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数学を「深く考える」イギリスの大学院で数学を学ぶ日本人インタビュー

今回は、Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のMasters(修士課程)で、Mathematics(数学)を履修している岡野くんにインタビューしました。岡野くんとはKing’s College London(キングスカレッジロンドン)のUndergraduate(学士課程)時代に、大学のJapan Society*で知り合い、今はフラットメイトとして一緒に生活しています。

大学時代、僕はLiberal Arts(リベラルアーツ)、いわゆるArts and Humanities(文系)の科目を履修していました。基本的に理系、特に数学には昔から苦手意識があり、岡野くんは自分とは全く違う世界にいる印象を持っていました。しかし、今回インタビューをして実際にどんなことを学び、何を感じているのかを詳しく聞けたことで、数学の実態が少し分かったような気がします。数学をイギリスで勉強することに興味がある方や僕のように文系だけど、数学の魅力を感じてみたい方にとって、この記事が学びの様子を知るきっかけになれば幸いです。

*Japan Society=ソサエティは日本の大学でいうサークルのようなもので、Japan Societyは日本人や日本の文化に興味がある人が交流するコミュニティ


イギリスの大学院で学ぶ「数学」という分野

Q:最初に、大学時代、何学部に所属していたか、今は大学院で何を勉強しているか教えてください。

僕はKing’s College LondonでNatural, Mathematical & Engineering Science(自然科学、数学、工学数学)という学部で勉強していました。去年キングスカレッジロンドンを卒業して、今はImperial College LondonのMastersでPure Mathematics(純粋数学)を専攻しています。Pure Mathematicsっていうのは、数学的な構造や法則そのものを探究する分野です。実社会での応用を目的とするのではなく、定義、命題、証明を追究する、いわば数学そのものを考えるための学問です。大学院はより難しい大学でチャレンジして、そこからPhD(博士号)の取得にも繋がりやすそうだと思い、別の大学でMastersをすることにしました。

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Q:大学時代はどのようなことを勉強していましたか?

数学の理論的な部分を中心に、定義や証明、そこから導かれる定理を深く追究していました。King’sは特にGeometry(幾何学 – 図形や空間の性質について研究する数学の分野)に力を入れている大学で、Topology(位相幾何学 – 形の“つながり”や“連続性”に注目する数学)について詳しく学べたことはすごくアドバンテージになったなと思っています。

数学の授業と研究内容

Q:Mathematicsの授業スタイルってどのような感じなんですか?

学部ではLecture(レクチャー – 講義)が中心で、先生が教科書をもとに進めていくスタイルです。加えて、Seminar(セミナー)形式の実践的な授業もあり、そこではPhD(博士課程)の学生と一緒に問題を解きます。特に試験対策になるような応用的な演習が多かったです。

岡野くんの代数学のノート
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Q:文系の場合、大学のFinal Grade(最終成績)はExam(試験)やCourse work(宿題)、プレゼンテーションだったり色々な課題で測られますが、Mathsの成績採点ってどんな感じなんですか?

えーとExamが成績の100%です!辛いです笑。もっと応用的な分野だったら、成績の40%ぐらいをCourse work*が占める場合もあるけど、基本的にはExamが中心ですね。キングスで勉強していた時、最終年には「King’s Project」と呼ばれる研究プロジェクトがありました。自分で設定したテーマを研究する、小論文のようなものです。

*Course work=コースワーク – 宿題のようなもの

Q:Mathsのプロジェクトってどんなものを研究するんですか?

大学で僕はWaring’s Problem(ウェアリングの問題)を研究しました。1770年にイギリスの数学者のEdward Waring(エドワード・ウェアリング)という人が提唱して、実際に解かれるまで130年ぐらいかかった問題です。

Q:… ?

一言で言うとwhether every natural number can be expressed as a sum of a fixed number of kth powers of natural numbers, for any integer k≥2. (「すべての自然数は、k乗の数(平方数、立方数、4乗数…)の和で表せるのか?」)という問題です。

Q:はい…?

この世の中の自然数って、実は4つ以内の平方数で表せるんです。何かランダムな数字を言ってみて?

Q:39!

39は36(6²)+1(1²)+1(1²)+1(1²)で表せます。

じゃあこれが3乗(立方数)になった場合は、どうなるか?

27(33)+8(23)+1+1+1+1で表せる。立方数になると7つ以内で表せます。

じゃあこれ以降は?k乗の数が増えていくとどうなるのか?最大で何個まで足せば、必ずどんな自然数をもk乗の数の合計で表せるようになるのか?そういうことを求める問題です。

Q:なるほど!わかりやすい。これだった自分が中学の数学で勉強したこととかを使ってでもできそう。

そう!特にNumber Theory(数論)の分野って、一見意味がわからないようなことをやっているように思えても、中学や高校で学んだ数学をより高等な技術で再構築している感じなんです。

数学に魅了された理由

Q:数学に興味を持ったきっかけって何だったんですか?

Quadratic Formula(2次方程式の解の公式)って覚えてる?

Q:こういうやつですよね。

そう。これがなぜそうなるのか、中学校の時に自分で導き出せたことがあったことがきっかけです。(https://sugaku.fun/quadratic-equation5/)

母親が運転する車に乗っている時、ふと自分で証明できました。

Q:すげー!

高校に入ってからも数学の大会に出る機会があって、そこから数学の分野にのめり込んでいった感じです。純粋に数学の問題を解く、証明するのが楽しいっていうのがMathsを追究していきたいと思った大きな理由でした。

イギリスの大学で数学を学ぶ意義

Q:大学でMathematicsを勉強することを決めた上で、なぜイギリスの大学を選んだのですか?イギリスの大学で数学を勉強するメリットってなんだと思いますか?

そもそも自分は国外に出て、英語で勉強したいという思いがまずあったからイギリスを選びました。イギリスだとどの大学にも世界的に有名な教授がいたりします。例えばUniversity of Oxford(オックスフォード大学)にはFermat’s Last Theorem(フェルマーの最終定理)を証明したAndrew Wiles(アンドリュー・ワイルズ)教授などのレジェンド級の教授達が在籍しています。

Q:聞いたことある定理!解かれるまでに300年ぐらいかかった問題ですよね。なるほど。先生で大学を選ぶっていうこともあるんですね。文系の学生が大学を決める時にはない感覚かもしれないです。

うーん。自分の興味のある分野を把握して、そこの有名な教授で志望校を決めるみたいなこともあるけど、注意点はあります。先生って色々な大学を転々とするので、自分が入った時とか最終学年とかになって、気になっている先生が大学からいなくなっている場合もあるのでリスキーかもしれない。そこは気をつけないといけないと思います。

イギリスの大学院で数学を学び感じたこと

Q:今、大学院に上がってMathsを続けて勉強していて、大学から変わったなと感じる部分はありますか?

単純に内容量やレベルが上がったのはあります。他にも前提知識みたいなものが増えて、授業スピードが上がるので、勉強は大変になりましたね。

Q:同じ学問をKing’s College LondonとImperial College Londonの2校で勉強している中で、大学間でのMathsの授業スタイル・教え方の違いなどは感じましたか?

Imperial College Londonの方がより先生がストイックな気がします。短時間の授業で色々なことをカバーするので、スピードがとにかく速い。一方、キングスの先生は優しくて、ゆっくり丁寧に教えてくれたかな。他にもインペリだと、授業以外で数学に触れられる時間がキングスよりも多いです。他の大学との交流会があって、University of Warwick(ウォーリック大学)とお互いに研究内容を発表し合うイベントもありました。

Q:イギリスでの学びを通して、自分の中の価値観や姿勢が変わったと感じる部分はありますか?

はい。特に「考えること」に対する姿勢が変わりました。やはり数学って「どう考えるか」「なぜそう考えたのか」というプロセス自体が凄く重視されます。学びを通じて、僕自身も単に答えを求めるのではなく、「問いを立てること」「考え続けること」の重要性に気づくきっかけになりました。同じ志を持った仲間が周りにいると、それだけでモチベーションが上がるし、日々の学習の刺激にもなります。教授のレベルも驚異的だったりします。すごい人は本当にありえないレベルです。どんな質問にも即座に正確に返してくれるんです。そういった本当に頭のいい人たちの中で学べるのは貴重な体験です。多文化環境の中で数学を学ぶことで、様々な価値観に触れ、自分の考え方も広がったなって感じます。図形

数学を学ぶ上で必要な特質

Q:数学を学ぶことに向いているのはどんな人だと思いますか?

僕は大きく分けて3タイプいると思います。一つ目は数学が好きな人。特に証明や定義、ロジカルな部分に面白みを感じる人。二つ目は数学が得意な人。これは他の分野に特に興味がないけれど、数学の力を何かに応用したいと思っている人です。僕が勉強した分野はPure Mathematics(純粋数学)でしたが、Mathsには他にもBiomathematics*やApplied Mathematics**みたいに色々な分野があります。Mathematicsは大学1年目で、他のNatural Science(自然科学)の分野で習う数学の内容を全部カバーしてくれたりするので、大学後のキャリアに繋げることもできたりします。そもそも論理を組み立てる力っていうのも養うことができますしね。で、最後は暇な人

*Biomathematics=生物数学 – 生物学的現象を数理モデルや数式を用いて解析・予測する分野
**Applied Mathematics=応用数学 – 現実世界の問題を数学的に定式化し、解決に導くことを目的とする分野

Q:笑笑

いや、でも本当に。究極的には、数学って紙と鉛筆と自分の頭だけで無限に楽しめる「最強の暇つぶし」なんです。広大なラボや膨大な量の本もいらないからコストがかからない。でも、その中でフェルマーの最終定理みたいな300年かけても解けない問題がまだ存在したり、Millennium Prize Problems(ミレニアム懸賞問題)という一つの問題に100万ドルの懸賞金がかけられていたりする世界なので、自分で考えて問題に挑戦すること自体が面白いっていうのはありますね。

Q:一緒に暮らしていて気づいたけど、すごい長い時間をかけて宿題とかやってるよね。1ヶ月間ぐらいあった試験期間とかは本当に大変そうなのが伝わってきました。

Mathsに興味ある人って、忍耐力が本当に必要だと思います。僕は一問解くのに3日ぐらいかかったこともあります。逆にそれぐらいかけて、解けなかったこともあります。問題を解いていくというプロセスを根気よくやっていかないと、数学が嫌いになることもあると思います。これだけ忍耐力が必要なのに試験になると、タイムリミットがある中で問題を解かないといけなくなるから、本当に試験が嫌いです。

Q:でも中学で初めて興味を持って、大学を経て大学院でも続けて勉強しているってことは本当にMathsに興味があるってことなんですね。

うん。ただ、試験はゴミです笑笑

Q:じゃあ最後に、好きな数字はなんですか?

2かな。まず2は最小の素数であること。2によって線分が成り立つこともあるし、自乗っていうのもすごく使いやすいのもある。んー、でもCharacteristics of field 2(標数2の体)の時はクソめんどくさいんだよな。でも、結局2なんだよな。

Q:やっぱりよくわかんないわ数学笑笑

文系の僕にとって、数学はずっと“遠い世界”でした。しかし、岡野くんとのインタビューを通じて、その世界が少しだけ近づいた気がします。

「深く考える」「論理を積み重ねる」「わかるまで粘る」。それらは数学に限らず、あらゆる学問や人生にも通じる価値かもしれません。

Department of Mathematics
The Department of Mathematics at Imperial College London is an internationally renowned department within one of the wor...

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【IELTS勉強法】イギリス大学受験のための対策をキングスカレッジロンドン生が解説

イギリス留学とIELTSの関係 先日、イギリス留学を目指している日本の友達と通話した際に、IELTS(International English Language Testing System)で点を取るのが難しいという話題になりました。というのも、イギリスの大学や大学院に国外の学生(International students)が進学する場合、入学試験の一環として多くの教育機関がIELTSのスコアを英語力の証明として求めることが一般的です。これは、学術的な環境で英語を活用できる能力を示すために必要な試験とされています。 https://www.eiken.or.jp/ielts IELTSの種類 IELTSには主に2種類の試験があり、留学を目指す人が受けるアカデミック(IELTS Academic)と、移住や海外就労を目指す人が受けるジェネラル(IELTS General Training)に分かれます。一方のAcademicは専門的や学術的な内容です。他方、Generalの内容は日常生活で使う英語などが中心です。 IBやA-Levelなど国際的な教育プログラムを受けている場合、大学に出願する際のIELTSスコア提出が免除されることもあります。しかし、学生ビザ(Student Visa)を取得するためには、IELTS for UKVIという専用の試験(フォーマットはアカデミックと同じ)を受ける必要があり、最低スコアが5.5となっています。一方、トップクラスの大学や大学院の場合、必要なスコアは7.0~7.5という高いハードルが設定されています。したがって、イギリス留学にはIELTSを受けることがほぼ必須だと言えるでしょう。 ハイスコア取得には戦略が必要 僕自身も高校で国際バカロレア(IB)を受けており、普段から英語を使ってコミュニケーションする機会が多かったのですが、試験に求められる英語と日常的に使う英語との違いに最初は非常に困惑しました。IELTSでハイスコアを取るためには戦略的なアプローチが必要だと痛感しました。勉強方法を見直した結果、1年間でスコアを6.5から7.5に引き上げることに成功しました。 本記事では、イギリス留学を目指す方々のために、IELTS対策を徹底的に解説し、効率的にスコアを伸ばすための勉強法やおすすめ教材、試験当日のポイントについて紹介します。 IELTS対策前後のスコア IELTSの試験形式 IELTSはリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を測定する試験です。まず、各セクションの特徴を解説します。 リスニング(Listening) 試験時間:30分(+解答を記入する時間10分) 問題数:40問(10問×4セクション) Part 1:日常会話 Part 2:説明や案内 Part 3:専門的なトピックについての会話や議論 Part 4:大学の講義 リーディング(Reading) 試験時間:60分 問題数:40問(3パッセージ) 問題形式は選択問題(Multiple Choice)や正誤問題(True or False or Not Given)、文や図の穴埋め問題(Completion)など様々なものがあり、どの形式になるかはランダムです。 ライティング(Writing) 試験時間:60分 問題数:2問 Task 1:グラフ、表、地図、図の説明(150語以上) Task 2:エッセイ(トピックについて意見や議論などを250語以上) スピーキング(Speaking) 試験時間:11~14分 形式 Part 1(自己紹介):自己紹介・日常的な質問(例: 趣味、家族、仕事) Part 2(スピーチ):トピックカードが渡されて1分間準備→2分間話す Part 3(ディスカッション):Part 2のトピックに関連したテーマについて議論 評価基準 Fluency and Coherence(流暢さと論理的なつながり) Lexical Resource(語彙力) Grammatical Range and Accuracy(文法の正確性と多様性) Pronunciation(発音) これらの基準に沿って、どれだけ自然で正確に英語を使用できるかが評価されます。 採点 4技能それぞれに0.0~9.0のスコアが0.5刻みで評価され、4技能の平均が最終的なスコア(Band Score)になります。 【IELTSの勉強法】 実際に僕がやったこと 高校2年の時、僕は初めてIELTSを受けました。当時は7.0以上を目指していましたが、最終的なスコアは6.5でした。その時僕はIELTSのスタイルをいまいち理解しきれておらず、特に対策が必要なライティングのスコアが目標とは程遠いものでした。大学進学前にもう一度受験した際は、IELTSで求められる英語と日常英語の違いを理解した上で、IELTSのフォーマットに慣れるための効果的な対策を行うようにしました。僕が行った対策は主に2つです。 アカデミックな英語に慣れる まず、僕が行ったのは普段の会話とは違う、学術的・専門的な英語に慣れるということでした。そのためにはネットのニュースを1日1記事、毎日違うトピックの文章(月曜日は科学、火曜日は経済、水曜日は政治...といった感じで)を読むことを習慣づけました。わからなかった単語・フレーズは全てメモし、その単語を使って1文作り、実際に使って覚えていくというスタイルが効果的でした。また、IELTS Essential WordsというIELTS対策用の単語帳を活用しました。 その他にもイギリス英語のアクセントや言葉遣いに慣れるため、BBC NewsやThe Guardianなどのイギリスのニュースメディアを積極的に利用しました。日本の学校で習う英語や僕たちの身近にある英語(YouTubeだったりポッドキャストだったり)ではアメリカ英語が使われることが多いのですが、イギリスに留学した時のことも考えて早い段階からイギリス英語に慣れる練習ができたのはよかったなと思います。 試験スタイルに慣れる 次に僕が行ったのはとにかく問題を解いて、IELTSの試験スタイルに慣れることでした。しかしIELTSの場合、英検と違って過去問が公開されていないですが、公式サイトにあるサンプル問題、ブリティッシュカウンシル公認の問題集、IELTSの設問を作成しているCambridge English Assessmentとケンブリッジ大学出版局による問題集などが役立ちます。問題を解くときは本番と同じ時間設定で、試験のプレッシャーに慣れるような模擬練習をしていました。 人に自分の解答を見てもらう ライティングやスピーキングに関して、僕は家庭教師を活用し、エッセイの添削・スピーキング(面接)の練習を手伝ってもらいました。自分で後から解答を見直すといった方法もありますが、他人に見てもらって客観的なアドバイスをもらうことは評価基準のFluency and Coherence(流暢さと論理的なつながり)、 Lexical Resource(語彙力)、 Grammatical Range and Accuracy(文法の正確さと多様性)、 Pronunciation(発音)の全部を改善できる良い機会になるので有効的に活用するべきだと思います。 IELTSが難しい理由 僕がIELTSを難しいと感じた理由は、独特の試験形式にありました。IELTSは単なる日常英会話の試験ではなく、学術的・専門的な場面でも通用する英語力を測定するものです。そのため、正確に英語を扱う力が求められます。普段の友達との会話だと、文法・語彙が完璧でなくても言いたいことは伝わりますが、IELTSだと要領が違います。そこが僕が苦戦した1番の原因でした。 試験のプレッシャーと制限時間 まず、IELTSは試験時間が限られており、速くかつ正確に解答するスキルが必要です。リスニングの英文は1回しか流れず、解答時間も短いです。ライティングは60分で2つのエッセイを書きます。リーディングは1時間で40問、3つの長文を読むので時間管理が重要です。そして、スピーキングはスピーチを考えるのにも実際にスピーチをするのにも制限時間があり、自分の言いたいことを簡潔にまとめる必要があります。加えて、ビザ取得・大学進学のために定められたスコアを取らなければいけないという不安なども出てくるので、思い通りに進めづらい試験でした。 専門的な内容が多い IELTS Academicでは、大学の講義や学術論文レベルの英語が出題されます。例えば、リーディングでは「環境問題」「医学」「心理学」「社会学」などの専門的なテーマが扱われ、ライティングでは社会問題について論理的に意見を述べることが求められます。他にもIELTSはイギリス英語の発音や単語が多く使われます。そのため、アメリカ英語に慣れているとスペルや表現の違いが混乱のもとになります。 正確な文法と語彙力が求められる IELTSでは、スピーキングとライティングの評価基準の一つに文法の幅と正確性(Grammatical Range and Accuracy)という項目があり、ちょっとした”the”や”a”忘れなどの文法ミスが減点の対象になります。また、同じフレーズの使い回しも減点に繋がるので、簡単な単語ばかり使うのではなく、アカデミックな語彙を適切に使うことが求められます。日常会話で使いがちなI wannaやI'm gonnaはI want to やI am going toに置き換える必要がありますし、I’mなどの短縮系もI amに変えた方がいいと言われています。他にも、以下のようによく使う語彙は言い方を変えてレベルアップする必要があります。 I think➡I believe/ I am convinced thatMany people➡A significant number of individualsGood➡Beneficial / AdvantageousBad➡Detrimental / HarmfulHelp➡Assist / Support まとめ IELTSが難しいのは正確な英語力が求められる試験スタイルにあると思います。試験のフォーマットを理解して、対策をすれば高得点は狙えるので、計画的に勉強しましょう。 https://passporter-media.com/articles/5/

