Articles

英国ボーディングスクールから理系の名門大学インペリアルカレッジロンドンへ

 初めまして、Kenshuと申します。19歳で、香港で生まれ育ちました。幼少期から香港のインターナショナルスクールに通い、4年前からイギリスに留学しています。現在ロンドンのImperial College London(インペリアカレッジロンドン)でChemical Engineering(化学工学)を学んでいます。

香港で生まれ育ち、イギリス: Concord Collegeへ留学するまで

小さい頃、父のお仕事の影響で日本と香港を行き来していました。小学校から中学2年生までは香港のインターナショナルスクールに通っていました。途中、日本の中学受験をしたものの、香港に残ることにしました。2019年以降新型コロナウイルス感染症が世界各地で繰り返し流行り、深刻な問題になっている真最中、私はイギリス留学を決め、海を渡りました。2021年の9月に一人でイギリスに渡り、今までの4年間を過ごしてきました。

イギリスでの学校選びにはそれほどの時間をかけませんでした。いくつかの学校に応募し、最初に合格が決まったところに行くことにしました。私が行くことになったボーディングスクール(全寮制学校)はイングランド西部のShrewsbury(シュルーズベリー)にあるConcord College(コンコルドカレッジ)という高校です。

Concord Collegeの校舎
Concord Collegeの校舎

英国ボーディングスクール生活での戸惑いとホームシックの日々

最初の数日は英語で流暢に話し合う生徒たちを見て、会話にうまく入れなかったです。イギリス英語特有のアクセントやスラングを理解しようと必死でした。英語は何年も勉強していましたが、実際に学業や日常生活で使うのはまったく別の経験でした。

戸惑いは言語だけではありませんでした。イギリスの気候は日本とは大きく異なり、灰色の空と頻繁な雨が毎日続き憂鬱でした。食事にも全く慣れず、食堂で出会ったのはシェパーズパイやジャケットポテト、フィッシュアンドチップスばかり。日本のご飯が恋しくてたまりませんでした。

Concord Collegeのグラウンド
Concord Collegeのグラウンド

寮生活の思い出

Concord Collegeでは70%が寮生徒、30%が現地生です。全寮生徒には一人部屋を与えられました。私がForm4(中学3年)、Form5(高校1年)にいたときは小さい部屋でしたが、Form 6(高校2、3年)に入るともっと大きい部屋を与えられました。そこで夜遅くまで友達とゲームをしたりするのが一番の思い出です。

毎朝7時半に点呼があり、8時にダイニングホールで朝食を食べます。8時半に授業が始まり、午後4時まで9時限(1時限35分)あります。その間に昼休みと中休みが挟みます。4時に授業が終わると自由時間になり、私は毎日自由時間に昼寝をしていました。

6時半から8時10分までの100分間はprep timeという自習時間があります。全生徒が教室などに集って自習します。最初はすごく面倒で退屈な時間だなって思っていましたが勉強が忙しくなるにつれ、とても重要な時間になってきました。prep timeが終わると10時まで課外活動やクラブ活動が始まります。

課外活動

バレーボールとサッカーに打ち込んだ日々

私は学校のバレーボールとサッカーのチームに所属していました。毎週火曜日と日曜日はバレーボールの練習です。水曜日には他校との親善試合があり毎週それに向けて練習をしていました。Concord Collegeでの一番の思い出はバレーボールチームにいたことかもしれません。

一緒にバレーボールに打ち込んだ仲間たちと
一緒にバレーボールに打ち込んだ仲間たちと

サッカーは毎週日曜日の午後にトレーニングがありました。イギリスはサッカー大国なのでみんなすごく上手でAチームに入るのにすごく大変でした。最終学年になった時にやっとAチームのセンターバックのスタメンをもらって嬉しかったのを鮮明に覚えています。

Aチームは日本で言う1軍のことで、全部で50人以上いる部員から15人ほどしか選ばれません。Aチームに入るには基本的に監督による評価、練習試合のパフォーマンスなどを総合的に見て選抜されます。Aチーム以外にもBチームがあり主に下の学年の生徒たちが所属します。

日本と香港には無いイベントの数々

クリスマスやハロウィーンになるとディスコやパーティーがよく開催されます。日本や香港の学校ではあまりない経験だったので友達とディスコに行ったときは圧倒されました。学外からDJを呼んでいたのでやっぱりイギリスの学校はすごいな〜って思いました。 毎年11月5日にあるBonfire Nightという日には学校で大きな花火が打ち上げられ、すごく綺麗です。

Concord Collegeで毎年Bonfire Nightで打ち上げられる花火
Concord Collegeで毎年Bonfire Nightで打ち上げられる花火

英国ボーディングスクールの授業内容

GCSE:理系科目が得意で、文系科目は必死

Concord Collegeのカリキュラムは、私がそれまで経験してきたものとは大きく異なっていました。最初の2年間では、GCSE(イギリスの中等教育修了試験)に取り組みます。選択科目からはHistory(歴史)、Geography(地理)、Computer Science(コンピューターサイエンス)、Statistics(統計学)の4つを履修しました。それからPhysics(物理)、Chemistry(化学)、Biology(生物)の3つの理系科目、English(英語)、Mathematics(数学)、Advanced Mathematics(応用数学)を選択しました。私は理系だったので地理、歴史、英語などの科目は苦手で、他の生徒たちについていくのに必死でした。

Concord College で一番ユニークだなって思うところがSaturday Testsという制度です。毎週土曜日に3つの科目の小テストがあります。科目は毎週ローテーションします。例えば、1週間目はMaths、Physics、Biology、2週間目はGeography、History、Computer Science、3週間目はEnglish、Statistics、Chemistryという感じです。特に2週間目はエッセイ科目が多く、その週の月曜日に復習を始めていたのですごく苦労しました。

2年目の5、6月になるとGCSEの試験が始まり、週に3、4つテストがありそれが2ヶ月間続きました。合計25テスト(9教科)を終えた後、2ヶ月間の溜まった疲れがどっと出てきてそれからの1週間は何もやる気が起きなかったです。

2年間のGCSEカリキュラムを終え、そのままConcord CollegeでA-levelに残ることを決めました。

A-Level:科目数が減り、内容が難しくなった

イギリスでは2年間のGCSEを終えた後A-levelカリキュラムに2年間取り組みます。A-levelでは数学、応用数学、物理、化学を選びました。どれも理系科目で自分の得意分野でもあり、大学でChemical Engineering(化学工学)を専攻したいと思っていたのでこの4つを選択しました。

選択する科目がGCSEより少ない分、内容は難しくなり、特に物理は理解するのにすごく時間がかかりました。A-levelでもSaturday Testsは引き続き実施され、毎週2科目になりました。A-levelではGCSEとは違って授業がないfree periodという時間も増え、より自由な時間割になりました。でも私は勉強ではなくほとんどの時間を寮に戻って昼寝をしていました。

GCSEと同様、A-levelを始めてから2年目の5、6月になると試験があり、6月末までに10テストを終えました。志望大学の進学条件で、私は化学で最高評価のA*をとらなければいけなかったので化学の試験当日は落ち着かなかったのを覚えています。化学のA*を取るには90%以上得点する必要があります。そのため、化学の復習には他の教科より多くの時間を費やしていました。

A-levelが終わるとConcord Collegeから卒業し、夏休みに入りました。

小学・中学・高校正規留学 – イギリスのボーディングスクール
小学生・中学生・高校生から行けるボーディングスクールへの正規留学をご紹介しています。学校選びから出願、受験対策まで、イギリスのボーディングスクール出身コンサルタントがサポートいたします。留学準備コース(英語レッスン、入学試験対策)同時申し込...

高校の勉強と両立しながら挑んだイギリス大学受験

私はイギリスの大学に行きたいという思いが昔からあり、Personal statement(志望理由書)などの準備に力を入れていました。Engineering and Science Admission Test(ESAT)の勉強だったり面接の準備だったり色々なことをやる必要がありました。Concord Collegeにいた最後の年は勉強と受験対策の両立で忙しくて大変でした。2025年の1月に運よくImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)からのオファーレターをもらうことができました。今でもその瞬間だけは忘れられないです。

※ESATは、University of Cambridge(ケンブリッジ大学)やインペリアルカレッジロンドンなどの理工系学部への出願者に課す入学試験です。

ESAT – UAT UK

インペリアルカレッジロンドンに進学

今年の9月にImperial College Londonに入学し、化学工学を専攻しています。

今はロンドンで大学生活を送っていますが、振り返ってみると15歳でイギリスに渡ったとき、不安だらけでした。言葉も文化も違う環境に飛び込んで、自信をなくしたこともあります。でも、その経験を通して、今まで気づかなかった自分の強さや、新しい視野を得ることができました。これからも留学に関する情報や経験を共有していき、少しでも同じ道を考えている皆さんの参考になれたらうれしいです!

世界2位の大学インペリアルカレッジロンドン!留学情報と学生の声
世界2位の大学インペリアルカレッジロンドン!留学情報と学生の声 Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)は、イギリス・ロンドンで120年近く続く歴史ある大学です。2025年の世界大学ランキングでは世界2...

