生であるとはどういうことか」を学ぶ機会にもなります。 自分の学位をどう組み立てるかを振り返ったり、大学という場を通して知識がどう生み出されるのかを理解したりするんです。私たちはモジュールやシラバス、リーディングリストが、学生にとって単に受け取って学ぶだけでなく、そこから自分で問いを立てて探究できるものにしているんです。だから特定の学問分野に収まる興味関心がない学生にとっても、リベラルアーツはとても適しています。 それに加えて、イギリスに来て異なる教育制度の中で学び、異なる専門性を持つ人たちから学ぶことができるのも大きな魅力です。そして、そうした学びを通じて、あなたもまた他の人に何かを教えることができる。そうしたグローバルな文化体験の質というものは重要で、まさに異なる専門性や世界の様々な地域から人々を集めて学ぶことを目的としています。 Yuki ありがとうございました! https://passporter-media.com/articles/34/ さらに前回の記事はこちら↓ https://passporter-media.com/articles/22/ King's College Londonについて詳しく知りたい人はこちら↓ https://jp.education-moi.com/article-52-kcl

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【2026−2027年開催】海外大生向け就活イベント14選|ボスキャリ・ロンキャリなどを解説

こんにちは!編集長のMidoriです。今回は海外大生が参加できる就活イベントを紹介していきます。 海外大学に留学していると、日本の就職活動に関する情報を得る機会が限られます。また、日本企業の採用スケジュールと海外大学の学期日程が異なるため、就活を進めにくいと感じる人も多いでしょう。 そこで活用したいのが、海外大生向けの就活イベントや就活支援サービスです。企業と直接話せるイベントから、ES(エントリーシート)添削や面接対策を受けられるサービスまでさまざまな選択肢があります。この記事では、海外大生におすすめの就職活動イベントや就活支援サービスをまとめて紹介します。 PASSPORTERでは、2026年6月20・21日開催の東京サマーキャリアフォーラムに合わせて、就活生の交流会を企画しています!東京にいる方はぜひチェックしてみてください! この投稿をInstagramで見る PASSPORTER / 留学メディア&コミュニティ(@passporter_)がシェアした投稿 海外大生・留学生のリアルな就活事情 海外大生の多くは、就活サイトで情報収集をしながら、オンライン説明会や面接を活用して就職活動を進めています。一方で、日本の大学生のように学内説明会やキャリアセンターを活用しにくいため、企業との接点を作る目的で就活イベントに参加する人も多くいます。 特に、夏休みや冬休みの一時帰国期間には、ボスキャリやTKF Global Talent Expoなどのイベントに参加し、企業説明会や面接を受けるケースが一般的です。そのため、海外大生の就活では、就活サイトによる情報収集と就活イベントへの参加を組み合わせながら進める人が多いと言えるでしょう。 海外大生向けキャリアフォーラム・就活イベント一覧(開催時期順) イベント開催時期開催場所主催特徴東京サマーキャリアフォーラム6月東京CFN日本最大級の選考直結型イベント大阪キャリアフォーラム7月大阪CFN西日本最大級の選考直結型イベントBETAE Summer Meet Up7月東京BETAE少人数制の座談会形式(※選考直結型ではない)TKF Global Talent Expo8月東京TKF海外大生特化の大型イベントCFN BRIDGE VENTURE COMPANIES8月東京CFNベンチャー企業に特化ボストンキャリアフォーラム11月ボストンCFN世界最大級の選考直結型イベント東京ウインターキャリアフォーラム12月東京CFN冬休みの一時帰国中に参加しやすいロンドンキャリアフォーラム2月ロンドンCFNヨーロッパ最大級の選考直結型イベントロサンゼルスキャリアフォーラム4月ロサンゼルスCFN西海岸唯一の選考直結型イベント 日英バイリンガル人材向けの就職イベントで有名なものといえば、CareerForum.Net(CFN)が主催するキャリアフォーラムがあります。海外大学に在学中の学生や留学経験者、海外勤務経験者など、グローバルなバックグラウンドを持つ人材を対象としていて、日本国内外で開催されています。 現在は、ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)をはじめ、ロンドンキャリアフォーラム(ロンキャリ)、東京サマーキャリアフォーラム、大阪キャリアフォーラム、ロサンゼルスキャリアフォーラム(ロスキャリ)などが開催されており、地域や時期に応じて参加しやすいイベントを選ぶことができます。 参加するにはCFNへの登録が必要で、事前にレジュメを登録して企業へ応募します。イベント当日は企業ブースで説明を聞くだけでなく、事前に予約した面接や当日応募による選考を受けることも可能です。また、企業によってはウォークインを受け付けているところもあります。 ボスキャリ当日の会場の様子(CFNウェブページより) キャリアフォーラム以外には、TKFやBETAE(ビーテ)などが主催するキャリアイベントも盛り上がりを見せています。 これらのイベントはいずれも、一般的な合同企業説明会とは異なり、企業説明だけでなく面接や選考も同時に行われることが大きな特徴です。企業によってはイベント期間中に複数回の面接を実施し、その場で内定や内々定につながるケースもあります。そのため、短期間で効率的に就職活動を進めたい学生から高い人気を集めています。 東京サマーキャリアフォーラム こちらは日本最大級の日英バイリンガル就活イベントです。東京で開催されるキャリアフォーラムは夏と冬にそれぞれ一回で、夏のほうが規模が大きいです。 開催時期 例年6月に開催され、2026年は6月20日~21日 開催場所 東京ビッグサイトの西展示棟1・2ホール(東京都江東区) 参加企業 大手日系企業、外資系、IT系、メーカーなど220社 参加費 参加費無料(事前登録必須) イベントの特徴 6月下旬に日本で開催されますので、イギリスに留学している多くの学生は一時帰国で日本にいるため、参加しやすいと思います。ボスキャリやロンキャリと同様、会場で面接ができるため、その場で内定が出るチャンスがあります。また、正社員採用だけでなく、インターンシップや職務経験者向けのポジションの求人もあります。 キャリアフォーラムの2日間とも開場前に特別セミナーが開催され、選考を進める上で心がけるポイントなどが解説されます。こちらは予約不要で、当日先着順で受付していますので気になる人は公式サイトを確認しておきましょう。 イベント後にはボスキャリの攻略セミナーが開催されます。こちらも同様に予約不要で、当日先着順で受け付けています。 参加対象者 日英バイリンガル(日英共に初級レベル以上)で学士以上(学士、修士、MBA、博士など)の学位を取得済/取得予定の方。日本以外の大学の在学生で27卒、28卒もしくは既卒者、留学経験者、海外生活が長い人、海外勤務経験がある職務経験者が主な対象者です。 事前に準備すべきこと まずはCFNに登録し、レジュメを作成しましょう。英文レジュメが基本ですが、日本語のエントリーシートや履歴書の提出を求める企業もあります。企業によっては事前応募や面接予約が必要なため、興味のある企業の募集情報を早めに確認しておくことをおすすめします。また、面接対策や自己PRの準備も行い、イベント当日に備えましょう。夏の一時帰国中に参加する学生も多いため、帰国スケジュールとあわせて計画を立てておくとよいでしょう。 公式サイト https://careerforum.net/ja/event/tks 大阪キャリアフォーラム 大阪キャリアフォーラムは西日本最大級の日英バイリンガル就活イベントです。 開催時期 例年7月に開催されて、2026年は7月4日(土)に開催されます。 開催場所 ハービスOSAKAのHERBIS HALL(大阪市北区) 参加企業 総合商社、食品、メーカー、IT系など、幅広い分野の企業44社 参加費 参加費無料(事前登録必須) イベントの特徴 東京でのイベントに参加しづらい関西在住の学生にとってはこの規模のキャリアフォーラムは貴重なチャンスです。また、7月は一時帰国中の学生が多いため、時期的にも参加しやすいです。一回で複数社を回れるのとその場で内定をもらえることがあり、効率よく就活を進められます。 また、企業を回るだけでなく、イベント中にはCFNスタッフによるレジュメ添削や模擬面接があり、アドバイスをもらうことができます。いずれも事前予約が必要であるため、気になる人は早めに予約しておきましょう。 イベント前後には面接対策やボスキャリ攻略などについての特別セミナーが開催されます。こちらは予約不要で、当日先着順で受け付けていますので、気になる人は公式サイトを確認して当日行くようにしましょう。 参加対象者 日英バイリンガル(日英共に初級レベル以上)で学士以上(学士、修士、MBA、博士など)の学位を取得済/取得予定の方。日本以外の大学の在学生で27卒、28卒もしくは既卒者、留学経験者、海外生活が長い人、海外勤務経験がある職務経験者が主な対象者です。 事前に準備すべきこと まずはCFNに登録し、レジュメを作成しましょう。英文レジュメが基本ですが、日本語のエントリーシートや履歴書の提出を求める企業もあります。企業によっては事前応募や面接予約が必要なため、興味のある企業の募集情報を早めに確認しておくことをおすすめします。また、面接対策や自己PRの準備も行い、イベント当日に備えましょう。事前にオンラインで対策セミナーが開催され、そこでCFNのスタッフに直接質問するなど積極的に活用するとより効果的です。 公式サイト https://careerforum.net/ja/event/osk BETAE Summer Meet Up(交流・ネットワーキングイベント) 海外大学に在学する正規留学生を対象とした対面型キャリアイベントです。海外大生向けキャリア支援メディアBETAE(ビーテ)が主催していて、人気企業と直接交流できる機会として注目を集めています。CFNやTKFのような合同就活イベントとは異なり、企業との座談会を中心とした交流重視のイベントであることが特徴です。 開催時期 例年夏休み期間に開催されています。 2026年は7月4日に東京で開催されます。事前応募が必要で、応募後に面談を経て参加が決定します。 開催場所 ビジョンセンター東京虎ノ門(東京・虎ノ門) 参加企業 総合商社、デベロッパー、コンサルティング、金融、メーカー、官公庁などが参加します 参加費 参加費無料(要事前登録) イベントの特徴 最大の特徴は海外大生と企業担当者が少人数でじっくり交流できることです。ローテーション形式で全参加企業と話すことができるため、短時間で複数業界・複数企業について理解を深めることができます。また、参加する社員は採用担当者だけでなく、実際に現場で活躍する社員やグローバル業務に携わる社員も多く、企業のリアルな話を聞くことができます。さらに、海外大学生が100名以上参加するため、他大学の学生とのネットワークづくりの場としても活用できます。 一方で、CFNやTKFのような選考直結型イベントではなく、企業研究やネットワーキングの要素が強いイベントです。そのため、イベント当日に面接や内定まで進むケースはなく、就活初期〜中期の情報収集を目的とした参加が向いています。 イベント自体は企業との交流や業界研究を目的としており、その後に企業のインターンシップや本選考へ進むケースが一般的です。ただし、イベント参加者限定の選考案内や特別イベントに招待されることもあります。 参加対象者 海外大学に在学する正規留学生で、27卒、28卒をはじめ全学年参加可能で、就活を始めたばかりの低学年から本選考を控えた学生まで幅広く参加しています。なお、交換留学生は対象外です。特に商社、デベロッパー、コンサルティングファームなどの人気業界に興味がある学生や、海外大生同士のネットワークを広げたい学生におすすめです。 事前に準備すべきこと まずはBETAEへの会員登録とイベント応募を行いましょう。応募後は事前面談が実施されるため、自身のキャリアプランや興味のある業界について整理しておくことをおすすめします。また、座談会形式で企業担当者と直接話す機会が多いため、参加企業の事業内容や採用情報を事前に調べ、質問したい内容を考えておくとより有意義な時間を過ごせるでしょう。 公式サイト https://betae-career.com/find_an_event/betae_smu_2026/32989 TKF Global Talent Expo TKF Global Talent Expoは、海外大学に正規留学している日本人学生を主な対象としたキャリアイベントです。TKF Projectが主催する海外大生向け最大級の内定直結型就活イベントです。企業説明会だけでなく面接や選考会も実施されるため、短期間で選考を進めたい海外大生から注目を集めています。 開催時期 例年夏休み期間で、2026年は8月8日、9日に開催されます。 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区) 参加企業 総合商社、デベロッパー、コンサルティングファーム、金融機関、メーカーなど、海外大生採用に積極的な企業が参加しています。2025年の前身イベントには51社が参加し、2026年は約100社規模への拡大が予定されています。 参加費・渡航費 参加費は無料です。 また、海外から帰国して参加する学生向けに特待生制度(奨学金制度)が設けられており、選考を通過した学生は帰国費用の補助を受けることができます。2026年は前年よりも大幅に制度が拡充される予定です。 イベントの特徴 最大の特徴は、海外大学の正規留学生を中心に参加者を限定している点です。海外大生向けに特化したイベントであるため、企業側も海外大学生の採用を前提として参加しているため、留学経験や国際的なバックグラウンドを評価する企業と出会いやすい環境が整っています。 また、企業説明会だけでなく面接や選考会も実施されるため、その場で選考が進んだり、内定につながったりする可能性があります。イベント自体も「内定直結型」を掲げており、短期間で選考を進めたい学生に向いています。夏休み期間中に集中して就職活動を進められる点も魅力でしょう。 参加対象者 海外大学に正規留学している日本人学生が主な対象です。現地学生やダブルディグリー留学生も参加可能で、一部の交換留学生についても参加枠が設けられています。