【イギリス大学受験】GCSE, A-levelからインペリアルカレッジロンドン合格

こんにちは!Kenshuです!今回はイギリスの大学に入るために必要な準備、「どうやって受験するの?」などを自分の経験と一緒に説明していこうと思います。一つ注意点として、僕はイギリスの高校から進学したので、日本や他国の高校からの進学とは少々異なる部分があると思います。日本の公立高校から進学したい方は以下の記事を参考してください。 https://passporter-media.com/articles/14/ イギリスの大学に合格するまでの大まかな流れ 基本的にイギリスの高校から大学に出願するにはこのような流れをたどります。 イギリスの大学に合格するまでの流れ GCSE Form 4、5の2年間受け、Form 5の最後に試験がある AS-level A-levelの1年目であるForm 6に受ける試験 UCASから出願 基本情報の入力 GCSEとAS-levelの成績、Personal Statement(志望理由書)の提出 志望校選択 Admission TestsとInterview(面接) A-level Form 6、7の2年間受け、Form 7の最後に試験がある 最終合格発表 これらのプロセスの一つ一つについて、自分の経験を基に詳しく解説していきます。 GCSE: イギリス大学受験の幕開け 実はイギリスでの大学受験はGCSE(中等教育修了試験)から始まります。この理由は後述します。 GCSEはForm 4(中学3年)からForm 5(高校1年)にかけて学ぶイギリスのカリキュラムです。6科目以上取らなければいけなく、学校によって受けられる科目の数は異なります。僕の行っていたConcord College(コンコルドカレッジ)では必修科目含め10個まで受けることができたので僕は10科目を取りました。 https://passporter-media.com/articles/24/ GCSEにはEnglish(英語)とMathematics(数学)の必修科目の他、選択科目がたくさんあります。コンコルドではPhysics(物理)、Chemistry(化学)、Biology(生物)、Geography(地理)、Computer Science(コンピューターサイエンス)、History(歴史)、Art(図工)、Drama(演劇)、Religious Studies(宗教学)などを受けられました。自分の周りの生徒たちはほとんどが8から10科目を取っていました。 Form 5の5、6月になるとGCSEの試験が始まります。各科目1(最低評価)から9(最高評価)までのGradeがつけられます。 「大学受験はGCSEから始まる」とい言えるのは大学に出願する際、GCSEの成績を提出しなければいけないからです。例えば、イギリスの一流大学で物理を専攻したかったらGCSE Physicsで必ずと言っていいほど8か9が必要になってきます。 そのためGCSEの結果次第で自分のやりたい分野や行きたい大学が絞られます。 AS-level(A-levelの1年目) GCSEのカリキュラムと試験が終わった後はA-levelというカリキュラムを取ります。A-levelはGCSEと同じ2年間のカリキュラムです。AS-levelというのはA-levelでの1年目の期間と試験です。学校によってAS-levelの試験を受けないところもあります。コンコルドではAS-levelを取っていました。 GCSEよりも学ぶことの難易度が上がり、複雑なためA-levelのカリキュラムではGCSEの半分となる3科目以上取ればいいです。僕はMathematics(数学)、Further Mathematics(応用数学)、Chemistry(化学)、Physics(物理)の4科目を取りました。 A-levelでは科目選択が一番重要になってきます。先ほどの例みたいに大学で物理を専攻したいのであれば、Physics、Mathematicsは必須になってきます。僕はEngineering(工学)がやりたかったのでその受験で必要な科目を選択しました。 Form 6(高校2年生)の5、6月にAS-levelの試験が始まります。GCSEより科目数が少ないため楽だと思うかもしれませんが、個人的にこのAS-Levelの結果がイギリスの大学受験で成功する上で一番重要だと思っています。 AS-LevelではA(最高評価)からF(最低評価)までのGradeが付けられます。 AS-levelの試験の時間割 A-levelのPredicted GradeとしてのAS-level イギリスの大学に出願する際、A-level Predicted Gradeというものを高校が大学側に提出します。これは各教科の先生が生徒がA-levelの試験でどのぐらいのGradeを取れるのかを予想したもので、主にAS-levelの成績で判断されます。AS-levelを取っていない学校だと期末テストや授業態度などで評価されます。 このPredicted Gradeがなぜ重要になってくるのかというと各大学とコースには出願に必要なRequired Gradeがあり、Predicted Gradeはその条件を満たさないといけないからです。 例えば僕が出願したImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のChemical Engineering(化学工学)コースではA*A*AAが必要でした。これは2科目でA*(Aの一つ上の評価)、2科目でAを取らないといけないという条件です。AS-levelの評価によるPredicted Gradeがこれを下回ってしまうと(例えばA*AAA)、合格するのがすごく難しくなってしまいます。つまりAS-levelの時点で自分の行きたい大学とコースのRequired Gradeをしっかり把握し、それをクリアしなくてはいけません。 UCASでイギリスの大学に出願 イギリスの大学への出願は日本と異なり、大学ごとに応募するのではなく、UCASというシステムでイギリス全国の志望校に一括で出願します。最大で5つの大学に出願することができます。志望校は立地、難易度、コースの内容、大学の順位などを考慮して決めます。僕はImperial College London、University College London(UCL)、The University of Edinburghなどに出願しました。 出願開始はForm 6の最後あたりで、Form 7の10月から1月が締め切りです。日程は大学によって異なります。 UCASではまず自分の基本情報(名前、生年月日、国籍)を入力します。これらの他に自分のGCSEとAS-levelの成績を入れ、Personal Statement(志望理由書)を提出します。Predicted GradeとReference(推薦書)は学校が大学側に送ってくれます。 Personal Statement(志望理由書)で書く内容 また、必要書類の中でもPersonal Statementが一番重要だと思います。これは志望理由をエッセイにまとめるものです。なぜ自分が選んだ分野を専攻したいかや自分がやってきたExtracurricular(課外活動)、自分はどんな人なのかを大学側にアピールするエッセイです。 僕はPersonal Statementで化学工学に興味を持った理由、今まで読んだ本やインターンした経験、自分でやった研究、学校での委員会活動などを書きました。 書ける文字数が決まっているので本当に書きたいことだけを残して何回も書き直したり、先生と相談したりしました。最終的にドラフトが10回目で先生からOKサインが出てUCASから提出しました。 Reference(推薦書) Referenceは高校が大学に提出する推薦書です。僕は自分のTutor(担任)に書いてもらいました。先生がReferenceを作成したあと、一度だけ生徒に見せられます。その時に入れてほしい部分や書いてほしくない部分などを言います。 Referenceでは主に学校での活動を中心に自分のPersonal Statementで書けなかった部分を書いてもらいます。僕は数学のコンペティションやスポーツなどを書いてもらいました。 Admission Tests(入学試験)とは? 大学とコースによってはUCAS上の書類だけではなくAdmission Tests(入学試験)と面接を課すところもあります。主にUniversity of Cambridge(ケンブリッジ大学)、University of Oxford(オックスフォード大学)、Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)、London School of Economics and Political Science(LSE)などの大学で必要なことが多いです。 Admission Testsにはいろんな種類があり、数学系だったらTMUA(Test of Mathematics for University Admission)、工学系だったらESAT(Engineering and Science Admissions Test)、法律だったらLNAT(Law National Aptitude Test)などです。 ESAT(Engineering and Science Admission Test) 僕はインペリアルのChemical Engineering(化学工学)コースに出願したのでESATを受ける必要がありました。ESATではMaths 1、Maths 2、Chemistry、Physics、Biologyの中から3つを選びます。僕の専攻はChemistryが必須だったのでMaths 1、Maths 2とChemistryを取りました。 ESATではA-levelよりも難しい問題が出ます。選択問題で1科目27問あります。各科目の成績は1から9までを0.1単位で評価されます(僕は6.2、5.7、5.3を取りました)。この成績は大学に送られ、入試における評価対象になります。 僕はUCASとESATを10月に大学に送りました。少し期間が空いて12月にInterview(面接)の招待メールが届き、すごく嬉しかったです。 →A-level & 入学試験対策ができるオンライン家庭教師 インペリアルカレッジロンドンのInterview(面接) 面接は主に12月から2月の間で行われます。僕の場合1月にインペリアルで対面の面接をしました(オンライン面接の場合もあります)。面接では志望理由やPersonal Statementに書いたインターンのことを聞かれました。 同じコースに出願した友達は全く違っていたそうです。Real Life Questions(ケース面接みたいなもの)などを問われ、それをどう論理的に答えるかを見られたと言っていました。面接内容は大学と面接官によって違うのかもしれません。 僕の場合、ロンドンで面接が11時に始まるので前日に友達とロンドンに前乗りし、インペリアル近くのホテルで一泊しました。シュルーズベリーからロンドンまで電車で5時間もかかるのでその間は友達と対策などをしたり昼寝したりしていました。 面接に行く前日に到着したLondon Euston駅 面接当日の様子、聞かれた内容 面接当日では50人ぐらいの受験生がいました。最初に教授から挨拶があり、その後AからEの5グループに分けられました。形式は一対一の個別面接で、グループ内の10人がそれぞれの部屋で同時に行われました。僕が割り振られたAグループが最初に始め、順番にEまで面接が行われます。 自分の番が最初だったのですごく緊張しました。面接は20から30分ほどあり、緊張しながらも落ち着いて答えることができました。 面接を終えた1週間後にOffer Letter(Conditional Offer)をインペリアルからもらいました。Conditional OfferとはA-levelの試験で大学に指定されたGradeを取れれば入学できますよという条件付きの合格通知です。 https://passporter-media.com/articles/5/ A-levelとConditional Offer(条件付き合格)  Form 7の5、6月にA-levelの試験があります。この試験の結果でConditional Offerの条件に満たしているかどうかが分かり、自分の行きたい大学が決まります。 6月末に学期が終わり、高校を卒業しました。しかしA-levelの結果が出るのは8月中旬で結構時間がかかります。7月中は結果が気がかりで、すごくストレスでした。A-levelの結果がConditional Offerに満たしてると正式に合格となり、Unconditional Offerに切り替わります。 Concord College卒業生がもらったOfferの大学 イギリスの大学進学を目指す方へ この記事で説明したように、イギリスの大学受験は、日本のシステムとは異なる独自の流れがあります。UCASを通じた出願、Personal Statementの作成、必要書類の準備、そして条件付き合格への対応など、計画的に進めることが重要です。しっかりとした準備と戦略を立てた受験計画で、イギリス大学への夢を叶えましょう! https://jp.education-moi.com/article-50-imperial

芸術の夢を追い渡英:マンチェスター大学生の授業や暮らしの実態

Rickyさん 幼稚園から高校まで日本でインターナショナルスクールに通ったのち、2023年にイギリスのThe University of Manchester(マンチェスター大学)に進学。専攻は演劇と映画研究。趣味は音楽、作詞作曲で、仲間とバンドを組んで活動している。 マンチェスター大学の専攻「Drama and Film Studies(演劇と映画研究)」 専攻について教えてください。 マンチェスター大学のSchool of Arts, Languages and Culturesに所属していて、その中のDrama and Film Studiesというコースで2つの分野を専攻しています。 Drama Studiesでは、舞台や演劇、音楽ライブなどの生のパフォーマンス全般について学んでいます。例えば出演者側は何を伝えようとしてパフォーマンスをしているのか、どういう工夫をしてメッセージを伝えているのか、あるいは観客がそのパフォーマンスを見て、出演者が伝えたい意味をどう受け取るのかなどについて考えます。 Film Studiesで扱う対象はDrama Studiesと対照的で、映画やテレビ、カメラワーク全般について学びます。例えばアメリカとイギリスの映画の歴史を比較したり、世界中の映画がこれまでどのような進化を遂げ、発展してきたのかを調べたりしています。さらに、映画は社会問題を映し出す手段になることがあり、デモの1つの形として表現されます。それだけでなく、映画界では人種差別やマイノリティ差別といった問題があります。そのような社会学的な観点からも勉強します。 この専攻を選んだ理由は何ですか? 父が映画好きで、昔からよくリビングで映画を鑑賞していたので自分も一緒に観ていました。その影響で映画製作や俳優に興味を持ち、その業界に関わることが小さい頃からの夢でした。 どういう授業がありますか? 授業はlecture(講義)、seminar(セミナー)、screening(スクリーニング)、workshop(ワークショップ)の4種類があります。講義では映画や舞台の理論的なことを学びます。スクリーニングでは、毎回映画を1本観ます。観る映画は講義の内容に関連するものです。その後のセミナーでは2時間かけて講義で学んだ内容とスクリーニングで観た映画を結び付けながら分析やディスカッションをします。 ワークショップは講義寄りのものと実用的な内容のものがあり、内容はいろいろあります。将来俳優になることも視野に入れているので、演技について勉強できるものを選びました。その他には講義に近い形でアメリカの舞台を分析する内容のものも履修しました。 秋晴れのキャンパス 授業の課題はそこまで大変じゃないですね。課題の一つに「映画を観る」というのが毎週出されます。映画は毎週2本観ることになっていて、1本は授業で、もう1本は宿題として各自で観ます。 その他でいうと、リーディングの課題が結構多いです。3時間ほどかけないと読み終わらない超長い理論系のエッセイを読むというのがあります。音楽に理論があるのと同様に、映画や舞台にも理論があります。それに関するものを読んで勉強します。例えばアメリカでは過去に男性を優位に見せるように作られた映画がたくさんありましたが、最近はどうなっているのか、映画業界はどうやってそういうことをなくしているのか、などについての理論ですね。 マンチェスター大学の日本人会とバンド活動 授業以外の活動は何かしていますか? マンチェスター大学の日本人会「Manchester Japan Society(MJS)」に所属していて、週に1回、10~20人ほどの外国人学生に日本語を教えています。受講者のレベルに応じて「初級」「中級」「上級」の3つに分けられています。自分は日本語がそれほど得意ではないので「初級」を担当しています。受講者は日本語初心者で、一番基本的なところから教えています。 この活動を通してもっといろいろな人に日本語を知ってもらいたいです。また、教えることは自分の日本語力向上にもつながり、ウィンウィンの関係にあると思います。 MJSではこの他、2週間に1回「パブソーシャル」を開催していて、メンバー・非メンバー関係なく誰でも参加できます。そのイベントは大学の近くのパブで開催され、日本人学生だけでなく、日本に興味がある学生もたくさん集まり、毎回大盛り上がりを見せます。新しい人と話したり、日本人と交流したりすることでホームシックを解消しています。 今年は一般メンバーですが、来年度からは幹部になって運営に携わりたいと考えています。 日本語講師以外は? 小さい頃からずっと趣味で音楽をやっていました。家族が音楽好きです。そのため、車の中でいろんなジャンルの曲が流れているなど、音楽に囲まれながら育ちました。2人の兄は楽器をやっていて、その影響も強く受けました。トランペットやサックス、ギターなど楽器7種類を演奏できます。 仲間と音楽に打ち込む日々 大学で意気投合する仲間を見つけて、バンドを組んで日々の練習に熱中しています。既に存在する曲を練習する一方で、バンド用に自分でも作曲します。また、自分より楽器演奏が上手な友人にコーチングを受けることもあります。 イギリス留学の光と影: マンチェスターでの生活のリアル マンチェスター大学は学生寮が充実していますが、寮で暮らしていますか? 去年は大学が提供しているHulme Hallという寮に暮らしていました。そこはキッチン、トイレとシャワーが共用でした。自分と同じ衛生観念を持つ住民があまりいなくて、居心地よくなかったですね。例えば使用した食器をすぐに洗わないで数日放置し、ハエが発生することがよくありました。また、棟ごとに当たり外れがあって、比較的新しい棟の部屋だときれいだけど、古い棟はネズミが現れます。 そういう生活に嫌気を指し、今年度からは3人の友人と合同で一軒家を借り、仲良く暮らしています。ただ、不動産会社の対応がひどいです。前の人が退居してから掃除などせずにそのまま渡されました。排水溝が詰まっていたり、ゴミ箱が壊れたりと、入居当初から本来やらなくていいはずのことに頭を抱えていました。 これから物件を借りる人へのアドバイスとして、内見は必ず現地に足を運んで自分の目で確かめることです。ウェブサイトに載っている写真はきれいに見せたり、不都合な部分を写さなかったり、部屋が広く見える角度から撮影されたりしているので、信用しないほうがいいです。 普段の食事はどうしていますか? 昨年度は寮で食事が出たので、それほど自炊はせずに済みました。今年度からは自分で食事を準備しないといけないです。クックパッドのレシピやユーチューブの動画を見て作り方を習っています。また、毎日調理する手間がなくていいように、作り置きもします。 自分で作ったマカロニチーズ 今日もハンバーグを5食分作り、お腹が空いた時や明日以降の飯として、電子レンジで温めるだけで食べられるようにしました。外食はたまにしますが、やはり値段が高いので控えています。それに、自炊したほうがファストフードなどを食べるより健康にいいと思います。 イギリス生活が2年目に突入して、どうですか? 渡英してから初めて一人暮らしをし、自分はそれまでどれだけ恵まれた環境にいたのかを実感しました。料理や洗濯などは来たばかりの頃は全くできなくて、少しずつ学んで徐々にできるようになりました。留学は学問を究めるだけでなく、生活スキルを磨く期間でもあると感じました。 最近の悩みはクリーニング屋さんを見つけられないことです。ロンドンに行った時は靴専門のクリーニング屋さんを見かけたのですが、マンチェスターにはそれらしきものはなく、調べたらデリバリー制のクリーニングしかないみたいです。自分で専用の袋を買い、そこにクリーニングに出したい服を入れて、配達を依頼すると自宅までクリーニング会社の人が服を取りに来るシステムのようです。日本みたいに、クリーニング屋さんの店舗に服を持っていくのとは違って、戸惑っています。 イギリスに来てからの生活で、困ったことはありますか? 去年食中毒になって救急車で搬送されました。その後、病院で10時間ほど待たされ、結局痛み止めだけ渡されて帰宅しました。待っている間が一番つらくて、診察を受けて薬を渡されたことには既に症状は緩和しましたね。イギリスの国民保健サービス「National Health Service(NHS)」で受診して、無料なのはありがたいのですが、とにかく待ち時間が長いです。 これに関連する話をしますと、インフルエンザにかかっても薬をもらえない場合があると聞きました。そのため薬は日本でそろえたほうがいいですね。留学前に痛み止めや抗ウイルス薬、風邪薬、解熱剤など、一通り持ってくると安心です。 マンチェスターという街に住んだ感想 マンチェスター市はどういう街ですか? とても暮らしやすい場所だと思います。人々はフレンドリーですし、さまざまな地域から来る人がいるため、多様性が高いです。ロンドンは確かにマンチェスターより発展していて、便利で繁栄しているのですが、個人的には人が多すぎて住みたいと思えない環境です。 ちょっとエモいマンチェスター市の風景 ただ、マンチェスター市は寒いですね。もうちょっとヒートテックを持ってくればよかったと常々後悔しています。 イギリス留学までの道のり そもそもなぜ留学しようと思ったのですか? 小さい頃から留学するのが夢だったこともあり、自分がやりたい芸術系の勉強はどちらかというと海外のほうが有名でしたので、留学は必然的な感じでした。映画関係の勉強というとハリウッドがあるアメリカのロサンゼルス(LA)が一番名門です。しかしアメリカの学費が高すぎてびっくりし、とても志望できないと思い、目標をアメリカの次に芸術分野が有名なイギリスにしました。 留学するまでにやったことを教えてください。 インターナショナルスクールを6月に卒業して、9月に渡英して入学したという流れです。その1年前の11月にUCASでの出願が終わり、2月に合格をもらいました。UCASでは5つの大学に願書を出しました。必要だった書類はPersonal Statement(志望理由書)、Reference(推薦状)、成績です。 自分が通っていたインターナショナルスクールでは、出願するにあたり必要な準備を教えてくれる授業があったので、そこまで苦労したり戸惑ったりしなかったです。その他、留学準備や学校選定のためにやったこととしては学校の先生から個別にエッセイの書き方を教わったり添削を受けたりしました。あとはオンラインで各大学の担当者と面談して情報収集していましたね。 マンチェスター大学に留学して広がった世界 留学を通して気づいたこと、学んだことはありますか? 人として成長したと実感しました。また、マンチェスターだけでなく、近隣の地域やヨーロッパに行ったり、異なる文化背景で育った人と交流したりすることができます。それを通じて、人生のあり方は本当にいろいろで、自分が好きなように自由自在に生きたいと思えるようになりました。 元々インターナショナルスクールに通っていたので、他の学校と比べると関わっている人の多様性が高いのですが、マンチェスターに来てからはさらにいろいろな人がいて、彼らと話し、日々が勉強になります。 将来の道は未定だが、選択の幅は広い 卒業後は何をしますか? 卒業後のことははっきり決まっていないです。修士課程に進むかもしれませんし、イギリスかアメリカでオーディションを受け、成功したら俳優への道を進むかもしれません。一方で、日本に戻って音楽仲間と一緒に音楽の道を切り開くのも選択肢の1つです。 いずれにせよ、大学で学んだことや課外活動の経験を生かし、音楽関係、もしくはドラマ・映画製作に携わりたいと考えています。どれもうまくいかなかった場合に備え、音楽や映画以外で興味がある心理学のAP(アドバンスト・プレースメント)をとりましたので、それを生かしたいと思います。 https://jp.education-moi.com/article-62-manchester