関連記事

Related articles

【授業内容と学部進学方法】ロンドン大学ゴールドスミスカレッジのファウンデーションコース

こんにちは! Goldsmiths, University of London(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ)でメディアを勉強しているKotokoです。 今回は日本の高校卒業後に受講したファウンデーションコースでの1年間をご紹介します。どんなことを学んだのか、英語力がどれくらい伸びたのかなど、リアルな体験をお伝えします! ※私が経験したのはGoldsmithsのファウンデーションコースなので、他の大学とは違う部分もあるかもしれません。あくまで1つの体験談として読んでもらえたらと思います! 前回の記事では、「ごく普通の高校生だった私がイギリスの大学に合格するまでの道のり」について書きました。まだ読んでいない方はぜひそちらもチェックしてみてくださいね! https://passporter-media.com/articles/14/ ファウンデーションコースとは? ファウンデーションコースは、主に留学生を対象とした、イギリスの大学に進学するための準備プログラムです。英語力や学問的な基礎を1年間かけて学び、大学の授業についていける力を養います。 イギリスの大学は通常、A-levelやIB(国際バカロレア)などの国際的な資格を入学基準としています。日本の高校卒業資格だけではそのまま入学できないです。そのため、多くの日本人学生はこのコースを経て進学します。 https://jp.education-moi.com/universities/uk/foundation ロンドン大学ゴールドスミスカレッジのファウンデーションコース キャンパスはロンドン郊外 私が受講したのは、ロンドン南東部にあるGoldsmithsが提供しているファウンデーションコースです。 キャンパスはOverground(地上を走る鉄道)のNew Cross駅から歩いてすぐです。ロンドン中心部からは電車で30分ほどかかります。近くにはRoyal Observatory(グリニッジ天文台)で有名なGreenwich Park(グリニッジ・パーク)があります。 住宅街に位置しているため、中心地ほど便利なわけではありません。その反面、落ち着いたローカルな雰囲気の中で大学生活を送ることができます。 ただし、夜は少し治安が悪いという声もあり、注意が必要なエリアだと感じます。 ロンドン大学ゴールドスミスカレッジのRichard Hoggart Building キャンパスの雰囲気と施設 Goldsmithsは、アート、デザイン、メディア、カルチャーなどクリエイティブな分野に強いことで知られています。それを体現しているように、キャンパス全体に自由な表現があふれています。壁にはアート作品が展示されていたり、学生によるエキシビションが定期的に開催されたりしています。 キャンパスの中心にはRichard Hoggart Buildingというメインの建物があります。それを囲むようにアート系やメディア系など、専門分野ごとに建物が分かれています。 私が所属しているメディア学科にはラジオ制作のためのブースなどがあり、技術的なスキルを学ぶ環境がしっかり整っています。 ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ: キャンパス内にあるラジオ制作のためのブース Richard Hoggart Buildingの隣には24時間利用可能な図書館があります。豊富な蔵書はもちろん、パソコンの貸し出しや印刷機、会議室なども充実しています。このように、学習をサポートする設備には困りません。 また、キャンパスの中央には芝生が広がっています。春から夏にかけてそこで昼食をとったり、お昼寝したりと、のんびりと過ごす学生が多いです。 キャンパス内にはいくつかのカフェがあります。中でもGoldsmiths Students' Union※(学生組合)が運営するカフェは、他のカフェよりも価格が手頃です。飲み物や軽食も美味しく、私のおすすめスポットです。 ※Students' Unionは学生の声を大学に届けたり、クラブ活動やイベントの企画・運営、サポートを行う組織です。 ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ: Students’ Unionが運営するカフェのストロベリー抹茶 ファウンデーションコースの授業内容と評価方法 私はメディアについて勉強したかったので、 GoldsmithsのInternational Foundation Certificate in Media, Culture & Societyを選びました。 授業は週3日で、1日に2コマ(1コマ約1時間半)あることが多かったです。 カリキュラムは3学期制です。秋から冬までの1学期は専門分野の授業と英語の授業を受けます。冬休み明けからイースター休みまでの2学期も同じような形で授業が続きます。 3学期は復習期間で、毎週授業があるわけではないです。3回ほどの復習授業があるほか、主に最後の試験に向けて自分で勉強するスタイルでした。  専門分野の授業 ファウンデーションコースは大学での学びに備えるための準備コースであり、進学後を見据えた専門的な授業を受けられるのも魅力の一つです。 専門分野の授業では、1コマ目に大学1年次のlecture(講義)を受けます。続く2コマ目にファウンデーションコースの学生向けseminar(セミナー)が行われます。セミナーでは、先生が講義内容をわかりやすく解説してくれます。 初めて講義を受けたときは、教授の話がほとんど理解できず、正直かなり焦りました。その後のセミナーは留学生向けに行われるため、先生が簡単な英単語を使って丁寧に説明してくれたので、ほっとしたのを覚えています。 セミナーは解説を聞くだけでなく、discussion(ディスカッション)が中心です。クラスメイトは同じ学科の学生たちで、人数が少なく、アットホームな雰囲気があります。最初は緊張しながらも発言しやすかったです。専門知識の理解だけでなくスピーキング力も自然と伸ばすことができました。 評価方法 基本的に学期ごとに出されるエッセイで行われます。トピックや文字数は授業や先生によってまちまちです。ファウンデーションコースの学生にはtutor(チューター)と呼ばれる担当教員が付いていて、エッセイのテーマ決めから構成、内容まで相談することができます。チューターと一緒にプランを立てたあと、自分でエッセイを書き上げて提出します。 英語の授業(Reading/Writing/Speaking) ここでは、アカデミックな英語力を身につけるために、Reading, Writing, Speaking(リーディング、ライティング、スピーキング)の3つのスキルに分かれて授業が行われました。リスニングに関しては、授業全体が英語で行われるため、リスニング専用の授業はありませんでした。専門分野の授業と異なり、ここでは他の学部を目指している学生たちと一緒に学びました。 ここからは、スキルごとにどのような内容の授業があったのかをご紹介していきます。 Reading リーディングの授業は、1学期と2学期を通して行われました。初回の授業で、リーディングの問題がたくさん載っている冊子が配られました。そこには1週間ごとに課題が設定されており、順番に解いていく形式で進められました。 宿題は、例えば次の週がWeek 3の場合、「Week 3」と書かれた長文を読み、それに付随する設問をできるだけ自力で解いてくる、という感じでした。そして授業で答え合わせをしながら、内容に関連したディスカッションをします。 評価方法 学期末には、それまで取り組んできたのと似た問題が出題され、時間内に長文を読んで設問に答える形式のテストが行われました。 時間制限がある中で集中して解くプレッシャーもあり、特に最初のテストは思うように力を発揮できなかった記憶があります。それでも回を重ねるにつれ、読み取りのスピードや精度が上がっていくのを実感できました。 Writing リーディングの授業と同様に、ライティングの授業も1学期と2学期を通して行われました。 1学期は、基本的なエッセイの構成方法について学びました。具体的には、thesis statement(主張文)の書き方、conclusion(結論)のまとめ方、reference(参考文献の記載)の方法など、アカデミックライティングの基礎を一つひとつ丁寧に学びました。 2学期には、週ごとに構成や段落、リサーチを積み重ねながら、1本のエッセイを完成させていきました。 評価方法 2学期に提出したエッセイが評価されました。評価のポイントは、文法の正確さ、アカデミックな語彙の使い方、そしてreferenceの形式が正確かどうかなどです。授業で学んできたことを総合的に活かす機会になりました。 Speaking 1学期はプレゼンテーション、2学期はディスカッションに向けて、スピーキング力を伸ばしました。この授業では毎回出されたトピックについてクラス内でディスカッションを行います。その中でプレゼンテーションのコツや、ディスカッションで使えるフレーズなどを習得しました。 クラスメイトとのディスカッションを通して、英語で意見を述べることにも少しずつ慣れていき、話すことへの抵抗がだんだんと減っていきました。 評価方法 1学期のテストでは、プレゼンテーションを行いました。与えられたトピックに対して自分でリサーチし、引用を交えながらPowerPointを作成して、クラス内で発表しました。 2学期のテストでは、4人1組のグループでディスカッションを行いました。トピックは1週間前に発表されます。それに関連する情報を自分たちで調べて、当日のディスカッションで意見を述べました。グループディスカッションでは、他の人の意見に応じて柔軟に会話を展開する力も問われ、とても良い実践の場となりました。 ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ: 授業前の様子 授業の雰囲気 大学1年生と一緒に受ける講義を除けば、ほとんどの授業は15人未満のクラスで行われました。最初は緊張しましたが、発言や質問がしやすい雰囲気で、自然とクラスになじむことができました。授業はキャンパス内の教室で行われ、毎週同じ教室を使っていたので安心感がありました。 先生方のスタイルは人それぞれですが、基本的にはフレンドリーで話しかけやすいです。また、わからないことも気軽に質問できました。日本と違って、授業の途中で抜けたり、お菓子を食べていたりしても注意されないなど、かなり自由な雰囲気でした。ただし、中には食べ物の匂いが気になるから教室内での飲食はやめてくださいと言う先生もいて、先生によってルールや雰囲気に違いがあると感じました。 クラスメイトの雰囲気 クラスメイトの国籍や雰囲気は、大学、進学予定の学部によって大きく異なると思います。私が受講したコースではアジア系の学生が多く、特に中国人が大半を占めていました。日本人は私を含めて4人だけで、少数のヨーロッパ系の留学生もいました。 さまざまなバックグラウンドを持つ学生たちと一緒に学ぶことで、日常の会話だけでも刺激がありました。最初は緊張しましたが、少人数ということもあって自然と会話が生まれます。友達もできて、ペアワークやグループディスカッションの時間が楽しみになっていきました。 ひとつ驚いたのは、学生たちがかなりゆるいことです。時間ぴったりに授業が始まることはほとんどありませんでした。先生が来るのも生徒が集まるのも開始時間の10分後くらい、ということが多かったです。欠席者もわりといて、日本との違いを感じました。カルチャーショックというよりは、むしろ面白いなと思いました。 受講後に感じた効果と学部進学 英語はどれくらい伸びたの? ファウンデーションコースを始める前に受けたIELTSはOverall 5.5でした。それ以降はIELTSを受けていないため、数字で比較することはできません。しかし英語力は着実に伸びたと感じています。特に、英文を読むスピードが上がったと実感しています。スピーキングでも自分の考えを何とか英語で伝えられるようになりました。 中でもライティングの成長は大きいと感じました。コースを受講する前までは、英検で出題されるような短いエッセイを書くのが精一杯でした。当然引用の方法などは全くわかりませんでした。このコースを通して、エッセイの構成や書き方、参考文献の引用方法など、アカデミックライティングの基礎をしっかり身につけることができました。 正直に言うと、1年間で英語がペラペラになるのは簡単ではありませんでした。それでも英語を話すこと、そして失敗を恐れずにコミュニケーションがとれるようになったことは、自分にとって大きな成長だったと感じています。 ファウンデーションから大学1年生への進み方 私が通っていたファウンデーションコースでは、1・2・3学期に行われるテストでそれぞれ合格点を取ることができれば、そのままGoldsmithsの学士課程に進学できる仕組みでした。 そのため、普段の授業にきちんと出席し、課題やテストに真面目に取り組んでいれば、進級できないということはあまりないと思います。実際、私のクラスメイトの中で進学できなかった人は一人もいませんでした。ですので、過度に心配する必要はないと思います。 すべての試験に合格したあと、大学側から進学の手続きに関する案内メールが届きました。それに従って準備を進め、私も無事に大学1年生としての学びをスタートしました。 なお、ファウンデーションコースを修了したからといって、必ずしも同じ大学(私の場合はGoldsmiths)にしか進学できないわけではありません。成績次第では他大学への出願も可能な場合があります。 私の友人の中には、他大学への進学を希望して出願していた人もいました。その場合の出願手続きは先生がサポートしてくれるようです。ただ、保証があるのはGoldsmithsの学部であるため、私は迷わずそのまま進学しました。 ファウンデーションコースはイギリス大学留学の自信に繋がる 1年間のファウンデーションコースは、大学進学の準備だけではないのです。英語力の向上や、異文化の中での生活力を身につける貴重な経験になりました。最初は不安もありましたが、授業を通して少しずつ自信を持てるようになりました。そして大学1年生としてのスタートラインに立てたことをとても嬉しく思います。 これからイギリスでの進学を考えている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。興味のある方はぜひ、Goldsmithsのファウンデーションコースを検討してみてくださいね! https://www.gold.ac.uk

【実体験】イギリス留学準備術: 合格通知からビザ取得までの記録

3月に入り、イギリスの大学や大学院から合否結果が届いてきたと思います。大学からオファー(合格通知)を受け取るといよいよ本格的な留学準備が始まります。入学までには多くの手続きがあり、スムーズに進めるためには計画的な準備が必要です。本記事では、オファーを受け取った後の具体的な準備プロセスについて、僕の経験を踏まえて詳しく解説していきます。 合格結果の確認と入学手続き 出願してからオファーをAcceptするまで 合格結果が届く時期は大学や学科によって異なり、ここは待つしかありません。僕は出願した5校のうち4校は2月初旬までに結果が届きました。しかし第一志望の大学だけ3月までオファーが来ず、もどかしさを覚えました。遅くて7月ごろに結果が出る場合もあるそうなので、気長に待つことが大事だと思います。UCASのTrackシステムをこまめにチェックしましょう。 オファーの種類(Conditional・Unconditional) イギリスの大学からのオファーには、「条件付きオファー(Conditional Offer)」と「無条件オファー(Unconditional Offer)」の2種類があります。条件付きオファーは、IELTSスコアや最終成績の提出といった特定の条件を満たすことで合格となります。UCASで出願した全ての大学から合否が届いた後は、Firm Acceptance(第一希望)とInsurance Acceptance(第一希望に合格できなかった場合の第二希望)の大学とコースを選択します。第一希望の大学からUnconditional Offerをもらった場合はInsurance Acceptanceを選択する必要はありません。 オファーを受け取った後の対応 自分が受け取ったのが条件付きオファーの場合は手続きを早めに済ませることが大切です。通常、オファーの承諾期限が設定されているため、遅れないように注意しましょう。一部の大学ではInternational Students(留学生)がオファーを承諾する際、デポジット(Deposit - 入学金)の支払いが必要です。この金額は大学によって異なりますが、£1,000~£5,000が一般的です。支払期限も設けられているため、期日を確認して早めに対応しましょう。 不合格だった場合の選択肢(Extra・Clearing) もし出願した全ての大学が不合格(Unsuccessful)だったとしても、結果をもらった後に追加で一つのコースに出願できる「エキストラ(Extra)」と定員に達していないコースに出願できる「クリアリング(Clearing)」というシステムがUCASにあります。Extraは2月末から7月初旬まで、Clearingは7月中旬から9月~10月ごろまで行われます。期待した結果が出なかった場合でも諦めずに他の大学やコースにトライしてみましょう。  イギリス学生ビザ(Student Visa)の申請を徹底解説 イギリスでの長期留学には学生ビザ(Student Visa)が必要です。申請にはいくつかの書類が必要で、その用意やビザ発行までに時間がかかります。とにかく早めの行動が大事です。  必要書類 CAS 大学からのオファーを承諾し、パスポートなどの書類を提出すると、「CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)」という入学許可証が発行されます。CASはビザ申請に必須な書類で、入学証明となる番号(CASナンバー)が書かれています。発行には通常数週間かかりますので、余裕を持って手続きを進めましょう。  パスポート パスポートの有効期間が留学期間をカバーしている必要があります。期限が短い場合、事前に更新しておきましょう。申請時にパスポートを提出し、そこにビザが発給されることになります。また、見開き2ページ以上の余白ページがあることも確認しておきましょう。  過去のパスポート 過去10年間の渡航歴を聞かれた時、昔使っていたパスポートがあると便利です。ただし、トランジットで立ち寄り、滞在期間が1日未満だった国も渡航歴に含まれます。こういった場合はパスポートにその記録がない時があります。できるだけ正確な情報を書くことが推奨されているので、僕は法務省の出入国在留管理庁というところで自分の渡航歴に関する開示請求を行いました。500円程度で調べてもらえます。https://www.moj.go.jp/isa/publications/privacy/record.html 英語力の証明書 大学によってビザ申請時に英語力の証明を求めるところもあります。GCSEやIBなどのスコアで証明できる場合と、イギリス政府が認定するSELT(Secure English Language Test)の結果しか受け付けてくれない場合があります。このSELTはイギリスのビザ取得専用の英語力試験です。中には「IELTS for UKVI」や「Pearson PTE Academic UKVI」などがあります。IELTSとは異なるもので、指定のスコアを満たすため改めて受験する必要があります。 申請費用と健康保険料(IHS) 申請時にはビザ申請料(£490)の支払いが必要です。さらにIHS(Immigration Health Surcharge)という健康保険料(£776×コースの年数)も支払います。IHSを支払うと、イギリス滞在中にNHS(国民保健サービス)を原則無料で受けられます。 ビザ申請の流れ 書類の準備ができたら、イギリス政府のUKVI(UK Visas and Immigration)の公式サイトから専用の申請フォームに情報を入力し、書類をオンラインで提出します。オンライン上の手続きが済んで、申請料及びIHSを支払うとVFS Globalのビザ申請センターの来館予約ができるようになります。日本には東京と大阪にビザ申請センターがあります。予約した日にパスポートを提出し、生体認証情(指紋と顔写真)を登録します。審査は通常3週間ほどかかり、終了しないとパスポートが返却されません。ビザはパスポートと共に返却されます。ビザ申請センターで受け取るか、郵送してもらうかを選べます。 審査開始後に財政能力証明書の提出を要求される場合があります。これはイギリスでの生活費をカバーできる資金があることを証明するためのものです。ロンドンの大学で勉強する場合は£12,492以上。ロンドン以外の場合は£10,224以上(授業料を除く)。つまりロンドンでの生活費: £1,438/月、ロンドン以外での生活費: £1,136/月: 9ヶ月分の生活費をカバーできる証明が必要です 。預金通帳や金融機関の取引明細書を英文に翻訳したものが必要です。あらかじめ準備しておくとビザ申請がスムーズに進むでしょう。  より詳しい流れについては下のサイトに説明してあるので、確認してください。https://www.westminster.ac.uk/sites/default/public-files/general-documents/student-visa-application-guide-applying-from-outside-uk-v2.pdf  申請は「何事も早めに」が鉄則! 前述の通りビザの審査には通常3週間ほどかかると言われています。繁忙期にはそれ以上の時間がかかることもあります。ビザ発行が渡英日に間に合わずフライトを変更せざるを得なかった友達が何人かいました。審査期間が多少長くなってもいいように、早めに必要書類を集めて申請することが大事です。「ビザ申請ドットコム」や「IMMIGRATION.UK」といったビザ申請を代行してやってもらえるサービスがあり、書類の翻訳など自分でできるか不安があった僕は活用しました。利用すれば必要な書類を揃えて代行者に提出するだけです。その後の申請フォームの入力やビザ申請センターの予約などは全部やってもらえます。  寮とシェアハウスの探し方 ビザ申請と並行して、イギリスでの住居を確保する必要があります。選択肢としては大学が運営している大学寮、民間の学生寮、シェアハウスなどがあります。 大学寮 vs 民間の学生寮の違い 同じ大学の人と交流できる大学寮は、初めての留学で最も安全で便利な選択肢だと思います。特にロンドンなどの都市部では、民間の賃貸物件の家賃が高いです。そのため、大学寮を利用することでコストを抑えられます。僕は大学1年の時に大学寮で暮らして、2、3年の時は民間の学生寮で暮らしていました。民間の学生寮だと、ロンドン中の大学から学生が集まるので他大学生との交流が深まります。ただし、これらの寮は人気が高く、申込期限が早いです。オファーを受け取ったらすぐに申し込むことをお勧めします。早めに申し込みをしなかったせいで、キャンパスから遠い場所にあったり、家賃が高い寮しか残っていなかったりという話も友達から聞きます。 大学が寮の情報を発信していますし、部屋の予約ができるResidence(住居)のサイトやWebポータルにも情報があるので、そこのSNSなどに登録して最新情報をチェックしましょう。  僕が住んでいた民間の学生寮 シェアハウス探しの注意点と便利サイト シェアハウスは費用を抑えつつ、学生のみならず現地の人々と交流できる点が魅力的です。ただし、契約詐欺や知らない人とシェアしなければいけないというリスクもありますので、信頼できるサイトを利用して物件を探し、可能であれば現地で内見してから契約を結ぶことが望ましいです。住居探しには、Rightmove(https://www.rightmove.co.uk/)やZoopla(https://www.zoopla.co.uk/)などの物件検索サイトが便利で、よく使われています。また、SpareRoom(https://www.spareroom.co.uk/)を利用すれば、ルームシェアの相手を見つけることもできます。  必須手続き: eVisaについて 返却されたパスポートに載っているビザはあくまで仮のEntry Clearance Visa(入国許可証)というもので、発行されてから90日まで有効です。正式なビザはeVisa(Online immigration status)という電子書類です。UKVIから送られてくる案内に従い、オンライン上でビザの申請番号やパスポート番号を登録して、アカウントを作成します。 イギリスに入国する際、パスポートのビザだけでなくeVisaの提示が求められる場合があります。そのため渡航前に手続きを済ませておくといいでしょう。これまではBRP(Biometric Residence Permit)カードという物理的な書類だったのでした。2025年の1月からオンラインに置き換わりました。 今回紹介したプロセスの他にも航空券を予約したり、持ち物を準備したりするなど、渡英までにやっておく必要があることはたくさんあります。それらについてはまた別の記事で書きますので、楽しみにしていただければ幸いです。CASやビザの発行などには思っている以上に時間がかかるものもあります。留学生活がスムーズに始められるよう、計画的に準備を進め、安心して渡英しましょう。  https://www.gov.uk/student-visa