27卒、28卒など卒業年度を問わず参加できるため、低学年の学生がインターンシップや業界研究を目的に参加することも可能です。 事前に準備すべきこと まずはイベントへの事前登録を行いましょう。企業によっては事前応募やプロフィール登録が必要になる場合があります。また、イベント当日に面接が実施されることもあるため、レジュメの準備や自己PR、志望動機の整理を行っておくことをおすすめします。帰国を伴う場合は、航空券や宿泊先の手配も早めに進めておくと安心です。特待生制度への応募を検討している場合は、応募条件や締切も確認しておきましょう。 公式サイト https://tkf-global.jp/event_tokyo2026 CFN BRIDGE VENTURE COMPANIES こちらはベンチャー企業が参加するイベントで、他のCFNのキャリアフォーラムと同様、日英バイリンガルの学生や大学院生などが対象です。 開催時期 2026年8月7日 開催場所 東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区) 参加企業 IT系、コンサルなど18社(7月8日時点) 参加費 参加費無料(事前登録必須) イベントの特徴 他のキャリアフォーラムとの一番の違いはベンチャー企業のみが参加するという点です。また、夏に開催されますので、一時帰国中のイギリス留学生にとって参加しやすいです。 参加対象者 日英バイリンガル(日英共に初級レベル以上)で学士以上(学士、修士、MBA、博士など)の学位を取得済/取得予定の方。日本以外の大学の在学生で27卒、28卒もしくは既卒者、留学経験者、海外生活が長い人、海外勤務経験がある職務経験者が主な対象者です。 事前に準備すべきこと まずはCFNに登録し、レジュメを作成しましょう。英文レジュメが基本ですが、日本語のエントリーシートや履歴書の提出を求める企業もあります。興味のある企業の募集要項を確認し、必要書類を準備しておきましょう。また、事前応募や面接予約が必要な企業も多いため、面接対策や自己PRの準備も進めておくことをおすすめします。ベンチャー企業との出会いを重視するイベントのため、自分が興味を持つ業界や企業について事前に調べておくと、当日の面談をより有意義に進めることができます。 公式サイト https://careerforum.net/ja/event/br1/?utm_source=Website&utm_medium=Website&utm_campaign=VentureCompanies_cf ボスキャリ(ボストンキャリアフォーラム) ボスキャリは世界最大級の日英バイリンガル就活イベントで、2025年は9300人以上の学生、求職者が参加しました。 開催時期・申込スケジュール 例年11月に開催されて、2026年は11月20日(金)~22日(日)に開催されます。夏頃から企業エントリーが始まり、秋に面接予約が本格化します。 開催場所 Hynes Convention Center(アメリカ・ボストン) 参加企業 総合商社、外資コンサル、Big4、メーカー、IT系、金融系など、幅広い分野の企業約200社 参加費・渡航費 参加費無料(事前登録必須)。航空券、宿泊費は自己負担ですが、トラベルスカラシップという渡航費補助制度があります。こちらは事前申込必須で、抽選に当たればイギリスや日本から行く場合$350が支給されます。トラベルスカラシップの応募資格は他にもあり、申し込む前には必ず公式サイトを確認しましょう。 イベントの特徴 前述の通り、ボスキャリは世界最大規模の日英バイリンガル就活イベントで、海外大生採用に慣れた企業が多く参加します。一回で複数社を回れるのとその場で内定をもらえることがあり、効率よく就活を進められます。ただし参加する就活生が多いため、人気企業では競争が激しくなる傾向があります。また、ボストンまで行かないといけないため、高いコストがかかります。 参加対象者 日英バイリンガル(日英共に初級レベル以上)で学士以上(学士、修士、MBA、博士など)の学位を取得済/取得予定の方。日本以外の大学の在学生で27卒、28卒もしくは既卒者、留学経験者、海外生活が長い人、海外勤務経験がある職務経験者が主な対象者です。 事前に準備すべきこと まずはCFNに登録し、英文レジュメを作成しましょう。企業によっては事前応募や面接予約が必要なため、興味のある企業の募集情報を早めに確認しておくことをおすすめします。また、面接対策や自己PRの準備も行い、イベント当日に備えましょう。参加を決めたら、航空券や宿泊先の手配も早めに進めておくと安心です。 公式サイト https://careerforum.net/ja/event/bos 参加体験談はこちらから: https://passporter-media.com/articles/46/ 東京ウインターキャリアフォーラム その名の通り、冬に東京で開催される日英バイリンガル就活イベントです。 開催時期 例年12月に開催されます。2026年の開催日はまだ公表されていません。 開催場所 2025年は東京ビッグサイト西4ホール(東京都江東区) 参加企業 総合商社、旅行、メーカー、IT系、金融系など、幅広い分野の企業約100社(2025年情報) 参加費 参加費無料(事前登録必須) イベントの特徴 冬に東京で開催される日英バイリンガル就活イベントで、海外大生採用に慣れた企業が多く参加します。一回で複数社を回れるのとその場で内定をもらえることがあり、効率よく就活を進められます。ちょうどクリスマス休みに入っている時期ですので、一時帰国している学生も多く、参加しやすいです。 参加対象者 日英バイリンガル(日英共に初級レベル以上)で学士以上(学士、修士、MBA、博士など)の学位を取得済/取得予定の方。日本以外の大学の在学生で27卒、28卒もしくは既卒者、留学経験者、海外生活が長い人、海外勤務経験がある職務経験者が主な対象者です。 事前に準備すべきこと まずはCFNに登録し、レジュメを作成しましょう。英文レジュメが基本ですが、日本語のエントリーシートや履歴書の提出を求める企業もあります。興味のある企業の募集要項を確認し、必要書類を準備しておきましょう。また、事前応募や面接予約が必要な企業も多いため、面接対策や自己PRの準備も進めておくことをおすすめします。開催前にはオンライン交流会や相談会が実施されるため、不安なことがあれば事前に相談しておくと安心です。 公式サイト https://careerforum.net/ja/event/tkw1 ロンキャリ(ロンドンキャリアフォーラム) ロンキャリはヨーロッパ最大規模の日英バイリンガル就活イベントで、ロンドンで開催されますのでイギリス留学している学生にとって参加しやすいです。 開催時期 例年2月に開催され、2026年は2月21日~22日でした。 開催場所 West Hall, Olympia(イギリス・ロンドン) 参加企業 主にコンサル、金融、メーカーなど約40社 参加費・渡航費 参加費無料(事前登録必須)。ボスキャリと同様にトラベルスカラシップ制度があり、イギリス国内だけでなくヨーロッパの対象学生に交通費が補助されます。こちらは事前申込必須で、抽選に当たればそれぞれの地域に応じた額が支給されます。トラベルスカラシップの応募資格は他にもあり、申し込む前には必ず公式サイトを確認しましょう。 イベントの特徴 ボスキャリと比べると規模が小さく、落ち着いた雰囲気で面談しやすいです。ただし規模が小さい分、参加企業数は限定的です。ボスキャリと同様、当日面接という場合もあり、比較的速く就活が進みます。 参加対象者 日英バイリンガル(日英共に初級レベル以上)で学士以上(学士、修士、MBA、博士など)の学位を取得済/取得予定の方。日本以外の大学の在学生で27卒、28卒もしくは既卒者、留学経験者、海外生活が長い人、海外勤務経験がある職務経験者が主な対象者です。 事前に準備すべきこと こちらもボスキャリ同様、まずはCFNに登録し、英文レジュメを作成しましょう。企業によっては事前応募や面接予約が必要なため、興味のある企業の募集情報を早めに確認しておくことをおすすめします。また、面接対策や自己PRの準備も行い、イベント当日に備えましょう。 公式サイト https://careerforum.net/ja/event/ldn @passporter_ ロンキャリって何?ボスキャリとの違いは by Ayaka ロンキャリは、イギリス・ロンドンで開催される海外大生向けの就活イベント🇬🇧 ボスキャリとの違いはまず「企業数」。ボスキャリは企業数も多く、採用枠も多い。ロンキャリは参加企業数が少な分採用枠も少なめ。勤務地はどちらも日本配属が中心。 「開催地」の違いは、ボスキャリ→ボストン、ロンキャリ→ロンドン。 「開催時期」も違っていて、ボスキャリは年末ごろ、ロンキャリは年始ごろ。 「参加者」は、ボスキャリ→北米中心、ロンキャリ→ヨーロッパ中心。 ボスキャリのほうが規模が大きいけど、ロンキャリならではのメリットもある‼️ メリット①二日間だから体力的にも楽 企業数が限られている分狙い撃ちができるから、初参加でも回しやすい! メリット②ボスキャリのいい練習になる しかも最近参加企業数が増えているから、今後もっと伸びる可能性もある。企業によってはイギリス🇬🇧と日本🇯🇵のインターン枠も出てるから、イギリス在住の学生はぜひチェックしてみてね。 ➡️ メディアサイトでは留学生によるお役立ち記事も読めるよ!プロフィール欄のリンクからアクセス @passport_to___ 【Who are we?】 📚 海外留学を目指す学生や、いま留学中の学生に向けて 経験者のリアルな情報を発信しています。 🎓 運営メンバーは現役海外大学生&卒業生! 留学を目指す人と留学生がつながれる場所になっています✨ 🤝 海外大学生同士でつながれるコミュニティ 交流会や就活・キャリアイベントを開催予定 ! #留学生活#海外大学#イギリス留学#イギリス大学#就活 ♬ Vlog - wouldliker ロスキャリ(ロサンゼルスキャリアフォーラム) ロスキャリはアメリカ西海岸で唯一のキャリアフォーラムです。 開催時期 例年4月に開催され、2026年は4月11日~12日でした。 開催場所 Los Angeles Convention Center South Hall G(アメリカ・ロサンゼルス) 参加企業 コンサル、金融、IT系、メーカーなど約50社 参加費 参加費無料(事前登録必須) イベントの特徴 ボスキャリと比べると規模が小さく、落ち着いた雰囲気で面談しやすいです。ただし規模が小さい分、参加企業数は限定的です。ボスキャリやロンキャリと同様、当日面接という場合もあり、比較的速く就活が進みます。 イベントの2日間とも開場前特別セミナーがあり、ロスキャリを最大限活用する方法などをCFNスタッフが解説してくれます。 その他にもレジュメの書き方やケーススタディのワークショップ、そしてレジュメ添削や模擬面接が開催されます。事前申込が必須だったり当日整理券を受け取る必要があったりと、受付はさまざまですので気になる人はあらかじめ公式サイトを確認しておきましょう。 参加対象者 日英バイリンガル(日英共に初級レベル以上)で学士以上(学士、修士、MBA、博士など)の学位を取得済/取得予定の方。日本以外の大学の在学生で27卒、28卒もしくは既卒者、留学経験者、海外生活が長い人、海外勤務経験がある職務経験者が主な対象者です。 事前に準備すべきこと こちらもボスキャリ同様、事前にCFNアプリをダウンロードして、参加登録します。また、企業への事前応募、面接予約も必要です。ロスキャリ開催前には対策ウェビナーや相談会などが開催され、ロスキャリを最大限活用するために参加して準備万端で当日を迎えましょう。 公式サイト https://careerforum.net/ja/event/los 海外大生向け就活支援サイト主催のイベント サービス開催時期開催形式・場所特徴マイナビ国際派就職通年オンライン・東京など合同説明会や就活座談会が充実LabBase通年オンライン中心研究内容を生かした就活が可能ONE CAREER通年オンライン・主要都市業界研究や企業研究向けConnect Job通年オンライン中心個別サポートや特別選考あり帰国GO.com通年オンライン中心ES添削や模擬面接などのサポートが充実 マイナビ国際派就職 マイナビ国際派就職は、海外大学生や留学経験者、外国人留学生向けに就職活動支援を行うサービスです。キャリアフォーラムのような単発イベントではなく、合同説明会や企業セミナー、就活対策講座などを年間を通して開催しています。 開催時期 年間を通してさまざまなイベントが開催されています。特に夏休み期間、冬休み期間、就活本選考前には合同企業説明会やオンラインイベントが増える傾向にあります。参加には事前予約が必要な場合が多いため、公式サイトで最新情報を確認しましょう。 開催形式・場所 オンライン・対面の両方で開催されています。 対面イベントは主に東京や大阪などの主要都市で開催され、海外からでも参加しやすいようオンラインイベントも充実しています。 参加企業 主に日系企業が中心です。メーカー、商社、IT、金融、インフラ、人材など大手企業から中堅企業まで幅広く参加します。 参加費・渡航費 参加費は無料です。交通費や宿泊費の補助は基本的にありません。 イベントの特徴 マイナビ国際派就職は、海外大学生や留学経験者向けの合同説明会や就活セミナーを開催していて、日本での就職を目指す学生にとって企業研究や情報収集の場として活用できます。CFN主催のキャリアフォーラムのように短期間で選考や内定獲得を目指すイベントというよりは、幅広い企業と出会いながら就職活動の準備を進められることが特徴です。また、オンラインイベントも多く開催されているため、海外に滞在しながら参加しやすい点も魅力でしょう。 一方で、参加企業は日系企業が中心であり、外資系企業や海外大生向け採用に特化した企業は比較的少ない傾向があります。また、イベント参加後は通常の採用フローに沿って選考が進むことが多く、キャリアフォーラムのようにイベント期間中に内定まで進むケースは一般的ではありません。 参加対象者 27卒、28卒で海外大学・大学院に在学中の学生や留学経験者、帰国子女など、日本での就職を目指すグローバル人材を主な対象としています。海外大学生向けの合同説明会や就活イベントも開催されており、就職活動を始めたばかりの人から本選考を控えた人まで幅広く参加できます。特に、日本企業について理解を深めたい人や、まずは企業研究・業界研究から始めたい人におすすめです。 事前に準備すべきこと まずはマイナビ国際派就職に登録しましょう。 イベントによっては事前予約が必要です。自己PRやガクチカを整理しておくと、企業との交流やその後の選考にスムーズに対応できます。 