【イギリス高校留学】15歳で親元を離れたボーディングスクールでの生活

私は15歳から親元を離れ、イギリス留学を始めました。大学もイギリスで、卒業後もしばらく滞在していたため、気づいたら14年間イギリスにいることになっていました。苦あり楽ありの留学体験をお届けします。 イギリス全寮制高校への道: 留学を決意するまで 小さい頃、父の仕事でアメリカに行っていたことがあり、英語には多少自信がありました。しかし、滞在は4歳から6歳までのわずか2年半だったため、帰国し中学生になった頃には英語力がかなり落ちていました。ある日、母と当時の英語の家庭教師からの要望に応じ、英語のエッセイを書いてみました。すると「アメリカの小学校2年生レベルだね」と言われ、ショックを受けました。これを機に、英語をちゃんと勉強しようと決意しました。 ちょうどその頃、インターナショナルスクールに通っていた2つ上の兄がイギリスの大学に進学したいと言ったので母と3人でイギリスの大学の下見に行くことになりました。自分にとって未知の国だったイギリスに惹かれていたのと、いつかは留学したいという思いが相まって、ついでに高校も見ようと母と決めていました。 ノッティンガムシャーの高校見学 複数の大学や高校を巡り、その中のひとつの高校にとても良い印象を持ちました。イギリス東中部、Nottinghamshire(ノッティンガムシャー州)のWorksop(ワークソップ)というところにある高校です。先生が優しく、校舎も広くてかっこよく、生徒達の行儀もとてもよかったです。みんな紳士的で礼儀正しく、先生方の指導が行き届いていることが伝わってきました。 若くして単身留学することを心配していた母も、このしっかりした校風が気に入りました。校長先生とお話をし、その後校舎見学をしました。また、私が医学部志望だったため、英語力をネイティブ並みに上げる必要があると言われ、もうその夏から入学することを勧められました。もともとイギリスでそのまま医学部に行くつもりはなかったのですが、先生方や両親と相談し、見学に行った2ヶ月後には留学を決心しました。 学校の校舎 イギリス高校留学|ボーディングスクールの生活とは? 寮のシステムと制服 イギリスに着いてすぐ、寮長さんや寮母さんに挨拶しました。説明を受け、私はYear 10(日本の中学3年に該当)に入学しました。日本の中学に相当する学年では制服が決まっています。ブレザー、シャツ、スカート、そしてcravatと呼ばれるネクタイのようなものに加え、靴下も学校指定のものを着用しました。 この学校には数種類の寮があり、女子は学期中ずっと過ごす「Full boarding(フルボーディング)」用、平日だけ暮らす「Weekly boarding(ウィークリーボーディング)」用、そして「Daily student(夜には家に帰る通学生)」用の寮がそれぞれ1つです。男子寮はDaily studentと住み込みの生徒が混ざっていて5~6つの寮がありました。各寮には30~40人くらいの生徒がいました。 1つの寮には最下級生のYear 9(中学2年生)から最上級生のYear 13(高校3年生)までが一緒に暮らしており、2、3人部屋もあれば1人部屋もあります。新入生は基本的に多人数部屋に割り振られ、最高学年の生徒は1人部屋が与えられました。私は最初3人部屋に入りました。その後2人部屋になったり3人部屋になったりの繰り返し。最終学年になったらついに1人部屋を手に入れました。毎学期、部屋のメンバーは先生が決めて変えていました。 校長先生の住むお家。学校の入口のすぐ隣にある 深夜の勉強と寮のおきて 渡英当初の英語力では会話についていくのが精一杯で、授業は全く理解できませんでした。現地の生徒ばかりの学校で、私の学年にいた留学生は他に男子2人だけでした。英語の授業以外は現地の生徒達と一緒に受けるため、取り残されないように懸命でした。深夜と早朝の時間を活用し、ひたすら教科書の翻訳をする日々が続きました。 ある明け方、普段電気が点いている部屋が消灯されたので階段に座って勉強していました。すると寮母さんが駆けつけてきて、「Yui、こんな時間に勉強しないの!ここはアラームがついているの。勉強は日中だけでも十分なのだから夜はしっかり休みなさい」と注意されてしまいました。どうやらこの階段にはアラームが設置されていて、人が入ると寮母さんなどの責任者だけが知らされるようになっていました。それ以来、夜中の勉強はやめました。 ホームシックと戦う日々 寮生活はとても厳しく、朝1回、お昼前に1回、お昼後から夕方にかけて3回、そして夕飯後の宿題時間に3回、点呼がありました。そして寝る前には先生が各部屋を回って携帯電話を没収し、電気も強制的に消されます。しかしほとんどの子は偽物の携帯を預けていました。 留学した最初の年はスマホもWi-Fiもなかったので私はガラケーを使っていました。インターネットは共用のパソコンルームのみで使うことができます。家族と連絡を取るときは国際電話でした。 週に1回、Skypeが使えるパソコンを予約して家族とビデオ通話することができました。しかし世界中から留学生が来ているので常に予約枠の取り合いでした。日本との時差の関係で都合の良い時間帯が限られ、目当ての時間枠が取られてしまってよく落ち込んでいたものです。 最初の1年間はホームシックでほぼ毎日泣いていました。言葉があまり通じなかったため友達もできなかったです。「かわいそう」と寄ってきてくれる生徒や授業で一緒になった生徒とたまに話す程度でした。都会ではなかったので、アジア人が少なく、奇異の目で見られているように感じました。 留学1年目の冬。膝下まで雪が積もるほどの大雪でした 辛かった陸軍の訓練 私の学校はCCF(Combined Cadet Force)という連合将校養成隊の時間があり、Army(陸軍)の訓練をしました。陸軍の他に、Navy(海軍)、Royal Air Force(空軍)もあり、現地の生徒は選択が可能でした。その頃、私たち留学生は選べず、一番人数の多い陸軍に自動的に振り分けられました。軍隊用の重たい迷彩服を着て寒い中2時間くらいマーチングし、銃の練習や匍匐前進などをするのはとても苦痛でした。また、落ち葉や枝を集めたり、数人組で運動させられたりと、グループでの活動が多かったです。友達の少ない私には楽しくはありませんでした。 礼拝の時間でスピーチに挑戦 一方で、週5回の朝のChapel(礼拝)の時間は比較的平和な時間だと感じました。讃美歌を歌い、お話を聞くだけの時間でした。木曜と土曜日以外の曜日に毎週、礼拝が行われました。日曜日だけ、朝の礼拝は全校生徒ではなく、寮生のみの参加で人数が少なかったです。そのため留学生にも皆の前で話をする機会が与えられました。 私も数回日曜日にスピーチした後、全校生徒の前で話す機会をもらい、3.11の出来事などを話しました。現地の生徒が多かったので、彼らにとって海外に触れられる貴重な機会だったと思います。その他、日本や中国の祝日の時には文化のお話もしました。 日本ではクリスマスは外で過ごし、お正月は家族で過ごすものだと伝えたら、イギリスとは真逆なので驚かれました。話した内容に興味を持ってくれ、それをきっかけに会話が弾むことがよくありました。先生方は、私たち留学生が学校に溶け込めるよう、常に様々な工夫をしてくれていました。 チャペル 深める交流: スポーツとイベントの舞台裏 ハリーポッターの世界!イギリスならではのスポーツ イギリスのBoarding school(ボーディングスクール・全寮制学校)特有のスポーツの時間もありました。季節や性別によって競技が分けられています。秋には男女共にもホッケー、冬は女子がネットボール、男子がラグビー、夏は水泳、クリケット、クロスカントリー、ラウンダースなどから自由に選択できました。 ハリー・ポッターに出てくるような寮対抗の大会や他校との試合もありました。他校との試合では、全生徒が実力別に分けられ、相手校の同じレベルのチームと戦います。そして試合後は相手チームと一緒にSupper time(おやつの時間)があり、ポテトやパン、フルーツ、ケーキなどを一緒に食べました。 ラグビーコートが9面もある広大な敷地を持つ学校。裏にはゴルフコースも プロムやダンスパーティー 年に数回、寮ごとのパーティーがあり、他の寮の子も主催寮の生徒に招待されれば参加できました。男子寮が開催するダンスパーティーに出席する際はProm(プロム)に行くような感じのドレスアップをしました。また、冬休みに入る前は各寮の寮生全員が一丸となって練習したダンスを全校生徒の前で発表するイベントもありました。 その他にも私はInternational Eveningを主催したことがあります。各国の生徒が協力して国の料理を作り、みんなでビュッフェスタイルで食べるイベントです。先生方に協力していただき、ダイニングホールとキッチンを借りて行いました。そこで日本人チームはトンカツを作りました。 日本人チームが作ったトンカツ 英国ボーディングスクールの授業内容 1年目はGCSEを勉強しており、Science(理科)、Mathematics(数学)、English as a Second Language(英語), Religion(宗教学)とStudent Selected Studies(選択科目)でした。選択科目にはGeography(地理)、History(歴史)、Art(美術) , Design and Technology(デザインとテクノロジー)、Food and Nutrition(料理と栄養学)などがありました。 私は理系だった上、英語の授業についていくのに必死だったこともあり選択科目ではArt、Design and Technology、そしてFood and Nutritionを選択しました。英語がネイティブの生徒はフランス語なども選択可能でしたが、留学生は必ずEnglish as a Second Language(ESL)をとらなければならず、他の言語は選択できませんでした。ESL以外の授業は全て現地の生徒たちと一緒でした。 私は日本で購入した電子辞書をどの授業にも持っていき、常に単語の意味を調べながら受けていました。最初の1年は辞書を使用して試験を受けることが許されていました。試験の際には先生から英和辞典が手渡され、それを使って試験に挑んでいました。 イギリス高校留学で得たこと 先生のサポートに感激した日 特に印象に残っているのは理科の授業で試験が返却された時のことです。私は60%しか得点できず、周りの不真面目な子たちと同じくらいの点数でとても悔しかったのですが、先生は私の努力を褒めてくれました。 しかし他の生徒がそれを聞いて「でも辞書を使ってるしね」と嫌味を言いました。それに対し先生は「じゃあ君は他の国に行ってその国の言語でテストを受けた場合、辞書を使えばこの点数取れるのか?簡単なことではないよ、母国語で受けても簡単じゃないんだから」と返してくれました。この先生のサポートは今でも忘れられません。このように素晴らしい先生方がたくさんいる学校でした。  Comfort zoneに戻るか挑戦を続けるかの決断 渡英してから1年経った時の夏休みに帰国した際、正直イギリスに戻るか少し悩みました。友達が少なく、授業も難しい。でもやっと英語にも慣れてきたこと、そして何よりも先生方の期待に応えたい気持ちがあり、もう1年、せめてGCSEだけでも終えようと、戻る決心をしました。 重たい足を引きずり、再び寮に戻ると、先生が「戻ってきてくれてよかった」と声をかけてくれました。複雑な心情で戻ってきたけれど先生方がいれば頑張れると思いました。 私の学年に新しい留学生が増え、寮にも何人か入ってきました。英語が全く話せなかった中国人の生徒が1人いて、その子に英語を教えながら暮らしていたらいつの間にか自信もつき、留学生活が楽しくなっていました。そして授業にもついていけることに気が付きました。友達も増え、去年から同じクラスだった生徒達に「Yui、英語すごく上達したね」と言われたときは本当に嬉しかったです。 おかげでGCSEは良い成績で卒業できました。次回はA-level、やホストファミリー、休暇の過ごし方について書きたいと思います。 https://passporter-media.com/articles/9/

イギリスの名門ボーディングスクール【コンコルドカレッジでの1日】

こんにちは、Kenshuです。4年前にイギリスの全寮制学校(ボーディングスクール)であるConcord College(コンコルドカレッジ)に入学し、今年の6月に卒業しました。コンコルドカレッジでの1日を振り返ってどのようなものかを共有できればなと思います! 寮生活で住民同士の交流が盛ん 僕がForm 4(中学3年生)の時にBell House という名前の寮に入っていました。この寮はほとんどのForm 3、Form 4、Form 5の男子生徒が暮らす学校内で一番大きい寮でした。Bellの中ではAからGブロックに分かれていて、自分はForm 4の時にAブロック、Form 5ではBブロックに住んでいました。各ブロックには10人ぐらいいました。 学年が上がるごとに部屋が広くなりました。部屋の中には机、ベッド、棚、クローゼットの他に洗面台も備え付けられていました。トイレとシャワーは5人で共用です。大人数が使うので朝のシャワーの時間帯になると渋滞していたのを覚えています。寝過ごした時や超渋滞していた時は朝シャワーを諦めて中休み中にシャワーを浴びていました。 雪の日の寮(Bell House) Bellには寮の先生が4人いて、交代で朝と夜の点呼や寮の管理をしていました。AからGブロックの他、Common RoomというBellに住んでいる生徒全員が使える場所があります。そこにはキッチンやゲーム(スイッチやPS4)、ソファなどがありました。授業が終わるとみんなでそこに集まって料理やゲーム(マリオカートやFIFA)をして、すごく賑わっていました。 Common Roomの横には寮の先生のオフィスがあり、何か問題などがあればすぐに助けてもらえます。毎週土曜日の夜には先生主催のパーティーがあり、アイスクリームやワッフルなどのデザートやタコスなどの料理が振る舞われました。 点呼は毎朝7時半と夜10時の2回ありました。夜10時までに寮に戻らないとStrike(注意)をもらい、それを3回もらうとDetention(罰としての居残り)を受けます。 毎日の3食はボーディングスクールの食堂で食べる コンコルドでは毎日3食が提供されます。食堂は一つしかなく、しかも学校の一番端にあるのでたどり着くまで歩いて5分ぐらいかかりました。生徒全員が長いテーブルに座り一緒に食事を取ります。定位置はありませんが、みんなほとんど毎日同じテーブルに友達と座っています。 朝食: 午前8時〜 朝ご飯は8時からで、メニューは毎日ほぼ同じです。典型的なイギリスの朝食がビュッフェ式で用意され、欲しいものをなんでも食べられます。ソーセージとベーコン、スクランブルエッグと目玉焼きはそれぞれ日替わりです。パン・オ・ショコラ、クロワッサンと食パンは毎日出てきます。4年間も通ってると本当に飽きました。他にもいろんな種類のコーンフレークがあり、加えて牛乳や豆乳、アーモンドミルクも充実しています。個人的にコンコルドの朝食はイギリスのボーディングスクールの中でもいい方だと思います。 朝ご飯のパン・オ・ショコラとクロワッサン 昼食: 午後12時〜、夕食: 5:30PM〜 昼ご飯は12時ごろで夜ご飯は午後5時半から始まります。朝食とは違って肉、魚、ベジタリアンの三つからメインディッシュを選べます。肉はポーク、ビーフ、チキン、ラム、ダックなどが日替わりで出てきました。魚は主にハドック(フィッシュ&チップスなどに使われる魚)しか出てきません。イギリス特有の文化で金曜日の昼ご飯には必ずフィッシュ&チップスが出ます。4年間のほとんど毎週フィッシュ&チップスを食べていたので日本に戻ってくるとたまに恋しくなります。 毎週金曜日に出されるフィッシュ&チップス 日曜日のブランチ 日曜日は特殊でBrunch(ブランチ)が朝ご飯と昼ご飯の代わりに、11時ぐらいからあります。BrunchではScampi(えびの揚げたやつ)やブリティッシュソーセージ、オムレツなどまさにイギリスのBrunchの定番メニューが出されました。個人的にBrunchが一番好きでした。 ブランチ イギリスのボーディングスクールの時間割り 午前8時35分: ホームルーム〜授業〜昼休み 朝の点呼を終え、朝食も済ませて8時35分にTutor(ホームルーム)が始まります。Tutorでは最近の出来事や連絡事項などを話し合います。1限目は9時に始まり、中休みと昼休みを挟み9限目、4時まで授業があります(1限35分)。 昼休みは40分しかなく、しかも食堂で長蛇の列ができるので実質食べる時間は20分しかありません。いつもめちゃくちゃ急いで食べていたのを覚えています。本当に時間がない時には全部食べ終わらないまま次の授業に出ていました。その後空腹で授業に集中できなくなり、途中で寮の部屋に帰ってお菓子などを食べていました。 A-levelの授業 Form 6からのA-levelでは4教科(物理、化学、数学、応用数学)と英語(IELTS)の授業をとっていました。一般的にA-levelでは3教科しかとらなくていいので自分は他の生徒よりも授業量が多く、Free Period(自由時間)が少ししかありませんでした。一週間のうち、1教科あたり8授業分あり、英語は4授業分ありました。 授業後の課外活動〜就寝まで 4時に授業が終わるとTwilight という自由時間があります。Twilightではスポーツやクラブ活動、補習などいろいろなことが行われます。僕はほとんどの場合寮に帰って昼寝をするか、テスト期間だったら勉強をしていました。たまにバレーボールやサッカーの練習があり参加していました。他の生徒たちは音楽室を借りてバイオリンやピアノの練習などをしていたり、ランニングなどに行っていたりしていました。 さすがに飽きた夕食メニュー 5時半からはSupper(夜ご飯)の時間になり食堂に行きます。1年目から3年目まで同じようなメニューを食堂で食べていたので4年目になるとさすがに飽きるので出前を頼むようになりました。しかし配達料金が8ポンド(約1520円)※だったのを見てすごく驚きました。日本では200円から500円のところイギリスでは3倍以上かかるのでショックを受けました。食べ物自体も結構な値段をするので週に数回しか頼みませんでした。 ※1ポンド=190円で換算 午後6時30分: Prep Time(自習時間) 夜ご飯が終わると、6時半から8時10分(100分間)までPrep Timeという時間があります。これは生徒全員が各教室に集まり、自習をする時間です。Prep Timeでは宿題をやったり土曜日のテストに向けて復習したりします。僕は通常月曜日と火曜日は宿題や他の課題をやり、水曜日、木曜日、金曜日はテスト対策をしていました。Prep Time中は先生たちが見回りに来るのでサボったりゲームをしたりしているとDetentionをもらいます。 Prep Timeのあとは夜の自由時間 Prep Timeが終わったら夜の自由時間に入ります。この時間では基本的にクラブ活動があまり行われず、まさに生徒たちの「真の自由時間」と言えます。 この時間は体育館が開かれているので希望者はバドミントンやバスケットボール、バレーボールなどを行うことができます。例えば月曜日はバスケットボール、火曜日はバレーボール、水曜日はフットサルみたいなスケジュールでした。コンコルドには体育館が二つあり、一つはバドミントン専用、もう一つは他のスポーツ用に分かれていました。バドミントンだけが一つのコートを独占できるのは、コンコルドのバドミントンチームがすごく強いからです。スポーツ終了後、10時までに寮に帰らなければいけませんでした。 午後11時: 就寝 10時以降は勉強したり友達と遊んだりしていました。11時になるとWi-Fiが切れます。加えてコンコルドはすごく田舎なところにあるので自分のモバイルデータ通信を使おうとしても電波が悪く、ユーチューブやインスタグラムなどインターネットを使うアクティビティが封じられました。そのためほぼ半強制的に11時に寝させられていました。ただ4年目のテスト期間中などは1時まで勉強することもありました。 土曜日午前9時〜11時: 毎週行われるSaturday Test Saturday Testとは毎週土曜日のテストのことです。テストは9時に始まり、11時ぐらいに終わります。各教科40分のテストが毎週2か3教科あります。テストの成績は次の週の月曜日か火曜日に返されます。Saturday Testの結果はEnd of Term Reportにも記載されるので毎週必死に復習していたのを覚えています。 End of Term Reportというのは毎学期の終わりに親に送られる通知表的なもの(レポート)です。このレポートでは各教科の先生からのコメント、全てのSaturday Testの平均点、End of Term Testの成績とEffort Grade(学習態度やクラスでの貢献度などの総合評価)が書かれます。このレポートは親に届くのでみんな親に怒られないよう(中にはあんまり気にしてない生徒もいました)に必死に勉強していました。 ボーディングスクールで大事なEnd of Term Test(期末テスト) Saturday Testの他にEnd of Term Test(期末テスト)が年3回あります。このテストはSaturday Testよりも重要で、生徒全員のストレスの源です。 End of Term Testは科目と学年によりテスト数が異なります。 End of Term Testの時間割 息抜きの時間:Saturday Town Trip 毎週土曜日に学校から無料でShrewsbury(シュルーズベリー)という街行きのバスが出ています。Shrewsburyはコンコルドから一番近い町で、どちらもShropshire(シュロップシャー)郡にあり、Shrewsburyが郡庁所在地です。そこまでバスで20から30分かかります。 バスはSaturday Testの後に3台出ていて、毎週結構な人数が乗ってShrewsburyに行きます。そこで昼ご飯を食べたり、買い物をしたり、髪を切ったりしていました。僕はよくThe Beefy BoysやHickory’s Smokehouseなどのレストランに行っていました。 帰りのバスは4時半にShrewsburyから学校に帰るので4時間ぐらいしか街にいられませんでした。 最後の2年間(Form 6.1、6.2)になると水曜日にもShrewsburyに出られるようになりました。 Shrewsburyの街の様子 特に何もすることがない日曜日 日曜日は基本的に何もすることがなく、僕は昼にサッカーチームの練習、夜はバレーボールチームの練習をしていました。日曜日にはよく友達とかとピザの出前を頼み一緒に食べていました。 最後に 以上がコンコルドでの1日でした。「ボーディングスクールってどんなところ?」とて気になっている人にとって、この1日の流れが少しでもイメージの助けになればうれしいです。イギリスでの留学生活に進む一歩のきっかけになれたらいいなと思います。 https://passporter-media.com/articles/18/