UCL/ユニバーシティカレッジロンドン~日英のつながり~

こんにちは!UCL(ユニバーシティカレッジロンドン)で物理を勉強しているAyatoです!今日は、UCLが実は日本ととても深い縁があるという話です。日本からUCLに来られる方は必読ですよ! UCL/ユニバーシティカレッジロンドンと日本の歴史 今から遡ること約2世紀。1863年に長州藩の5人の若手藩士が英国で留学しました。この時に彼らが訪れたのがUCLでした。一行は合わせて長州五傑と呼ばれており、その中には初代内閣総理大臣である伊藤博文がいました。 ユニバーシティカレッジロンドン構内にある日本人留学生を記念する石碑 他のメンバーもあとで紹介しますが、帰国後は皆、日本の時代を一歩先に進めることに貢献しました。そのような先輩たちがいるのがUCLです。 なぜUCL/ユニバーシティカレッジロンドンか なぜ彼らはUniversity of Oxford(オックスフォード大学)やUniversity of Cambridge(ケンブリッジ大学)ではなく、UCLを選んだのでしょうか?実は当時、他の大学は異教徒という理由で彼らを受け入れませんでした。しかし、UCLだけは「学ぶ意欲のある者には平等に門戸を開く」という革新的な精神を持っていたのです。このDiversity & Inclusion(多様性と包摂)の精神は、今のUCLにも色濃く受け継がれています。 見つかれば死罪だった渡航 今でこそパスポートがあれば誰でも行けますが、当時は鎖国中。見つかれば死罪です。彼らの密航はまさに「命懸け」でした。現代は十数時間のフライトでたどり着けますが、当時は陸海を乗り継ぎ、半年もかかりました。 彼らは髷(まげ)を切り落とし、刀を置き、決死の覚悟で船に乗り込みました。そこまでして「日本の未来を変える知見」を求めた彼らのハングリー精神には、同じ留学生として背筋が伸びる思いです。 Choshu Five(長州五傑) 写真をご覧ください。写っているのは長州からイギリスへ留学した学生たちです。 UCL留学した長州ファイブ(Wikipediaより) 遠藤謹助――外国に頼らない造幣技術を確立 左上に写っている人物は、遠藤謹助(えんどう・きんすけ)です。彼は帰国後造幣局で働き、日本人だけで貨幣を製造できる技術を確立しました。それまで貨幣の製造は外国人技術者に頼っていましたが、その状況を変えたことから、遠藤は「造幣の父」と呼ばれています。 また、大阪の名所である「桜の通り抜け」を考案した人物でもあります。日本を象徴する桜で人々を楽しませようとしたその姿勢には、強い感銘を受けます。なお、UCLのJapanese Gardenには、 Choshu Fiveによる日英友好関係の象徴として、桜の木が植えられています。 井上勝――日本の鉄道事業を推進 中央奥に写っている人物は、野村弥吉(のむら・やきち)です。彼はのちに井上勝(いのうえ・まさる)と名乗ります。 井上勝はUCLに入学・卒業し、当時世界最先端であった鉱山学や鉄道技術を体系的に学びました。特に、鉄道を国家インフラとして整備するという考え方そのものをイギリスで身につけました。帰国後、彼は日本の鉄道事業を主導し、路線整備や技術者育成を進めました。 その結果、日本各地に鉄道網が広がり、人と物の移動が飛躍的に効率化されました。私たちが日常的に利用している鉄道は、まさに彼の仕事の延長線上にあります。この功績から、井上勝は「鉄道の父」と呼ばれています。 伊藤博文――初代内閣総理大臣 右奥に写っている人物は、伊藤博文(いとう・ひろぶみ)です。彼は後に、日本で初めて内閣制度を導入し、初代内閣総理大臣となった人物です。また、大日本帝国憲法の起草を主導し、日本を近代国家として制度面から形作りました。 伊藤もまた、若き日にイギリスへ渡り、UCLで学んだ一人です。議会政治や法制度が社会をどのように支えているのかを、当時世界最先端であった英国の社会から直接吸収しました。この経験が、帰国後に日本独自の憲法と近代的な国家運営を構想する大きな土台となりました。 今や当たり前のようにある「内閣」「首相」「憲法に基づく政治」は、伊藤が築いた仕組みの延長線上にあります。UCLで得た知見が、まさに日本の政治制度として今も生き続けているのです。 山尾庸三――工学教育の先駆者 右手前に写っている人物は山尾庸三(やまお・ようぞう)です。彼は後に、日本初の本格的な工学教育機関を立ち上げ、現在の東京大学工学部の礎を築いた人物です。その功績から、「工学の父」と呼ばれています。 山尾はイギリス留学中にUCLを訪れ、当時最先端であった実践的な工学教育に触れました。理論だけでなく、社会の課題を技術で解決するという英国の工学思想は、彼の進路を決定づける重要な経験となったそうで、帰国後、近代日本に必要不可欠であった技術者の育成に力を注ぎました。鉄道、造船、建築など、日本の産業基盤を支える技術は、彼が築いた教育制度から多く生まれています。 現代の私たちが安全で便利な社会インフラを享受できている背景には、山尾の先見的な取り組みがあったのですね。個人的な考えですが、1人で全てのインフラを実装することはできないので、まずしっかりと学び、それを教育という形で社会実装に貢献するというのはとても筋が通っているように感じました。 井上馨――日本の外交基盤を確立 最後に、左下に写っている人物は、井上馨(いのうえ・かおる)です。彼は帰国後、外務大臣などの要職を歴任し、日本の近代外交を切り開いた人物として知られています。井上馨もまた、若くしてイギリスへ渡り、UCLを訪れた一人です。異なる文化や価値観が共存するロンドンでの経験を通して、彼は「交渉とは力だけでなく、理解と信頼の積み重ねである」という外交の本質を学びました。 この国際的な視点は、帰国後の外交交渉に大きく活かされました。彼は、不平等条約の改正に向けた交渉や、欧米諸国との関係構築に尽力しました。私たちが今日、国際社会の中で一国家として対等に関係を築けている背景には、井上馨が築いた外交の基盤があります。UCLで培われた国際感覚は、日本の外交の原点の一つとなっているのですね。 UCL/ユニバーシティカレッジロンドンに刻まれた彼らの名前 彼らの名前は、UCLのStudent CentreとMain Quadの間にあるJapanese Gardenに置かれた石碑に刻まれています。外部の方でも見学することができますので、ご興味のある方は英国で日本との強いつながりを感じられてはいかがでしょうか。 ユニバーシティカレッジロンドンのJapanese Garden 図書館の隣にあるので、個人的にはよく通る場所です。その度に今の日本を作り上げた先人たちの努力に想いを馳せ、元気をもらっています。 現在のUCLと日本の関係 UCLと日本の関係は、長州ファイブの時代から160年以上続き、現在も教育や研究の場で具体的な形を持っています。歴史を踏まえながら、今のUCLと日本の関わりをいくつかご紹介します。 学術面で日英パートナーシップ強化の取り組み UCLは日本との関係を戦略的に重視し、大阪大学や東京大学、理化学研究所(理研)、JAXAなどとの共同研究や学生交流を活発に進めています。公式情報によると、日本の研究機関と800本近い共同論文を毎年発表しており、学術面でも強い結びつきがあることが分かります。 特に東北大学とは大規模なマッチングファンドを通じて両大学の共同研究や交流活動を支援しています。毎年公募で一年単位のプロジェクトを6つ採択し、1件当たり最大約210万円の資金を提供するというものです。 また、毎年のようにUCLの副学長が日本を訪問し、大学や研究機関との研究連携をさらに深めました。 災害科学や脳科学、気候変動の分野での共同研究が話題になり、実際に現地の施設や学生と交流しながら、未来に向けた協働の可能性を確認しました。さらに長州ファイブ受入から160年の節目であった2023年にはUCLの学長自ら来日し、大阪大学や東京大学などへの訪問や祝賀イベントに参加しました。 Japanese Gardenと日本大使出席の記念式典 UCLキャンパス内のJapanese Gardenでは、桜の木を中心に日英関係を象徴する庭園があります。日本庭園記念式典には在英国日本大使も出席し、教育・文化の交流の大切さを改めて示しました。桜を通じて、過去と今の日英のつながりを感じられる場所です。 日本で広がるUCL同窓会 国内ではUCL卒業生の同窓会が非常に活発で、研究やビジネス、行政などさまざまな分野でネットワークが広がっています。留学での学びは帰国後も続き、次世代の学生たちにもつながる環境が整っています。 このように、UCLと日本の関係は歴史に支えられながらも、現在進行形で具体的な協力や交流を生んでいます。キャンパスで学ぶ私たち・これから学ぶ皆さんも、きっとこうしたつながりの中で新しい価値やアイデアを見つけることができるでしょう。 まとめ 160年前、先人たちは「日本の未来」を変えるために、命懸けで海を渡りました。 時代は変わり、今では飛行機でひとっ飛びの距離になりましたが、「未知の世界に飛び込み、新しい価値観を学ぶ」という留学の本質は、いつの時代も変わりません。 UCLのキャンパスを歩いていると、ふと思います。 かつて彼らがここから日本を大きく変えたように、ここにいる一人一人が今、あるいはこれからUCLを目指すあなたも、将来何かを大きく変える一人になるのかもしれない、と。 歴史は教科書の中だけにあるのではありません。これからの歴史を作るのは、今を生きる私たち自身です。 次は、あなたがこのUCLで、新しい歴史の1ページを書き始めてみませんか? ロンドンのキャンパスで、お待ちしています! https://passporter-media.com/articles/19/ https://passporter-media.com/articles/35/