また、企業研究を行い、興味のある企業を事前にリストアップしておくことをおすすめします。 公式サイト https://global.mynavi.jp LabBase LabBaseは、理系学生・大学院生向けの就職支援サービスです。研究内容を登録することで企業からスカウトを受けられるほか、理系人材を対象としたキャリアイベントや合同説明会も開催しています。特に研究内容や専門性を重視する企業が多く参加しているため、研究経験を活かして就職活動を進めたい人に人気があります。 開催時期 年間を通してさまざまなイベントが開催されています。 業界研究イベントや合同説明会、企業との交流会などが定期的に実施されており、参加には事前登録や予約が必要な場合があります。最新の開催情報は公式サイトで確認しましょう。 開催形式・場所 オンライン・対面の両方で開催されています。 オンラインイベントが比較的多いため、海外大学や大学院に在学中の学生でも参加しやすいのが特徴です。対面イベントは主に東京を中心に開催されています。 参加企業 研究開発職や技術職を募集する企業が中心です。製薬、化学、食品、IT、AI、半導体、電機メーカー、素材メーカーなど、研究職や開発職の採用に積極的な企業が多く参加しています。 参加費・渡航費 参加費は無料です。交通費や宿泊費の補助は基本的にありません。 イベントの特徴 LabBaseの最大の特徴は、学歴やガクチカだけでなく、研究内容や専門性を重視して企業とマッチングできる点です。研究概要を登録することで企業からスカウトを受けられるほか、イベントでは研究内容について企業担当者と直接話す機会もあります。そのため、修士課程や博士課程の学生、研究職や技術職を志望する学生にとって効率的に企業と出会うことができます。 一方で、参加企業の多くは理系採用を目的としているため、文系学生にはあまり向いていません。また、総合職採用よりも研究職・技術職採用が中心であるため、職種によっては選択肢が限られる場合があります。 イベント参加後は通常の採用フローに進むケースが一般的です。 企業によってはイベントをきっかけに早期選考や特別選考へ案内されることもありますが、CFN系イベントのように数日で内定が出るケースは多くありません。 参加対象者 27卒、28卒で理系学部生、大学院生、博士課程学生を主な対象としています。特に研究経験を活かしたい人や、研究職・開発職・技術職を志望する人におすすめです。海外大学や海外大学院に在学している学生も参加できるため、日本で研究開発職として働きたい人にとって有力な選択肢の一つとなるでしょう。 事前に準備すべきこと まずはLabBaseに登録し、自身の研究内容や専門分野を詳しく記入しましょう。LabBaseでは研究概要が企業とのマッチングに大きく影響するため、研究テーマや成果、使用した技術などを分かりやすく整理しておくことが重要です。また、参加企業の事業内容や募集職種を事前に確認し、自分の研究との関連性を説明できるよう準備しておくとよいでしょう。 公式サイト https://compass.labbase.jp/careerevent One Career ONE CAREER(ワンキャリア)は、新卒向け就職支援サービス「ONE CAREER」が主催する就活イベントです。合同企業説明会や業界研究イベント、企業ごとのセミナーなどが年間を通して開催されており、国内外の学生が幅広く参加しています。海外大学生向けの特集やイベントが組まれることもあり、日本での就職を考える留学生や海外大生にとって情報収集や企業研究の場として活用できます。 開催時期・申込スケジュール 年間を通してさまざまなイベントが開催されています。 業界研究イベントや企業説明会、選考対策イベントなどが定期的に実施されており、特に夏季・秋季・本選考前の時期に開催数が増える傾向があります。イベントごとに申込締切が設定されているため、最新情報は公式サイトで確認しましょう。 開催形式・場所 オンライン・対面の両方で開催されています。 オンラインイベントが充実しているため、海外に滞在している学生でも参加しやすいのが特徴です。対面イベントは主に東京や大阪などの主要都市で開催されています。 参加企業 大手日系企業から外資系企業、ベンチャー企業まで幅広い企業が参加しています。総合商社、コンサルティング、IT、メーカー、金融、広告、人材などが主な業種です。イベントごとに参加企業は異なりますが、人気企業が参加することも多く、業界研究の機会として活用できます。 参加費・渡航費 参加費は無料です。交通費や宿泊費の補助は基本的にありません。 イベントの特徴 幅広い業界・企業の情報を一度に収集できます。企業説明会だけでなく、就活対策講座や業界研究イベントも開催されており、就職活動を始めたばかりの学生でも参加しやすいでしょう。また、オンライン開催のイベントも多いため、海外大学に在学している学生でも気軽に参加できます。 一方で、CFN主催のキャリアフォーラムのように面接や選考をその場で進めるイベントは少なく、企業研究や情報収集の側面が強い傾向があります。そのため、短期間で内定獲得を目指すというよりは、就職活動の準備や企業との接点づくりに活用するイベントといえるでしょう。 イベント参加後は通常の採用フローに進むケースが一般的です。 イベントをきっかけにインターンシップや早期選考へ案内されることもありますが、キャリアフォーラムのようにイベント期間中に内定まで進むことは一般的ではありません。 参加対象者 ONE CAREERイベントは、日本国内だけでなく海外留学している大学生・大学院生を対象としています。27卒、28卒をはじめ学年を問わず参加できるイベントも多く、就職活動を始めたばかりの人から本選考を控えた人まで幅広く利用されています。特に、さまざまな業界や企業について知りたい人や、まずは企業研究・業界研究を進めたい人におすすめです。 事前に準備すべきこと まずはONE CAREERに登録し、参加したいイベントを予約しましょう。イベントによっては事前アンケートやプロフィール登録が必要な場合があります。また、参加企業について事前に調べ、自分が興味を持つ業界や企業を整理しておくと、イベントをより有効活用できます。企業への質問をあらかじめ考えておくのもおすすめです。 公式サイト https://www.onecareer.jp/events/seminar?page=1&per=30&sort=time_limit_at&companiesToFollow=false&searchByCurrentUserGraduateYear=false&prefectures=%7B%22online%22%3Afalse%2C%22prefecture_ids%22%3A%5B%5D%7D&isOnecareerHostingEvent=false&upperLimitOfCompanyReview=5&lowerLimitOfCompanyReview=0&search_query= Connect Job Connect Jobは、グローバル人材の採用支援を行うフォースバレー・コンシェルジュが運営する就職支援サービスです。外国人留学生向けのサービスとして知られていますが、日本人の海外大学生向けの専用サービスも提供しており、企業説明会や選考会、キャリアカウンセリングなどを通じて日本での就職活動をサポートしています。海外大生限定の特別選考ルートが用意されることもあり、海外からでも効率的に就職活動を進められることが特徴です。 開催時期・申込スケジュール 年間を通してさまざまなイベントが開催されています。 合同説明会や合同選考会、企業ごとの説明会・選考会、就活対策ウェビナーなどが随時開催されており、イベントごとに申込締切が設定されています。最新情報は公式サイトで確認しましょう。 開催形式・場所 オンライン・対面の両方で開催されています。 海外大生向けイベントはオンライン開催が多く、海外に滞在したまま参加できるものも少なくありません。また、ロンドンやソウル、台北など海外都市でのジョブフェア開催実績もあります。 参加企業 海外大学生やグローバル人材の採用に積極的な企業が参加しています。コンサルティング、IT、メーカー、商社、人材、インフラ、サービスなどがあります。イベントごとに参加企業は異なりますが、海外経験や語学力を評価する企業が多いことが特徴です。 参加費・渡航費 参加費は無料です。オンラインイベントも多いため、海外からでも費用を抑えて参加できます。交通費や宿泊費の補助は基本的にありません。 イベントの特徴 Connect Jobの最大の特徴は、イベント参加だけでなく、個別キャリアカウンセリングや面接対策などのサポートを無料で受けられることです。海外大生向けの特別選考フローが用意されることもあり、企業によってはESやWebテストが免除されるケースもあります。また、海外大卒社員との座談会や交流イベントも開催されているため、海外から日本就職を目指す学生にとって貴重な情報収集の機会になります。 一方で、CFN主催のキャリアフォーラムのように数百社規模の企業が集まる大型イベントではなく、企業とのマッチングや個別サポートを重視したサービスです。そのため、多くの企業を一度に比較したい人にはやや物足りなく感じるかもしれません。 イベント参加後は通常の採用フローに進むことが多いですが、企業によっては海外大生向けの特別選考ルートや早期選考に案内されることがあります。CFN系イベントほどの短期決戦ではありませんが、一般応募よりもスムーズに選考が進むケースがあります。 参加対象者 Connect Jobは、27卒、28卒などで海外大学・大学院に在学中の日本人学生や留学経験者を主な対象としています。また、日本での就職を目指す外国人留学生も利用しています。特に、日本企業への就職活動が初めての人や、ES・面接対策など個別サポートを受けながら就活を進めたい人におすすめです。 事前に準備すべきこと まずはConnect Jobに登録しましょう。イベントによっては履歴書なしで応募できますが、選考に進む際にはレジュメや応募書類が必要になります。また、キャリアカウンセリングや面接対策を無料で受けられるため、積極的に活用することをおすすめします。興味のある企業や業界を事前に調べておくと、イベントをより有効活用できるでしょう。 公式サイト https://job.connectiu.com/job-event/japanese_speakers 帰国GO.com 帰国GO.comは、海外留学経験者や海外大学生を対象とした就職支援サービスです。2006年から運営されており、日本での就職を目指す留学生に向けて、企業説明会や就職セミナー、個別カウンセリングなどを無料で提供しています。過去にはUniversity of Edinburgh(エディンバラ大学)やUniversity College London(UCL/ユニバーシティカレッジロンドン)で企業のオンキャンパス選考会が開催されたことがあります。イベント参加だけでなく、ES添削や模擬面接などのサポートも受けられるため、海外から日本就職を目指す学生にとって心強いサービスです。 開催時期・申込スケジュール 年間を通してさまざまなイベントやセミナーが開催されています。 企業説明会や就活セミナー、大学訪問型イベント(オンキャンパスセミナー)などが随時実施されており、イベントごとに申込期限が設けられています。また、会員限定で参加できるWEB企業説明会もあります。 開催形式・場所 オンライン・対面の両方で開催されています。 オンライン企業説明会や就職カウンセリングが充実しているため、海外に滞在したままでも参加可能です。また、一部の大学では企業によるオンキャンパスセミナーや選考会も実施されています。 参加企業 留学生採用やグローバル人材採用に積極的な企業が参加しています。メーカー、商社、IT、建設、製薬、人材、サービスなどがあります。大手企業だけでなく、成長企業やグローバル展開を進める企業も多数掲載されています。 参加費 参加費は無料です。会員登録、カウンセリング、企業説明会、ES添削、模擬面接などのサービスも基本的に無料で利用できます。 イベントの特徴 帰国GO.comの特徴は、イベント参加だけでなく、就職活動全体をサポートしてくれる点です。経験豊富なカウンセラーによる個別相談に加え、ES添削や模擬面接、企業別アドバイスなども受けることができます。また、会員限定の企業説明会や非公開求人の紹介もあり、留学生向けのサポートが充実しています。 一方で、ボスキャリのような大規模合同就活イベントではなく、個別支援やマッチングを重視したサービスです。そのため、一度に多くの企業と接触したい人よりも、就職活動を伴走してもらいながら進めたい人に向いています。 イベント参加後は通常の採用フローに進むことが一般的です。 ただし、帰国GO.com経由で企業を紹介してもらったり、企業説明会から選考に進んだりするケースもあります。CFN系イベントのような短期集中型ではなく、中長期的に就職活動を支援するスタイルです。 参加対象者 帰国GO.comは、正規留学・交換留学・短期留学を問わず、留学経験のある学生を対象としています。また、現在留学中の学生だけでなく、今後留学予定の人も利用できます。27卒、28卒などの海外大学生や交換留学生、帰国子女など、日本での就職を考えている人におすすめです。 事前に準備すべきこと まずは帰国GO.comに会員登録しましょう。会員になると、企業説明会への参加や就職カウンセリングの予約ができるようになります。また、ES添削や模擬面接などのサポートも受けられるため、就職活動を始めたばかりの人は積極的に活用することをおすすめします。興味のある企業や業界を事前に調べておくと、イベントをより有効活用できるでしょう。 公式サイト https://kikokugo.com 海外大生が就活を成功させるコツ 事前準備を徹底する 就活イベントは当日が本番ではなく、事前準備が重要です。特にCFN系列やTKFなどの選考直結型イベントでは、事前応募や面接予約が行われるため、早めにレジュメやプロフィールを準備しておきましょう。 積極的に企業や社員と交流する 興味のある企業だけでなく、これまで知らなかった企業の話も積極的に聞いてみましょう。実際に社員と話すことで企業の雰囲気や仕事内容への理解が深まり、新たな選択肢が見つかることもあります。 面接を意識して参加する 選考直結型のイベントでは、その場で面接が行われることもあります。自己紹介や留学経験、学生時代に力を入れたこと(いわゆるガクチカ)などは、いつ聞かれても答えられるよう準備しておくと安心です。 イベント後の行動も大切にする イベントで終わりではなく、その後のインターンシップや本選考、OB・OG訪問につなげることが重要です。気になった企業には積極的に応募し、イベントで得たつながりを今後の就活に活かしましょう。