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【実体験】イギリス留学準備術: 合格通知からビザ取得までの記録

3月に入り、イギリスの大学や大学院から合否結果が届いてきたと思います。大学からオファー(合格通知)を受け取るといよいよ本格的な留学準備が始まります。入学までには多くの手続きがあり、スムーズに進めるためには計画的な準備が必要です。本記事では、オファーを受け取った後の具体的な準備プロセスについて、僕の経験を踏まえて詳しく解説していきます。 合格結果の確認と入学手続き 出願してからオファーをAcceptするまで 合格結果が届く時期は大学や学科によって異なり、ここは待つしかありません。僕は出願した5校のうち4校は2月初旬までに結果が届きました。しかし第一志望の大学だけ3月までオファーが来ず、もどかしさを覚えました。遅くて7月ごろに結果が出る場合もあるそうなので、気長に待つことが大事だと思います。UCASのTrackシステムをこまめにチェックしましょう。 オファーの種類(Conditional・Unconditional) イギリスの大学からのオファーには、「条件付きオファー(Conditional Offer)」と「無条件オファー(Unconditional Offer)」の2種類があります。条件付きオファーは、IELTSスコアや最終成績の提出といった特定の条件を満たすことで合格となります。UCASで出願した全ての大学から合否が届いた後は、Firm Acceptance(第一希望)とInsurance Acceptance(第一希望に合格できなかった場合の第二希望)の大学とコースを選択します。第一希望の大学からUnconditional Offerをもらった場合はInsurance Acceptanceを選択する必要はありません。 オファーを受け取った後の対応 自分が受け取ったのが条件付きオファーの場合は手続きを早めに済ませることが大切です。通常、オファーの承諾期限が設定されているため、遅れないように注意しましょう。一部の大学ではInternational Students(留学生)がオファーを承諾する際、デポジット(Deposit - 入学金)の支払いが必要です。この金額は大学によって異なりますが、£1,000~£5,000が一般的です。支払期限も設けられているため、期日を確認して早めに対応しましょう。 不合格だった場合の選択肢(Extra・Clearing) もし出願した全ての大学が不合格(Unsuccessful)だったとしても、結果をもらった後に追加で一つのコースに出願できる「エキストラ(Extra)」と定員に達していないコースに出願できる「クリアリング(Clearing)」というシステムがUCASにあります。Extraは2月末から7月初旬まで、Clearingは7月中旬から9月~10月ごろまで行われます。期待した結果が出なかった場合でも諦めずに他の大学やコースにトライしてみましょう。  イギリス学生ビザ(Student Visa)の申請を徹底解説 イギリスでの長期留学には学生ビザ(Student Visa)が必要です。申請にはいくつかの書類が必要で、その用意やビザ発行までに時間がかかります。とにかく早めの行動が大事です。  必要書類 CAS 大学からのオファーを承諾し、パスポートなどの書類を提出すると、「CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)」という入学許可証が発行されます。CASはビザ申請に必須な書類で、入学証明となる番号(CASナンバー)が書かれています。発行には通常数週間かかりますので、余裕を持って手続きを進めましょう。  パスポート パスポートの有効期間が留学期間をカバーしている必要があります。期限が短い場合、事前に更新しておきましょう。申請時にパスポートを提出し、そこにビザが発給されることになります。また、見開き2ページ以上の余白ページがあることも確認しておきましょう。  過去のパスポート 過去10年間の渡航歴を聞かれた時、昔使っていたパスポートがあると便利です。ただし、トランジットで立ち寄り、滞在期間が1日未満だった国も渡航歴に含まれます。こういった場合はパスポートにその記録がない時があります。できるだけ正確な情報を書くことが推奨されているので、僕は法務省の出入国在留管理庁というところで自分の渡航歴に関する開示請求を行いました。500円程度で調べてもらえます。https://www.moj.go.jp/isa/publications/privacy/record.html 英語力の証明書 大学によってビザ申請時に英語力の証明を求めるところもあります。GCSEやIBなどのスコアで証明できる場合と、イギリス政府が認定するSELT(Secure English Language Test)の結果しか受け付けてくれない場合があります。このSELTはイギリスのビザ取得専用の英語力試験です。中には「IELTS for UKVI」や「Pearson PTE Academic UKVI」などがあります。IELTSとは異なるもので、指定のスコアを満たすため改めて受験する必要があります。 申請費用と健康保険料(IHS) 申請時にはビザ申請料(£490)の支払いが必要です。さらにIHS(Immigration Health Surcharge)という健康保険料(£776×コースの年数)も支払います。IHSを支払うと、イギリス滞在中にNHS(国民保健サービス)を原則無料で受けられます。 ビザ申請の流れ 書類の準備ができたら、イギリス政府のUKVI(UK Visas and Immigration)の公式サイトから専用の申請フォームに情報を入力し、書類をオンラインで提出します。オンライン上の手続きが済んで、申請料及びIHSを支払うとVFS Globalのビザ申請センターの来館予約ができるようになります。日本には東京と大阪にビザ申請センターがあります。予約した日にパスポートを提出し、生体認証情(指紋と顔写真)を登録します。審査は通常3週間ほどかかり、終了しないとパスポートが返却されません。ビザはパスポートと共に返却されます。ビザ申請センターで受け取るか、郵送してもらうかを選べます。 審査開始後に財政能力証明書の提出を要求される場合があります。これはイギリスでの生活費をカバーできる資金があることを証明するためのものです。ロンドンの大学で勉強する場合は£12,492以上。ロンドン以外の場合は£10,224以上(授業料を除く)。つまりロンドンでの生活費: £1,438/月、ロンドン以外での生活費: £1,136/月: 9ヶ月分の生活費をカバーできる証明が必要です 。預金通帳や金融機関の取引明細書を英文に翻訳したものが必要です。あらかじめ準備しておくとビザ申請がスムーズに進むでしょう。  より詳しい流れについては下のサイトに説明してあるので、確認してください。https://www.westminster.ac.uk/sites/default/public-files/general-documents/student-visa-application-guide-applying-from-outside-uk-v2.pdf  申請は「何事も早めに」が鉄則! 前述の通りビザの審査には通常3週間ほどかかると言われています。繁忙期にはそれ以上の時間がかかることもあります。ビザ発行が渡英日に間に合わずフライトを変更せざるを得なかった友達が何人かいました。審査期間が多少長くなってもいいように、早めに必要書類を集めて申請することが大事です。「ビザ申請ドットコム」や「IMMIGRATION.UK」といったビザ申請を代行してやってもらえるサービスがあり、書類の翻訳など自分でできるか不安があった僕は活用しました。利用すれば必要な書類を揃えて代行者に提出するだけです。その後の申請フォームの入力やビザ申請センターの予約などは全部やってもらえます。  寮とシェアハウスの探し方 ビザ申請と並行して、イギリスでの住居を確保する必要があります。選択肢としては大学が運営している大学寮、民間の学生寮、シェアハウスなどがあります。 大学寮 vs 民間の学生寮の違い 同じ大学の人と交流できる大学寮は、初めての留学で最も安全で便利な選択肢だと思います。特にロンドンなどの都市部では、民間の賃貸物件の家賃が高いです。そのため、大学寮を利用することでコストを抑えられます。僕は大学1年の時に大学寮で暮らして、2、3年の時は民間の学生寮で暮らしていました。民間の学生寮だと、ロンドン中の大学から学生が集まるので他大学生との交流が深まります。ただし、これらの寮は人気が高く、申込期限が早いです。オファーを受け取ったらすぐに申し込むことをお勧めします。早めに申し込みをしなかったせいで、キャンパスから遠い場所にあったり、家賃が高い寮しか残っていなかったりという話も友達から聞きます。 大学が寮の情報を発信していますし、部屋の予約ができるResidence(住居)のサイトやWebポータルにも情報があるので、そこのSNSなどに登録して最新情報をチェックしましょう。  僕が住んでいた民間の学生寮 シェアハウス探しの注意点と便利サイト シェアハウスは費用を抑えつつ、学生のみならず現地の人々と交流できる点が魅力的です。ただし、契約詐欺や知らない人とシェアしなければいけないというリスクもありますので、信頼できるサイトを利用して物件を探し、可能であれば現地で内見してから契約を結ぶことが望ましいです。住居探しには、Rightmove(https://www.rightmove.co.uk/)やZoopla(https://www.zoopla.co.uk/)などの物件検索サイトが便利で、よく使われています。また、SpareRoom(https://www.spareroom.co.uk/)を利用すれば、ルームシェアの相手を見つけることもできます。  必須手続き: eVisaについて 返却されたパスポートに載っているビザはあくまで仮のEntry Clearance Visa(入国許可証)というもので、発行されてから90日まで有効です。正式なビザはeVisa(Online immigration status)という電子書類です。UKVIから送られてくる案内に従い、オンライン上でビザの申請番号やパスポート番号を登録して、アカウントを作成します。 イギリスに入国する際、パスポートのビザだけでなくeVisaの提示が求められる場合があります。そのため渡航前に手続きを済ませておくといいでしょう。これまではBRP(Biometric Residence Permit)カードという物理的な書類だったのでした。2025年の1月からオンラインに置き換わりました。 今回紹介したプロセスの他にも航空券を予約したり、持ち物を準備したりするなど、渡英までにやっておく必要があることはたくさんあります。それらについてはまた別の記事で書きますので、楽しみにしていただければ幸いです。CASやビザの発行などには思っている以上に時間がかかるものもあります。留学生活がスムーズに始められるよう、計画的に準備を進め、安心して渡英しましょう。  https://www.gov.uk/student-visa