イギリス大学留学Pre-Departure Event 2025@東京 #3|舞台裏に迫る

イギリスの大学留学を始める学生向けに8月23日にPre-Departure Event 2025が開催されました。この記事では開催までの経緯や当日の準備など、イベントの舞台裏をお届けします。 イベントの裏側はこちらの動画にもありますので、併せてご覧ください! https://www.youtube.com/watch?v=pGcj4TY1IrA 開催の経緯: PASSPORTER & Moi Educationとのコラボ 今回のイベントは4大学のJapanese Societyの合同開催ですが、中心となって進めてきたのがImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のJapanese Societyです。インペリアルJapanese SocietyのSecretaryのSaraさんによると、一つ上の学年のコミッティー(運営委員)から「いつか東京でイベントを開催したい」という話をずっと聞いていたと言います。 夏休みに代が替わり、25/26年度のコミッティーとしていろいろなイベントの企画が始まりました。その時に、インペリアル卒業生でMoi Creation株式会社代表のMakiさんと別の件で打ち合わせをしていた際に、「東京で渡航前イベントを開催したいです」と話を持ち込み、Makiさんが「ぜひ一緒にやりましょう」ということでした。 インペリアルJapanese Society副会長のRukaさんによると、インペリアルにあるSingapore Societyなど、他の国の団体が毎年開催しているため、それらを参考にしたそうです。 主催したイギリスの4大学: Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)→インスタアカウント London School of Economics and Political Science(LSE)→インスタアカウント University of Cambridge(ケンブリッジ大学)→インスタアカウント University of Oxford(オックスフォード大学)→インスタアカウント その他にも、University College London(UCL)のコミッティー(運営委員)も参加しました。King's College London(キングスカレッジロンドン)からの参加者もいました。 Japanese Societyとは? イギリスの大学にある日本文化や日本人コミュニティを中心としたサークルのこと。日本人だけでなく、日本に興味のある現地学生も参加し、交流イベント・文化イベント・日本語レッスンなどが行われています。 事前準備: 4大学のJapanese Societyが打ち合わせで調整 イベントの運営は会場探しやInterest formを利用して参加者数を予測するところから始まりました。しかしインペリアルのみではかなり小規模になることが分かったそうです。加えて8月中旬にならないとA-levelの結果が出ず、その関係で参加を決められない新入生が多いことが浮かび上がりました。また、他大学からの参加希望者がいたことも踏まえ、合同開催に踏み切りました。 コミッティー全員が「去年の自分が渡英前にあったらうれしかったイベントを後輩たちに届けたい」という思いを原動力に準備を進めました。 本格的に動き出したのは開催の約1カ月前です。インペリアルのJapanese Societyのメインコミッティーがプログラムの大枠を決め、他の参加校のJapanese Societyとオンラインでミーティングを重ねました。イベント全体の企画は主にSaraさんが「去年の自分が渡航前に知っておきたかったこと」をベースに決めました。 それに加え、学部、大学、都市が異なるメンバーからも意見も入れて、より多様な視点から見たイギリス留学、そしてコミッティー全員が新入生に伝えたいことを追加していきました。 当日の準備: リハーサルなど最終調整 Pre-Departure Eventのポスター イベント当日の午後2時、コミッティーたちが会場に集まりました。まずは椅子や机の並べ替えなどをして会場設営をしました。第二部がスムーズに始められるように、大学ごとにテーブルを分け、印となる大学のロゴを貼った。その後、プレゼンテーションで使用する大型ディスプレイの準備と接続をし、発表の流れのリハーサルも行われました。 各大学のJapanese Societyのコミッティーが打ち合わせをしている様子 開場の時間になったらSaraさんが入口近くで受付の準備を始め、パソコン上に名簿を表示させました。受付と同時に参加者に名札を自分で書いてもらえるよう、名札シールが用意されました。 責任者のSaraさんインタビュー 今回のPre-Departure EventはImperial College LondonのSaraさんが企画し、他の3つの大学のJapanese Societyのコミッティーとの調整などを行いました。責任者のSaraさんに開催の経緯、準備の過程などについて聞きました。 Pre-Departure Eventでプレゼンテーションを行う責任者のSaraさん Q: 実際に開催してみてどうでしたか? イベントをやって本当によかった、というのが一番の感想です。何よりも「来てよかった!」「いろんな人と会って、話せて楽しかった」「役立つ情報をすでにイギリス留学している先輩たちから聞けて参考になった」という声をいただけたのがうれしかったです。 ぜひ今後も続けていきたいですし、来年度以降のコミッティーに引き継ぎたいですね。今回参加してくれた後輩たちに熱意とイベントの良さが伝わっていることを願います。 Q: 開催にあたって、大変だったことはなんですか? 一番苦労したのは、夏休みの時期に企画を動かしたことです。みんな旅行や予定がある中で、ミーティングに参加したりスライドを作ったりしないといけなくて。私も旅行先のホテルからオンラインミーティングに出たりしていました(笑)。 インペリのコミッティーは普段から仲が良いので、単に「仕事仲間」だけでなく、お互いの時間も大切にしつつイベントを成功させたい気持ちもあって、そのバランスを取るのが難しかったです。でもそういう中で「連絡のプラットフォームを仕事用とプライベート用に分ける」みたいな工夫も生まれて、チームとしても個人としてもすごく成長できたと思います。 Q: 今回開催した中でよかった点や改善点を踏まえ、次回以降はどのような変更を行いますか? 毎年続けていけるイベントにしたいと強く思っています。 今回のイベントの良かった点の一つとして、参加者同士が大学や学年、留学の形態や先輩後輩といった枠にとらわれず、自由に交流できる雰囲気が自然と生まれたことです。当初私が目指していた以上に素敵なものでした。 今後は参加校が増えたり認知度が上がったりして規模がより大きくなっていく可能性もありますが、数に流されず「温かい雰囲気のイベント」であり続けてほしいです。 プレゼンテーションの内容に関しては改善できる点も多いと感じています。就活関連の少しシリアスな内容から、各都市の日本食事情といった日常に密着した話題まで、バランスの取れた構成にはなっていたと思いますが、基本的にコミッティーが一方的にプレゼンする形だったので、今後はもっとインタラクティブにできると良いと思います。 第二部は各校のブースを設置して、自由に話せるフリートークタイムとしましたが、ワークショップのような形で、いろんなバックグラウンドの学生を集めたグループで何かアクティビティをするのも面白いかもしれません。 インペリのJapanese Societyの場合、毎年2年生がコミッティーを担当するのが慣例です。来年以降私がどんな形でJapanese Societyに関わっていくかは未定ですが、今回のイベントで得た学びや感想は、必ず次の世代に引き継ぎたいと思っています。 Q: 最後に新入生へのアドバイスをお願いします! ワクワク、ドキドキ、緊張、色んな気持ちでいっぱいだと思いますが、ぜひ思いっきり楽しんでください!大学は自分の世界がどんどん広がっていく場所です。そしてロンドンは多様性にあふれ、毎日新しい刺激がある街です。たくさんの人に出会い、色んなコミュニティに参加して、多くの経験を積むことが、きっと素敵な大学生活になります! もちろん、勉強という本業も忘れずに。Japanese Societyにもぜひ遊びに来てくださいね☺︎ Pre-Departure Eventに参加した新入生とJapanese Societyのコミッティーたちの集合写真 コミッティー紹介 イベント中に主催したJapanese Societyのコミッティー3人に話を聞くことができ、現在の専攻やロンドン生活の楽しみなどをご紹介します。 Saraさん Saraさん 所属: Imperial College London, Medical BiosciencesJapanese Societyでの役職: Secretary 小さい頃から理科が好きで、人体構造や病気の仕組み、薬効を学ぶことが面白くて、そこから医療生物学に惹かれるようになりました。また、エジプトやミャンマー、インドといった医療体制が十分でない国々で暮らした経験も大きな理由です。 質の高い医療にアクセスできない現実を目の当たりにし、国際機関やNGOが医療支援で果たしている役割に感銘を受けました。その中で私は、医薬品や医療機器の研究開発を通じて、人々が安心して医療を受けられる社会づくりに貢献したいと考えるようになりました。 インペリアルのMedical Biosciencesは、医療生物学を幅広く学べるだけでなく、研究者としての基盤を養うことができるコースです。自分のやりたいことや将来必要なスキルと一致していたため、進学を決めました。 大学生活では、3歳からずっと続けているバレエを楽しんでいます。ダンスサークルのバレエ部門に入っていて、毎週のクラスに参加したり、コンペティションチームで踊ったりしています。2年生からはチームのコミッティーとしてクラスのインストラクターもやっています。 寮生活が始まってから料理にハマっていて、自分のキッチンでディナーパーティーを開いたり、作り置きを工夫したり、各国の友人からレシピを教わったりと、多国籍な環境ならではの楽しみを満喫しています。 それからJapanese Societyの活動も、今年度からコミッティーとして本格的にスタートしました。大変なこともありますが、Secretaryとして仲間と一緒に楽しく仕事しています! Rukaさん Rukaさん 所属: Imperial College London, Biomedical EngineeringJapanese Societyでの役職: Vice President 医療分野に応用できる工学の知識を幅広く学んでいます。1、2年のうちは講義とテストが中心で、3、4年になると実験・実習が増えると思います(MEng/学部・修士一貫課程なので4年間です)。 元々医学部を視野に入れながら医療系に関わりたいという気持ちがありました。将来のことを考えた時に、企業に入って医療機器の開発に携わりたいと思うようになりました。それで学部のコースをいろいろ調べていたら、インペリアルのBiomedical Engineeringが一番自分にぴったりだったのでそこにしました。 今のところ勉強は思っていたほどは忙しくないのですね。一応毎日勉強するように意識していますが、遊びに行く余裕は意外とあります。ロンドン生活の中で、観光が楽しいです。いろいろなマーケットというか屋台っぽいのがいっぱい集まっているバラマーケットなどがとても良かったです。 Shinichiroさん Shin-ichiroさん(左) 所属: The London School of Economics and Political Sciences (LSE), EconomicsJapanese Societyでの役職: Secretary and Language Officer 今回のイベントでは会長代理として来ました。LSEのJapanese Societyは他の大学と比べるとかなり小規模ですが、このイベントではLSEの新入生が一番多くてちょっと困惑しています(笑)。 今までブラジルのサンパウロ、インドネシアのジャカルタ、アラブ首長国連邦のドバイと、世界を転々としてきた中で、たくさんの気づきを得られました。貧困に直面している人や富裕層など、幅広い層の人々を見てきた中で、社会問題の解決に経済は大きいなツールの一つになると考えるようになりました。そこで経済に興味を持ち始め、社会科学に特化したLSEで経済学を専攻したいと決めました。 また、イギリスの大学の経済学専攻は数学重視で、どちらかというと理系寄りです。この点は自分に合っていたので、イギリスの大学を選びました。1年目の勉強はIBの延長線上くらいの感覚で、そこまで難しいとは感じなかったです。大体大学に入学できた時点であるの程度学力はあると思いますので、あとは努力を続けて、強い信念があればできると思います。 ロンドンでの生活はご飯がまずい以外は楽しいです。この前、久しぶりに日本に帰ってきて、お母さんが作った白米を食べた時は感動しました。 Pre-Departure Event全体の様子と新入生インタビューはこちらからご覧いただけますのでぜひ読んでみてください! https://passporter-media.com/articles/36/ https://passporter-media.com/articles/37/ 今回のイベントスポンサーが運営する留学&オンライン個別指導サービス: https://jp.education-moi.com

日本の大学からマンチェスター大学へ交換留学し卒業研究に挑戦!

こんにちは!Midoriです。私は昨年の9月から今年の6月までの約10カ月間、イギリスのThe University of Manchester(マンチェスター大学)に交換留学しました。一般的な交換留学と異なり、授業を履修して単位を取得するのではなく、Final Year Project(卒業研究)に取り組みました。 https://jp.education-moi.com/article-62-manchester マンチェスター大学の交換留学で過ごした1年間 マンチェスター大学のキャンパス付近の街の様子 大学3年の秋からの約1年間をマンチェスターで過ごしました。交換留学生といっても他の正規学生と変わらず、同じ学生証を持って、同じように授業を受けたり、大学の施設を利用したり、大学の寮で暮らしたりします。また、授業料はホーム大学に支払えばいいのもメリットの一つです。イギリスの学費はとても高く、日本の国立大学の10倍以上かかるのでとても払えません。 交換留学先はFaculty of Biology, Medicine and Health(生物、医学、健康学部)です。留学中はSt Anselm Hallという寮に入り、寮生活も満喫しました。 マンチェスター大学紹介 マンチェスター大学はサッカーや音楽で有名なマンチェスター市にあり、200年以上の歴史を持つ伝統校です。また、これまで26人のノーベル賞受賞者を輩出してきて、高い水準の研究が行われています。 マンチェスター大学 マンチェスター市自体が非常に多様性の高いところで、イギリス人の中にもいろいろなルーツを持つ人がいます。そして大学には世界各地から留学生が集まるため、本当に多様な価値観に触れる日々でした。 寮生活も研究生活も、バックグラウンドが全く異なる人と接していくうちに、いろいろな考え方に触れ、生き方の多様性を感じました。 授業を履修せず、研究三昧の日々 私は授業を履修せず、毎日研究室にこもってひたすら実験をしたり、文献を読んだりしていました。 マンチェスター大学の神経科学は最先端分野の一つで、世界トップレベルの研究者が日々研究しています。私も神経科学の研究室に入りました。研究室自体はこぢんまりとしていて、教授1人と私を含めた学部・大学院生が7人いました。 日本と大学と異なる研究生活 日本の大学と違って、マンチェスター大学の研究室にはコアタイムがなかったです。コアタイムとは主に分子細胞系の研究室にある制度で、「平日の朝9時から17時までは必ず研究室にいないといけない」という決まりです。時間帯は研究室によって異なりますが、どの研究室も大体同じような時間帯を指定します。コアタイム中は自分の研究を進めたり、先生の指導を受けたり、研究室の雑務をやったりします。 私の研究室にはそういう制度がなく、好きな時間に行って、好きな時間に帰っていいことになっていました。といってもみんな朝に来て、みっちり研究して夕方に帰ります。 細胞生物学系の研究室が使っていた実験室 もう一つ日本では考えられないのが、研究棟には平日の朝8時から18時までしか入れないことです。つまり研究はこの時間内で進めなければならず、深夜まで実験をしているということはあり得ません。ただこれは学部生だけに適応されていて、教員や大学院生はそれ以外の時間帯にも入れますが、そうする人はほぼいません。 研究棟の出入り時には学生証をかざして回転ドアを通過します。私はよく18時ギリギリまで実験していて、1分前に猛ダッシュしていました。18時に間に合わなくて出られなくなることがたまにありました。そういう時は扉の中から叫んで、帰宅寸前の受付スタッフを呼び留めて開けてもらいます。 充実した寮生活 交換留学生は希望者全員が寮に入れるようになっていました。私はSt Anselm Hallという100年以上の歴史がある寮に入りました。毎日朝食と夕食が提供され、食事の時間になると食堂に行きました。 その他、共用部分がとても充実しているところがすごく良かったです。卓球室、コモンルーム(多目的室)、図書室、ピアノ室など、さまざまな施設があり、住民であれば誰でも使えます。 食事の時間と共用部屋で他の学生と交流する機会が多く、寮内で友達がたくさんできました。また、寮内でイベントを開催したり、卓球やサッカー大会があったりと、仲を深めるチャンスもたくさんあります。 St Anselm Hallの部屋 部屋はかなり広く、カーペットが敷かれています。キッチン、シャワーとトイレが共用で、洗濯機と乾燥機も共用でした。寮費は光熱水道・食費込みで月15万円です。それまで暮らしていた大学宿舎は月1.5万でした。光熱水道・食費込みを考慮しても10倍も高くてびっくりしました。 寮は研究室から徒歩30分ほどかかるところにあります。バスを利用すれば10分ほどですが、私は毎日歩いて行きました。 マンチェスター大学から帰国 今年の6月に帰国しました。マンチェスター大学から帰ってきてから既に半年以上が経過しましたが、今でも当時のことを思い出し、とても懐かしいです。 イギリスという不思議な国に滞在したのはわずか10カ月ですが、その間に感じたことは多く、勉強になったこともたくさんあります。いつか機会があったらまた行きたいと思います。 帰国するフライトの窓から見えた景色 私の経歴: マレーシアで過ごした15年間 家族の都合で幼少期からマレーシアで暮らしました。マレーシアは日本と全く異なる文化背景があり、私自身も日本に来てから感じた違いが多くあります。そのため、主に教育に関係する現地での生活をお伝えしたいと思います。 私は日本で生まれましたが、その後すぐにマレーシアに移住し、15歳までそこで暮らしていました。マレーシアの首都クアラルンプール(KL)は西マレーシアにありますが、私はKLがあるマレー半島ではなく海を挟んで東のボルネオ島にあるサバ州に住んでいました。 https://tpcljp.com/service/sabah/ インターナショナルスクールではなく、現地の学校に通っていました。マレーシアは多民族国家なので、学校もマレー系、中華系、タミル系などいろいろあります。 華人小学校の生活 私は中華系の小学校に通いました。中華系の人(華人)の生徒が多いですが、マレー系やパキスタン系などもクラスに数人いました。 校内の公用語は中国語です。華人でない生徒同士はたまにマレー語や英語で話しますが、先生に見つかったら注意されていました。しかしマレー語と英語の授業では逆に中国語が禁止され、その教科の言語しか話してはいけないというルールがありました。 同時に3言語を習得 小学校で勉強する科目は国語(マレー語)、中国語、英語、算数、理科、社会、道徳(ムスリムの生徒はイスラム教義)、コンピュータ、体育です。今考えると3つの言語をネイティブレベルで同時に勉強するのはクレイジーに思えますが、現地では当たり前すぎて当時は何とも思わなかったです。 1時限は30分で、授業は朝7時から始まり、13時ごろに終わると記憶しています。その後は基本的に帰宅しますが、課外活動がある日は弁当を食べるか食堂で食べてから行きました。給食はありません。その代わり、食堂はかなり充実していて、麺類やご飯類、パンなどさまざまなメニューがありました。 学校の名誉がかかった全国統一検定試験 2021年に廃止されたようですが、私がいた頃は6年生の終わりに全国統一検定試験がありました。当時は7科目を受けなければならず、学校の名誉をかけた戦いと言っていいくらい全校を挙げて対策していました。7科目とは国語(マレー語)のリーディングとライティング、中国語のリーディングとライティング、英語、理科、算数です。 5年生の後半からこの試験に向けた対策が始まり、生徒全員に目標が定められました。成績は最高評価のAから不合格のEまでの5段階あります。私の目標は全てが最高評価である7Aでしたが、残念ながら達成できず結果は6A1Bでした。 この試験で優秀な成績を修めることは大変名誉なことであり、5A以上あれば新聞に写真付きで載ります。また、学校の入口から一番近くて目立つ掲示板にも写真付きで掲示されます。 この試験は個人戦だけでなく、団体戦でもあります。科目ごとの平均点や合格率(評価がA~Dの人の割合)が出され、それも新聞に載ります。そのため、成績発表の時期になると新聞にはいろんな学校の成績と優秀者の写真が掲載されます。日本では考えられないですね。 独立中学校に進学 中学校は公立学校ではなく、独立中学校に通っていました。日本では聞かない言葉ですが、これにはマレーシア国内の複雑な事情に関係します。簡単に言うとマレーシア政府に認められていないカリキュラム(中学・高校卒業資格)を提供している華人学校のことです(最近は一部の州で認められました)。 ただその非公認の資格だけだとさすがに今後マレーシア国内で就職や進学などをする人にとって不利なので、マレーシア教育省のカリキュラムも実施しています。2種類のカリキュラムを同時に実施しているので他の中学と比べて勉強量が多いです。 政府のカリキュラムで中学は5年間(Form 1~Form 5)で、3年目と5年目に全国統一試験があります。その後、A-levelあるいはSTPM(A-levelのマレーシア版みたいなもの)を履修してから大学に進学する人がほとんどです。 マレーシア政府非公認の全国試験 独立中学校のカリキュラムは6年間で、3年目と6年目に全国の独立中学校生が対象の全国試験があります。前述の通りのこの全国試験は政府に認可されておらず、そこで優秀な成績を修めてもマレーシア国内では意味のないことです。当然その成績でマレーシアの大学を申請することはできません。しかし日本を含む海外大学には認められていますので、卒業生の多くは海外の大学に進学します。 マレーシアの華人は昔から国に独立中学校の卒業資格を承認するよう求めてきましたが、マレーシア政府が未だに認めないのは多民族国家ならではの難しさがあるからです。ここではあまり深掘りしませんが、気になる人はぜひ調べてみてください。 どのカリキュラムの全国試験も小学校の全国統一検定試験と同様に、学校を挙げて競い合っていました。そして同じように学校ごとに各科目の平均点や合格率、成績優秀者が新聞に掲載されていました。 https://jp.education-moi.com/boarding-schools/malaysia 高校から日本に戻り 私はその独立中学校を3年で中退し、日本に引っ越しました。日本に来てからは実家から近い公立高校に入学しました。高校は普通科で、卒業後はそのまま日本の大学に進学しました。 以上が私の経歴と交換留学歴でした。最後まで読んでいただきありがとうございました。 https://passporter-media.com/interviews/4/ https://passporter-media.com/interviews/13/ https://passporter-media.com/interviews/15/