【実体験】イギリス留学準備術: 合格通知からビザ取得までの記録

3月に入り、イギリスの大学や大学院から合否結果が届いてきたと思います。大学からオファー(合格通知)を受け取るといよいよ本格的な留学準備が始まります。入学までには多くの手続きがあり、スムーズに進めるためには計画的な準備が必要です。本記事では、オファーを受け取った後の具体的な準備プロセスについて、僕の経験を踏まえて詳しく解説していきます。 合格結果の確認と入学手続き 出願してからオファーをAcceptするまで 合格結果が届く時期は大学や学科によって異なり、ここは待つしかありません。僕は出願した5校のうち4校は2月初旬までに結果が届きました。しかし第一志望の大学だけ3月までオファーが来ず、もどかしさを覚えました。遅くて7月ごろに結果が出る場合もあるそうなので、気長に待つことが大事だと思います。UCASのTrackシステムをこまめにチェックしましょう。 オファーの種類(Conditional・Unconditional) イギリスの大学からのオファーには、「条件付きオファー(Conditional Offer)」と「無条件オファー(Unconditional Offer)」の2種類があります。条件付きオファーは、IELTSスコアや最終成績の提出といった特定の条件を満たすことで合格となります。UCASで出願した全ての大学から合否が届いた後は、Firm Acceptance(第一希望)とInsurance Acceptance(第一希望に合格できなかった場合の第二希望)の大学とコースを選択します。第一希望の大学からUnconditional Offerをもらった場合はInsurance Acceptanceを選択する必要はありません。 オファーを受け取った後の対応 自分が受け取ったのが条件付きオファーの場合は手続きを早めに済ませることが大切です。通常、オファーの承諾期限が設定されているため、遅れないように注意しましょう。一部の大学ではInternational Students(留学生)がオファーを承諾する際、デポジット(Deposit - 入学金)の支払いが必要です。この金額は大学によって異なりますが、£1,000~£5,000が一般的です。支払期限も設けられているため、期日を確認して早めに対応しましょう。 不合格だった場合の選択肢(Extra・Clearing) もし出願した全ての大学が不合格(Unsuccessful)だったとしても、結果をもらった後に追加で一つのコースに出願できる「エキストラ(Extra)」と定員に達していないコースに出願できる「クリアリング(Clearing)」というシステムがUCASにあります。Extraは2月末から7月初旬まで、Clearingは7月中旬から9月~10月ごろまで行われます。期待した結果が出なかった場合でも諦めずに他の大学やコースにトライしてみましょう。  イギリス学生ビザ(Student Visa)の申請を徹底解説 イギリスでの長期留学には学生ビザ(Student Visa)が必要です。申請にはいくつかの書類が必要で、その用意やビザ発行までに時間がかかります。とにかく早めの行動が大事です。  必要書類 CAS 大学からのオファーを承諾し、パスポートなどの書類を提出すると、「CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)」という入学許可証が発行されます。CASはビザ申請に必須な書類で、入学証明となる番号(CASナンバー)が書かれています。発行には通常数週間かかりますので、余裕を持って手続きを進めましょう。  パスポート パスポートの有効期間が留学期間をカバーしている必要があります。期限が短い場合、事前に更新しておきましょう。申請時にパスポートを提出し、そこにビザが発給されることになります。また、見開き2ページ以上の余白ページがあることも確認しておきましょう。  過去のパスポート 過去10年間の渡航歴を聞かれた時、昔使っていたパスポートがあると便利です。ただし、トランジットで立ち寄り、滞在期間が1日未満だった国も渡航歴に含まれます。こういった場合はパスポートにその記録がない時があります。できるだけ正確な情報を書くことが推奨されているので、僕は法務省の出入国在留管理庁というところで自分の渡航歴に関する開示請求を行いました。500円程度で調べてもらえます。https://www.moj.go.jp/isa/publications/privacy/record.html 英語力の証明書 大学によってビザ申請時に英語力の証明を求めるところもあります。GCSEやIBなどのスコアで証明できる場合と、イギリス政府が認定するSELT(Secure English Language Test)の結果しか受け付けてくれない場合があります。このSELTはイギリスのビザ取得専用の英語力試験です。中には「IELTS for UKVI」や「Pearson PTE Academic UKVI」などがあります。IELTSとは異なるもので、指定のスコアを満たすため改めて受験する必要があります。 申請費用と健康保険料(IHS) 申請時にはビザ申請料(£490)の支払いが必要です。さらにIHS(Immigration Health Surcharge)という健康保険料(£776×コースの年数)も支払います。IHSを支払うと、イギリス滞在中にNHS(国民保健サービス)を原則無料で受けられます。 ビザ申請の流れ 書類の準備ができたら、イギリス政府のUKVI(UK Visas and Immigration)の公式サイトから専用の申請フォームに情報を入力し、書類をオンラインで提出します。オンライン上の手続きが済んで、申請料及びIHSを支払うとVFS Globalのビザ申請センターの来館予約ができるようになります。日本には東京と大阪にビザ申請センターがあります。予約した日にパスポートを提出し、生体認証情(指紋と顔写真)を登録します。審査は通常3週間ほどかかり、終了しないとパスポートが返却されません。ビザはパスポートと共に返却されます。ビザ申請センターで受け取るか、郵送してもらうかを選べます。 審査開始後に財政能力証明書の提出を要求される場合があります。これはイギリスでの生活費をカバーできる資金があることを証明するためのものです。ロンドンの大学で勉強する場合は£12,492以上。ロンドン以外の場合は£10,224以上(授業料を除く)。つまりロンドンでの生活費: £1,438/月、ロンドン以外での生活費: £1,136/月: 9ヶ月分の生活費をカバーできる証明が必要です 。預金通帳や金融機関の取引明細書を英文に翻訳したものが必要です。あらかじめ準備しておくとビザ申請がスムーズに進むでしょう。  より詳しい流れについては下のサイトに説明してあるので、確認してください。https://www.westminster.ac.uk/sites/default/public-files/general-documents/student-visa-application-guide-applying-from-outside-uk-v2.pdf  申請は「何事も早めに」が鉄則! 前述の通りビザの審査には通常3週間ほどかかると言われています。繁忙期にはそれ以上の時間がかかることもあります。ビザ発行が渡英日に間に合わずフライトを変更せざるを得なかった友達が何人かいました。審査期間が多少長くなってもいいように、早めに必要書類を集めて申請することが大事です。「ビザ申請ドットコム」や「IMMIGRATION.UK」といったビザ申請を代行してやってもらえるサービスがあり、書類の翻訳など自分でできるか不安があった僕は活用しました。利用すれば必要な書類を揃えて代行者に提出するだけです。その後の申請フォームの入力やビザ申請センターの予約などは全部やってもらえます。  寮とシェアハウスの探し方 ビザ申請と並行して、イギリスでの住居を確保する必要があります。選択肢としては大学が運営している大学寮、民間の学生寮、シェアハウスなどがあります。 大学寮 vs 民間の学生寮の違い 同じ大学の人と交流できる大学寮は、初めての留学で最も安全で便利な選択肢だと思います。特にロンドンなどの都市部では、民間の賃貸物件の家賃が高いです。そのため、大学寮を利用することでコストを抑えられます。僕は大学1年の時に大学寮で暮らして、2、3年の時は民間の学生寮で暮らしていました。民間の学生寮だと、ロンドン中の大学から学生が集まるので他大学生との交流が深まります。ただし、これらの寮は人気が高く、申込期限が早いです。オファーを受け取ったらすぐに申し込むことをお勧めします。早めに申し込みをしなかったせいで、キャンパスから遠い場所にあったり、家賃が高い寮しか残っていなかったりという話も友達から聞きます。 大学が寮の情報を発信していますし、部屋の予約ができるResidence(住居)のサイトやWebポータルにも情報があるので、そこのSNSなどに登録して最新情報をチェックしましょう。  僕が住んでいた民間の学生寮 シェアハウス探しの注意点と便利サイト シェアハウスは費用を抑えつつ、学生のみならず現地の人々と交流できる点が魅力的です。ただし、契約詐欺や知らない人とシェアしなければいけないというリスクもありますので、信頼できるサイトを利用して物件を探し、可能であれば現地で内見してから契約を結ぶことが望ましいです。住居探しには、Rightmove(https://www.rightmove.co.uk/)やZoopla(https://www.zoopla.co.uk/)などの物件検索サイトが便利で、よく使われています。また、SpareRoom(https://www.spareroom.co.uk/)を利用すれば、ルームシェアの相手を見つけることもできます。  必須手続き: eVisaについて 返却されたパスポートに載っているビザはあくまで仮のEntry Clearance Visa(入国許可証)というもので、発行されてから90日まで有効です。正式なビザはeVisa(Online immigration status)という電子書類です。UKVIから送られてくる案内に従い、オンライン上でビザの申請番号やパスポート番号を登録して、アカウントを作成します。 イギリスに入国する際、パスポートのビザだけでなくeVisaの提示が求められる場合があります。そのため渡航前に手続きを済ませておくといいでしょう。これまではBRP(Biometric Residence Permit)カードという物理的な書類だったのでした。2025年の1月からオンラインに置き換わりました。 今回紹介したプロセスの他にも航空券を予約したり、持ち物を準備したりするなど、渡英までにやっておく必要があることはたくさんあります。それらについてはまた別の記事で書きますので、楽しみにしていただければ幸いです。CASやビザの発行などには思っている以上に時間がかかるものもあります。留学生活がスムーズに始められるよう、計画的に準備を進め、安心して渡英しましょう。  https://www.gov.uk/student-visa