イギリスのNHS利用|留学生が知っておきたい医療サービス

イギリスの病院に行くとき、多くの人はNHS(エヌ・エイチ・エス National Health Service)という公共の医療制度を利用しています。留学生もビザ申請時に健康保険付加料(IHS)を支払えば、NHS提携の公立病院を受診できます。ですが、NHSをうまく活用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があるんです。 この記事では、留学前に知っておきたいNHSの基本的な使い方や、ビザ申請時に支払うIHSについて、さらに病院やGP(かかりつけ医 General Practitioner)の違い、実際に病気になったときの流れまでわかりやすく解説します。 Haruna これまでに何度もイギリスの病院を利用している現地在住者が解説します!どんな流れで医療サービスが受けられるのか、ぜひ参考にしてみてくださいね。 イギリスのNHSって何?医療制度の基本 はじめに、イギリスの公的医療制度「NHS」の仕組みや利用方法についてわかりやすく解説します。 NHS(National Health Service)の概要 1948年にスタートしたイギリスのNHS(National Health Service)は公的な医療制度です。特徴は、多くの医療サービスが無料だったり、もしくは低料金で受けられること。留学生ももちろん対象。ビザ申請時にIHS(健康保険付加料)を支払うことで、NHSのサービスを使えます。 一部は自己負担になる場合もありますが、一般診療、救急医療、入院治療、妊産婦ケアなど幅広いサービスが無料です。 IHS(Immigration Health Surcharge)について イギリスに6か月以上滞在する留学生は、ビザ申請時に「IHS(Immigration Health Surcharge)」を支払っておくことで、ビザの開始日からNHSの医療をイギリス住民と同じように利用できるようになります。料金はビザの有効期間によります。 ビザの期間ごとのIHS料金 ビザの期間料金 ポンド/円6か月以下なし(申請がイギリス国内の場合は£388 / 約73,720円必要)6か月超〜1年未満£776 / 約147,440円 (1年分)1年£776 / 約147,440円1年超〜1年6か月以下£1,164 / 約221,160円 (1年半分)1年6か月超〜2年未満£1,552 / 約294,880円 (2年間分)2年£1,552 / 約294,880円 参考 https://www.gov.uk/healthcare-immigration-application/how-much-pay ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。IHS支払い時には最新の情報を必ずご確認ください。 オンライン上でビザ申請時にコースの開始日と終了日を入力し、デビットカードかクレジットカードで支払います。もしも支払いを忘れたり、金額が足りていないと UK Visas and Immigration(UKVI)からメールで知らされます。指定期間内に全額を支払わない場合はビザの申請が却下されてしまいます。 病院とかかりつけ医の違い(Hospital と GP) 日本では、自分の症状をベースに専門医を選んで直接病院に行くことが多いですよね。しかし、イギリスではまずかかりつけ医であるGP(General Practitioner)を訪問し、そこから病院(Hospital)の専門医を紹介してもらう流れです。 病院の外来は基本的に紹介制で、専門的な検査や手術、入院治療が必要な場合に利用します。救急(Accident and Emergency)でなければ、基本的にはGP→病院の流れが一般的です。 GPで相談できること GPは地域の診療所、かつ最初に相談する窓口で、必要に応じて病院や専門医を紹介してくれます。風邪や体調不良、慢性的な症状など病気や健康全般について相談でき、処方箋も出してくれます。 GPで診てもらい検査に進む場合は、その結果が出てから精密検査や追加診療で専門医のいる病院に紹介されるケースが多いです。診察は対面のときもあれば、GPに行かずに電話で遠隔診療する場合もあります。 閑静な住宅地にひっそりとたたずむGP 渡英後はまず「GP登録」から始めよう イギリスに到着したら、なるべく早めに「GP(かかりつけ医)」への登録をしましょう。登録のタイミングや方法をここからお伝えします。 登録のタイミングと方法 GPの登録方法は、直接GPに行くかオンラインのどちらかです。大学によってはキャンパスに近いGPを紹介しているので、スタッフに尋ねてみましょう。 GPの登録方法 ①GPを探す NHSの公式サイト「Find a GP(GPを探す)」から、新規登録者を受け入れているか、受付時間、利用者の口コミを確認できます。自宅から近く便利なGPに登録する人が多い傾向にあります。 ②登録フォームに入力/記入する 登録フォームは、各GPのウェブサイト、NHSアプリから入手できます。GPで渡される用紙も可能です。 【登録に必要な情報】 氏名 住所 生年月日 学生ビザ証明の共有コード(Share Code) 連絡先(緊急連絡先も含む) 現在の健康状態・病歴 アレルギーの有無 服用中の薬 など 身分証明や住所証明についてはGPによります。地域内の住民のみを受け入れているGPへの登録には、住所証明を用意した方が無難です。また、なかには新規の登録者を受け入れていないGPも。 もしも、留学中に住所が変わる場合はGPへ報告しましょう。NHSの予約に関することや検査結果などが郵便で送られてくることがあります。引っ越し先が登録中のGPの地域外でも、新居に近い新しいGPに移ることができます。 GPの予約方法・診察の流れ 診察は予約制です。コロナのパンデミックを経て、多くのGPでは感染拡大を避けるために、予約をしてからGPへ来てもらう形を取っています。予約方法は、電話、もしくはオンラインです。電話予約はすぐにつながらず、かなり待たされる場合も。オンライン予約を実施しているGPでは、NHSアプリや各GPの予約サイトからリクエストできます。 私が登録しているGPの場合は、GPの予約システムからメッセージ形式で問い合わせをし、少し待ったあとにメッセージや電話で返信があります。問い合わせ内容によっては、看護師や医師と遠隔で会話し、そこで診察が終わる場合もあります。もしくは対面での予約日を決めていきます。 オンラインのいいところは、問い合わせ内容を細かくテキストで伝えられるところです。電話での会話では医療専門用語がすぐに出てこず、詳細をすべて伝えきれないことも。オンラインで履歴を確認できるため、あとで詳細を振り返るのにとても便利です。近年どんどんオンライン化が進み、以前よりサービスの手軽さが上がったと感じています。 夜間や土曜日に予約が取れることもあり、大学のスケジュールに合わせて利用できるのは留学生にとってもうれしいですね。 実際に病気になったら?病院の使い方ステップ 実際に体調を崩したとき、どうすればいいのか不安に感じる方も多いかもしれません。ここでは、症状が出てから病院で診てもらうまでの流れや、緊急時の対応まで、具体的なステップをわかりやすく解説します。いざというときの参考にしてくださいね。 【NHS利用】症状が出てから病院へ行くまで ここでは、GPや病院などNHSを利用するフローの例をご紹介します。長年NHSを利用しているなかで遭遇した、よくあるパターンをシェアさせていただきますね。 NHS利用の流れ 問い合わせ(電話、オンライン) 問診(GP、電話、ビデオ通話) 必要に応じて診察や血液検査や尿検査などの実施(処方箋のみの場合もあり) 検査結果を聞く(GPか電話の場合が多い) 治療が必要な場合は処方箋をもらう or 病院紹介 【病院紹介の場合】 病院での診察予約に関する手紙が届く(病院が指定する予約日時の記載あり) 指定された予約内容を変更したい場合は病院に電話 予約日時の希望を伝え、確定 病院で診察・検査 GPで結果を聞く(病院の検査結果がGPに送られる場合) ※追加で検査を実施する場合は医師から連絡があり、新しい予約日時を相談する流れになります。 病院はGPと違って、多くの専門科が揃っており規模が大きいです。施設が広いため、初めて訪れる場合は指定の場所を見つけるのが難しいことも。予約時間の前に早めに到着しておきましょう。 病院の内部 NHS 111の使い方 NHS 111は、電話やオンラインですぐにGPにつながらない場合や、GPの診療時間外でも相談したいときに利用できる便利なサービスです。まずは電話かオンラインで問い合わせることで、どういったアクションを踏めばいいかをアドバイスしてくれます。相談内容によって対応は変わりますが、以下のような例があげられます。 看護師からの折り返し電話を予約 夜間・週末のGP診療を案内 歯科やメンタルヘルスなどの専門サポートを紹介 登録しているGPに連絡するよう指示 薬剤師に相談するよう案内 自宅で経過観察するよう指導 NHS 111では、病院の予約・キャンセルや診断書の発行はしてもらえないので注意してください。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/urgent-and-emergency-care-services/when-to-use-111/ 緊急の場合はどうする? GPの診察を待てずに急いでいる!そんなときは緊急外来(A&E)や救急車(999)を利用します。 まず、A&Eについて。 A&E(Accident and Emergency/事故・緊急外来)は、GPの予約を待っていられないほどのつらい症状や怪我があるなど、緊急性の高い場合に利用します。Accident and Emergencyのほか、Emergency Department(救急部)やCasualty(救急)とも呼びます。着いたらまず受付で症状を伝えます。 過去に利用した感想は、とにかく待ち時間が長いということです。予約を取らないことと、重症患者が優先されるため、先に着いているのに後から来た人が早く診てもらっていたりします。診察の流れは、各自の状態によって変わります。 緊急時の例 緊急性が低く深刻でないと判断→GPの予約をすすめられる、処方箋をもらう 緊急の場合→専門病棟に移り場合によっては入院 病院の正面玄関と別にある緊急外来用の入り口 緊急外来ではとても待てないような、命に関わる緊急時であれば、999へすぐ電話を。交通事故や発作など重大なシチュエーションには迷わず利用しましょう。電話で聞かれる内容は、場所、999にかけた理由、連絡先など。救急隊員の到着を待っている間ににできることや、どれくらいで着くかも教えてくれます。 黄色と緑が目印の救急車  処方薬と薬局の使い方 診療後に薬が出されたら...?ここからは、NHSの処方薬の受け取り方や薬代について、基本的な情報をわかりやすくまとめました。 薬はGPが発行する「処方箋」で薬局でもらう GPでの診察が終わり、処方薬が必要であれば処方箋が出されます。診察後にGPと連携している近隣の薬局(Bootsなど)に行き、Prescription(処方箋)というコーナーでスタッフに自分の生年月日、名前、住所を伝えると、あらかじめ用意してある薬が手渡され、支払いに進みます。 薬局内の処方薬受け取りカウンター 薬代の仕組み NHSで処方してもらう薬の料金は、2025年の時点で処方薬1品につき※£9.90(約1,880円)です。ひとつの処方箋に複数の処方薬がある場合は、すべての薬の合計金額を支払います。ですが、留学生でも18歳以下で大学やカレッジでフルタイム教育を受けている学生はNHSの薬代が無料です。 処方薬が頻繁に必要な人は、処方箋前払いシステム(Prescription Prepayment Certificate)を利用するのも手です。各自のケースが対象になるかの確認は必要ですが、利用できる場合はかなりお得です。 例えば有効期限が3か月間のPPCは、事前に£32.05(約6,090円)支払えば、有効期間中にいくつでも薬を受け取れます(一部は適用外)。PPCの購入はオンラインがメインで、申請日から有効です。申請を完了すると、メールでPPCの証明書が送られてくるので、薬を受け取るときに提示できると便利です。 ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/prescriptions/save-money-with-a-prescription-prepayment-certificate-ppc/ 市販薬はスーパーや薬局でも買える 処方薬以外はどうでしょうか。結論として、スーパー、薬局で簡単に手に入ります。痛み止めや風邪薬、胃腸薬、花粉症などのアレルギー薬、目薬、塗り薬など種類は豊富です。自分に合えば、留学中にイギリスで薬を買って服用することもできるので、必ずしも日本から持ち込まなくてもなんとかなる場合もあります。 ※個人差がありますので、薬の調達については慎重に判断されることをおすすめします。 NHSと留学保険の違い これまでNHSのサービスについてご紹介してきましたが、イギリス留学中に本当にNHSだけあれば安心なのだろうか?と不安に思う人もいるでしょう。ここからは、NHSのサービスが対象外になる場合と、留学保険との違いについてお話ししていきます。 NHSで医療費の支払いが発生する例 処方薬1品につき£9.90(約¥1,880円)かかるとお伝えしましたが、そのほかにも支払いが発生する例があります。 ・歯科医療 ・眼科治療 ・かつらや布製の医療用サポーター NHSのサイトでは、歯科医療について、治療が始まる時点で18歳未満、または19歳未満で所定のフルタイム教育を受けている場合は、NHSでの歯科治療が無料になると伝えています(治療内容によっては費用が発生する場合もあり)。 治療費がかかる場合には、日本より高いと言われていますので、渡英までに歯の状態を診てもらうと安心ですね。 眼科の例では、街中の眼鏡屋で行っている一般的な視力検査なら£20(約3,800円)ぐらいから受けられますが、専門的な検査になるとさらに費用がかかります。眼鏡を作る場合、場所によっては学生割引が使えるので、検査の前にリサーチしてみましょう。 NHSを使って治療ができる街中の歯医者 Haruna 実は私も、イギリスで歯の詰め物が取れてしまって、数ヶ月放置したあとに日本の歯医者にかかったのですが、衛生的に良くない!こんなに放っておくなんて!とすごく怒られた記憶があります…。 留学保険で補える部分もある NHSのサービスがこれだけ充実しているのなら、留学保険はいらないんじゃ?と思う人も多いでしょう。しかし、留学保険に入ることで受けられる恩恵も多いのが事実です。 NHSの病院、つまりはイギリスの公立病院を利用するとなると、無料で診療が受けられる分、長く待たされることもザラです。問題の症状が落ち着くまでに、ある程度の時間を要すこともめずらしくないのです。その点、留学保険に入っておくことで、プライベートの私立病院が利用できます。ロンドンには日系クリニックが数件あるため、日本人ドクターに日本語でサポートしてもらえる点もありがたいです。 私がまだ学生だったころ、もうダメかと思うような辛い症状があったときや、小さな手術を受けたときもすべて留学保険が適用され、プライベートの日系クリニックを利用しました。電話一本ですぐに予約がおさえられ、スムーズな日本語のサービスが受けられたことで、改めて保険の大切さを知りました。 ※持病や既往症は補償されない場合がありますので、各保険会社に問い合わせてみてください。 医療以外のトラブルにも留学保険が活躍します。加入するプランによりますが、盗難や破損、飛行機の遅延も補償されるケースがあります。 「何がどこまでカバーされているか」知っておくと安心 NHSのサービスだけでいいの? 心配だから留学保険に入る?答えは人それぞれ。留学生のなかには、医療サービスにおいてはNHSだけでじゅうぶんだった、という人もいれば、留学保険があってよかった、という人も。しっかりとそれぞれの特性を把握したうえで、自分に合った選択をしてみてくださいね。 医療の備えは安心な留学生活の第一歩 イギリス在住の筆者も、これまでに何度もNHSのお世話になってきました。幸い、GPの受付スタッフや看護師、医師たちには毎回親切にしてもらっています。電話やオンラインでの問い合わせには、ほとんど返信があり、しっかり話を聞いてくれます。ただ、サービスの質に関してはGPによりけり、という声も多いです。GP登録をする際には、口コミをチェックしたり、同じGPに登録している学生の話を聞いたりと、下調べをしておくとより安心です。 安心して留学生活が送れるように、医療面での準備を万全にしておきましょう! https://www.nhs.uk

UCL現役大学生の留学体験記!イギリス留学のリアルと道のり

京都からイギリスへ: UCL大学留学を決めるまで 自己紹介・バックグラウンド  はじめまして。Nanaです。京都市出身で、中学まで地元で過ごし、高校からイギリスの学校に進学しました。  現在は、University College London(UCL、ユニバーシティカレッジロンドン)でArts and Sciences(アーツアンドサイエンス)学科で勉強しています。一つの専門分野を3年間かけて学ぶ一般的なイギリスの大学とは異なり、この学科ではリベラルアーツ教育に似ていて、文理問わず幅広い分野の科目・デパートメントの授業を取ることができます。  留学を決意したきっかけ 中学2年生の時にスイスでサマースクールに参加した体験が留学を志した原点です。いろいろな国から生徒が来ていて、英語だけでなく、ドイツ語、イタリア語、フランス語などを操る同年代の生徒と出会いました。言語がもたらす新しい人との出会い、つながりや発見に心躍らされました。私もグローバルな世界で過ごしたいと強く思った経験でした。 学校選びから出発まで 本格的に留学を考え始めたのは中学2年生の冬あたりでした。サマースクールで訪れたスイス、友人がすでに留学していたアメリカとイギリスを留学先の候補にしましたが、結局イギリスとアメリカの学校に出願し、先にオファーが来たイギリスの学校に入学することに決めました。 友人に紹介してもらった留学エージェントを通して、学校の選定、受験、インタビュー(面接)を経て、イギリス南西部にあるTaunton School International(TSI、トーントンスクールインターナショナル)への入学が決まりました。インタビュー(面接)や試験はすべて、オンラインで行いました。 Taunton School International(トーントンスクールインターナショナル) の校舎 しかし、この時期(2020年)にちょうど新型コロナウイルス感染症が流行り始め、4月に予定していた渡英は先送りされてしまいました。イギリスには行けなかったものの、学校側がいち早くオンライン授業を導入したため、4月-6月の1学期間は日本の自宅で授業を受けました。思い描いていた留学の始まりではありませんでしたが、振り返ってみればホームシックにならず、少しずつ英語に慣れていく良い機会だったと思います。 Lancing College(ランシングカレッジ)のチャペル TSIではGCSEと呼ばれる中学課程に当たるものを1年間学習しました。2年目からはLancing College(ランシングカレッジ)という現地校に入学し、A-level経済、数学、応用数学、日本語を履修し、受験を経て、UCLに入学しました。 UCL大学生のキャンパスライフ ロンドンならではの魅力と学びの日々 現在通っているUCLはロンドン中心部にあり、1826年に設立された大学で、150を超える国から学生が集まる国際性と400以上のコースを提供し幅広い研究分野を持っているのが特徴です。ロンドンという大都市ならではの刺激的な環境もあり、学びだけでなく生活面でも多くの発見がある大学です。 University College London(UCL)に入学 リベラルアーツ型の学び: Arts and Science学科の特徴 大学ではArts and Science(アーツアンドサイエンス)と呼ばれるリベラルアーツの学科で勉強しています。この学科はイギリスの大学にしてはとてもユニークです。イギリスの大学では基本的に高校で専攻した教科を中心により深く学びます。例えば高校で経済を専攻すると大学でも経済学部やビジネス系の学部に進み、その学部で必修授業をとります。 しかし私の学部では多くの学問の知識をいかに融合させて社会課題の解決策にアプローチするのかに重きを置いています。こういった学問を英語ではInterdisciplinary studiesと呼び、分野横断的(学際的)な学びを意味します。社会課題を解決するのにもさまざまな切り口や専門知識が必要なうえ、分野が異なる人々と協力することも欠かせません。そのようなことを中心に学んでいます。 そのため、履修する授業の半分以上を自分で選択できます。学科の中で、3年間を通して全く同じクラスの組み合わせを取っている学生は誰一人いません。こういった環境が自分の学習生活を唯一無二にします。 実際に履修している授業紹介 私が今年取っている科目は、Principle of international public law(国際法)、Mathematical analysis, Real analysis(解析学)、Database system(データベースシステム)、Macroeconomics/Open and Closed economy(マクロ経済学)、Quantitative methods(定量調査)、Sustainable energy(持続可能エネルギー)、Mandarin(中国語)です。 分野がバラバラでそれぞれ全く関係なさそうに見えますが、Sustainable energyで学ぶエネルギー政策はMacroeconomicsの経済政策につながっていたり、Quantitative methodsで習得する基礎プログラミングはDatabase systemで応用できたりと、他の学生とは違った視点で問題の解決法を見いだすことができます。 課外活動とロンドンでの暮らし 日本語を教えるJapan Societyでの活動 授業外では、Japan Societyと呼ばれるソサエティ(サークル)に参加していて、2週間に1度、学生に日本語を教えています。 Finance and Economics Societyで得た学びと人脈 また、Finance and Economics Societyにも参加しており、週1くらいの頻度で開催されるロンドンの投資銀行などの金融業界で働く方によるセミナーに参加しています。UCLのネットワークはかなり広く、トップ企業で働く卒業生も多いので、いろんな人から話を聞けるチャンスがたくさんあります。 ロンドンの美術館・博物館巡りで深める学び ロンドンには大英博物館(British Museum)やナショナルギャラリー(National Gallery)など、たくさんの権威ある美術館と博物館が集まっていて、ほとんどが入場無料ということもあり、休日にはなるべく行くようにしています。 昨年取ったSocial Theoryの授業ではオリエンタリズム(西洋が東洋をどのようにとらえていたのかを研究する学問領域)のトピックを扱ったのでテムズ川畔にあるTate Britain(テート・ブリテン) の絵画を見に行きました。 Colonialism(植民地主義)などのトピックを考える際、博物館の作品は貴重なソースとなり、実際に鑑賞することでコンテンツの理解をより深めることができます。 高校留学・大学留学を通じて得た学び 広がった視野と情報へのアンテナ 留学して良かったことは、視野が広がったことと得られる情報が増えたことです。異なる文化や価値観を持つ人たちと関わる中で、自分が当たり前だと思っていた考え方が、実は国や環境によって大きく異なることに気づきました。Taunton School時代のルームメートはブルンジ人でした。初めて聞く国からの生徒だった彼女とどうしても話をしたくて、どんな国なのか、何語を話すのかなどを調べた記憶があります。 多様な視点を学べる国際的なクラスメートとの出会い 授業では、さまざまなバックグラウンドを持つクラスメートと意見を交わす機会が多く、同じテーマでも多様な視点があることを学べたのは、とても刺激的でした。日本では、自分がどの政党を支持しているか、政策まで議論することはなかったですが、イギリスでは自国の政策はもちろん、他のヨーロッパ諸国の政策まで網羅している学生も何人かいて、意識の高さがうかがえました。 経済の授業では特に、GDP(国内総生産)成長率やインフレ、利子率を必ず頭に入れておく習慣ができました。円安など、身の回りで起きていることが身につけた知識で理解できるようになっていくのが楽しかったです。 英語力と自己発信力の向上 また、英語でコミュニケーションを取る力が自然と身につき、自信を持って自分の意見を発信できるようになったのも大きな成長です。さらに、留学生活を通じて新しい友人や経験に出会い、自分自身の挑戦する力や柔軟性も養われたと感じています。 留学生活で感じた辛さと乗り越えた経験 言語の壁とコミュニケーションの葛藤 留学で辛かったことのひとつは、最初の頃に感じた言語の壁です。英検2級を取得後に渡英しましたが、授業では、ネイティブスピーカーや先生たちのスピードについていけなかったです。留学当初は宿題を終わらせるのにも、クラスメートの3倍時間がかかりました。 授業がわかるようになっても、友達との会話や冗談を理解し、話すまでにはかなり時間がかかりました。小学校の間に英会話塾に週1で通っていましたが、実際に会話しようとすると、自分のシャイな性格も相まって単語が出てこない場面が多くあり、自分の意見を思うように表現できず、もどかしさを感じることがありました。 辞書を片手に専門用語と格闘する日々 大学に入ってからは、専門的な単語も多くて、今でも辞書は手放せません。ですが、一つ一つの単語の意味を調べる習慣がついたことで、理解できない単元があっても、わかるまで調べたり文献を読んだりして、人一倍深い学びを得たと思います。 これからイギリス留学を目指す人へのメッセージ 留学は挑戦の連続ですが、ぜひ恐れずに一歩踏み出してみてください。その経験が、自分自身を大きく成長させ、未来への大きな力になるはずです。 https://passporter-media.com/articles/10/ https://jp.education-moi.com/article-51-ucl