キングスカレッジロンドン「リベラルアーツって何を学ぶの?」学科の先生インタビュー②

前回の記事ではKing’s College London(キングスカレッジロンドン)のDepartment of Interdisciplinary Humanities(学際的人文学部)のDeputy Director(副学科長)であるChristopher Holliday先生にリベラルアーツ教育についてのインタビューを行いました。 Christopher Holliday先生 キングスカレッジロンドンの学際的人文学部の副学科長。専門は視覚文化教育。リベラルアーツプログラムの創立に携わった教員の一人。University of Warwick(ウォーリック大学)でFilm and Television Studies(映画・テレビ学)分野のBA(学士号)とMA(修士号)を取得し、キングスカレッジロンドンでFilm Studies(映画研究)のPhD(博士号)を取得した。 リベラルアーツ特集の最終回となる本記事ではインタビューの続きをお送りします。リベラルアーツの学びとしての広がり、キングスカレッジロンドンでリベラルアーツを学習することの意義、そしてキングスのリベラルアーツ課程の卒業生の進路などについてお話しいただきました。 近年注目を集めているリベラルアーツ 前回の記事でChris先生へのインタビューを通じてキングスのLiberal Arts(リベラルアーツ)課程について詳しく聞きました。リベラルアーツでは学生は複数分野を自由に組み合わせて履修し、自分だけの学位を“キュレート”する学び方が特徴で、分野横断的な「つながり」を考える力が養われます。必修のコアモジュールでは、概念やテーマを通じて多様な視点から議論することを重視しており、知的好奇心を刺激する設計になっているということを教えていただきました。 Yuki リベラルアーツはアメリカ発祥の学問ですが、ここ最近イギリスはもちろん日本でもリベラルアーツ教育を取り入れる大学が多くなってきたなと感じます。先生にとってリベラルアーツ教育が世界に広まっている理由はなんだと思いますか? 一つの分野に絞り込まない学際性 長い学問の歴史の中で、Single honours(単一専攻課程)のような「一つに分野を絞り込む」はむしろ最近の考え方なんです。 人間はもっと知的好奇心が旺盛な生き物だと思っています。それなのに、17歳や18歳という若い時期に、「この3年間はこの一つの分野だけ」というものを決めさせるのは大きすぎる決断ですし、少し早すぎるかもしれないです。そんなに若いうちに、なぜ自分を無理に限定しなければならないのか、と。それがリベラルアーツのInterdisciplinary(学際的)な考え方が学生に響く理由の一つだと思います。 リベラルアーツの授業が行われるキングスカレッジロンドンのStrand Campus 学生は、まだ世界のことも、自分自身のことも模索している段階にいます。私たちはそういった学生たちに選択肢を広く持てるようにしておくことが大事だと思っています。彼らが「無理やり一つの学問に押し込められている」と感じないようにする。もちろんリベラルアーツでも一つか二つの分野に集中することはできますが、最終地点を変えたくなった時のために選択肢を開いておくことができるんです。 単一学問だけでは社会課題を解決できない そしてもう一つは、現実の社会にある多くの課題を解決するには、学際的な発想が必要とされているという点です。 今の社会に存在する課題は一つの分野の知識や一つの利害関係者だけでは解決できません。複数の分野を横断して考えられること、異なるオーディエンスに向けて同時に発信できること、そういう力が必要です。ですから、こうした学際的な学位プログラムは、社会の現実によりしっかりと結びつけるよう作られています。 決して「専門性を平板化する」ことが目的ではなく、むしろ自分の専門分野は自分が思っている以上に他分野を横断できる、ということを学ぶのです。それが学生を訓練する上で大切なんです。 現代の世の中はかつてないほど複雑になっていて、そこから生まれる課題は、一つの学問だけの視点で簡単に解決できるものではありません。だからこそ、学際的な枠組みや視点を学生に身につけてもらい、それを実際の社会の中で応用できるようにする。そういった教育が、これからの世界にますます必要とされるのだと思います。 イギリス、そしてキングスカレッジロンドンでリベラルアーツを学ぶ意義 Yuki なるほど。ではイギリス、そしてキングスカレッジロンドンでリベラルアーツを勉強するということは学生にどのようなものをもたらすと思いますか? 汎用性の高い人材を育成 イギリスのリベラルアーツの学位は、幅広いスキルを身につけて、非常に適応力の高い人材を育てるためのものになっています。その結果、様々な進路に進む可能性が開かれています。 授業中の様子 そして汎用性の高い「批判的思考」「異なるオーディエンスに向けたライティング」「問題解決」「コミュニケーション」といったスキルも同時に養われます。 こうした学際的な学びに焦点を当てていること、それによって得られるスキルは、非常に高い就業適性を持つものになっていると思います。つまり、多様な分野を横断して考えることのできる柔軟性と多様性を得られることが強みです。 ロンドン全体をキャンパスとして活用 キングスのような場では、単なる知識の寄せ集めではなく、それらの知識を活かして実際に幅広い分野に進んでいけるようなリベラルアーツ教育を設計しています。特定の学問分野に加えて、メディアやコミュニケーション、クリエイティブ産業、教育、国際関係など、幅広い分野で学び、将来に備えることができます。 他にもキングスカレッジロンドンでは大学の立地を最大限に活かしています。イギリスでリベラルアーツを提供している大学は他にもありますが、クリエイティブ産業などと直接的なつながりを持ち、インターンシップのモジュールを提供できているところは多くありません。 文化施設との距離も近く、劇場や博物館、テート美術館で授業をすることもできます。それはロンドン中心部にあるキングスだからできる強みです。その強みを活かして私たちはロンドンという都市全体をキャンパスとして活用しています。 “Lives of London”モジュールが最初の実践の場 ロンドンは学際的学習の実験室のような場所で、少し歩くだけで、すぐに学際的な思考を必要とする対象に出会える場所です。 私たちは、ロンドンという都市を理解するにはどんな学問分野が必要なのかを学生に問いかけるようにしており、Lives of Londonというモジュールを1年次に提供しています。ここで学ぶのは単なるロンドンの地理や歴史などではなく、ロンドンという都市を通して、リベラルアーツ教育をどう展開できるのかということです。 だから、知的好奇心・探究心が旺盛な人にとって、ここでの学びは本当に価値のあるものになると思います。そして私たちはそういう学生に世界に出て変化を生み出してほしいと願っています。キングスでのリベラルアーツの学位は、まさにそれを可能にするための準備をしっかり整えてくれるものになっています。 Yuki Lives of Londonは僕の一番好きなモジュールでした。大学を卒業して、リベラルアーツの友達数人とまだ連絡をとっているんですが、彼らのお気に入りでもあったみたいですよ。あのモジュールはリベラルアーツそのものについて学べただけでなく、ロンドンに来て数ヶ月しか経っていない中で「自分自身について考えるための場所」を見つけられたように感じました。私にとって、大学1年目にあのモジュールを受けることができたことは本当にワクワクしましたし、刺激的でした。 このロンドンを学ぶというモジュールは過去に「主に留学生だけに向けてのものなんじゃないか」という批判が出たことがありました。もちろん留学生がこのモジュールから多くを学べるのは確かですが、当然ロンドンで育った学生にとっての学びの機会も含まれるべきだと思います。だからこそ“Lives of London”という名前をつけているんです。 ロンドンで育った人にとっての「地域としてのロンドン」とロンドンの外から来た人にとっての「ランドマークとしてのロンドン」は全く異なります。どこで育ったのか、どんな背景を持っているのか——そうしたことがロンドンでの経験を大きく形作るので、私たちはその点についてもきちんと考慮するようにしています。 リベラルアーツの学位全般に言えることですが、基本的に「世界で起きていることをリアルタイムで追っていく」ことが大事です。だからシラバスもその時々のロンドンで起きていることに合わせて更新します。例えば授業の一環でタイムリーな展覧会に行ったり、授業に合った演劇を観に行ったりします。そうやってコアモジュールを「世界に応答するもの」にしているんです。 Lives of Londonはその最たる例です。というのもロンドンを中心に据えているわけですから。都市というもの、特にロンドンという場所は常に変化していて、生き生きと動いている存在です。だからこそ私たち教員も、それに敏感である必要があるんです。 キングスカレッジロンドン: リベラルアーツ学生の進路 Yuki リベラルアーツ課程で今まで印象に残っている学生はいますか?卒業生の皆さんはリベラルアーツでの経験を活かして、どのような進路を進んでいますか? 正直なところ、私たちの学科は発足してからそれほど時間が経っていないので、卒業生の進路について把握できているのはまだ一部に限られます。それぞれがどんな分野に進んでいるのか、すべてはわかっていないんですね。 ただ、何人か印象に残っている学生はいます。例えばメガ・ハリシュはインドのバンガロール出身で、詩や散文を書くクィア※作家です。 ※Queer(クィア)とは性的マイノリティを包括的に表す言葉。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど。作品のジャンルでもある。 彼女はキングスでのリベラルアーツの第1期生で、リベラルアーツソサエティの初代会長も務めていました。今も学生に向けてリベラルアーツの学位について話をしに戻ってきてくれることがあります。学科の立ち上げ期から関わってきた存在として、すごく印象的な人ですね。 それからレベッカ・ガイザー。彼女は5年ほど前に卒業したのですが、自分で劇団を立ち上げて「RJGプロダクション」という制作会社を運営しています。いくつか注目度の高いプロジェクトにも携わってきました。 今思い返してみると、彼女は音楽専攻でもなかったのは面白いですね。レベッカのように、入学時と卒業時で自分の将来のイメージが大きく変わる学生をよく見かけます。彼女の場合も、様々なモジュールを受講していく過程で、関心が大きく変わっていったんだと思います。 もうひとりはエマニュエル・ドット。私のアニメーションの授業を取っていた学生です。専攻は政治学で、副専攻として映画を選んでいました。エッセイの指導をしたこともあります。彼女は今、環境政策の分野で活躍していて、持続可能性に関する議論の中で大きな成果を上げています。 それにしても、学生たちが入学時に私が想像していたものとは全く違う進路に進んでいくのを見るのは本当に面白いことです。 Yuki 本当に色々な学生がいて、先生としても彼等の進路を見届けるのは興味深いんじゃないですか そうですね!様々な学生が集まって行われるセミナーが楽しいのはまさにその部分で、異なる伝統知を持った学生たちが集まるからこそ、議論がすごく生き生きとするんです。どんな視点が飛び出してくるか、教員側でも本当に予測できないんです。 「この仕事に同じ一日はない」とよく言われますが、本当にその通りで、特にリベラルアーツ課程ではまさにそうなんです。学生自身が日によって違う学部や学科の内容を取り扱っていて、同じ一日なんて存在しない。私たち教員チームとしても、その活気を強く感じています。 多様な視点が交差する教室から生まれる学び Yuki 先生は映画学科の授業も担当していたとのことで、その時とリベラルアーツの授業を担当するときの違いは感じますか 違いはいくつもあります。これはリベラルアーツの授業を行う時によくあることなんですが、どうしても自分の専門分野に引き寄せて話してしまいがちなんです。授業を作る時はそれを避けて、特定の分野に偏りすぎないシラバスを作らなければなりません。 リベラルアーツ授業へのこだわり 例えば、古典専攻の学生や政治学専攻の学生がいる中で、私が映画の例ばかりを使うと、映画を専攻していない、あるいは映画に興味のない学生を置き去りにしてしまいます。常にバランスが必要なんです。そのため、私たちのモジュールはチームティーチングで行うことが多いです。 キングスのリベラルアーツのオフィスがあるVirginia Woolf Building 異なる分野の教員が週ごとに教えるスタイルで、学生は複数の視点から学ぶことができます。私たち教員も自分の専門を活かしながら、授業全体が一方的に偏らないように心がけています。 授業を作る中で特に重視しているのがリーディングです。複数の分野からテキストを集め、特定の専攻に閉じない、学際的な視点を持った資料を用意します。もちろん、必要に応じて特定分野に即したものを選ぶこともありますが、基本的には異なる学問の交差点を意識しています。 リベラルアーツの教員としてのやりがい 正直なところ、リーディングを設計する作業は、私にとってこの仕事の中で最も好きな部分の一つです。教育者としてモジュールを設計するのは非常にやりがいがありますし、リベラルアーツだからこそ挑戦的でもあります。そして、普段は読まないような研究に触れられたり、一緒に教える同僚から専門的な知識を学べたりするのも、大きな魅力です。教員として、この学位プログラム全体は本当にやりがいのあるものです。 教員として学生を見てきた中で特に印象的なのは、学生が最初はこれを受けたいというモジュールのリストを持ってきても、卒業する時にはそのリストの中のモジュールを結局一つもやらなかったというケースですね。その間に自分の情熱を育てたり、新しい興味を見つけたりするんです。 リベラルアーツの一番大事な点はそこにあると思います。自分は何を知っているのか、その知識がどう変化していくのかを学ぶことができるんです。だから本当にやりがいがあります。それぞれの学生がこれまで辿ってきた学びのお祝いとなる卒業式は私の大好きな日です。 キングスカレッジロンドンのリベラルアーツの未来 Yuki 先生自身、このキングスカレッジロンドンでのリベラルアーツの将来はどんなものになっていくと思いますか? 学生がより多くの分野を学ぶ機会を持てるように、様々な経路を開いて行きたいと思います。 特に今力を入れているのは大学院レベルでの発展です。現在、私たちは新しいリベラルアーツの修士(MA)課程を設計中ですが、そもそも「リベラルアーツの修士課程」とは何か、それはどうあるべきかという課題に直面しています。 修士課程は通常、学部課程より専門分野を絞っています。例えば映画を学び、修士課程でアニメーションや個別のジャンルを研究する、といった具合です。でも私たちは大学院レベルでそれをそのまま踏襲するつもりはありません。学際的な人文系として、幅広さを維持しつつ、学部課程の単純な再現にはならないようにしています。 つまり、「リベラルアーツのMAとは何か」「何を学生に訓練させるのか」「学部課程とどう違うのか」を真剣に考えながら設計しているんです。 もちろん、修士課程ができれば、その数年後には博士(PhD)課程の設立も考えていくと思います。MAについて今はあまり詳しく話せませんが、数年以内には形になると思います。そして、学部でリベラルアーツを楽しんだ学生が、そのまま修士課程に進めるような道も提供したいと思っています。キングスでのリベラルアーツの変化というものは、そこから生まれると思います。 リベラルアーツを志す人たちへ Yuki それは楽しみですね!最後にどのような人たちにこのリベラルアーツが向いていると思うか、もしイギリスでリベラルアーツを勉強することを目指している人たちに何かメッセージがあったらお願いします。 まず、自分の知的好奇心に従うことはいつでも大事だと思います。もし興味を持っているものが一つの学問分野に収まりきらないなら、リベラルアーツ課程はまさにあなたのために作られていると言えます。 この学位は、Major(専攻)以外で厳密に決めなければならない部分は少なく、柔軟性が組み込まれています。もちろん、留学生にとっても同じことが言えます。1学期や1年間の留学などを通じて、様々な知的環境で学ぶことができ、異なる専門性や知識に触れることができます。 特定の分野の内容ももちろん学びますが、それと同時に「学ぶとはどういうことか」「学生であるとはどういうことか」を学ぶ機会にもなります。 自分の学位をどう組み立てるかを振り返ったり、大学という場を通して知識がどう生み出されるのかを理解したりするんです。私たちはモジュールやシラバス、リーディングリストが、学生にとって単に受け取って学ぶだけでなく、そこから自分で問いを立てて探究できるものにしているんです。だから特定の学問分野に収まる興味関心がない学生にとっても、リベラルアーツはとても適しています。 それに加えて、イギリスに来て異なる教育制度の中で学び、異なる専門性を持つ人たちから学ぶことができるのも大きな魅力です。そして、そうした学びを通じて、あなたもまた他の人に何かを教えることができる。そうしたグローバルな文化体験の質というものは重要で、まさに異なる専門性や世界の様々な地域から人々を集めて学ぶことを目的としています。 Yuki ありがとうございました! https://passporter-media.com/articles/34/ さらに前回の記事はこちら↓ https://passporter-media.com/articles/22/ King's College Londonについて詳しく知りたい人はこちら↓ https://jp.education-moi.com/article-52-kcl