イギリスのNHS利用|留学生が知っておきたい医療サービス

イギリスの病院に行くとき、多くの人はNHS(エヌ・エイチ・エス National Health Service)という公共の医療制度を利用しています。留学生もビザ申請時に健康保険付加料(IHS)を支払えば、NHS提携の公立病院を受診できます。ですが、NHSをうまく活用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があるんです。 この記事では、留学前に知っておきたいNHSの基本的な使い方や、ビザ申請時に支払うIHSについて、さらに病院やGP(かかりつけ医 General Practitioner)の違い、実際に病気になったときの流れまでわかりやすく解説します。 Haruna これまでに何度もイギリスの病院を利用している現地在住者が解説します!どんな流れで医療サービスが受けられるのか、ぜひ参考にしてみてくださいね。 イギリスのNHSって何?医療制度の基本 はじめに、イギリスの公的医療制度「NHS」の仕組みや利用方法についてわかりやすく解説します。 NHS(National Health Service)の概要 1948年にスタートしたイギリスのNHS(National Health Service)は公的な医療制度です。特徴は、多くの医療サービスが無料だったり、もしくは低料金で受けられること。留学生ももちろん対象。ビザ申請時にIHS(健康保険付加料)を支払うことで、NHSのサービスを使えます。 一部は自己負担になる場合もありますが、一般診療、救急医療、入院治療、妊産婦ケアなど幅広いサービスが無料です。 IHS(Immigration Health Surcharge)について イギリスに6か月以上滞在する留学生は、ビザ申請時に「IHS(Immigration Health Surcharge)」を支払っておくことで、ビザの開始日からNHSの医療をイギリス住民と同じように利用できるようになります。料金はビザの有効期間によります。 ビザの期間ごとのIHS料金 ビザの期間料金 ポンド/円6か月以下なし(申請がイギリス国内の場合は£388 / 約73,720円必要)6か月超〜1年未満£776 / 約147,440円 (1年分)1年£776 / 約147,440円1年超〜1年6か月以下£1,164 / 約221,160円 (1年半分)1年6か月超〜2年未満£1,552 / 約294,880円 (2年間分)2年£1,552 / 約294,880円 参考 https://www.gov.uk/healthcare-immigration-application/how-much-pay ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。IHS支払い時には最新の情報を必ずご確認ください。 オンライン上でビザ申請時にコースの開始日と終了日を入力し、デビットカードかクレジットカードで支払います。もしも支払いを忘れたり、金額が足りていないと UK Visas and Immigration(UKVI)からメールで知らされます。指定期間内に全額を支払わない場合はビザの申請が却下されてしまいます。 病院とかかりつけ医の違い(Hospital と GP) 日本では、自分の症状をベースに専門医を選んで直接病院に行くことが多いですよね。しかし、イギリスではまずかかりつけ医であるGP(General Practitioner)を訪問し、そこから病院(Hospital)の専門医を紹介してもらう流れです。 病院の外来は基本的に紹介制で、専門的な検査や手術、入院治療が必要な場合に利用します。救急(Accident and Emergency)でなければ、基本的にはGP→病院の流れが一般的です。 GPで相談できること GPは地域の診療所、かつ最初に相談する窓口で、必要に応じて病院や専門医を紹介してくれます。風邪や体調不良、慢性的な症状など病気や健康全般について相談でき、処方箋も出してくれます。 GPで診てもらい検査に進む場合は、その結果が出てから精密検査や追加診療で専門医のいる病院に紹介されるケースが多いです。診察は対面のときもあれば、GPに行かずに電話で遠隔診療する場合もあります。 閑静な住宅地にひっそりとたたずむGP 渡英後はまず「GP登録」から始めよう イギリスに到着したら、なるべく早めに「GP(かかりつけ医)」への登録をしましょう。登録のタイミングや方法をここからお伝えします。 登録のタイミングと方法 GPの登録方法は、直接GPに行くかオンラインのどちらかです。大学によってはキャンパスに近いGPを紹介しているので、スタッフに尋ねてみましょう。 GPの登録方法 ①GPを探す NHSの公式サイト「Find a GP(GPを探す)」から、新規登録者を受け入れているか、受付時間、利用者の口コミを確認できます。自宅から近く便利なGPに登録する人が多い傾向にあります。 ②登録フォームに入力/記入する 登録フォームは、各GPのウェブサイト、NHSアプリから入手できます。GPで渡される用紙も可能です。 【登録に必要な情報】 氏名 住所 生年月日 学生ビザ証明の共有コード(Share Code) 連絡先(緊急連絡先も含む) 現在の健康状態・病歴 アレルギーの有無 服用中の薬 など 身分証明や住所証明についてはGPによります。地域内の住民のみを受け入れているGPへの登録には、住所証明を用意した方が無難です。また、なかには新規の登録者を受け入れていないGPも。 もしも、留学中に住所が変わる場合はGPへ報告しましょう。NHSの予約に関することや検査結果などが郵便で送られてくることがあります。引っ越し先が登録中のGPの地域外でも、新居に近い新しいGPに移ることができます。 GPの予約方法・診察の流れ 診察は予約制です。コロナのパンデミックを経て、多くのGPでは感染拡大を避けるために、予約をしてからGPへ来てもらう形を取っています。予約方法は、電話、もしくはオンラインです。電話予約はすぐにつながらず、かなり待たされる場合も。オンライン予約を実施しているGPでは、NHSアプリや各GPの予約サイトからリクエストできます。 私が登録しているGPの場合は、GPの予約システムからメッセージ形式で問い合わせをし、少し待ったあとにメッセージや電話で返信があります。問い合わせ内容によっては、看護師や医師と遠隔で会話し、そこで診察が終わる場合もあります。もしくは対面での予約日を決めていきます。 オンラインのいいところは、問い合わせ内容を細かくテキストで伝えられるところです。電話での会話では医療専門用語がすぐに出てこず、詳細をすべて伝えきれないことも。オンラインで履歴を確認できるため、あとで詳細を振り返るのにとても便利です。近年どんどんオンライン化が進み、以前よりサービスの手軽さが上がったと感じています。 夜間や土曜日に予約が取れることもあり、大学のスケジュールに合わせて利用できるのは留学生にとってもうれしいですね。 実際に病気になったら?病院の使い方ステップ 実際に体調を崩したとき、どうすればいいのか不安に感じる方も多いかもしれません。ここでは、症状が出てから病院で診てもらうまでの流れや、緊急時の対応まで、具体的なステップをわかりやすく解説します。いざというときの参考にしてくださいね。 【NHS利用】症状が出てから病院へ行くまで ここでは、GPや病院などNHSを利用するフローの例をご紹介します。長年NHSを利用しているなかで遭遇した、よくあるパターンをシェアさせていただきますね。 NHS利用の流れ 問い合わせ(電話、オンライン) 問診(GP、電話、ビデオ通話) 必要に応じて診察や血液検査や尿検査などの実施(処方箋のみの場合もあり) 検査結果を聞く(GPか電話の場合が多い) 治療が必要な場合は処方箋をもらう or 病院紹介 【病院紹介の場合】 病院での診察予約に関する手紙が届く(病院が指定する予約日時の記載あり) 指定された予約内容を変更したい場合は病院に電話 予約日時の希望を伝え、確定 病院で診察・検査 GPで結果を聞く(病院の検査結果がGPに送られる場合) ※追加で検査を実施する場合は医師から連絡があり、新しい予約日時を相談する流れになります。 病院はGPと違って、多くの専門科が揃っており規模が大きいです。施設が広いため、初めて訪れる場合は指定の場所を見つけるのが難しいことも。予約時間の前に早めに到着しておきましょう。 病院の内部 NHS 111の使い方 NHS 111は、電話やオンラインですぐにGPにつながらない場合や、GPの診療時間外でも相談したいときに利用できる便利なサービスです。まずは電話かオンラインで問い合わせることで、どういったアクションを踏めばいいかをアドバイスしてくれます。相談内容によって対応は変わりますが、以下のような例があげられます。 看護師からの折り返し電話を予約 夜間・週末のGP診療を案内 歯科やメンタルヘルスなどの専門サポートを紹介 登録しているGPに連絡するよう指示 薬剤師に相談するよう案内 自宅で経過観察するよう指導 NHS 111では、病院の予約・キャンセルや診断書の発行はしてもらえないので注意してください。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/urgent-and-emergency-care-services/when-to-use-111/ 緊急の場合はどうする? GPの診察を待てずに急いでいる!そんなときは緊急外来(A&E)や救急車(999)を利用します。 まず、A&Eについて。 A&E(Accident and Emergency/事故・緊急外来)は、GPの予約を待っていられないほどのつらい症状や怪我があるなど、緊急性の高い場合に利用します。Accident and Emergencyのほか、Emergency Department(救急部)やCasualty(救急)とも呼びます。着いたらまず受付で症状を伝えます。 過去に利用した感想は、とにかく待ち時間が長いということです。予約を取らないことと、重症患者が優先されるため、先に着いているのに後から来た人が早く診てもらっていたりします。診察の流れは、各自の状態によって変わります。 緊急時の例 緊急性が低く深刻でないと判断→GPの予約をすすめられる、処方箋をもらう 緊急の場合→専門病棟に移り場合によっては入院 病院の正面玄関と別にある緊急外来用の入り口 緊急外来ではとても待てないような、命に関わる緊急時であれば、999へすぐ電話を。交通事故や発作など重大なシチュエーションには迷わず利用しましょう。電話で聞かれる内容は、場所、999にかけた理由、連絡先など。救急隊員の到着を待っている間ににできることや、どれくらいで着くかも教えてくれます。 黄色と緑が目印の救急車  処方薬と薬局の使い方 診療後に薬が出されたら...?ここからは、NHSの処方薬の受け取り方や薬代について、基本的な情報をわかりやすくまとめました。 薬はGPが発行する「処方箋」で薬局でもらう GPでの診察が終わり、処方薬が必要であれば処方箋が出されます。診察後にGPと連携している近隣の薬局(Bootsなど)に行き、Prescription(処方箋)というコーナーでスタッフに自分の生年月日、名前、住所を伝えると、あらかじめ用意してある薬が手渡され、支払いに進みます。 薬局内の処方薬受け取りカウンター 薬代の仕組み NHSで処方してもらう薬の料金は、2025年の時点で処方薬1品につき※£9.90(約1,880円)です。ひとつの処方箋に複数の処方薬がある場合は、すべての薬の合計金額を支払います。ですが、留学生でも18歳以下で大学やカレッジでフルタイム教育を受けている学生はNHSの薬代が無料です。 処方薬が頻繁に必要な人は、処方箋前払いシステム(Prescription Prepayment Certificate)を利用するのも手です。各自のケースが対象になるかの確認は必要ですが、利用できる場合はかなりお得です。 例えば有効期限が3か月間のPPCは、事前に£32.05(約6,090円)支払えば、有効期間中にいくつでも薬を受け取れます(一部は適用外)。PPCの購入はオンラインがメインで、申請日から有効です。申請を完了すると、メールでPPCの証明書が送られてくるので、薬を受け取るときに提示できると便利です。 ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/prescriptions/save-money-with-a-prescription-prepayment-certificate-ppc/ 市販薬はスーパーや薬局でも買える 処方薬以外はどうでしょうか。結論として、スーパー、薬局で簡単に手に入ります。痛み止めや風邪薬、胃腸薬、花粉症などのアレルギー薬、目薬、塗り薬など種類は豊富です。自分に合えば、留学中にイギリスで薬を買って服用することもできるので、必ずしも日本から持ち込まなくてもなんとかなる場合もあります。 ※個人差がありますので、薬の調達については慎重に判断されることをおすすめします。 NHSと留学保険の違い これまでNHSのサービスについてご紹介してきましたが、イギリス留学中に本当にNHSだけあれば安心なのだろうか?と不安に思う人もいるでしょう。ここからは、NHSのサービスが対象外になる場合と、留学保険との違いについてお話ししていきます。 NHSで医療費の支払いが発生する例 処方薬1品につき£9.90(約¥1,880円)かかるとお伝えしましたが、そのほかにも支払いが発生する例があります。 ・歯科医療 ・眼科治療 ・かつらや布製の医療用サポーター NHSのサイトでは、歯科医療について、治療が始まる時点で18歳未満、または19歳未満で所定のフルタイム教育を受けている場合は、NHSでの歯科治療が無料になると伝えています(治療内容によっては費用が発生する場合もあり)。 治療費がかかる場合には、日本より高いと言われていますので、渡英までに歯の状態を診てもらうと安心ですね。 眼科の例では、街中の眼鏡屋で行っている一般的な視力検査なら£20(約3,800円)ぐらいから受けられますが、専門的な検査になるとさらに費用がかかります。眼鏡を作る場合、場所によっては学生割引が使えるので、検査の前にリサーチしてみましょう。 NHSを使って治療ができる街中の歯医者 Haruna 実は私も、イギリスで歯の詰め物が取れてしまって、数ヶ月放置したあとに日本の歯医者にかかったのですが、衛生的に良くない!こんなに放っておくなんて!とすごく怒られた記憶があります…。 留学保険で補える部分もある NHSのサービスがこれだけ充実しているのなら、留学保険はいらないんじゃ?と思う人も多いでしょう。しかし、留学保険に入ることで受けられる恩恵も多いのが事実です。 NHSの病院、つまりはイギリスの公立病院を利用するとなると、無料で診療が受けられる分、長く待たされることもザラです。問題の症状が落ち着くまでに、ある程度の時間を要すこともめずらしくないのです。その点、留学保険に入っておくことで、プライベートの私立病院が利用できます。ロンドンには日系クリニックが数件あるため、日本人ドクターに日本語でサポートしてもらえる点もありがたいです。 私がまだ学生だったころ、もうダメかと思うような辛い症状があったときや、小さな手術を受けたときもすべて留学保険が適用され、プライベートの日系クリニックを利用しました。電話一本ですぐに予約がおさえられ、スムーズな日本語のサービスが受けられたことで、改めて保険の大切さを知りました。 ※持病や既往症は補償されない場合がありますので、各保険会社に問い合わせてみてください。 医療以外のトラブルにも留学保険が活躍します。加入するプランによりますが、盗難や破損、飛行機の遅延も補償されるケースがあります。 「何がどこまでカバーされているか」知っておくと安心 NHSのサービスだけでいいの? 心配だから留学保険に入る?答えは人それぞれ。留学生のなかには、医療サービスにおいてはNHSだけでじゅうぶんだった、という人もいれば、留学保険があってよかった、という人も。しっかりとそれぞれの特性を把握したうえで、自分に合った選択をしてみてくださいね。 医療の備えは安心な留学生活の第一歩 イギリス在住の筆者も、これまでに何度もNHSのお世話になってきました。幸い、GPの受付スタッフや看護師、医師たちには毎回親切にしてもらっています。電話やオンラインでの問い合わせには、ほとんど返信があり、しっかり話を聞いてくれます。ただ、サービスの質に関してはGPによりけり、という声も多いです。GP登録をする際には、口コミをチェックしたり、同じGPに登録している学生の話を聞いたりと、下調べをしておくとより安心です。 安心して留学生活が送れるように、医療面での準備を万全にしておきましょう! https://www.nhs.uk