【イギリス高校留学】15歳で親元を離れたボーディングスクールでの生活

私は15歳から親元を離れ、イギリス留学を始めました。大学もイギリスで、卒業後もしばらく滞在していたため、気づいたら14年間イギリスにいることになっていました。苦あり楽ありの留学体験をお届けします。 イギリス全寮制高校への道: 留学を決意するまで 小さい頃、父の仕事でアメリカに行っていたことがあり、英語には多少自信がありました。しかし、滞在は4歳から6歳までのわずか2年半だったため、帰国し中学生になった頃には英語力がかなり落ちていました。ある日、母と当時の英語の家庭教師からの要望に応じ、英語のエッセイを書いてみました。すると「アメリカの小学校2年生レベルだね」と言われ、ショックを受けました。これを機に、英語をちゃんと勉強しようと決意しました。 ちょうどその頃、インターナショナルスクールに通っていた2つ上の兄がイギリスの大学に進学したいと言ったので母と3人でイギリスの大学の下見に行くことになりました。自分にとって未知の国だったイギリスに惹かれていたのと、いつかは留学したいという思いが相まって、ついでに高校も見ようと母と決めていました。 ノッティンガムシャーの高校見学 複数の大学や高校を巡り、その中のひとつの高校にとても良い印象を持ちました。イギリス東中部、Nottinghamshire(ノッティンガムシャー州)のWorksop(ワークソップ)というところにある高校です。先生が優しく、校舎も広くてかっこよく、生徒達の行儀もとてもよかったです。みんな紳士的で礼儀正しく、先生方の指導が行き届いていることが伝わってきました。 若くして単身留学することを心配していた母も、このしっかりした校風が気に入りました。校長先生とお話をし、その後校舎見学をしました。また、私が医学部志望だったため、英語力をネイティブ並みに上げる必要があると言われ、もうその夏から入学することを勧められました。もともとイギリスでそのまま医学部に行くつもりはなかったのですが、先生方や両親と相談し、見学に行った2ヶ月後には留学を決心しました。 学校の校舎 イギリス高校留学|ボーディングスクールの生活とは? 寮のシステムと制服 イギリスに着いてすぐ、寮長さんや寮母さんに挨拶しました。説明を受け、私はYear 10(日本の中学3年に該当)に入学しました。日本の中学に相当する学年では制服が決まっています。ブレザー、シャツ、スカート、そしてcravatと呼ばれるネクタイのようなものに加え、靴下も学校指定のものを着用しました。 この学校には数種類の寮があり、女子は学期中ずっと過ごす「Full boarding(フルボーディング)」用、平日だけ暮らす「Weekly boarding(ウィークリーボーディング)」用、そして「Daily student(夜には家に帰る通学生)」用の寮がそれぞれ1つです。男子寮はDaily studentと住み込みの生徒が混ざっていて5~6つの寮がありました。各寮には30~40人くらいの生徒がいました。 1つの寮には最下級生のYear 9(中学2年生)から最上級生のYear 13(高校3年生)までが一緒に暮らしており、2、3人部屋もあれば1人部屋もあります。新入生は基本的に多人数部屋に割り振られ、最高学年の生徒は1人部屋が与えられました。私は最初3人部屋に入りました。その後2人部屋になったり3人部屋になったりの繰り返し。最終学年になったらついに1人部屋を手に入れました。毎学期、部屋のメンバーは先生が決めて変えていました。 校長先生の住むお家。学校の入口のすぐ隣にある 深夜の勉強と寮のおきて 渡英当初の英語力では会話についていくのが精一杯で、授業は全く理解できませんでした。現地の生徒ばかりの学校で、私の学年にいた留学生は他に男子2人だけでした。英語の授業以外は現地の生徒達と一緒に受けるため、取り残されないように懸命でした。深夜と早朝の時間を活用し、ひたすら教科書の翻訳をする日々が続きました。 ある明け方、普段電気が点いている部屋が消灯されたので階段に座って勉強していました。すると寮母さんが駆けつけてきて、「Yui、こんな時間に勉強しないの!ここはアラームがついているの。勉強は日中だけでも十分なのだから夜はしっかり休みなさい」と注意されてしまいました。どうやらこの階段にはアラームが設置されていて、人が入ると寮母さんなどの責任者だけが知らされるようになっていました。それ以来、夜中の勉強はやめました。 ホームシックと戦う日々 寮生活はとても厳しく、朝1回、お昼前に1回、お昼後から夕方にかけて3回、そして夕飯後の宿題時間に3回、点呼がありました。そして寝る前には先生が各部屋を回って携帯電話を没収し、電気も強制的に消されます。しかしほとんどの子は偽物の携帯を預けていました。 留学した最初の年はスマホもWi-Fiもなかったので私はガラケーを使っていました。インターネットは共用のパソコンルームのみで使うことができます。家族と連絡を取るときは国際電話でした。 週に1回、Skypeが使えるパソコンを予約して家族とビデオ通話することができました。しかし世界中から留学生が来ているので常に予約枠の取り合いでした。日本との時差の関係で都合の良い時間帯が限られ、目当ての時間枠が取られてしまってよく落ち込んでいたものです。 最初の1年間はホームシックでほぼ毎日泣いていました。言葉があまり通じなかったため友達もできなかったです。「かわいそう」と寄ってきてくれる生徒や授業で一緒になった生徒とたまに話す程度でした。都会ではなかったので、アジア人が少なく、奇異の目で見られているように感じました。 留学1年目の冬。膝下まで雪が積もるほどの大雪でした 辛かった陸軍の訓練 私の学校はCCF(Combined Cadet Force)という連合将校養成隊の時間があり、Army(陸軍)の訓練をしました。陸軍の他に、Navy(海軍)、Royal Air Force(空軍)もあり、現地の生徒は選択が可能でした。その頃、私たち留学生は選べず、一番人数の多い陸軍に自動的に振り分けられました。軍隊用の重たい迷彩服を着て寒い中2時間くらいマーチングし、銃の練習や匍匐前進などをするのはとても苦痛でした。また、落ち葉や枝を集めたり、数人組で運動させられたりと、グループでの活動が多かったです。友達の少ない私には楽しくはありませんでした。 礼拝の時間でスピーチに挑戦 一方で、週5回の朝のChapel(礼拝)の時間は比較的平和な時間だと感じました。讃美歌を歌い、お話を聞くだけの時間でした。木曜と土曜日以外の曜日に毎週、礼拝が行われました。日曜日だけ、朝の礼拝は全校生徒ではなく、寮生のみの参加で人数が少なかったです。そのため留学生にも皆の前で話をする機会が与えられました。 私も数回日曜日にスピーチした後、全校生徒の前で話す機会をもらい、3.11の出来事などを話しました。現地の生徒が多かったので、彼らにとって海外に触れられる貴重な機会だったと思います。その他、日本や中国の祝日の時には文化のお話もしました。 日本ではクリスマスは外で過ごし、お正月は家族で過ごすものだと伝えたら、イギリスとは真逆なので驚かれました。話した内容に興味を持ってくれ、それをきっかけに会話が弾むことがよくありました。先生方は、私たち留学生が学校に溶け込めるよう、常に様々な工夫をしてくれていました。 チャペル 深める交流: スポーツとイベントの舞台裏 ハリーポッターの世界!イギリスならではのスポーツ イギリスのBoarding school(ボーディングスクール・全寮制学校)特有のスポーツの時間もありました。季節や性別によって競技が分けられています。秋には男女共にもホッケー、冬は女子がネットボール、男子がラグビー、夏は水泳、クリケット、クロスカントリー、ラウンダースなどから自由に選択できました。 ハリー・ポッターに出てくるような寮対抗の大会や他校との試合もありました。他校との試合では、全生徒が実力別に分けられ、相手校の同じレベルのチームと戦います。そして試合後は相手チームと一緒にSupper time(おやつの時間)があり、ポテトやパン、フルーツ、ケーキなどを一緒に食べました。 ラグビーコートが9面もある広大な敷地を持つ学校。裏にはゴルフコースも プロムやダンスパーティー 年に数回、寮ごとのパーティーがあり、他の寮の子も主催寮の生徒に招待されれば参加できました。男子寮が開催するダンスパーティーに出席する際はProm(プロム)に行くような感じのドレスアップをしました。また、冬休みに入る前は各寮の寮生全員が一丸となって練習したダンスを全校生徒の前で発表するイベントもありました。 その他にも私はInternational Eveningを主催したことがあります。各国の生徒が協力して国の料理を作り、みんなでビュッフェスタイルで食べるイベントです。先生方に協力していただき、ダイニングホールとキッチンを借りて行いました。そこで日本人チームはトンカツを作りました。 日本人チームが作ったトンカツ 英国ボーディングスクールの授業内容 1年目はGCSEを勉強しており、Science(理科)、Mathematics(数学)、English as a Second Language(英語), Religion(宗教学)とStudent Selected Studies(選択科目)でした。選択科目にはGeography(地理)、History(歴史)、Art(美術) , Design and Technology(デザインとテクノロジー)、Food and Nutrition(料理と栄養学)などがありました。 私は理系だった上、英語の授業についていくのに必死だったこともあり選択科目ではArt、Design and Technology、そしてFood and Nutritionを選択しました。英語がネイティブの生徒はフランス語なども選択可能でしたが、留学生は必ずEnglish as a Second Language(ESL)をとらなければならず、他の言語は選択できませんでした。ESL以外の授業は全て現地の生徒たちと一緒でした。 私は日本で購入した電子辞書をどの授業にも持っていき、常に単語の意味を調べながら受けていました。最初の1年は辞書を使用して試験を受けることが許されていました。試験の際には先生から英和辞典が手渡され、それを使って試験に挑んでいました。 イギリス高校留学で得たこと 先生のサポートに感激した日 特に印象に残っているのは理科の授業で試験が返却された時のことです。私は60%しか得点できず、周りの不真面目な子たちと同じくらいの点数でとても悔しかったのですが、先生は私の努力を褒めてくれました。 しかし他の生徒がそれを聞いて「でも辞書を使ってるしね」と嫌味を言いました。それに対し先生は「じゃあ君は他の国に行ってその国の言語でテストを受けた場合、辞書を使えばこの点数取れるのか?簡単なことではないよ、母国語で受けても簡単じゃないんだから」と返してくれました。この先生のサポートは今でも忘れられません。このように素晴らしい先生方がたくさんいる学校でした。  Comfort zoneに戻るか挑戦を続けるかの決断 渡英してから1年経った時の夏休みに帰国した際、正直イギリスに戻るか少し悩みました。友達が少なく、授業も難しい。でもやっと英語にも慣れてきたこと、そして何よりも先生方の期待に応えたい気持ちがあり、もう1年、せめてGCSEだけでも終えようと、戻る決心をしました。 重たい足を引きずり、再び寮に戻ると、先生が「戻ってきてくれてよかった」と声をかけてくれました。複雑な心情で戻ってきたけれど先生方がいれば頑張れると思いました。 私の学年に新しい留学生が増え、寮にも何人か入ってきました。英語が全く話せなかった中国人の生徒が1人いて、その子に英語を教えながら暮らしていたらいつの間にか自信もつき、留学生活が楽しくなっていました。そして授業にもついていけることに気が付きました。友達も増え、去年から同じクラスだった生徒達に「Yui、英語すごく上達したね」と言われたときは本当に嬉しかったです。 おかげでGCSEは良い成績で卒業できました。次回はA-level、やホストファミリー、休暇の過ごし方について書きたいと思います。 https://passporter-media.com/articles/9/

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インペリアルカレッジロンドン化学工学1年の試験|成績基準・再試験・留年を現役学生が紹介

こんにちは、Kenshuです!前回の記事ではImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のChemical Engineering(化学工学)1年生として経験した授業内容や勉強のリアルをお伝えしました。今回はその続きとして、期末試験とFinals(学年末試験)、そして試験の難易度、成績評価、再試験制度と留年について詳しく紹介していこうと思います。 今回紹介する内容はChemical Engineering学部での体験をもとにしているので、同じImperialでも他の工学部や理系の専攻では試験の形式や内容が異なることがあります。 インペリアルカレッジロンドンのChemical Engineering(化学工学)の試験 Imperial College LondonのChemical Engineeringの試験はChristmas Test、Spring Test、Finalsの3つあります。それぞれについて詳しく説明します。 Christmas Test Christmas Testは1学期の終わりに行われます。11月末から12月の頭に行われることが多いです。1学期に扱った内容が範囲になるので、Final Examと比べると範囲は絞りやすいです。受講している9科目のうち4科目しかChristmas Testがありません。問題のレベルは比較的簡単で、授業の内容をしっかりと理解し、復習していれば高得点を取れます。しかし、Christmas Testは1年の最終成績に含まれないFormative Assessment※です。 ※評価の種類 イギリスの大学では、評価には大きく分けてFormative Assessment(フォーマティブ評価)とSummative Assessment(サマティブ評価)の2種類があります。 フォーマティブ評価:成績には影響しない練習課題やプレゼンテーションなどを指し、学びの途中でフィードバックをもらうためのものです。自分の理解度を確認したり、本番課題の準備をしたりする目的で行われます。 サマティブ評価:最終成績に反映される正式な課題(レポート、試験、ポートフォリオなど)で、学期の終わりや一定のタイミングで提出します。 Spring Test Spring Testは2学期の半ばに行われ、今年は2月中旬に行われました。Christmas Testとの違いは範囲が少し増えることです。試験がある科目はChristmas Testと同じ4科目です。Python(プログラミング言語)のテストもあり、ここで80%取れないと夏休み中に再テストになります。この再テストでまた落ちると、1年生をやり直ししなければいけません。 Finals 最後にFinalsがあります。Finalsは1年間の総まとめとして学年末に行われます。一般的に5月から6月に行われます。範囲が1年分と広く、科目数もChristmasやSpring Testの倍の8科目あるため、その2つの試験よりもはるかに準備に時間がかかります。 Finalsの全ての試験科目の形式は筆記試験のみです。マークシート式ではなく、問題を読んで答えを記述したり、計算過程を書いたりする形式です。 Chemical Engineeringの科目別試験の特徴 各科目によって試験の難易度や傾向はかなり異なります。実際に受けてみた感想をまとめるとこんな感じです。 Mathematicsは比較的取り組みやすい科目でした。授業の内容をしっかり理解していれば対応できる問題が多いです。1年生の試験では比較的点数をとりやすい科目だと思います。 Thermodynamicsは授業自体1年間で一番難しいと感じましたが、試験はなんとかなりました。過去問を繰り返し解けば本番でも対応できる問題が多かったです。 Thermodynamics(熱力学)の授業の様子 Chemistryは1年間を通して一番自信があった科目です。A-Levelで培った知識が生きる場面も多く、試験でも比較的安定して点数を取ることができました。 Separation Processも比較的取り組みやすい科目でした。問題のパターンがある程度決まっているので、過去問をしっかりやっておけば対応できると思います。 一番苦戦したのがTransfer Processです。これはFluid MechanicとHeat and Mass Transferを合わせた一つの試験です。この試験で特に大変だったのは今年からこの科目の担当教授が変わったことです。教授が変わったことで試験の形式や出題傾向が大きく変わりました。私はこのことを前日に気づき、試験当日ではそれまで解いてきた過去問と全く違うタイプの問題が出されました。試験を受けながら「やばい」と感じたのを今でも覚えています。 Chemical Engineering学部特有のモジュール: Mastery Imperial College LondonのChemical Engineering学部ではMasteryという特有のModulusがあります。1年生ではMastery 1からはじまり、学年が上がることにMastery 2、3、4と続いていきます。 このModulusの特徴は、その学年で習った全ての知識を横断的に使った問題が出される点です。各Modulusの試験が個別の知識を問うのに対して、Masteryは化学工学全体の理解度を測るものになっています。 問題の難易度は各科目の試験に比べると簡単です。ただし合格点が80%とめっちゃ高く設定されており、Chemical Engineerとして必要な基礎知識をほぼ完璧に身についているかどうかが問われます。ここでも80%取れなければ8月に再試験となるので、絶対にうっかりミスをしないように解いていました。 試験以外の評価: Chemical Engineering Practice Imperial College LondonのChemical Engineeringでは、基本的にModuleごとに試験があります。ただし、Chemical Engineering PracticeというModuleだけは例外で、筆記試験ではなく別の形式で評価されます。 Chemical Engineering Practiceではラボのレポートとグループプレゼンテーションの出来具合で評価されます。 ラボのレポートについては前回の記事でも触れましたが、実験後に提出するレポート内容が成績に直結します。データの分析、考察の深さ、文献の引用など、レポート全体の完成度が求められます。 グループプレゼンテーションではグループ全員で協力して発表を行います。スライドを作成して全員で発表する形式で、個人の試験とは違い、チームワークが求められます。 各Moduleの詳しい情報や評価方法はImperialのウェブサイトで確認できるので、入学前に自分の専攻のModuleを調べておくといいと思います。 インペリアルカレッジロンドン: 試験前の過ごし方 試験前の過ごし方はFinalsとそれ以外で少し変わります。 Christmas TestとSpring Test ChristmasとSpring Testは試験の2週間前ほど前から準備を始めるようにしていました。まずその学期に扱ったノートを見直して、授業のレコーディングを見て、理解が曖昧なところを洗い出します。最後に過去問を解いて実践的な感覚を掴んでいくという流れです。 Finals Finalsではもう少し早めに動く必要があります。試験の1か月ほど前から準備を始めるのが理想的です。科目に優先順位をつけて、苦手な科目に多めの時間を割くようにしていました。特にHeat and Mass Transferは時間をかけて復習する必要があったので、他の科目よりも多く復習しました。 Finalsの期間は1か月ほどあるので深夜まで勉強し続けるよりも、ある程度の時間で切り上げてしっかり睡眠をとることを意識していました。1か月間のコンディションを整えることも大事だと感じています。 試験当日の流れ 試験はChemical Engineering学部の大教室で行われます。150席ほどある教室に、同じ専攻の学生が一堂に集まります。試験開始の15分ほど前に集合するのですが、まずLecture Hallにカバンや荷物を預けてから試験会場に入ります。電卓や筆記用具など必要なものだけを持って入室する形です。 試験時間は科目によってなりますが、10時集合で12時または13時までというパターンが多いです。途中で退出することも可能ですが、時間いっぱい使って見直しをする人が多いです。 試験のスケジュール 試験が終わったあとは気持ちを切り替えることが大事です。終わった試験の結果をいつまでも引きずっていても仕方がないので、次の試験に向けて気持ちを切り替えるようにしていました。 インペリアルカレッジロンドンの成績評価・再試験・留年制度 Imperialでは各科目で40%以上をとることが合格の基準です。40%を下回ってしまった場合はResit(再試験)を受けることになります。 再試験で40%以上を取れても、その科目の成績はCapped、つまり40%に固定されます。一つでもResitで40%に満たなかった場合は1年生をやり直す(留年する)ことになります。 この仕組みを知った時は正直かなり緊張しました。40%という数字だけ聞くと低く感じるかもしれませんが、試験の難易度を考えると余裕のある数字ではないです。特に苦手な科目は油断せずにしっかりと対策することが大切だと感じました。 最終的な成績評価は各科目の成績を合算して、最終評価が決まります。評価は以下の4段階に分かれています。 評価点数評価First70%以上最高評価。大学院進学や就職活動で非常に有利Upper second/ 2:1(ツーワン)60~69%多くの企業の採用基準はこのレベルを最低条件とするLower second/ 2:2(ツーツー)50~59%合格ではあるものの、就職などの際に選択肢が狭まることが多いPass40~49%最低限の進級ライン 一つでもResit(再試験)となった科目があると、その科目は40%で固定されてしまうので最終評価を著しく下げてしまう可能性があります。 試験は5、6月に行われ、結果は7月に発表されます。そこで再試験が必要かどうかがわかり、必要だった場合、8月にまたイギリスまで行かなければいけません。今は航空費がすごく高く、再試験一つとるだけなのに数十万円かかるので、必死に合格点を取れるように頑張っていました。 最後に Imperial College LondonのChemical Engineeringの試験は正直甘くはないです。範囲は広く、問題は難しく、試験期間中は体力的にも精神的にもきつい時期があります。 でも、日頃からしっかり授業の内容を理解しておき、試験前にちゃんと準備すれば乗り越えられると思います。試験が終わった後の達成感と開放感は格別で、その経験が自信につながっていきます。 この記事が海外大学での試験についてイメージするきっかけになれば嬉しいです。 https://passporter-media.com/articles/57-imperial-chemical-engineering/ https://passporter-media.com/articles/39/ https://passporter-media.com/articles/25/ https://jp.education-moi.com/article-50-imperial