人気記事

Popular articles

イギリスのNHS利用|留学生が知っておきたい医療サービス

イギリスの病院に行くとき、多くの人はNHS(エヌ・エイチ・エス National Health Service)という公共の医療制度を利用しています。留学生もビザ申請時に健康保険付加料(IHS)を支払えば、NHS提携の公立病院を受診できます。ですが、NHSをうまく活用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があるんです。 この記事では、留学前に知っておきたいNHSの基本的な使い方や、ビザ申請時に支払うIHSについて、さらに病院やGP(かかりつけ医 General Practitioner)の違い、実際に病気になったときの流れまでわかりやすく解説します。 Haruna これまでに何度もイギリスの病院を利用している現地在住者が解説します!どんな流れで医療サービスが受けられるのか、ぜひ参考にしてみてくださいね。 イギリスのNHSって何?医療制度の基本 はじめに、イギリスの公的医療制度「NHS」の仕組みや利用方法についてわかりやすく解説します。 NHS(National Health Service)の概要 1948年にスタートしたイギリスのNHS(National Health Service)は公的な医療制度です。特徴は、多くの医療サービスが無料だったり、もしくは低料金で受けられること。留学生ももちろん対象。ビザ申請時にIHS(健康保険付加料)を支払うことで、NHSのサービスを使えます。 一部は自己負担になる場合もありますが、一般診療、救急医療、入院治療、妊産婦ケアなど幅広いサービスが無料です。 IHS(Immigration Health Surcharge)について イギリスに6か月以上滞在する留学生は、ビザ申請時に「IHS(Immigration Health Surcharge)」を支払っておくことで、ビザの開始日からNHSの医療をイギリス住民と同じように利用できるようになります。料金はビザの有効期間によります。 ビザの期間ごとのIHS料金 ビザの期間料金 ポンド/円6か月以下なし(申請がイギリス国内の場合は£388 / 約73,720円必要)6か月超〜1年未満£776 / 約147,440円 (1年分)1年£776 / 約147,440円1年超〜1年6か月以下£1,164 / 約221,160円 (1年半分)1年6か月超〜2年未満£1,552 / 約294,880円 (2年間分)2年£1,552 / 約294,880円 参考 https://www.gov.uk/healthcare-immigration-application/how-much-pay ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。IHS支払い時には最新の情報を必ずご確認ください。 オンライン上でビザ申請時にコースの開始日と終了日を入力し、デビットカードかクレジットカードで支払います。もしも支払いを忘れたり、金額が足りていないと UK Visas and Immigration(UKVI)からメールで知らされます。指定期間内に全額を支払わない場合はビザの申請が却下されてしまいます。 病院とかかりつけ医の違い(Hospital と GP) 日本では、自分の症状をベースに専門医を選んで直接病院に行くことが多いですよね。しかし、イギリスではまずかかりつけ医であるGP(General Practitioner)を訪問し、そこから病院(Hospital)の専門医を紹介してもらう流れです。 病院の外来は基本的に紹介制で、専門的な検査や手術、入院治療が必要な場合に利用します。救急(Accident and Emergency)でなければ、基本的にはGP→病院の流れが一般的です。 GPで相談できること GPは地域の診療所、かつ最初に相談する窓口で、必要に応じて病院や専門医を紹介してくれます。風邪や体調不良、慢性的な症状など病気や健康全般について相談でき、処方箋も出してくれます。 GPで診てもらい検査に進む場合は、その結果が出てから精密検査や追加診療で専門医のいる病院に紹介されるケースが多いです。診察は対面のときもあれば、GPに行かずに電話で遠隔診療する場合もあります。 閑静な住宅地にひっそりとたたずむGP 渡英後はまず「GP登録」から始めよう イギリスに到着したら、なるべく早めに「GP(かかりつけ医)」への登録をしましょう。登録のタイミングや方法をここからお伝えします。 登録のタイミングと方法 GPの登録方法は、直接GPに行くかオンラインのどちらかです。大学によってはキャンパスに近いGPを紹介しているので、スタッフに尋ねてみましょう。 GPの登録方法 ①GPを探す NHSの公式サイト「Find a GP(GPを探す)」から、新規登録者を受け入れているか、受付時間、利用者の口コミを確認できます。自宅から近く便利なGPに登録する人が多い傾向にあります。 ②登録フォームに入力/記入する 登録フォームは、各GPのウェブサイト、NHSアプリから入手できます。GPで渡される用紙も可能です。 【登録に必要な情報】 氏名 住所 生年月日 学生ビザ証明の共有コード(Share Code) 連絡先(緊急連絡先も含む) 現在の健康状態・病歴 アレルギーの有無 服用中の薬 など 身分証明や住所証明についてはGPによります。地域内の住民のみを受け入れているGPへの登録には、住所証明を用意した方が無難です。また、なかには新規の登録者を受け入れていないGPも。 もしも、留学中に住所が変わる場合はGPへ報告しましょう。NHSの予約に関することや検査結果などが郵便で送られてくることがあります。引っ越し先が登録中のGPの地域外でも、新居に近い新しいGPに移ることができます。 GPの予約方法・診察の流れ 診察は予約制です。コロナのパンデミックを経て、多くのGPでは感染拡大を避けるために、予約をしてからGPへ来てもらう形を取っています。予約方法は、電話、もしくはオンラインです。電話予約はすぐにつながらず、かなり待たされる場合も。オンライン予約を実施しているGPでは、NHSアプリや各GPの予約サイトからリクエストできます。 私が登録しているGPの場合は、GPの予約システムからメッセージ形式で問い合わせをし、少し待ったあとにメッセージや電話で返信があります。問い合わせ内容によっては、看護師や医師と遠隔で会話し、そこで診察が終わる場合もあります。もしくは対面での予約日を決めていきます。 オンラインのいいところは、問い合わせ内容を細かくテキストで伝えられるところです。電話での会話では医療専門用語がすぐに出てこず、詳細をすべて伝えきれないことも。オンラインで履歴を確認できるため、あとで詳細を振り返るのにとても便利です。近年どんどんオンライン化が進み、以前よりサービスの手軽さが上がったと感じています。 夜間や土曜日に予約が取れることもあり、大学のスケジュールに合わせて利用できるのは留学生にとってもうれしいですね。 実際に病気になったら?病院の使い方ステップ 実際に体調を崩したとき、どうすればいいのか不安に感じる方も多いかもしれません。ここでは、症状が出てから病院で診てもらうまでの流れや、緊急時の対応まで、具体的なステップをわかりやすく解説します。いざというときの参考にしてくださいね。 【NHS利用】症状が出てから病院へ行くまで ここでは、GPや病院などNHSを利用するフローの例をご紹介します。長年NHSを利用しているなかで遭遇した、よくあるパターンをシェアさせていただきますね。 NHS利用の流れ 問い合わせ(電話、オンライン) 問診(GP、電話、ビデオ通話) 必要に応じて診察や血液検査や尿検査などの実施(処方箋のみの場合もあり) 検査結果を聞く(GPか電話の場合が多い) 治療が必要な場合は処方箋をもらう or 病院紹介 【病院紹介の場合】 病院での診察予約に関する手紙が届く(病院が指定する予約日時の記載あり) 指定された予約内容を変更したい場合は病院に電話 予約日時の希望を伝え、確定 病院で診察・検査 GPで結果を聞く(病院の検査結果がGPに送られる場合) ※追加で検査を実施する場合は医師から連絡があり、新しい予約日時を相談する流れになります。 病院はGPと違って、多くの専門科が揃っており規模が大きいです。施設が広いため、初めて訪れる場合は指定の場所を見つけるのが難しいことも。予約時間の前に早めに到着しておきましょう。 病院の内部 NHS 111の使い方 NHS 111は、電話やオンラインですぐにGPにつながらない場合や、GPの診療時間外でも相談したいときに利用できる便利なサービスです。まずは電話かオンラインで問い合わせることで、どういったアクションを踏めばいいかをアドバイスしてくれます。相談内容によって対応は変わりますが、以下のような例があげられます。 看護師からの折り返し電話を予約 夜間・週末のGP診療を案内 歯科やメンタルヘルスなどの専門サポートを紹介 登録しているGPに連絡するよう指示 薬剤師に相談するよう案内 自宅で経過観察するよう指導 NHS 111では、病院の予約・キャンセルや診断書の発行はしてもらえないので注意してください。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/urgent-and-emergency-care-services/when-to-use-111/ 緊急の場合はどうする? GPの診察を待てずに急いでいる!そんなときは緊急外来(A&E)や救急車(999)を利用します。 まず、A&Eについて。 A&E(Accident and Emergency/事故・緊急外来)は、GPの予約を待っていられないほどのつらい症状や怪我があるなど、緊急性の高い場合に利用します。Accident and Emergencyのほか、Emergency Department(救急部)やCasualty(救急)とも呼びます。着いたらまず受付で症状を伝えます。 過去に利用した感想は、とにかく待ち時間が長いということです。予約を取らないことと、重症患者が優先されるため、先に着いているのに後から来た人が早く診てもらっていたりします。診察の流れは、各自の状態によって変わります。 緊急時の例 緊急性が低く深刻でないと判断→GPの予約をすすめられる、処方箋をもらう 緊急の場合→専門病棟に移り場合によっては入院 病院の正面玄関と別にある緊急外来用の入り口 緊急外来ではとても待てないような、命に関わる緊急時であれば、999へすぐ電話を。交通事故や発作など重大なシチュエーションには迷わず利用しましょう。電話で聞かれる内容は、場所、999にかけた理由、連絡先など。救急隊員の到着を待っている間ににできることや、どれくらいで着くかも教えてくれます。 黄色と緑が目印の救急車  処方薬と薬局の使い方 診療後に薬が出されたら...?ここからは、NHSの処方薬の受け取り方や薬代について、基本的な情報をわかりやすくまとめました。 薬はGPが発行する「処方箋」で薬局でもらう GPでの診察が終わり、処方薬が必要であれば処方箋が出されます。診察後にGPと連携している近隣の薬局(Bootsなど)に行き、Prescription(処方箋)というコーナーでスタッフに自分の生年月日、名前、住所を伝えると、あらかじめ用意してある薬が手渡され、支払いに進みます。 薬局内の処方薬受け取りカウンター 薬代の仕組み NHSで処方してもらう薬の料金は、2025年の時点で処方薬1品につき※£9.90(約1,880円)です。ひとつの処方箋に複数の処方薬がある場合は、すべての薬の合計金額を支払います。ですが、留学生でも18歳以下で大学やカレッジでフルタイム教育を受けている学生はNHSの薬代が無料です。 処方薬が頻繁に必要な人は、処方箋前払いシステム(Prescription Prepayment Certificate)を利用するのも手です。各自のケースが対象になるかの確認は必要ですが、利用できる場合はかなりお得です。 例えば有効期限が3か月間のPPCは、事前に£32.05(約6,090円)支払えば、有効期間中にいくつでも薬を受け取れます(一部は適用外)。PPCの購入はオンラインがメインで、申請日から有効です。申請を完了すると、メールでPPCの証明書が送られてくるので、薬を受け取るときに提示できると便利です。 ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/prescriptions/save-money-with-a-prescription-prepayment-certificate-ppc/ 市販薬はスーパーや薬局でも買える 処方薬以外はどうでしょうか。結論として、スーパー、薬局で簡単に手に入ります。痛み止めや風邪薬、胃腸薬、花粉症などのアレルギー薬、目薬、塗り薬など種類は豊富です。自分に合えば、留学中にイギリスで薬を買って服用することもできるので、必ずしも日本から持ち込まなくてもなんとかなる場合もあります。 ※個人差がありますので、薬の調達については慎重に判断されることをおすすめします。 NHSと留学保険の違い これまでNHSのサービスについてご紹介してきましたが、イギリス留学中に本当にNHSだけあれば安心なのだろうか?と不安に思う人もいるでしょう。ここからは、NHSのサービスが対象外になる場合と、留学保険との違いについてお話ししていきます。 NHSで医療費の支払いが発生する例 処方薬1品につき£9.90(約¥1,880円)かかるとお伝えしましたが、そのほかにも支払いが発生する例があります。 ・歯科医療 ・眼科治療 ・かつらや布製の医療用サポーター NHSのサイトでは、歯科医療について、治療が始まる時点で18歳未満、または19歳未満で所定のフルタイム教育を受けている場合は、NHSでの歯科治療が無料になると伝えています(治療内容によっては費用が発生する場合もあり)。 治療費がかかる場合には、日本より高いと言われていますので、渡英までに歯の状態を診てもらうと安心ですね。 眼科の例では、街中の眼鏡屋で行っている一般的な視力検査なら£20(約3,800円)ぐらいから受けられますが、専門的な検査になるとさらに費用がかかります。眼鏡を作る場合、場所によっては学生割引が使えるので、検査の前にリサーチしてみましょう。 NHSを使って治療ができる街中の歯医者 Haruna 実は私も、イギリスで歯の詰め物が取れてしまって、数ヶ月放置したあとに日本の歯医者にかかったのですが、衛生的に良くない!こんなに放っておくなんて!とすごく怒られた記憶があります…。 留学保険で補える部分もある NHSのサービスがこれだけ充実しているのなら、留学保険はいらないんじゃ?と思う人も多いでしょう。しかし、留学保険に入ることで受けられる恩恵も多いのが事実です。 NHSの病院、つまりはイギリスの公立病院を利用するとなると、無料で診療が受けられる分、長く待たされることもザラです。問題の症状が落ち着くまでに、ある程度の時間を要すこともめずらしくないのです。その点、留学保険に入っておくことで、プライベートの私立病院が利用できます。ロンドンには日系クリニックが数件あるため、日本人ドクターに日本語でサポートしてもらえる点もありがたいです。 私がまだ学生だったころ、もうダメかと思うような辛い症状があったときや、小さな手術を受けたときもすべて留学保険が適用され、プライベートの日系クリニックを利用しました。電話一本ですぐに予約がおさえられ、スムーズな日本語のサービスが受けられたことで、改めて保険の大切さを知りました。 ※持病や既往症は補償されない場合がありますので、各保険会社に問い合わせてみてください。 医療以外のトラブルにも留学保険が活躍します。加入するプランによりますが、盗難や破損、飛行機の遅延も補償されるケースがあります。 「何がどこまでカバーされているか」知っておくと安心 NHSのサービスだけでいいの? 心配だから留学保険に入る?答えは人それぞれ。留学生のなかには、医療サービスにおいてはNHSだけでじゅうぶんだった、という人もいれば、留学保険があってよかった、という人も。しっかりとそれぞれの特性を把握したうえで、自分に合った選択をしてみてくださいね。 医療の備えは安心な留学生活の第一歩 イギリス在住の筆者も、これまでに何度もNHSのお世話になってきました。幸い、GPの受付スタッフや看護師、医師たちには毎回親切にしてもらっています。電話やオンラインでの問い合わせには、ほとんど返信があり、しっかり話を聞いてくれます。ただ、サービスの質に関してはGPによりけり、という声も多いです。GP登録をする際には、口コミをチェックしたり、同じGPに登録している学生の話を聞いたりと、下調べをしておくとより安心です。 安心して留学生活が送れるように、医療面での準備を万全にしておきましょう! https://www.nhs.uk