UCL現役大学生の留学体験記!イギリス留学のリアルと道のり

京都からイギリスへ: UCL大学留学を決めるまで 自己紹介・バックグラウンド  はじめまして。Nanaです。京都市出身で、中学まで地元で過ごし、高校からイギリスの学校に進学しました。  現在は、University College London(UCL、ユニバーシティカレッジロンドン)でArts and Sciences(アーツアンドサイエンス)学科で勉強しています。一つの専門分野を3年間かけて学ぶ一般的なイギリスの大学とは異なり、この学科ではリベラルアーツ教育に似ていて、文理問わず幅広い分野の科目・デパートメントの授業を取ることができます。  留学を決意したきっかけ 中学2年生の時にスイスでサマースクールに参加した体験が留学を志した原点です。いろいろな国から生徒が来ていて、英語だけでなく、ドイツ語、イタリア語、フランス語などを操る同年代の生徒と出会いました。言語がもたらす新しい人との出会い、つながりや発見に心躍らされました。私もグローバルな世界で過ごしたいと強く思った経験でした。 学校選びから出発まで 本格的に留学を考え始めたのは中学2年生の冬あたりでした。サマースクールで訪れたスイス、友人がすでに留学していたアメリカとイギリスを留学先の候補にしましたが、結局イギリスとアメリカの学校に出願し、先にオファーが来たイギリスの学校に入学することに決めました。 友人に紹介してもらった留学エージェントを通して、学校の選定、受験、インタビュー(面接)を経て、イギリス南西部にあるTaunton School International(TSI、トーントンスクールインターナショナル)への入学が決まりました。インタビュー(面接)や試験はすべて、オンラインで行いました。 Taunton School International(トーントンスクールインターナショナル) の校舎 しかし、この時期(2020年)にちょうど新型コロナウイルス感染症が流行り始め、4月に予定していた渡英は先送りされてしまいました。イギリスには行けなかったものの、学校側がいち早くオンライン授業を導入したため、4月-6月の1学期間は日本の自宅で授業を受けました。思い描いていた留学の始まりではありませんでしたが、振り返ってみればホームシックにならず、少しずつ英語に慣れていく良い機会だったと思います。 Lancing College(ランシングカレッジ)のチャペル TSIではGCSEと呼ばれる中学課程に当たるものを1年間学習しました。2年目からはLancing College(ランシングカレッジ)という現地校に入学し、A-level経済、数学、応用数学、日本語を履修し、受験を経て、UCLに入学しました。 UCL大学生のキャンパスライフ ロンドンならではの魅力と学びの日々 現在通っているUCLはロンドン中心部にあり、1826年に設立された大学で、150を超える国から学生が集まる国際性と400以上のコースを提供し幅広い研究分野を持っているのが特徴です。ロンドンという大都市ならではの刺激的な環境もあり、学びだけでなく生活面でも多くの発見がある大学です。 University College London(UCL)に入学 リベラルアーツ型の学び: Arts and Science学科の特徴 大学ではArts and Science(アーツアンドサイエンス)と呼ばれるリベラルアーツの学科で勉強しています。この学科はイギリスの大学にしてはとてもユニークです。イギリスの大学では基本的に高校で専攻した教科を中心により深く学びます。例えば高校で経済を専攻すると大学でも経済学部やビジネス系の学部に進み、その学部で必修授業をとります。 しかし私の学部では多くの学問の知識をいかに融合させて社会課題の解決策にアプローチするのかに重きを置いています。こういった学問を英語ではInterdisciplinary studiesと呼び、分野横断的(学際的)な学びを意味します。社会課題を解決するのにもさまざまな切り口や専門知識が必要なうえ、分野が異なる人々と協力することも欠かせません。そのようなことを中心に学んでいます。 そのため、履修する授業の半分以上を自分で選択できます。学科の中で、3年間を通して全く同じクラスの組み合わせを取っている学生は誰一人いません。こういった環境が自分の学習生活を唯一無二にします。 実際に履修している授業紹介 私が今年取っている科目は、Principle of international public law(国際法)、Mathematical analysis, Real analysis(解析学)、Database system(データベースシステム)、Macroeconomics/Open and Closed economy(マクロ経済学)、Quantitative methods(定量調査)、Sustainable energy(持続可能エネルギー)、Mandarin(中国語)です。 分野がバラバラでそれぞれ全く関係なさそうに見えますが、Sustainable energyで学ぶエネルギー政策はMacroeconomicsの経済政策につながっていたり、Quantitative methodsで習得する基礎プログラミングはDatabase systemで応用できたりと、他の学生とは違った視点で問題の解決法を見いだすことができます。 課外活動とロンドンでの暮らし 日本語を教えるJapan Societyでの活動 授業外では、Japan Societyと呼ばれるソサエティ(サークル)に参加していて、2週間に1度、学生に日本語を教えています。 Finance and Economics Societyで得た学びと人脈 また、Finance and Economics Societyにも参加しており、週1くらいの頻度で開催されるロンドンの投資銀行などの金融業界で働く方によるセミナーに参加しています。UCLのネットワークはかなり広く、トップ企業で働く卒業生も多いので、いろんな人から話を聞けるチャンスがたくさんあります。 ロンドンの美術館・博物館巡りで深める学び ロンドンには大英博物館(British Museum)やナショナルギャラリー(National Gallery)など、たくさんの権威ある美術館と博物館が集まっていて、ほとんどが入場無料ということもあり、休日にはなるべく行くようにしています。 昨年取ったSocial Theoryの授業ではオリエンタリズム(西洋が東洋をどのようにとらえていたのかを研究する学問領域)のトピックを扱ったのでテムズ川畔にあるTate Britain(テート・ブリテン) の絵画を見に行きました。 Colonialism(植民地主義)などのトピックを考える際、博物館の作品は貴重なソースとなり、実際に鑑賞することでコンテンツの理解をより深めることができます。 高校留学・大学留学を通じて得た学び 広がった視野と情報へのアンテナ 留学して良かったことは、視野が広がったことと得られる情報が増えたことです。異なる文化や価値観を持つ人たちと関わる中で、自分が当たり前だと思っていた考え方が、実は国や環境によって大きく異なることに気づきました。Taunton School時代のルームメートはブルンジ人でした。初めて聞く国からの生徒だった彼女とどうしても話をしたくて、どんな国なのか、何語を話すのかなどを調べた記憶があります。 多様な視点を学べる国際的なクラスメートとの出会い 授業では、さまざまなバックグラウンドを持つクラスメートと意見を交わす機会が多く、同じテーマでも多様な視点があることを学べたのは、とても刺激的でした。日本では、自分がどの政党を支持しているか、政策まで議論することはなかったですが、イギリスでは自国の政策はもちろん、他のヨーロッパ諸国の政策まで網羅している学生も何人かいて、意識の高さがうかがえました。 経済の授業では特に、GDP(国内総生産)成長率やインフレ、利子率を必ず頭に入れておく習慣ができました。円安など、身の回りで起きていることが身につけた知識で理解できるようになっていくのが楽しかったです。 英語力と自己発信力の向上 また、英語でコミュニケーションを取る力が自然と身につき、自信を持って自分の意見を発信できるようになったのも大きな成長です。さらに、留学生活を通じて新しい友人や経験に出会い、自分自身の挑戦する力や柔軟性も養われたと感じています。 留学生活で感じた辛さと乗り越えた経験 言語の壁とコミュニケーションの葛藤 留学で辛かったことのひとつは、最初の頃に感じた言語の壁です。英検2級を取得後に渡英しましたが、授業では、ネイティブスピーカーや先生たちのスピードについていけなかったです。留学当初は宿題を終わらせるのにも、クラスメートの3倍時間がかかりました。 授業がわかるようになっても、友達との会話や冗談を理解し、話すまでにはかなり時間がかかりました。小学校の間に英会話塾に週1で通っていましたが、実際に会話しようとすると、自分のシャイな性格も相まって単語が出てこない場面が多くあり、自分の意見を思うように表現できず、もどかしさを感じることがありました。 辞書を片手に専門用語と格闘する日々 大学に入ってからは、専門的な単語も多くて、今でも辞書は手放せません。ですが、一つ一つの単語の意味を調べる習慣がついたことで、理解できない単元があっても、わかるまで調べたり文献を読んだりして、人一倍深い学びを得たと思います。 これからイギリス留学を目指す人へのメッセージ 留学は挑戦の連続ですが、ぜひ恐れずに一歩踏み出してみてください。その経験が、自分自身を大きく成長させ、未来への大きな力になるはずです。 https://passporter-media.com/articles/10/ https://jp.education-moi.com/article-51-ucl

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海外経験が少なくてもいける?高校卒業まで日本で過ごした私がイギリスの大学に進学して感じたこと

こんにちは!KCL(キングスカレッジロンドン)でPPE(哲学・政治学・経済学)を学んでいるAyanoです。私は高校まで日本で過ごし、大学から海外に進学しました。高校生の時にカナダに留学したこともありますが、それ以外はほとんど海外経験がありませんでした。今回は、高校卒業まで日本で過ごした私が海外大学に進学して感じたことを紹介します。 イギリスは大学進学が初海外生活という人が少ない 日本の高校卒業資格だけでは直接海外の大学に進学できない 日本の高校の卒業した場合、海外の大学入学前にファウンデーションコースなどの準備課程を受講する必要があります。日本だけでなく、その国の高校卒業資格だけでは直接進学できないという国は他にもあるのですが、そのせいか、大学から海外に行くという人は少ないように感じます。 2024年、ファウンデーションコースのため渡英 周りの留学生を見ていても、高校からイギリスのボーディングスクールに通っていたり、イギリス以外の国でIB(国際バカロレア)やAP(Advanced Placement)など、イギリスの大学にそのまま進学できる資格が得られる高校に通っていたりする人が多いです。 準備期間であるファウンデーションコースに通う その分、私のように高校の卒業資格でイギリスへ直接進学できない場合は、ファウンデーションコースというプログラムへ進学します。私も今通っているKCLで開講されているファウンデーションコースに通いました。 KCLのファウンデーションコース時の初授業 ファウンデーションコースの良い点は、完全に留学生向けのコースなので、エッセイの書き方など、英語で専門科目を学ぶための準備を1年間かけてできることです。 KCLのファウンデーションコースは、学部で学びたいことに基づき複数あるpathwayから一つ選んで進学するという仕組みでした。そのため、英語以外にも学部で希望する専攻に近いことを幅広く学ぶこともでき、学部生になってからはファウンデーションが英語力だけではなく、知識面でも予習になったように感じることも多いです。 イギリスの学部課程は通常3年間のため、ファウンデーションコースが必要な場合でも4年で大学を卒業することができます。最初の1年はその後の学部課程に慣れる準備ができるような時間でもあったので、個人的にとてもありがたかったなと感じます。 イギリスの大学では英語で学ぶことに慣れるのが大変だった 私がイギリスの大学に慣れるのに時間がかかった点は、専門的な内容を英語で学ぶということです。ファウンデーションコース自体が留学生向けということもあり、学部課程の授業が始まってからその違いを強く感じました。 講義の速さがまるで違う 特に大変だったのは、英語で聞きながらメモを取ることと、授業中に発言することです。 ファウンデーションコースの時は、そもそも講義の時間が長めに取られていて進行がゆっくりだったり、講義スライドに写真などが多く使われていたりしました。 一方、学部課程に進学してから、講義で教授の話すスピードが速くて驚きました。メモを取ろうとしても何をメモしたかったか忘れてしまう、ということが最初の頃はよく起こっていました。講義は1時間しかないのに、ファウンデーションの時の何倍も濃い内容で、録画されている講義を見返すことも多かったです。 授業中に発言することのハードルの高さ また、セミナーなどの少人数授業では、言いたいことがあってもそれを言葉にするのが難しく感じることもありました。他に発言するクラスメイトも多いので、言おうか迷っていたり、自分なりに言葉を選んだりしているうちに次のテーマに変わってしまう、ということも多かったです。 経済学や統計学など、答えが明確にある場合は発言しやすかったですが、ディベートやフリーのディスカッションが中心のセミナーの場合は、周りの学生に気後れすることがたくさんありました。 時間の経過と入念な準備で乗り越え 最初の頃特に大変だったのはこの2点ですが、どちらも時間とともに少しずつ慣れていきました。もちろんただ慣れていったわけではなく、授業の準備をより入念にしたり、講義の前にリーディングを欠かさず行ったり、セミナーの前に講義をしっかり理解するなど模索していた部分はあると思うのですが、1年間の学部生活を終えて、だいぶ慣れたなと感じます。 イギリスの大学であまり困らなかったこと 専門用語 意外と困らなかったこともあります。1つ目は、専門用語です。専門用語は講義やリーディングの中で定義が説明されることが多いため、意味が分からなくて困ることはなかったです。 例えば「大統領制」と「議院内閣制」という2つの言葉を並べたときに、2つの違いを全員がうまく説明できるとは限らないのではないでしょうか。この2つがどう違うのか、それぞれの制度にはどのような利点があるのか、などを学べるため、専門用語が難しい・分からないから困ったことはなかったです。むしろ、専攻に関する話は英語でした方が楽なくらい日本語が出てこないなと感じることもあります。 教員へ質問するハードルの低さ 2つ目は、教員に分からないことをいつでも質問しやすい、ということです。授業中や授業終わりに先生に聞くこともできますが、メールやオフィスアワーを使うこともできます。メールもオフィスアワーも利用したことがありますが、いつも丁寧に答えてくれるので、とても利用しやすかったです。 最後に 海外大学に実際に進学してみて、高校からイギリスに留学している人や、IB校出身などのバックグラウンドを持つ学生が多いのは確かですが、海外経験が多くなくても特別困るということはないように感じます。 もちろん最初から全てがうまくいったわけではないですし、今までとの違いを感じる瞬間もありました。でもそれは「海外の大学だから」と限定されたことではないようにも思います。日本の大学に進学したとしても、新しい環境で学び始める以上、慣れるまでに時間がかかることはあるからです。 イギリスの場合は、1年間ファウンデーションコースという準備期間を通して、少しずつ慣れていくことも可能なので、私のように高校まで日本にいても、十分楽しみながら海外で大学生活を送れるのではないかと思います! 通学路から見えたビッグベン 少しでも海外大学への進学を考えている方の参考になり、留学生活をイメージするきっかけになれば幸いです。皆さんの挑戦を応援しています! https://passporter-media.com/articles/41/ https://passporter-media.com/articles/49-kcl-foundation/