海外大生の就活完全ガイド|就職ルート・スケジュール・海外大生ならではの強み

こんにちは。ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)で物理学を専攻していたAyatoです。この記事では、一般的に日本国外の学部課程を終了した後に、就職を見据えている方に向けた記事です。そのような海外大生の就職活動は、日本の大学生とはスケジュールや選考ルートが異なることが多いです。今回はは海外大生が利用できる就職ルート、ボスキャリ・ロンキャリ、ES・面接対策、スケジュールまで実体験を交えて解説します。 私は英国の大学所属でしたので、あくまでも情報は英国に限る場合もあることにご注意ください。また、就職活動に関する情報は毎年アップデートされますので、内容の正確性が担保できません。必ずご自身でご覧になっている時点での一次情報を確認するようにお願いいたします。あくまでも一意見として捉えていただければと思います。 はじめに:海外大生の就職活動はわかりにくい 海外大生の就職活動は、日本国内の大学生と比べて全体像が見えにくくなりがちです。理由の一つは、日本の就活スケジュールと海外大学の学年暦がずれていることです。日本では3年生の夏インターン、秋冬の早期選考、翌年春以降の本選考という流れが意識されやすい一方、海外大学では試験、卒論、長期休暇、卒業時期が日本の制度と一致しないことがあります。 また、海外大学の卒業時期が日本企業の4月入社と合わない場合がほとんどです。9月卒業や12月卒業の場合、春入社だけでなく、秋入社、通年採用、既卒採用、海外大生向け選考などを確認する必要があります。 さらに、日本の就活情報は国内大学生向けに作られていることが多く、就職活動に関する情報をよく知っている人とも出会いにくいです。これは、単純に日本人が少ないからという理由と、海外大学の場合、卒業後に就職活動を始める人が多いからです。そのため、海外大学にいる日本人学生の場合、通常選考だけでなく、海外大生向けの選考ルートやバイリンガル向け就活イベントを自分で探す姿勢が重要です。 海外大生の主な就職ルート 海外大生が使いやすい就職ルートは一つではありません。一般的には、次のような選択肢があります。順不同です。 日本企業の通常選考 第一に、日本企業の通常選考です。国内大学生と同じ採用ページから応募する方法で、総合職などの新卒採用に応募します。ただし、卒業時期が合うかを事前に確認する必要があります。最大のメリットは、ボスキャリやロンキャリなど、参加者が殺到するため必然的に競争が激化する土俵にいるのではなく、ユニークな就職活動ができることです。 外資系企業の新卒・インターン選考 第二に、外資系企業の新卒・インターン選考です。外資系コンサル、金融、IT、メーカーなどでは、職種別採用やインターン経由の選考が行われる場合があります。 選考時期が早い企業もあるため、最終学年になってからではなく、早めに情報収集を始めることが望ましいです。私の周りでは大学1年生で内定をもらっている人もいました。 後述しますが、何かと文系の海外大生にはコンサルティングが人気なのでこの進路を考える人が実に多いです。ただし、長いものに巻かれることが自分にとって良いことなのかは他人とは関係ないので自己分析を通して最適な進路を見極める必要があります。 海外大生向け就活イベントの活用 第三に、海外大生・バイリンガル向けイベントです。代表的なものに、世界最大級のバイリンガルキャリアフォーラムであるボストンキャリアフォーラム(通称ボスキャリ)があります。ボストンキャリアフォーラムについては、最新情報を公式サイト(CareerForum.Net)で確認する必要があります。 これらのイベントでは、企業説明会、事前応募、面接、当日面接などが組み合わさっています。ただし、形式、参加企業、選考方法は年によって変わります。イベントに参加すれば就活が終わるというものではなく、事前準備が結果を大きく左右します。当日内定が出ると謳っていますが、良い企業から内定をもらいたい場合は、1ヶ月以上前から試験や面談などを繰り返し行う必要があります。 https://passporter-media.com/articles/58-career-event/ https://passporter-media.com/articles/46/ LinkedIn、大学のキャリアサービスなどを活用 第四に、LinkedIn、企業採用ページ、大学のキャリアサービスを使う方法です。LinkedInでは、企業や社員の情報、求人、インターン情報を調べることができます。海外大学のキャリアセンターも、英文履歴書、面接対策、現地就職の情報を提供している場合があります。 LinkedInのおすすめの使い方は、自分の目標とするポジションや職業に就いている人が、どのようなキャリアパスを経てそこに至っているかを整理することです。実際に調べてみると、実に多様なパスを描いて、現在のポジションに行き着いています。自分自身のキャリアの一歩目をどうするかということを考えることにもつながりますし、より具体的な将来像を描くことができる点でLinkedInは有用だと思います。 AIを活用した情報収集 最後に、言わずもがなですが、AIは活用しましょう。探したい情報が見つかっている場合は、検索→評価→記録のループを圧倒的に高速で回すことができます。 海外大生が就活で評価される強み 海外大生の強みは、単に「海外大だから有利」ということではありません。企業が求める能力に結びつけて説明できて初めて、説得力のあるアピールになります。 英語力 まず、英語力はわかりやすい強みです。ただし、資格の点数だけでなく、英語で授業を受けた経験、レポートを書いた経験、プレゼンをした経験、グループワークを行った経験などを具体的に説明すると、実務で使える能力として伝わりやすくなります。 異文化理解 次に、異文化環境で学んだ経験も重要です。海外大学では、異なる教育制度、価値観、議論の進め方の中で学ぶことになります。多様な背景を持つ学生と議論した経験は、チームで働く力、相手の前提を理解する力、自分の意見を論理的に伝える力として説明できます。 行動力・課題解決力 海外大生は自律的に情報収集し、行動する力を求められます。履修、住居、ビザ、生活、学業、就職情報を自分で調べる場面が多いため、未知の環境で課題を整理して動く力を示しやすいです。 グローバル視野 さらに、専門分野を英語で学んだ経験も強みになります。理系、社会科学、人文系を問わず、専門的な概念を英語で理解し、議論し、文章にした経験は、グローバルな業務や専門職で評価される可能性があります。日本と海外の両方の文脈を理解できる点も、国際展開を行う企業や多国籍チームでは価値になり得ます。 海外大生が就活で苦労しやすいポイント 一方で、海外大生ならではの就活上の難しさもあります。 日本とのスケジュールのずれ まず、日本の就活スケジュールを把握しにくい点です。日本では早期インターンや早期選考が進んでいる一方で、海外大生は試験や卒論に追われ、情報収集が遅れることがあります。 Webテスト・ES対策 また、WebテストやES(エントリーシート)対策に慣れていない学生も少なくありません。海外大学では日本式のESを書く機会が少なく、日本語で自己PRや志望動機を簡潔にまとめる練習が必要になります。 日本と海外の時差 時差のある面接対応も課題です。日本時間の午前中が海外では深夜になることもあり、学業や生活リズムとの調整が必要です。授業、試験、卒論、研究プロジェクトと就活が重なる場合は、優先順位を決めて計画的に動くことが求められます。 私自身も、忙しくなると忘れ物をしたり、予定を失念したりすることがあるため、タスクを一度にこなそうとせず、必ず段階的に進めるよう意識しています。急いで進めるよりも、一つひとつ確認しながら落ち着いて取り組むことが、結果的にはミスを減らし、近道になると感じています。 日本式ビジネスマナーや選考形式への理解不足 さらに、日本式のビジネスマナーや選考形式への理解不足も不利になり得ます。面接での話し方、メールの書き方、企業研究の深さ、志望動機の作り方などは、日本企業と外資系企業で期待される形式が異なる場合があります。英語メールの書き方ついては、私が記事を書いていますので、ぜひご覧ください! https://passporter-media.com/articles/47/ 特に聞かれやすいのが、「なぜ海外大学から日本で働くのか」という質問です。この問いに対しては、単に「日本人だから」「日本に戻りたいから」ではなく、日本で働く理由、業界への関心、将来のキャリアとのつながりを整理しておく必要があります。 海外大生が就活を始める前に整理すべきこと 海外大生が就活を始める前には、いきなり企業に応募するよりも、まず自分の前提を整理することが重要です。 考えるべき問いは、次のようなものです。 日本で働きたいのか、海外で働きたいのか 日系企業、外資系企業、専門職、総合職のどれを考えているのか 新卒一括採用に乗るのか、通年採用を探すのか 卒業時期と入社時期は合っているのか 自分の専門性を活かすのか、ポテンシャル採用を狙うのか 英語力を前面に出すのか、専門性を前面に出すのか 将来的に大学院進学を考えているのか これらを整理しないまま就活を始めると、企業選びや志望動機が曖昧になりやすいです。逆に、最初に方向性を整理しておくと、ロンキャリ、ボスキャリ、通常選考、外資系選考、大学院進学のどれを優先すべきか判断しやすくなります。結局いくつも有名な企業からの内定をもらっても、いくことができるのは自分の体の数しかないので、そもそも自分が本当に求めるものは何か、よく自分に正直になって考えてみる必要があると思います。 就活イベントに向けた準備 ボスキャリやロンキャリに参加する場合は、イベント当日だけでなく、事前準備が重要です。まず、参加企業を事前に確認し、興味のある企業には早めに応募します。企業によっては、イベント前に書類選考や面接予約が進む場合があります。 ボスキャリ当日の会場の様子(CFNウェブページより) 準備すべき書類としては、英文履歴書、日本語履歴書、場合によってはESがあります。自己PR、志望動機、学生時代に力を入れたこと(いわゆるガクチカ)は、日本語と英語の両方で説明できるようにしておくと安心です。 特に、次の質問には答えられるようにしておく必要があります。 なぜ海外大学に進学したのか なぜ日本で働きたいのか 海外経験を仕事でどう活かすのか 専攻と志望業界が違う場合、その理由は何か その企業でなければならない理由は何か 当日面接だけに期待するのではなく、事前応募を重視することも大切です。イベント後には、面接や説明会で得た情報を整理し、必要に応じてフォローアップを行います。 注意点として、イベントの雰囲気に流されすぎないことも重要です。有名企業だから応募するという理由だけでは、志望動機が弱くなります。複数社を受ける場合は、企業ごとの事業内容、職種、求める人材、働き方の違いを言語化する必要があります。 あとは、選考が進まなくても必要以上に落ち込まないことです。不採用になった場合でも、それを「自分の能力が不足している」と受け止めるのではなく、「企業が求めている人物像や働き方と、自分の経験・志向が十分に合わなかった」と捉える方が建設的です。そのうえで、次回に向けて、志望動機の伝え方、企業研究の深さ、自分の強みの示し方など、改善できる点を具体的に振り返ることが大切です。 https://passporter-media.com/articles/58-career-event/ ES・履歴書・面接で意識すべきこと 海外大生がES、履歴書、面接で意識すべきことは、海外大学での経験を日本の採用担当者にもわかる言葉で説明することです。専攻名だけでは内容が伝わりにくい場合があるため、具体的な授業、研究、プロジェクト、レポート、チームワークの経験を補足するとよいです。 英語力についても、資格や留学経験だけでなく、実務でどう使えるかに結びつけて説明する必要があります。たとえば、英語で資料を読む、海外メンバーと議論する、英語で発表する、専門分野の内容を英語で説明する、といった形です。 また、繰り返しにはなりますが「海外経験」をそのままアピールするのではなく、「海外経験を通じて得た能力」を伝えることが重要です。異文化適応力、論理的な説明力、自律的な学習力、困難な環境で継続する力など、企業が仕事で評価しやすい言葉に変換する必要があります。 文章を書く際には、抽象的な表現を避け、課題、行動、結果の流れで説明すると伝わりやすくなります。日本語のESでは、長く複雑な文章よりも、簡潔さと論理性が重視されます。 海外大生が就活で使える情報源 海外大生が就職活動で使える情報源には、次のようなものがあります。 各企業の新卒採用ページ CareerForum.Net LinkedIn 大学のキャリアセンター 外資就活ドットコム ONE CAREER OpenWork マイナビ国際派就職・リクナビなどの就活サイト 各業界の採用ページ OB・OG訪問サービス これらのサービスは、企業情報、選考体験、求人情報、イベント情報、口コミ、業界研究などに役立ちます。ただし、サービスの内容、利用条件、掲載企業、イベント情報は変更される可能性があります。冒頭に述べたように最新情報は必ず各公式サイトで確認する必要があります。 海外大生の就活スケジュール 海外大生の就活では、日本の一般的な就活スケジュールと海外大学の学年暦がずれることを前提に考える必要があります。外資系企業、コンサル、金融、ITなどでは、早期選考やインターン経由の採用が行われる場合があります。一方で、日系企業でも通年採用、秋入社、海外大生向け選考を用意している場合があります。 一般的には、2年生または最終学年の前の年から情報収集を始めると、選択肢を広げやすくなりますが、1年生から始めてはいけないというルールはないので目指すところがあるなら積極的に動きましょう。特に、インターン、説明会はもちろんのこと、面接も慣れなので、先んじてやるのが定石です。 また、海外大学では試験期間や卒論提出時期と面接が重なる可能性があります。就活をすべて一気に進めようとすると負担が大きくなるため、企業研究、書類作成、Webテスト対策、面接練習を分けて進めることが現実的です。 まとめ:海外大生の就活は「情報戦」と「言語化」が重要 海外大生の就職活動では、早めの情報収集と経験の言語化が重要です。日本の就活スケジュールと自分の卒業時期を照らし合わせ、通常選考、外資系選考、ロンキャリ、ボスキャリ、通年採用、大学院進学などの選択肢を整理する必要があります。 海外経験は、それだけで評価されるものではありません。英語力、異文化適応力、自律的に行動する力、専門分野を英語で学んだ経験、多様な価値観の中で議論した経験を、企業が求める能力に結びつけて説明することが大切です。 ロンキャリやボスキャリは、海外大生にとって有力な機会になり得ます。しかし、イベントだけに依存するのではなく、企業採用ページ、LinkedIn、大学のキャリアサービス、就活サイト、OB・OG訪問などを組み合わせて使うことが重要です。 最終的には、自分がどの市場で、どの職種として評価されたいのかを考える必要があります。日本語と英語の両方で自分の経験を説明できるようにし、自分の状況に合わせて現実的に準備を進めることが、海外大生の就職活動では大切です。 この記事は一般的な情報を整理したものであり、最新情報や個別の応募条件は必ず各公式サイトで確認してください。