【実体験】イギリス留学準備術: 合格通知からビザ取得までの記録

3月に入り、イギリスの大学や大学院から合否結果が届いてきたと思います。大学からオファー(合格通知)を受け取るといよいよ本格的な留学準備が始まります。入学までには多くの手続きがあり、スムーズに進めるためには計画的な準備が必要です。本記事では、オファーを受け取った後の具体的な準備プロセスについて、僕の経験を踏まえて詳しく解説していきます。 合格結果の確認と入学手続き 出願してからオファーをAcceptするまで 合格結果が届く時期は大学や学科によって異なり、ここは待つしかありません。僕は出願した5校のうち4校は2月初旬までに結果が届きました。しかし第一志望の大学だけ3月までオファーが来ず、もどかしさを覚えました。遅くて7月ごろに結果が出る場合もあるそうなので、気長に待つことが大事だと思います。UCASのTrackシステムをこまめにチェックしましょう。 オファーの種類(Conditional・Unconditional) イギリスの大学からのオファーには、「条件付きオファー(Conditional Offer)」と「無条件オファー(Unconditional Offer)」の2種類があります。条件付きオファーは、IELTSスコアや最終成績の提出といった特定の条件を満たすことで合格となります。UCASで出願した全ての大学から合否が届いた後は、Firm Acceptance(第一希望)とInsurance Acceptance(第一希望に合格できなかった場合の第二希望)の大学とコースを選択します。第一希望の大学からUnconditional Offerをもらった場合はInsurance Acceptanceを選択する必要はありません。 オファーを受け取った後の対応 自分が受け取ったのが条件付きオファーの場合は手続きを早めに済ませることが大切です。通常、オファーの承諾期限が設定されているため、遅れないように注意しましょう。一部の大学ではInternational Students(留学生)がオファーを承諾する際、デポジット(Deposit - 入学金)の支払いが必要です。この金額は大学によって異なりますが、£1,000~£5,000が一般的です。支払期限も設けられているため、期日を確認して早めに対応しましょう。 不合格だった場合の選択肢(Extra・Clearing) もし出願した全ての大学が不合格(Unsuccessful)だったとしても、結果をもらった後に追加で一つのコースに出願できる「エキストラ(Extra)」と定員に達していないコースに出願できる「クリアリング(Clearing)」というシステムがUCASにあります。Extraは2月末から7月初旬まで、Clearingは7月中旬から9月~10月ごろまで行われます。期待した結果が出なかった場合でも諦めずに他の大学やコースにトライしてみましょう。  イギリス学生ビザ(Student Visa)の申請を徹底解説 イギリスでの長期留学には学生ビザ(Student Visa)が必要です。申請にはいくつかの書類が必要で、その用意やビザ発行までに時間がかかります。とにかく早めの行動が大事です。  必要書類 CAS 大学からのオファーを承諾し、パスポートなどの書類を提出すると、「CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)」という入学許可証が発行されます。CASはビザ申請に必須な書類で、入学証明となる番号(CASナンバー)が書かれています。発行には通常数週間かかりますので、余裕を持って手続きを進めましょう。  パスポート パスポートの有効期間が留学期間をカバーしている必要があります。期限が短い場合、事前に更新しておきましょう。申請時にパスポートを提出し、そこにビザが発給されることになります。また、見開き2ページ以上の余白ページがあることも確認しておきましょう。  過去のパスポート 過去10年間の渡航歴を聞かれた時、昔使っていたパスポートがあると便利です。ただし、トランジットで立ち寄り、滞在期間が1日未満だった国も渡航歴に含まれます。こういった場合はパスポートにその記録がない時があります。できるだけ正確な情報を書くことが推奨されているので、僕は法務省の出入国在留管理庁というところで自分の渡航歴に関する開示請求を行いました。500円程度で調べてもらえます。https://www.moj.go.jp/isa/publications/privacy/record.html 英語力の証明書 大学によってビザ申請時に英語力の証明を求めるところもあります。GCSEやIBなどのスコアで証明できる場合と、イギリス政府が認定するSELT(Secure English Language Test)の結果しか受け付けてくれない場合があります。このSELTはイギリスのビザ取得専用の英語力試験です。中には「IELTS for UKVI」や「Pearson PTE Academic UKVI」などがあります。IELTSとは異なるもので、指定のスコアを満たすため改めて受験する必要があります。 申請費用と健康保険料(IHS) 申請時にはビザ申請料(£490)の支払いが必要です。さらにIHS(Immigration Health Surcharge)という健康保険料(£776×コースの年数)も支払います。IHSを支払うと、イギリス滞在中にNHS(国民保健サービス)を原則無料で受けられます。 ビザ申請の流れ 書類の準備ができたら、イギリス政府のUKVI(UK Visas and Immigration)の公式サイトから専用の申請フォームに情報を入力し、書類をオンラインで提出します。オンライン上の手続きが済んで、申請料及びIHSを支払うとVFS Globalのビザ申請センターの来館予約ができるようになります。日本には東京と大阪にビザ申請センターがあります。予約した日にパスポートを提出し、生体認証情(指紋と顔写真)を登録します。審査は通常3週間ほどかかり、終了しないとパスポートが返却されません。ビザはパスポートと共に返却されます。ビザ申請センターで受け取るか、郵送してもらうかを選べます。 審査開始後に財政能力証明書の提出を要求される場合があります。これはイギリスでの生活費をカバーできる資金があることを証明するためのものです。ロンドンの大学で勉強する場合は£12,492以上。ロンドン以外の場合は£10,224以上(授業料を除く)。つまりロンドンでの生活費: £1,438/月、ロンドン以外での生活費: £1,136/月: 9ヶ月分の生活費をカバーできる証明が必要です 。預金通帳や金融機関の取引明細書を英文に翻訳したものが必要です。あらかじめ準備しておくとビザ申請がスムーズに進むでしょう。  より詳しい流れについては下のサイトに説明してあるので、確認してください。https://www.westminster.ac.uk/sites/default/public-files/general-documents/student-visa-application-guide-applying-from-outside-uk-v2.pdf  申請は「何事も早めに」が鉄則! 前述の通りビザの審査には通常3週間ほどかかると言われています。繁忙期にはそれ以上の時間がかかることもあります。ビザ発行が渡英日に間に合わずフライトを変更せざるを得なかった友達が何人かいました。審査期間が多少長くなってもいいように、早めに必要書類を集めて申請することが大事です。「ビザ申請ドットコム」や「IMMIGRATION.UK」といったビザ申請を代行してやってもらえるサービスがあり、書類の翻訳など自分でできるか不安があった僕は活用しました。利用すれば必要な書類を揃えて代行者に提出するだけです。その後の申請フォームの入力やビザ申請センターの予約などは全部やってもらえます。  寮とシェアハウスの探し方 ビザ申請と並行して、イギリスでの住居を確保する必要があります。選択肢としては大学が運営している大学寮、民間の学生寮、シェアハウスなどがあります。 大学寮 vs 民間の学生寮の違い 同じ大学の人と交流できる大学寮は、初めての留学で最も安全で便利な選択肢だと思います。特にロンドンなどの都市部では、民間の賃貸物件の家賃が高いです。そのため、大学寮を利用することでコストを抑えられます。僕は大学1年の時に大学寮で暮らして、2、3年の時は民間の学生寮で暮らしていました。民間の学生寮だと、ロンドン中の大学から学生が集まるので他大学生との交流が深まります。ただし、これらの寮は人気が高く、申込期限が早いです。オファーを受け取ったらすぐに申し込むことをお勧めします。早めに申し込みをしなかったせいで、キャンパスから遠い場所にあったり、家賃が高い寮しか残っていなかったりという話も友達から聞きます。 大学が寮の情報を発信していますし、部屋の予約ができるResidence(住居)のサイトやWebポータルにも情報があるので、そこのSNSなどに登録して最新情報をチェックしましょう。  僕が住んでいた民間の学生寮 シェアハウス探しの注意点と便利サイト シェアハウスは費用を抑えつつ、学生のみならず現地の人々と交流できる点が魅力的です。ただし、契約詐欺や知らない人とシェアしなければいけないというリスクもありますので、信頼できるサイトを利用して物件を探し、可能であれば現地で内見してから契約を結ぶことが望ましいです。住居探しには、Rightmove(https://www.rightmove.co.uk/)やZoopla(https://www.zoopla.co.uk/)などの物件検索サイトが便利で、よく使われています。また、SpareRoom(https://www.spareroom.co.uk/)を利用すれば、ルームシェアの相手を見つけることもできます。  必須手続き: eVisaについて 返却されたパスポートに載っているビザはあくまで仮のEntry Clearance Visa(入国許可証)というもので、発行されてから90日まで有効です。正式なビザはeVisa(Online immigration status)という電子書類です。UKVIから送られてくる案内に従い、オンライン上でビザの申請番号やパスポート番号を登録して、アカウントを作成します。 イギリスに入国する際、パスポートのビザだけでなくeVisaの提示が求められる場合があります。そのため渡航前に手続きを済ませておくといいでしょう。これまではBRP(Biometric Residence Permit)カードという物理的な書類だったのでした。2025年の1月からオンラインに置き換わりました。 今回紹介したプロセスの他にも航空券を予約したり、持ち物を準備したりするなど、渡英までにやっておく必要があることはたくさんあります。それらについてはまた別の記事で書きますので、楽しみにしていただければ幸いです。CASやビザの発行などには思っている以上に時間がかかるものもあります。留学生活がスムーズに始められるよう、計画的に準備を進め、安心して渡英しましょう。  https://www.gov.uk/student-visa