13歳で海外へ|タイのIB全寮制学校から英国法学部に進むまで

こんにちは!Royal Holloway, University of London(ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校)で法学を学んでいるRinoです。私は13歳で親元を離れ、タイの全寮制IB(国際バカロレア)ボーディングスクールへ留学しました。その後、イギリスの大学へ進学し、現在は英国弁護士を目指して法学を学んでいます。 この記事では留学に至った経緯やその時の経験をご紹介します。これから海外留学を考えている方や、国際教育に興味のある方、そして新しいことに挑戦したいと思っている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。 留学の経緯|人生を変えたサマーキャンプ 私が海外教育に興味を持つようになったきっかけは、10歳の時に参加した英語のサマーキャンプでした。そこでは、世界各国から集まった同年代の子どもたちと生活を共にし、異なる文化や価値観を持つ仲間と自然に交流する経験をしました。 それまで日本で当たり前だと思っていた環境とは全く異なり、国籍や言語が違っても互いに理解し合い、友情を築いていく姿に大きな刺激を受けました。そして、もっと世界中の人たちと学び、生活を共にできる環境に身を置きたい、と強く思うようになりました。 何より、自分の英語力の皆無さに絶望し、悔しい思いから13歳で親元を離れ、タイにある全寮制インターナショナルスクールへ自ら進学することを決意しました。親戚が近場にいることと、タイ語が話せたので、親日かつ日本に近い東南アジアを選びました。 家族と離れて海外で生活することは簡単な決断ではありませんでしたが、新しい環境へ飛び込むことへの期待の方が大きく、未知の世界への挑戦を選びました。 タイの全寮制IB校での経験 タイの全寮制IB校 決して楽ではなかった留学生活 実際の留学生活は想像していた以上に厳しいものでした。授業、寮生活、友人関係、先生とのコミュニケーションなど、すべてが英語で行われる環境の中で、最初は言葉の壁に何度も直面しました。またコロナ禍では約2年間日本へ帰国することができず、家族と離れた生活を続けることになりました。 ルームメイトとの友人関係に悩んだり、慣れない環境への葛藤から先生に反抗したりしてしまうことも多々ありました。寮生活は厳しくて、勉強時間、スマートフォンを使用できる時間、ご飯を食べられる時間などすべてが監視・管理された規制が嫌になる時期もありました。 努力の末に向上した英語力 それでも、この環境で成長したいという思いは変わりませんでした。英語力を身につけるため、毎日約13時間、2年間にわたり英語学習に向き合いました。授業だけでなく、日常生活そのものを英語で過ごすことで、少しずつ自分の世界が広がっていきました。 入学当初は英語に苦労していた私も、最終的には学年で初めて東アジア出身者としてネイティブスピーカーの生徒と同じ英語クラスに参加することができました。 批判的思考力とディスカッション重視のIB教育 国際バカロレアの授業で特に印象に残っているのは、単に知識を覚えるのではなく「なぜそう考えるのか(WHY)」と「別の立場から考えるとどうなるのか」を常に問われる学習スタイルです。 例えば、歴史や社会科学の授業では、一つの出来事について単純に正解を求めるのではなく、複数の資料を比較し、それぞれの立場や背景を考慮した上で、自分なりの結論を組み立てることが求められました。授業中に意見を述べたり、クラスメートと異なる視点から議論したりする機会も多く、正しい答えを覚えることよりも、自分はなぜそう考えるのかを説明することが重視されていました。 タイのインターナショナルスクールから英国大学進学への道のりと挫折 卒業後は、イギリスの大学への進学を目指しました。現在はイギリスで最も美しい大学の一つだと言われているロンドン大学ロイヤルホロウェイ校に通っております。映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の舞台にもなり、お城のようなキャンパスを持つロンドン大学のカレッジの一員です。 ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校 「Common Law」に魅せられ 私が英国で法学を学ぶことを決めた理由は、法哲学への関心と英米法特有の「Common Law(コモンロー)」という法体系に魅力を感じたからです。日本を含む多くの国の法体系「Civil Law(シビルロー)」とは異なり、過去の判例を積み重ねながら発展してきたコモンローの考え方に触れ、法律が単なる暗記科目ではなく、社会や人間の価値観とともに発展していくものだと感じました。 高校2年生の時にはUniversity of Oxford(オックスフォード大学)が主催する論文大会に参加し、法学に関するエッセイが入賞した経験があります。この経験をきっかけに、将来は法律を歴史のある英国にて専門的に学びたいという思いがより明確になり、本格的に法学部進学を目指すようになりました。 英語環境へのこだわりと挫折 実は、英国のみならずオランダ、スイス、イタリアの大学からも合格をいただきました。考えに考えた末、これまで長く英語環境で学んできた経験をさらに深めたいという思いから、イギリスで法学を学ぶ道を選択しました。 しかしその道のりは決して順風満帆ではありませんでした。第一志望としていたUniversity of Cambridge(ケンブリッジ大学)への挑戦では、面接まで進むことができましたが、合格には届きませんでした。当時は大きな悔しさと挫折がありました。 しかし、この経験を通して、目標に向かって努力する過程そのものに価値があること、結果だけで自分の可能性を決めるべきではないことを学びました。最終的に現在の大学へ進学したことで、法律を深く学ぶだけでなく、多様な人々との出会いや、さまざまな挑戦の機会に恵まれています。今振り返ると、第一志望に届かなかった経験も現在の自分につながる大切な転機の一つだったと思います。 イギリスでの大学生活と英国弁護士への挑戦 ロンドンにある連合王国最高裁判所 大学では正規留学生として入ったので、1年次から現地学生と同じ環境で法律専門科目を学び、法律専門の知識を頭に叩き込みました。判例を読み込み、法律の概念を理解し、自分の考えを論理的に文章にまとめたり、他の学生と議論したりすることが求められる環境は、これまで経験してきたIB教育とも共通する部分が多くあります。 学問の外では、課外活動の一環としてプロボノ活動(仕事で培ったスキルや経験を活かす社会貢献活動)に参加したり、馬球(ポロ)サークルに所属したり、大学院教員のリサーチアシスタントを行ったり、法律事務所で研修期間をいただいたりと、充実した大学生活を送っております。 次回の記事では、IBから英国の法学部へ進学するまでの大学受験について、より具体的にお話ししたいと思います! 英国の大学出願であるUCASとはどのようなものなのか、法学部受験で必要となるLNAT(National Admissions Test for Law)とは何なのか、どのように受験対策をしたのか、そして大学受験において課外活動やEssayなどをどのように準備したのかなど、私自身の経験をもとにご紹介します。乞うご期待! https://www.royalholloway.ac.uk/

イギリスの大学の勉強がほぼオンライン!?KCLの学習プラットフォームを紹介

こんにちは!KCL(キングスカレッジロンドン)でPPE(哲学・政治学・経済学)を学んでいるAyanoです。 私がKCLに入学して驚いたことの一つが、大学の学習がかなりオンラインで完結することでした。今回はそのオンライン学習プラットフォームで何ができるのか、実際の画面を紹介しながら説明していきます! KCLのオンライン学習プラットフォーム「KEATS」とは? KCLではKEATS(King's E-learning and Teaching Service)というオンラインのプラットフォームで日々の学習の多くが完結します。 履修しているモジュールがKEATSで確認できるようになっており、モジュールごとにページがあります KCLの日々の授業をKEATSと共に|授業資料・リーディング・講義録画 日々の学習では以下のようなことがKEATSでできるようになっています。 シラバスや、アセスメントなどの重要情報の確認 講義スライドやセミナーマテリアルの配布 リーディングリストやリーディングの配布 教授やセミナーリーダーの連絡先やオフィスアワーの予約 録画された講義の視聴 講義は出席を取らないですし、録画された授業を視聴すれば内容を把握できるので、講義に毎回出席しなくても学習を進めることができます。少人数授業のセミナーでは毎回出席を取っています。 KCLで感じた日本の大学との違い 日本と比較して特に違いを感じたのは、全ての講義が録画されており、いつでも見返せることです。講義スライドやセミナーのマテリアルもオンラインで配布されています。 統計や経済学などの授業では、セミナー前に問題を解いておく必要があったり、哲学や政治学の授業では授業で議論する内容があらかじめ知らされて、意見を考えておくなど準備できたりするようになっています。なので、KEATSを確認すれば「今週何を勉強すれば良いのか」がある程度わかるようになっています。 また、リーディングがオンラインで完結するのも日本との大きな違いかなと思います。大学のアカウントで世界中の論文にオンラインでアクセスできますし、多くのリーディングは教授がPDFを事前にアップロードしておいてくれるため、私の場合は基本的に教科書を買う必要がありませんでした。 経済学や統計学などでは、1つの教科書に沿って授業が進んでいきました。一方、政治学や哲学など、いろいろな立場の考え方や意見を知りたいような授業の場合は、毎週多彩なリーディングが複数配布されるようなスタイルとなっていました。 これは政治学の授業です。セミナー前にやるリーディングが配布されています これは政治哲学のリーディングリストです。週ごとにまとめられています リーディングリストには本が載っていますが、それとは別に週ごとにリーディングリストの本の何ページや何章を読むかが別で記載されています。 ちなみに、オンラインで多くの論文にアクセスできるというのはエッセイを書く際にも非常に役立っています。実際にエッセイを書くのに役立つのはもちろんですが、リーディングリストにある論文だけでなく、自分で見つけた論文を読み比べ、適切なリソースを使用することはエッセイにおいても良く評価されます。 KCLのエッセイ課題とオンライン試験の評価(アセスメント) エッセイや試験などのアセスメントにおいては、以下のようなことができます。 エッセイやオンライン試験の試験内容の配布 エッセイやオンライン試験、プレゼンテーションのスライドの提出 それらの結果とフィードバック 過去問(オンライン・対面試験両方)の配布 エッセイとオンライン試験はどちらも設問がいくつか用意されていて、ある程度自由に選べます。オンライン試験の場合は、決まった時間になると問題がKEATS上にアップロードされ、それから試験の終了時刻までに再度完成させたものをアップロードするような仕組みになっています。 これは経済学のオンライン試験ですが、試験問題が配布されるページと、それをアップロードするページの両方があります 私の専攻では、オンライン試験も対面の試験も、多くがエッセイを書くようなスタイルです。2時間か3時間の試験時間で、1000語程度のエッセイを2個書くことが多いです(対面の試験は手書きなのでそこまで書けていないと思いますが......)。 KEATSで提出したものに関しては、KEATS上で結果とフィードバックがもらえるようになっています。 エッセイの本文に印をつけながらコメントを細かくもらえます。成績には影響しないFormative※でも、アドバイスはとても貴重です! ※評価の種類 イギリスの大学では、評価には大きく分けてFormative Assessment(フォーマティブ評価)とSummative Assessment(サマティブ評価)の2種類があります。 フォーマティブ評価:成績には影響しない練習課題やプレゼンテーションなどを指し、学びの途中でフィードバックをもらうためのものです。自分の理解度を確認したり、本番課題の準備をしたりする目的で行われます。 サマティブ評価:最終成績に反映される正式な課題(レポート、試験、ポートフォリオなど)で、学期の終わりや一定のタイミングで提出します。 フィードバックについては全体的に良かった点と改善できる点が書かれているので、今後のアセスメントにおいて参考になりますし、その科目で求められていることをより深く理解できることもあるので、すごくありがたいです。 特に過去問については教授自ら配布してくれるのでとても楽です!笑 過去問と全く同じということはないですが、同じようなテーマで違う角度から聞くような設問が多いように感じるので、それに対応できるように勉強します。 こんな感じで過去問がアップロードされています! 統計学の授業では過去問だけでなく試験対策用の追加の問題も配布されたので、試験勉強にとても役立ちました 最後に KCLではオンラインで授業資料の確認からリーディング、課題の提出、成績やフィードバックの確認まで、多くのことを行うことができます。 個人的には、KEATSに学習に必要なことがまとまっているため、KEATSさえ確認すれば何をすれば良いかが理解できるのが分かりやすくて良いなと思います。海外大学らしいところで言えば、講義が録画されていること、リーディングにオンラインでアクセスできることは、とても便利です! 海外大学への進学を考えている方にとって、少しでもKCLでの普段の学習のイメージが伝わっていたら嬉しいです! https://passporter-media.com/articles/56-kcl-campus/ https://passporter-media.com/articles/54-kcl-academic-calendar/ https://passporter-media.com/articles/51-kcl-ppe/ https://passporter-media.com/articles/41/ https://jp.education-moi.com/article-52-kcl