日本の高校からイギリスの大学は夢じゃない!ファウンデーションコース完全ガイド

こんにちは、編集長のMidoriです!今回はイギリスのFoundation Course(ファウンデーションコース)について、現役イギリスの大学生でもあるPASSPORTERライターの体験談を交えながら全体像を紹介していきます。 一般的な日本の高校卒業だけではイギリスの大学入学資格がないため、直接進学できません。そのため、多くの日本人はファウンデーションコースを経てから進学します。この記事では、ファウンデーションコースの概要・種類・費用・英語力・授業内容・学部進学の流れまでの情報をまとめました。 そもそもファウンデーションコースとは? ファウンデーションコースとは、イギリスの大学進学準備課程のことです。イギリスの大学入学資格であるA-LevelやIB(国際バカロレア)を取得していない人向けに設けられたプログラムで、日本だけでなくアジア・中東・東欧など世界中の留学生が受講しています。 イギリスの高校生は最後の2年間でSixth Formという課程で大学の専攻に直結した専門的な勉強をします。つまり入学前から既に大学レベルの専門基礎を学んでおり、大学1年次から専門的な内容がスタートします。しかし日本の高校では専門的な学びをすることはないため、その準備として1年間のファウンデーションコースに通います。 ファウンデーションコースを修了すれば、イギリスの大学進学資格を得られ、学部課程に進むことができます。 ファウンデーションコースが不要な場合 ただし、日本の高校だからファウンデーションコースが必要というわけではないです。前述の通り、イギリスの大学入学資格であるA-levelやIBがない人向けですので、これらの資格を高校で取得していればそのまま進学できます。日本国内の高校でも、インターナショナルスクールなどでA-levelやIBを取得している場合はファウンデーションコースに通わなくてもイギリスの大学入学資格があります。 例外:ファウンデーションコースでは進学できない大学 イギリスのほとんどの大学はファウンデーションコース経由で進学できますが、主にトップ大学で一部例外があります。例えばUniversity of Oxford(オックスフォード大学)、University of Cambridge(ケンブリッジ大学)、Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)など一部の最難関大学や医学部は、ファウンデーションコースからの進学を認めていません。これらを目指す場合は、A-LevelやIBの取得が必要です。 イギリスの大学制度 ファウンデーションコースの詳細を説明する前に、イギリスの大学制度について理解しましょう。イギリスの大学は日本と異なり、医学部などを除き3年間でBachelor(学士号)を取得できます。1年次から専門科目がスタートするため、日本のような一般教養の期間がない分、学習密度は高いです。ファウンデーションコース(1年)+大学(3年)=計4年で、日本の大学と同じタイミングで卒業できる計算になります。 なお、スコットランドの大学は一般的に4年制ですが、ファウンデーションコース修了後に認定を受けた場合は3年次からの編入も可能です。 ファウンデーションコースの種類 ファウンデーションコースは、大きく分けて3つの形態があります。 ① 大学付属型(University-based Foundation) 大学が直接運営するコースです。規定の成績を修めれば、その大学の学部課程への進学が保証されるケースが多いです。もちろん要件を満たせば他の大学に進学することも可能です。こちらは既に行きたい大学が決まっている人に最適です。ただし、入学要件が他の形態より厳しい傾向があります。 代表例: King's College London(KCL/キングスカレッジロンドン)、University College London(UCL/ユニバーシティカレッジロンドン)、Goldsmiths University of London(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ)、The University of Manchester(マンチェスター大学)、University of Leeds(リーズ大学)など Ayano(KCL/PPE専攻) 大学付属型のファウンデーションコースだと、ファウンデーションからその大学への入学がある程度保証されています。また、ファウンデーションの後の進路に融通が利きやすいのも大学直営のものだと思います。 ② 民間教育機関型(Independent/Pathway Provider) INTO、Kaplan、Study Groupなどの教育機関が提供するコースです。複数の提携大学への出願が可能で、志望校がまだ決まっていない人や、幅広い選択肢を持ちたい人に向いています。大学のキャンパス内に設置されているセンターもあります。 代表例: INTO(University of Manchester、Newcastle University(ニューカッスル大学)など複数大学と提携)、Kaplan International College https://jp.education-moi.com/universities/uk/foundation ③ 日本国内受講型(NCUK International Foundation Year) NCUK(英国大学連盟)が認定するコースで、日本国内にいながら受講できます。マンチェスター大学、ブリストル大学、リーズ大学などラッセルグループ※を含む60以上の大学が認定しており、修了後はNCUK加盟大学への進学が保証されます。渡航前に合格が決まるため安心感があり、滞在費・生活費を節約できるのも大きなメリットです。 ※1994年に設立されたイギリスを代表する24の主要研究型大学からなる連盟です。オックスフォード大学やケンブリッジ大学、インペリアルカレッジロンドン、UCLといった、世界トップ10に名を連ねる名門校も加盟しています。 ファウンデーションコースにかかる費用 費用は「学費」と「生活費」に分けて考えましょう。 学費の目安 コース種類学費の目安(年間)ラッセルグループ大学付属型1.8万〜2.5万ポンド※(約387〜538万円)民間教育機関型(INTO、Kaplanなど)1.5万〜2万ポンド※(約323〜430万円)NCUK(日本国内受講)約178万円〜 ※1ポンド=215円として換算 生活費の目安 生活費はロンドンか地方かで大きく異なります。 都市月額生活費の目安ロンドン1400〜1800ポンド※(約30〜39万円)/月マンチェスター・リーズなど地方都市800〜1200ポンド※(約17〜26万円)/月 ※1ポンド=215円として換算 ロンドンか地方かを選ぶだけで、1年間のトータルコストが100万円単位で変わることもあります。 奨学金 費用が心配な方は奨学金もあります。大学によってはファウンデーション修了時に上位の成績を収めた学生への奨学金制度(Progression Scholarshipなど)を設けているほか、INTOやKaplanなど民間機関の奨学金もあります。日本の奨学金(JASSO、民間奨学金など)との併用も可能な場合があるため、早めに調べ、申請準備を進めましょう。 https://passporter-media.com/articles/52-uk-university-scholarships/ ファウンデーションコースへの出願 出願に必要な書類 コースや学校によって異なりますが、一般的には以下の書類が必要です。 英語力証明書(IELTS for UKVI):スコアの目安はIELTS 4.5〜5.5(overall)。学生ビザ取得のためにもIELTS for UKVIを受験しておくのが確実です 高校の成績証明書(英文):5段階評価換算で2.5〜4.0以上が目安(コースにより異なる) 高校の卒業証明書(英文) 志望動機書(Personal Statement):不要なコースもあり 推薦状:高校の担任や教科担当教員から1通(不要なコースもあり) パスポートのコピー なお、ファウンデーションコースはUCAS(イギリスの大学共通出願システム)ではなく、各学校に直接出願するのが基本です。コースごとに出願スケジュールが異なるため、早めに各校の公式サイトを確認しましょう。 条件付き合格(Conditional Offer) 高校在学中に出願した場合、最終成績を提出する前の段階では「条件付き合格」となるのが一般的です。卒業証明書や最終成績の提出後に無条件合格となり、ビザ申請などの次のステップに進めます。 ファウンデーションコースの1年間 学年暦 ほとんどのコースはイギリスのAcademic Year(学術年度)と同様、9月開始・翌6月終了の3学期制です(一部2学期制のもあります)。期間中には約3週間のChristmas Break(クリスマス休み)と約2、3週間のEaster Break(イースター休み)があります。 Kotoko(Goldsmiths/メディア専攻) 私が通ったファウンデーションコースはGoldsmithsのInternational Foundation Certificate in Media, Culture & Societyです。授業は週3日で1日2コマ(1コマ約1時間半)。3学期制で、3学期は復習期間として最後の試験に向けて自分で学習を進めるスタイルでした。 学習内容 ファウンデーションコースでは主に以下を学びます。 EAP(English for Academic Purposes/アカデミック英語):論文の読み方、エッセイの書き方、引用の仕方、プレゼンテーション、リサーチ手法など 専門基礎科目:志望する学部に応じた科目を選択(ビジネス、工学、理系科学、人文社会学など) アカデミック英語が身につく ファウンデーションコースは語学留学とは異なり、単に英語を学ぶだけではありません。エッセイ課題、リーディング課題、セミナーでのディスカッションを通じて、大学の授業についていけるレベルのアカデミック英語が養われます。これはその後の学部生活を大きく左右する、ファウンデーションコースの最大の財産です。 Ayano(KCL/PPE専攻) ファウンデーションコースでは、アカデミックな英語の書き方・読み方・話し方を徹底的に鍛えられました。エッセイの構成、論文の引用の仕方、セミナーでの議論の進め方など、学部に入ってから当たり前のように求められるスキルを、ここで基礎からしっかり身につけることができました。 進学後を見据えた専門的な授業が受けられる 大学直営のコースでは、希望する学部の授業を数コマ受けられる機会があり、学部進学前から大学の本授業を体験できます。ファウンデーションで学んだ内容が学部の授業と直結しているケースも多く、進学後のスタートダッシュにつながります。 Ayano(KCL/PPE専攻) 受講したKCLのファウンデーションで4つの授業を取りました。「Global Politics」では権力や民主主義を各国のケーススタディで学び、「Social Sciences」では社会科学という学問の考え方・研究方法を掘り下げました。実際にPPEへ進学してからも、ファウンデーションの内容と重なる部分が多く、身になっているなと日々感じています。 Social Sciencesの授業の様子 授業スタイル イギリスの授業スタイルは日本とかなり異なります。大人数のレクチャー(講義)に加え、少人数のセミナーが組み合わさっています。セミナーでは事前のリーディング課題をもとにディスカッションを行い、クリティカルシンキング(批判的思考)が鍛えられます。発言することが当たり前の文化なので、最初は戸惑う人も多いですが、慣れると楽しくなってきます。 Ayato(UCL/物理学専攻) UCLのファウンデーションコースは1クラス10人程度と小規模で、先生や学生ととても仲良くなれる環境がありました。友達を作りやすく、成績も試験、プレゼンテーション、エッセイなど多様な観点で評価されます。強みを伸ばしながら改善できるところをバランスよく勉強するのがコツです。 必要な英語力 ファウンデーションコース入学時 ファウンデーションコースへの入学には、一般的にIELTS overall 4.5〜5.5程度の英語力が必要です。英語力が足りない場合は、渡英前に語学学校などで準備する必要があります。 コース目安となるIELTSスコア(Overall)標準的なコースIELTS 4.5〜5.0上位大学のコース(KCL、UCLなど)IELTS 5.0〜6.0 学部進学時 ファウンデーションコースを修了してイギリスの大学学部に進学する際には、多くの場合IELTS 6.0〜7.0のスコア提出が求められます(大学・学部による)。ファウンデーション在学中に受け直す必要があることも多いため、入学前から計画的に勉強を続けましょう。 なお、NCUKのファウンデーションコースを修了した場合、修了時の英語モジュール結果が一定基準を満たせば、IELTSスコアを免除してくれる提携大学もあります。 高校3年間で何を準備すればいい? 高校の段階からイギリスの大学へ進学を視野に入れている人向けに、高校生のうちにできる準備をお伝えします。 高1〜高2 まずは英語の基礎固めが最優先です。英検2級〜準1級、IELTS 4.5以上を目指して、毎日コツコツと取り組みましょう。あわせてどんな分野を大学で学びたいかを意識して、得意科目を伸ばしておくと、後のコース選択がスムーズになります。 高3春〜夏 志望するコース・大学のリサーチを始める時期です。大学付属型を狙うなら、志望大学のファウンデーションコース情報を公式サイトで確認し、必要なIELTSスコアや高校の成績要件を把握しましょう。IELTSは複数回受験できるので、この時期に一度受けてみるのがおすすめです。 Ayano(KCL/PPE専攻) 高校2年生の終わり〜3年生の春にかけて、どういう大学に行きたいか、行きたい大学がファウンデーションコースを提供しているか、そのファウンデーションコースから希望の学部に進めるかを調べながら、出願準備を本格的に始めました。 この時期のチェックリスト: 志望大学・コースのリストアップ 必要書類(英文成績証明書など)の準備方法を高校に確認 IELTSの初受験 留学エージェント・カウンセラーへの相談 高3秋〜冬 出願の本格的な準備期間です。Personal Statement(志望動機書)の作成、推薦状の依頼、英文書類の発行手続きなどを進めます。海外大学への進学実績がない高校だと不慣れのため書類の発行に時間がかかる場合があるため、早め早めの行動が大事です。また、多くのコースは1年前から出願受付を開始しており、人気のコースほど早く埋まるため、準備は計画的に進めましょう。 この時期のチェックリスト: IELTSで必要スコアを取得 Personal Statementの執筆・添削 推薦状を先生に依頼(余裕をもって) 英文成績証明書・卒業証明書の取り寄せ 各コースへの出願 Kotoko(Goldsmiths/メディア専攻) 私が高3の時にIELTS対策のために作った単語帳です! ファウンデーションから学部進学 ファウンデーションコース修了後、規定の成績を満たすことで学部へ進学できます。 学部進学の成績条件 成績条件はコース・大学・学部によって異なりますが、一般的には以下の2点が求められます。 ファウンデーションコースの修了成績が規定のスコア以上(コースにより異なる) IELTSスコア(6.0〜7.0程度)の提出 Ayano(KCL/PPE専攻) KCLの学部へ進学する場合は最低でも総合成績65%以上でファウンデーションを修了する必要があります。65%以上で進学できるコースもあれば、70%以上が条件となるコースもあります。つまり64%以下だと実質failとなるので、成績管理がとても重要でした 成績が規定に達しない場合、志望学部への進学が保証されないケースもあります。ファウンデーションコースに入学すること以上に、在学中の成績が重要だということを意識しながら頑張りましょう。 学部出願はUCASから 学部への出願はUCAS(Universities and Colleges Admissions Service)という共通出願システムを通じて行います。最大5校まで同時に出願が可能で、ファウンデーション在学中に手続きを進めます。 Ayato(UCL/物理学専攻) UCLファウンデーションコースから学部への進学は大学が全面的にサポートしてくれます。システム上UCASで出願する必要がありますが、大学が推薦してくれるので合格率は高いです。ただし注意点が2つあって、①1学期の終わりに出される予想成績が出願する学部の要求を満たせないと出願できないこと、②進学できる学部がコースのpathwayによって決まっていること、これらを最初から意識しておくことが大切です。 よくある誤解Q&A Q. ファウンデーションコースに入れば、どの大学にでも進学できる? A. いいえ。オックスフォード・ケンブリッジ・インペリアルカレッジロンドンや医学部など、ファウンデーションコースからの進学を受け付けていない大学・学部があります。これらを目指す場合は、A-LevelやIBの取得が必要です。 Q. 英語が苦手でも入れる? A. IELTS 4.5程度(英検2級相当)があれば入学できるコースも多いです。ただし、入学後は授業がすべて英語のため、ある程度の基礎力は必要です。英語力が足りない場合は、事前に語学学校で準備しましょう。 Q. ファウンデーションコースは「留年」みたいなもの? A. そうではありません。日本の大学(4年)と同じ年数で、世界レベルの学士号を取得できます(ファウンデーション1年+学部3年=計4年)。 Ayano(KCL/PPE専攻) 日本の高校卒業だと直接イギリスの大学へ進学できないためハードルが高く感じるかもしれませんが、私はむしろファウンデーションコースを通しての学部課程進学で良かったと感じています。ファウンデーションは学部での勉強の準備だけでなく、そもそも留学の準備期間になるからです。ファウンデーションがあったからイギリスでの生活や英語圏での勉強に慣れることができたと思います。 Q. 日本の大学を受験しながら、ファウンデーションコースの出願もできる? A. はい、可能です。ファウンデーションコースの出願は各校に直接行い、入学を確定するのは高校卒業後でも間に合います。国内大との併願を考えている場合は、留学エージェントやカウンセラーに相談しながらスケジュールを調整しましょう。 Q. 高校の成績が良くなくても大丈夫? A. ファウンデーションコースへの入学条件は、直接大学に進学するよりも緩やかなケースが多いです。大学によっては評定平均2.5〜3.0程度から受け付けているコースもあります。ただし、上位大学付属のコースは条件が高めに設定されているので、志望校を確認してください。 まとめ:ファウンデーションはイギリス大学への橋渡し ファウンデーションコースは、日本の高校生がイギリスの大学に進学するための「正規のステップ」です。1年間の準備期間を通じてアカデミック英語・専門基礎知識を身につけ、イギリスの生活に慣れることで、大学入学後も自信を持って勉強に臨めます。 「今の英語力や成績では無理かも」と思っている方も、まずは情報収集から始めてみてください。ファウンデーションコースには、そこから逆転できるルートが整っています。 PASSPORTERでは、実際にファウンデーションコースを経てイギリスの大学に進学したライターたちの体験談を発信しています。気になった方はあわせてチェックしてみてください。 https://passporter-media.com/articles/14/ https://passporter-media.com/articles/16/ https://passporter-media.com/articles/19/ https://passporter-media.com/articles/35/ https://passporter-media.com/articles/30/ https://passporter-media.com/articles/41/ https://passporter-media.com/articles/49-kcl-foundation/

インペリアルカレッジロンドン化学工学1年目の授業|難易度や勉強のコツ

こんにちは、Kenshuです。今回はImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のChemical Engineering(化学工学)1年生として実際に経験した授業内容と、難易度、勉強時間、学生生活のリアルを紹介しようと思います。 「理系の名門大学の授業ってどんな感じなんだろう」「勉強についていけるかな」と不安に思っている人も多いと思います。入学前の僕がまさにそうでした。この記事がこれからイギリスの理系大学を目指すみなさんの参考になれば嬉しいです。 今回紹介する内容はChemical Engineering学部での体験をもとにしています。同じImperial College Londonでも他の工学系、理系の専攻では授業内容や形式が異なります。 インペリアルカレッジロンドンのChemical Engineering(化学工学)では何を学ぶ? 1年生のカリキュラムは大きく分けると数学、化学、工学の基礎科目が中心です。主に以下の科目があります。 Mathematics : 微積分、線形代数、常微分方程式など。化学工学のあらゆる科目の土台になるので、ここで躓くとあとあとかなり苦しくなります。 Chemistry : 有機化学、物理化学など。反応メカニズムや分子レベルの理解が求められます。 Thermodynamics(熱力学): エネルギーの変換や効率を扱う科目で、化学工学の根幹ともいえます。僕が1年間で一番苦労した科目です。 Fluid Mechanics(流体力学):液体や気体の流れを数式で扱う科目。 Lab Work/group project:週1回ほど実験があり、毎回レポートの提出があります。 Coding:PythonやMATLABを使ったプログラミングの基礎も1年生から始まります。 他にもChemical Engineeringならではの科目として、Separation ProcessとProcess Analysis があります。Separation Processでは蒸留や吸収など、混合物を分離するプロセスを学びます。Process Analysis では化学プラント全体の設計や最適化を扱います。これらはA-Levelでは全く触れなかった分野で、Chemical Engineeringらしさを一番感じられる科目だと思います。 日本の大学と大きく異なるのは、1年生から専門科目が始まる点です。まず基礎から固めてから専門ではなく、入学した週から化学工学の世界に放り込まれる感覚です。最初は情報量の多さにびっくりしました。 一番苦労した科目:Thermodynamics(熱力学) 1年間を通して一番苦労したのが、Thermodynamics(熱力学)です。 Thermodynamics(熱力学)の授業の様子 熱力学はエネルギーの流れや変換を式で表す科目です。概念そのものが直感的に分かりにくく、なぜそうなるのかが理解できないまま公式だけを暗記しようとすると、試験での応用問題に対応できなくなります。 インペリアルカレッジロンドンChemical Engineeringの授業形式 Chemical Engineeringの授業は講義、チュートリアル、実験という3つの形式があります。 Lecture Lecture (講義)は大きな講堂で行われ、教授がスライドや板書を使いながら説明します。1コマ1時間で、週に各教科複数回あります。科目によって講義数が異なります。講義を録画してくれる科目もありますが、直接出席した方が個人的には授業の理解度が上がると思います。 大人数の講義が行われる講義室 Tutorial Tutorial(チュートリアル)は10〜20人ほどの少人数クラスで行われる演習形式の授業です。実際に問題を解きながら各科目の理解度を深めていきます。各科目2週間に1回Tutorialがあります。Lectureで分からなかったことをTA(ティーチングアシスタント)や教授に直接質問できる貴重な時間なので、積極的に活用することをおすすめします。 Lab work/Group Project Lab work/Group Projectは週に1回、合計で3プロジェクトほどあります。実験自体は3〜4時間ほどで終わりますが、その後にレポートを書いて提出する必要があります。このレポートが思ったより時間がかかります。 Chemical Engineeringの実験(ラボ)で使った機材 Chemical Engineeringでのラボでは熱交換器の効率測定、流体の流量測定など授業で習った理論を実際の装置で検証する実験を行います。グループで分担しながら進めるので実験自体はそれほど難しくはないです。 難しい科目を乗り越えるための勉強のコツ 1年間を通じて難しい科目を乗り越えるためにいくつか意識してきたことがあります。 TAに積極的に質問する 一番効果的だったのはTutorialでTAへの質問を積極的に活用することです。特にThermodynamicsで行き詰まった時、TAに直接質問するようにしたところ、教科書を読むだけでは気づけなかった概念の本質を掴めるようになりました。最初は「こんな基本的なことを聞いてもいいのかな」と躊躇しましたが、丁寧に教えてくれるので遠慮せずに行くのがおすすめです。 分からないことを後回しにしない 次に意識していたことは分からないことをその週のうちに解決することです。化学工学の科目は積み上げ式になっているものが多く、前の週の内容が理解できていないと次の週についていけなくなります。「後で復習しよう」と後回しにしていくと、気づいた時には取り返しがつかない状況になっていることがあります。 YouTubeやAIなどのツールの活用 あとは、YouTubeでの解説動画やAIを活用していました。どうしても理解ができない時に解説動画を探して見ると、別の角度からの説明で急に腑に落ちることがあります。 1日・1週間のスケジュール:授業時間と勉強時間 大まかな1日のスケジュールはこんな感じです。   月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日午前Lecture① Chemistry Lecture② Separation ProcessLecture③Heat and Mass TransferLecture① Separation Process Lecture② ThermodynamicsLecture③MasteryLecture① Chemistry Lecture② MathematicsLecture① Separation ProcessLecture② Thermodynamics Lecture③Heat and Mass TransferLecture① MathematicsLecture② Chemistry Lecture③ Chemistry午後Process Engineering LabーーProcess Engineering Labー夜レポート作業復習・予習復習・予習復習・予習ーLab Work/Group Project(実験)があり、Tutorial(チュートリアル)がない場合の時間割 朝9時か10時ごろにLectureが始まることが多く、午前中には2から3コマあります。昼食は友達と学食やキャンパス近くのレストランで食べることが多いです。午後にはTutorialやLab Workが入っている日は夕方まで大学にいることになります。 授業が終わった後は自習の時間や友達とどこかに遊びに行くことが多いです。 週単位で見ると、週に15時間ほど授業があり、またそれ以上の自習時間が必要になってきます。 インペリアルカレッジロンドンの授業の難易度 Imperial College Londonは世界大学ランキングで常にトップ10に入る大学です。入学してみて感じたのは、その名前に恥じない難しさがあるということです。 まず授業のペースが速く、高校までは1つのトピックにじっくり時間をかけて学ぶことが多かったですが、Imperialでは1週間で次々と新しい内容が積み上がっていきます。先週の内容をまだ消化しきれていないのにもう次のトピックに移るという状況が最初のうちはよく起きていました。 難しいからこそ得られるものも大きいと感じています。1年間を乗り越えた後に振り返ると、入学前には想像もできなかったレベルの内容を理解できるようになっていました。 大学の授業とA-Levelの違い Imperialに入学する前はA-Levelで化学、物理、数学、応用数学などを勉強していました。A -Levelの勉強とImperialの授業を比べると、いくつか大きな違いがあります。 まず内容の深さが全然違います。A-Levelの各科目は基礎をしっかり固めるイメージですが、Imperialではその基礎を前提として、さらに深い内容へと一気に進んでいきます。例えば数学では、A-Levelで扱った微積分の概念がImperialでは多変数関数や偏微分へと発展し、化学ではエンタルピーやエントロピーといったより抽象的な概念へと発展していきます。 そのため自然と自習の量も大きく変わります。A-Levelの時は授業で教わったことを復習する程度でしたが、Imperialでは授業時間と同じかそれ以上の自習時間が必要になります。自分でスケジュールを管理して、勉強を進める姿勢が求められます。 最後に Imperial College Londonの1年生では授業や課外活動などがいろいろ詰まった毎日です。この記事が海外大学生活のリアルな日常を少しでもイメージするきっかけになれば嬉しいです。 https://passporter-media.com/articles/18/ https://passporter-media.com/articles/27/ https://passporter-media.com/articles/39/ https://jp.education-moi.com/article-50-imperial

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