【完全ガイド】留学生がイギリスで開設できる銀行口座の種類と方法

こんにちは!編集長のMidoriです。イギリスに留学することが決まったら、渡航準備と並行して考えておきたいのが「現地の銀行口座をどう開設するか」という問題です。日本の口座だけで生活しようとすると、思わぬ手数料やトラブルに直面することになります。本記事ではイギリス留学において必要となるイギリスの銀行口座の種類や開設方法を解説していきます。 なぜ留学中に現地の銀行口座が必要なのか イギリスでは、家賃の支払い、携帯電話の契約、公共料金の支払いなど、日常生活の多くの場面で現地の銀行口座(デビットカード)が前提とされています。特に大家さんとの家賃のやり取りや、大学への学費の一部支払いなどでは、国内の銀行口座から支払うことを求められるケースも少なくありません。 Midori マンチェスター大学に交換留学していた時の寮費の支払いはクレジットカードの一括払いかイギリスの口座からの引き落とし分割払いの選択肢がありました。しかし100万円を超える金額はクレジットカードの上限を優に超えているためその選択肢は実質ないみたいなもので、イギリスの口座を作ることが必須となりました。 イギリスで銀行口座を開設するメリット(送金手数料、生活の利便性) 現地口座を持つ最大のメリットは、日常の支払いにかかる為替手数料や海外取引手数料を大幅に削減できる点です。日本のクレジットカードを毎回使っていると、決済のたびに為替手数料(1〜3%程度)がかかりますが、現地口座からのデビット払いであればこのコストを抑えられます。また、Contactless払いが浸透しているイギリスでは、現地口座のデビットカード1枚あれば、スーパーからバス、カフェの支払いまですべて完結する利便性も大きな魅力です。 イギリスの銀行口座開設前に知っておきたい基礎知識 「現地口座」と「国際送金対応口座」 留学生が検討すべき選択肢は大きく二つに分かれます。一つはイギリスの銀行が発行する「現地口座」で、英ポンド建てで管理され、現地生活に最適化されています。もう一つは、Wiseのような国際送金サービスが提供する「マルチカレンシー口座」です。ただ、銀行免許を持つ現地口座とは法的性質が異なる点に注意が必要です。 イギリスで開設できる現地口座(大手4大銀行とネオバンク・オンライン銀行) イギリスの銀行は、大きく「High Street Bank(伝統的な大手銀行)」と「ネオバンク・オンライン銀行」に分類されます。大手銀行は実店舗を構え、対面でのサポートや小切手の取り扱いなど、幅広いサービスに対応しているのが特徴です。一方でネオバンクはスマートフォンアプリを中心に展開されており、口座開設の速さや手数料の安さで留学生から支持を集めています。それぞれに一長一短があるため、詳しく比較していきます。 大手銀行(Barclays、HSBC、Lloyds、NatWestなど)の特徴 Barclays、HSBC、Lloyds、NatWestはイギリスの4大銀行と呼ばれています。大手銀行の強みは、実店舗での相談ができる安心感と、家賃の保証会社や大学などが「イギリスの伝統的な大手銀行口座」を前提とした手続きにスムーズに対応できる点です。一方で、口座開設には支店での面談や住所証明の提出が必要になることが多く、開設までに数週間かかるケースもあります。 ネオバンク(Monzo、Revolut、Starlingなど)の特徴 Monzo、Revolut、Starlingといったネオバンクは、スマートフォンアプリだけで口座開設が完結する手軽さが最大のメリットです。パスポートによる本人確認さえ済めば、最短で即日〜数日のうちにデビットカード番号が発行され、送金や支払いに使い始めることができます。 ただし、現金の預け入れに対応していない、あるいは対応する提携店舗が限られる、大学によっては「ネオバンクの口座」を家賃の引き落とし先として認めてもらえない場合がある、といったデメリットも存在します。 Midori 私はMonzoの口座を作りました。口座開設はアプリ一つで完結しました。デビットカードは数日間で届き、あまりにも速くて驚きました。 留学生向け学生口座(Student Account)の紹介 大手銀行の多くは、通常の口座とは別に「Student Account」を用意しています。学生口座は口座維持手数料が無料であることが多く、当座貸越(overdraft)枠が優遇されるなど、学生ならではの特典が付帯しているのが特徴です。ただし多くの場合、学生口座を開設できるのはイギリスの大学に正規に在籍する学生に限られ、語学留学生など短期の滞在者は対象外となることがあるため、事前に各銀行の条件を確認する必要があります。 イギリスの銀行口座開設に必要な書類 銀行の種類にかかわらず、口座開設時には概ね以下の書類が求められます。渡英前から準備できるものも多いため、早めにチェックしておきましょう。 パスポート 本人確認書類として、有効なパスポートの原本が必須です。ネオバンクの場合はアプリ上でパスポートをスキャンし、あわせて自撮りによる顔認証を行うことで本人確認が完了します。 学生ビザ(eVisa) 現在、イギリスの学生ビザは物理的なカード(BRP)ではなく、オンライン上の「eVisa」としてUKVI(UK Visas and Immigration)アカウントに記録される形式に完全移行しています。かつては渡英後にBRPカードを郵便局などで受け取る流れが一般的でしたが、現在は事前にUKVIアカウントを作成し、そこに紐づくeVisaの情報(シェアコードなど)を銀行に提示する形で本人確認・在留資格の証明を行います。銀行によってはeVisaのシェアコードの発行方法をオンラインバンキングのFAQで案内している場合もあるため、渡英前にUKVIアカウントを作成し、パスポート情報を正しく紐づけておくとスムーズです。 在学証明書(Proof of Enrolment / Bank Letter) 大学が発行する「Bank Letter」または在学証明書(Proof of Enrolment)は、留学生が銀行口座を開設する際の重要書類です。特に住所証明を用意できない留学初期の学生にとっては、このBank Letterが住所証明の代わりとして認められるケースも多く、大学の学生課やインターナショナルオフィスに早めに発行を依頼しておくことをおすすめします。 住所証明(Proof of Address)の取得方法 住所証明としては、公共料金の請求書、賃貸契約書(Tenancy Agreement)、大学の寮の入居証明などが一般的に使用されます。渡英直後はまだ公共料金の請求書が手元にないケースが多いため、大学の寮に入居する場合は寮の契約書を、民間の賃貸物件に住む場合は大家さんとの賃貸契約書を住所証明として活用するとよいでしょう。 イギリスで銀行口座を開設する具体的な手順 大手銀行とネオバンクでは、口座開設までの流れが大きく異なります。ここではそれぞれのケースに分けて解説します。 大手銀行(実店舗型)の場合 大手銀行では、まず銀行の公式サイトから口座開設の予約(International Student Account Opening Appointment)を行うのが一般的です。渡英前からオンラインで仮申込みができる銀行もありますが、最終的な本人確認や書類提出は、渡英後に支店の窓口で対面で行う必要があります。 予約日には、パスポート、学生ビザ関連書類、大学のBank Letter、住所証明などを持参し、行員との面談を受けます。住所証明が用意できない場合は、Bank Letterで代用できるかどうかを事前に銀行へ確認しておくとトラブルを避けられます。面談後、審査を経てデビットカードとPINコードが登録住所宛てに郵送され、口座が正式に利用可能になります。 ネオバンク・オンライン銀行の場合 ネオバンクの場合は、まずスマートフォンにアプリをダウンロードし、アプリ内の指示に従ってパスポートのスキャンと顔認証による本人確認を行います。この際、送付先となるイギリス国内の住所登録が必須となる点に注意が必要です。デビットカードやカード情報が記載された初期書類はこの住所宛てに郵送されるため、渡英後の住居が確定してから申し込むのが基本的な流れになります。 Midori 手続きが本当に速いため、過度な心配は必要なく、渡英後のバタバタが落ち着いてから申請しても遅くないです。 大手銀行と異なり、公共料金の請求書のような「住所を証明する書類」の提出は不要なケースが多く、この点が手続きのスピード感の違いにつながっています。ただし住所自体の登録は必須であるため、「住所証明書類が不要」であることと「住所そのものが不要」であることを混同しないよう注意しましょう。本人確認が完了すれば、アプリ上ですぐに口座番号やカード番号が発行され、実際のデビットカードは数日〜1週間程度で自宅やフラットのメールボックスに届きます。 Monzoのデビットカードが入っている封筒の裏 口座開設にかかる期間・注意点 大手銀行の場合、予約から面談、審査を経てカードが手元に届くまでにおおむね2〜4週間程度を見込んでおくと安心です。渡英直後は住居や大学の手続きなどで忙しくなりがちなので、早めに予約を入れておくことをおすすめします。 ネオバンクの場合は、本人確認さえスムーズに完了すればアプリ上での口座開設自体は即日〜数日で完了しますが、デビットカードの郵送には別途数日〜1週間程度かかる点は留意しておきましょう。 よくあるトラブルとしては、住所証明が用意できずに大手銀行の面談予約を進められない、パスポートの写真と顔認証がうまく一致せずネオバンクの本人確認が通らない、といったケースが挙げられます。前者は大学のBank Letterで代替できないか事前に銀行に確認すること、後者は照明が十分な明るい場所で撮影し直すことで解決できる場合が多いです。 口座開設後にやるべきこと デビットカードの受け取りと有効化 カードが届いたら、同封の案内に従ってアプリまたは電話、ATMでの有効化(Activation)を行います。あわせてPINコードの設定も忘れずに行いましょう。 オンラインバンキングの設定 多くの銀行では、口座開設と同時にオンラインバンキングやモバイルアプリの利用登録も可能です。残高確認や送金、公共料金のDirect Debit(自動引き落とし)の設定など、日常的な口座管理はアプリから行うのが基本になるため、早めに設定を済ませておくと安心です。 マンチェスター大学のDirect Debitで学費が引き落とされる日(マンチェスター大学HPより) Midori マンチェスター大学の寮費をDirect Debitで支払う場合、Direct Debitの設定期限や引き落としの日が事前に通知されます。それまでに設定しておかなかったり引き落とし日に口座に入っているお金が足りなかったりすると支払えができないです。そのため、何をいつまでに設定していつ引き落とされるのかなどはあらかじめ把握しておきましょう。 日本からの送金方法(海外送金アプリとの連携) 口座開設後は、日本の口座からイギリスの口座へどのように送金するかも考えておく必要があります。銀行間の直接送金は手数料が高くなりがちなため、WiseやRevolutといった国際送金アプリを併用し、為替手数料を抑えながら定期的に送金する留学生が多いです。開設した現地口座の口座番号(Account Number)とソートコード(Sort Code)を控えておき、送金アプリの受取先として登録しておくとスムーズです。 Midori 友人数人と一緒に旅行したりご飯に行ったりすると、1人が立て替えてくれてあとでまとめて支払うみたいな状況が多々ありました。その都度オンラインで送金していたので、イギリスの銀行口座に送金できるようにしておくのは社交面から見ても大事です。ちなみにある時現金で友人にお金を返そうとしたら「今どき誰も現金なんか使ってないよ!」と鼻で笑われた経験があります……。オンライン送金ができることはある意味死活問題ですね。 まとめ イギリスでの銀行口座開設は、大手銀行なら対面での手続きと住所証明の準備、ネオバンクならアプリでの本人確認とスピード感が特徴です。どちらを選ぶ場合も、パスポート、学生ビザ関連書類、大学のBank Letterは共通して必要になるため、渡英前から準備を進めておくとスムーズに進められます。自分の生活スタイルや大学の要件に合わせて、大手銀行とネオバンクを比較しながら、自分に合った口座を選んでみてください。 https://passporter-media.com/articles/63-uk-study-fee/ https://passporter-media.com/articles/52-uk-university-scholarships/

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