UCL現役大学生の留学体験記!イギリス留学のリアルと道のり

京都からイギリスへ: UCL大学留学を決めるまで 自己紹介・バックグラウンド  はじめまして。Nanaです。京都市出身で、中学まで地元で過ごし、高校からイギリスの学校に進学しました。  現在は、University College London(UCL、ユニバーシティカレッジロンドン)でArts and Sciences(アーツアンドサイエンス)学科で勉強しています。一つの専門分野を3年間かけて学ぶ一般的なイギリスの大学とは異なり、この学科ではリベラルアーツ教育に似ていて、文理問わず幅広い分野の科目・デパートメントの授業を取ることができます。  留学を決意したきっかけ 中学2年生の時にスイスでサマースクールに参加した体験が留学を志した原点です。いろいろな国から生徒が来ていて、英語だけでなく、ドイツ語、イタリア語、フランス語などを操る同年代の生徒と出会いました。言語がもたらす新しい人との出会い、つながりや発見に心躍らされました。私もグローバルな世界で過ごしたいと強く思った経験でした。 学校選びから出発まで 本格的に留学を考え始めたのは中学2年生の冬あたりでした。サマースクールで訪れたスイス、友人がすでに留学していたアメリカとイギリスを留学先の候補にしましたが、結局イギリスとアメリカの学校に出願し、先にオファーが来たイギリスの学校に入学することに決めました。 友人に紹介してもらった留学エージェントを通して、学校の選定、受験、インタビュー(面接)を経て、イギリス南西部にあるTaunton School International(TSI、トーントンスクールインターナショナル)への入学が決まりました。インタビュー(面接)や試験はすべて、オンラインで行いました。 Taunton School International(トーントンスクールインターナショナル) の校舎 しかし、この時期(2020年)にちょうど新型コロナウイルス感染症が流行り始め、4月に予定していた渡英は先送りされてしまいました。イギリスには行けなかったものの、学校側がいち早くオンライン授業を導入したため、4月-6月の1学期間は日本の自宅で授業を受けました。思い描いていた留学の始まりではありませんでしたが、振り返ってみればホームシックにならず、少しずつ英語に慣れていく良い機会だったと思います。 Lancing College(ランシングカレッジ)のチャペル TSIではGCSEと呼ばれる中学課程に当たるものを1年間学習しました。2年目からはLancing College(ランシングカレッジ)という現地校に入学し、A-level経済、数学、応用数学、日本語を履修し、受験を経て、UCLに入学しました。 UCL大学生のキャンパスライフ ロンドンならではの魅力と学びの日々 現在通っているUCLはロンドン中心部にあり、1826年に設立された大学で、150を超える国から学生が集まる国際性と400以上のコースを提供し幅広い研究分野を持っているのが特徴です。ロンドンという大都市ならではの刺激的な環境もあり、学びだけでなく生活面でも多くの発見がある大学です。 University College London(UCL)に入学 リベラルアーツ型の学び: Arts and Science学科の特徴 大学ではArts and Science(アーツアンドサイエンス)と呼ばれるリベラルアーツの学科で勉強しています。この学科はイギリスの大学にしてはとてもユニークです。イギリスの大学では基本的に高校で専攻した教科を中心により深く学びます。例えば高校で経済を専攻すると大学でも経済学部やビジネス系の学部に進み、その学部で必修授業をとります。 しかし私の学部では多くの学問の知識をいかに融合させて社会課題の解決策にアプローチするのかに重きを置いています。こういった学問を英語ではInterdisciplinary studiesと呼び、分野横断的(学際的)な学びを意味します。社会課題を解決するのにもさまざまな切り口や専門知識が必要なうえ、分野が異なる人々と協力することも欠かせません。そのようなことを中心に学んでいます。 そのため、履修する授業の半分以上を自分で選択できます。学科の中で、3年間を通して全く同じクラスの組み合わせを取っている学生は誰一人いません。こういった環境が自分の学習生活を唯一無二にします。 実際に履修している授業紹介 私が今年取っている科目は、Principle of international public law(国際法)、Mathematical analysis, Real analysis(解析学)、Database system(データベースシステム)、Macroeconomics/Open and Closed economy(マクロ経済学)、Quantitative methods(定量調査)、Sustainable energy(持続可能エネルギー)、Mandarin(中国語)です。 分野がバラバラでそれぞれ全く関係なさそうに見えますが、Sustainable energyで学ぶエネルギー政策はMacroeconomicsの経済政策につながっていたり、Quantitative methodsで習得する基礎プログラミングはDatabase systemで応用できたりと、他の学生とは違った視点で問題の解決法を見いだすことができます。 課外活動とロンドンでの暮らし 日本語を教えるJapan Societyでの活動 授業外では、Japan Societyと呼ばれるソサエティ(サークル)に参加していて、2週間に1度、学生に日本語を教えています。 Finance and Economics Societyで得た学びと人脈 また、Finance and Economics Societyにも参加しており、週1くらいの頻度で開催されるロンドンの投資銀行などの金融業界で働く方によるセミナーに参加しています。UCLのネットワークはかなり広く、トップ企業で働く卒業生も多いので、いろんな人から話を聞けるチャンスがたくさんあります。 ロンドンの美術館・博物館巡りで深める学び ロンドンには大英博物館(British Museum)やナショナルギャラリー(National Gallery)など、たくさんの権威ある美術館と博物館が集まっていて、ほとんどが入場無料ということもあり、休日にはなるべく行くようにしています。 昨年取ったSocial Theoryの授業ではオリエンタリズム(西洋が東洋をどのようにとらえていたのかを研究する学問領域)のトピックを扱ったのでテムズ川畔にあるTate Britain(テート・ブリテン) の絵画を見に行きました。 Colonialism(植民地主義)などのトピックを考える際、博物館の作品は貴重なソースとなり、実際に鑑賞することでコンテンツの理解をより深めることができます。 高校留学・大学留学を通じて得た学び 広がった視野と情報へのアンテナ 留学して良かったことは、視野が広がったことと得られる情報が増えたことです。異なる文化や価値観を持つ人たちと関わる中で、自分が当たり前だと思っていた考え方が、実は国や環境によって大きく異なることに気づきました。Taunton School時代のルームメートはブルンジ人でした。初めて聞く国からの生徒だった彼女とどうしても話をしたくて、どんな国なのか、何語を話すのかなどを調べた記憶があります。 多様な視点を学べる国際的なクラスメートとの出会い 授業では、さまざまなバックグラウンドを持つクラスメートと意見を交わす機会が多く、同じテーマでも多様な視点があることを学べたのは、とても刺激的でした。日本では、自分がどの政党を支持しているか、政策まで議論することはなかったですが、イギリスでは自国の政策はもちろん、他のヨーロッパ諸国の政策まで網羅している学生も何人かいて、意識の高さがうかがえました。 経済の授業では特に、GDP(国内総生産)成長率やインフレ、利子率を必ず頭に入れておく習慣ができました。円安など、身の回りで起きていることが身につけた知識で理解できるようになっていくのが楽しかったです。 英語力と自己発信力の向上 また、英語でコミュニケーションを取る力が自然と身につき、自信を持って自分の意見を発信できるようになったのも大きな成長です。さらに、留学生活を通じて新しい友人や経験に出会い、自分自身の挑戦する力や柔軟性も養われたと感じています。 留学生活で感じた辛さと乗り越えた経験 言語の壁とコミュニケーションの葛藤 留学で辛かったことのひとつは、最初の頃に感じた言語の壁です。英検2級を取得後に渡英しましたが、授業では、ネイティブスピーカーや先生たちのスピードについていけなかったです。留学当初は宿題を終わらせるのにも、クラスメートの3倍時間がかかりました。 授業がわかるようになっても、友達との会話や冗談を理解し、話すまでにはかなり時間がかかりました。小学校の間に英会話塾に週1で通っていましたが、実際に会話しようとすると、自分のシャイな性格も相まって単語が出てこない場面が多くあり、自分の意見を思うように表現できず、もどかしさを感じることがありました。 辞書を片手に専門用語と格闘する日々 大学に入ってからは、専門的な単語も多くて、今でも辞書は手放せません。ですが、一つ一つの単語の意味を調べる習慣がついたことで、理解できない単元があっても、わかるまで調べたり文献を読んだりして、人一倍深い学びを得たと思います。 これからイギリス留学を目指す人へのメッセージ 留学は挑戦の連続ですが、ぜひ恐れずに一歩踏み出してみてください。その経験が、自分自身を大きく成長させ、未来への大きな力になるはずです。 https://passporter-media.com/articles/10/ https://jp.education-moi.com/article-51-ucl

【イギリス高校留学】15歳で親元を離れたボーディングスクールでの生活

私は15歳から親元を離れ、イギリス留学を始めました。大学もイギリスで、卒業後もしばらく滞在していたため、気づいたら14年間イギリスにいることになっていました。苦あり楽ありの留学体験をお届けします。 イギリス全寮制高校への道: 留学を決意するまで 小さい頃、父の仕事でアメリカに行っていたことがあり、英語には多少自信がありました。しかし、滞在は4歳から6歳までのわずか2年半だったため、帰国し中学生になった頃には英語力がかなり落ちていました。ある日、母と当時の英語の家庭教師からの要望に応じ、英語のエッセイを書いてみました。すると「アメリカの小学校2年生レベルだね」と言われ、ショックを受けました。これを機に、英語をちゃんと勉強しようと決意しました。 ちょうどその頃、インターナショナルスクールに通っていた2つ上の兄がイギリスの大学に進学したいと言ったので母と3人でイギリスの大学の下見に行くことになりました。自分にとって未知の国だったイギリスに惹かれていたのと、いつかは留学したいという思いが相まって、ついでに高校も見ようと母と決めていました。 ノッティンガムシャーの高校見学 複数の大学や高校を巡り、その中のひとつの高校にとても良い印象を持ちました。イギリス東中部、Nottinghamshire(ノッティンガムシャー州)のWorksop(ワークソップ)というところにある高校です。先生が優しく、校舎も広くてかっこよく、生徒達の行儀もとてもよかったです。みんな紳士的で礼儀正しく、先生方の指導が行き届いていることが伝わってきました。 若くして単身留学することを心配していた母も、このしっかりした校風が気に入りました。校長先生とお話をし、その後校舎見学をしました。また、私が医学部志望だったため、英語力をネイティブ並みに上げる必要があると言われ、もうその夏から入学することを勧められました。もともとイギリスでそのまま医学部に行くつもりはなかったのですが、先生方や両親と相談し、見学に行った2ヶ月後には留学を決心しました。 学校の校舎 イギリス高校留学|ボーディングスクールの生活とは? 寮のシステムと制服 イギリスに着いてすぐ、寮長さんや寮母さんに挨拶しました。説明を受け、私はYear 10(日本の中学3年に該当)に入学しました。日本の中学に相当する学年では制服が決まっています。ブレザー、シャツ、スカート、そしてcravatと呼ばれるネクタイのようなものに加え、靴下も学校指定のものを着用しました。 この学校には数種類の寮があり、女子は学期中ずっと過ごす「Full boarding(フルボーディング)」用、平日だけ暮らす「Weekly boarding(ウィークリーボーディング)」用、そして「Daily student(夜には家に帰る通学生)」用の寮がそれぞれ1つです。男子寮はDaily studentと住み込みの生徒が混ざっていて5~6つの寮がありました。各寮には30~40人くらいの生徒がいました。 1つの寮には最下級生のYear 9(中学2年生)から最上級生のYear 13(高校3年生)までが一緒に暮らしており、2、3人部屋もあれば1人部屋もあります。新入生は基本的に多人数部屋に割り振られ、最高学年の生徒は1人部屋が与えられました。私は最初3人部屋に入りました。その後2人部屋になったり3人部屋になったりの繰り返し。最終学年になったらついに1人部屋を手に入れました。毎学期、部屋のメンバーは先生が決めて変えていました。 校長先生の住むお家。学校の入口のすぐ隣にある 深夜の勉強と寮のおきて 渡英当初の英語力では会話についていくのが精一杯で、授業は全く理解できませんでした。現地の生徒ばかりの学校で、私の学年にいた留学生は他に男子2人だけでした。英語の授業以外は現地の生徒達と一緒に受けるため、取り残されないように懸命でした。深夜と早朝の時間を活用し、ひたすら教科書の翻訳をする日々が続きました。 ある明け方、普段電気が点いている部屋が消灯されたので階段に座って勉強していました。すると寮母さんが駆けつけてきて、「Yui、こんな時間に勉強しないの!ここはアラームがついているの。勉強は日中だけでも十分なのだから夜はしっかり休みなさい」と注意されてしまいました。どうやらこの階段にはアラームが設置されていて、人が入ると寮母さんなどの責任者だけが知らされるようになっていました。それ以来、夜中の勉強はやめました。 ホームシックと戦う日々 寮生活はとても厳しく、朝1回、お昼前に1回、お昼後から夕方にかけて3回、そして夕飯後の宿題時間に3回、点呼がありました。そして寝る前には先生が各部屋を回って携帯電話を没収し、電気も強制的に消されます。しかしほとんどの子は偽物の携帯を預けていました。 留学した最初の年はスマホもWi-Fiもなかったので私はガラケーを使っていました。インターネットは共用のパソコンルームのみで使うことができます。家族と連絡を取るときは国際電話でした。 週に1回、Skypeが使えるパソコンを予約して家族とビデオ通話することができました。しかし世界中から留学生が来ているので常に予約枠の取り合いでした。日本との時差の関係で都合の良い時間帯が限られ、目当ての時間枠が取られてしまってよく落ち込んでいたものです。 最初の1年間はホームシックでほぼ毎日泣いていました。言葉があまり通じなかったため友達もできなかったです。「かわいそう」と寄ってきてくれる生徒や授業で一緒になった生徒とたまに話す程度でした。都会ではなかったので、アジア人が少なく、奇異の目で見られているように感じました。 留学1年目の冬。膝下まで雪が積もるほどの大雪でした 辛かった陸軍の訓練 私の学校はCCF(Combined Cadet Force)という連合将校養成隊の時間があり、Army(陸軍)の訓練をしました。陸軍の他に、Navy(海軍)、Royal Air Force(空軍)もあり、現地の生徒は選択が可能でした。その頃、私たち留学生は選べず、一番人数の多い陸軍に自動的に振り分けられました。軍隊用の重たい迷彩服を着て寒い中2時間くらいマーチングし、銃の練習や匍匐前進などをするのはとても苦痛でした。また、落ち葉や枝を集めたり、数人組で運動させられたりと、グループでの活動が多かったです。友達の少ない私には楽しくはありませんでした。 礼拝の時間でスピーチに挑戦 一方で、週5回の朝のChapel(礼拝)の時間は比較的平和な時間だと感じました。讃美歌を歌い、お話を聞くだけの時間でした。木曜と土曜日以外の曜日に毎週、礼拝が行われました。日曜日だけ、朝の礼拝は全校生徒ではなく、寮生のみの参加で人数が少なかったです。そのため留学生にも皆の前で話をする機会が与えられました。 私も数回日曜日にスピーチした後、全校生徒の前で話す機会をもらい、3.11の出来事などを話しました。現地の生徒が多かったので、彼らにとって海外に触れられる貴重な機会だったと思います。その他、日本や中国の祝日の時には文化のお話もしました。 日本ではクリスマスは外で過ごし、お正月は家族で過ごすものだと伝えたら、イギリスとは真逆なので驚かれました。話した内容に興味を持ってくれ、それをきっかけに会話が弾むことがよくありました。先生方は、私たち留学生が学校に溶け込めるよう、常に様々な工夫をしてくれていました。 チャペル 深める交流: スポーツとイベントの舞台裏 ハリーポッターの世界!イギリスならではのスポーツ イギリスのBoarding school(ボーディングスクール・全寮制学校)特有のスポーツの時間もありました。季節や性別によって競技が分けられています。秋には男女共にもホッケー、冬は女子がネットボール、男子がラグビー、夏は水泳、クリケット、クロスカントリー、ラウンダースなどから自由に選択できました。 ハリー・ポッターに出てくるような寮対抗の大会や他校との試合もありました。他校との試合では、全生徒が実力別に分けられ、相手校の同じレベルのチームと戦います。そして試合後は相手チームと一緒にSupper time(おやつの時間)があり、ポテトやパン、フルーツ、ケーキなどを一緒に食べました。 ラグビーコートが9面もある広大な敷地を持つ学校。裏にはゴルフコースも プロムやダンスパーティー 年に数回、寮ごとのパーティーがあり、他の寮の子も主催寮の生徒に招待されれば参加できました。男子寮が開催するダンスパーティーに出席する際はProm(プロム)に行くような感じのドレスアップをしました。また、冬休みに入る前は各寮の寮生全員が一丸となって練習したダンスを全校生徒の前で発表するイベントもありました。 その他にも私はInternational Eveningを主催したことがあります。各国の生徒が協力して国の料理を作り、みんなでビュッフェスタイルで食べるイベントです。先生方に協力していただき、ダイニングホールとキッチンを借りて行いました。そこで日本人チームはトンカツを作りました。 日本人チームが作ったトンカツ 英国ボーディングスクールの授業内容 1年目はGCSEを勉強しており、Science(理科)、Mathematics(数学)、English as a Second Language(英語), Religion(宗教学)とStudent Selected Studies(選択科目)でした。選択科目にはGeography(地理)、History(歴史)、Art(美術) , Design and Technology(デザインとテクノロジー)、Food and Nutrition(料理と栄養学)などがありました。 私は理系だった上、英語の授業についていくのに必死だったこともあり選択科目ではArt、Design and Technology、そしてFood and Nutritionを選択しました。英語がネイティブの生徒はフランス語なども選択可能でしたが、留学生は必ずEnglish as a Second Language(ESL)をとらなければならず、他の言語は選択できませんでした。ESL以外の授業は全て現地の生徒たちと一緒でした。 私は日本で購入した電子辞書をどの授業にも持っていき、常に単語の意味を調べながら受けていました。最初の1年は辞書を使用して試験を受けることが許されていました。試験の際には先生から英和辞典が手渡され、それを使って試験に挑んでいました。 イギリス高校留学で得たこと 先生のサポートに感激した日 特に印象に残っているのは理科の授業で試験が返却された時のことです。私は60%しか得点できず、周りの不真面目な子たちと同じくらいの点数でとても悔しかったのですが、先生は私の努力を褒めてくれました。 しかし他の生徒がそれを聞いて「でも辞書を使ってるしね」と嫌味を言いました。それに対し先生は「じゃあ君は他の国に行ってその国の言語でテストを受けた場合、辞書を使えばこの点数取れるのか?簡単なことではないよ、母国語で受けても簡単じゃないんだから」と返してくれました。この先生のサポートは今でも忘れられません。このように素晴らしい先生方がたくさんいる学校でした。  Comfort zoneに戻るか挑戦を続けるかの決断 渡英してから1年経った時の夏休みに帰国した際、正直イギリスに戻るか少し悩みました。友達が少なく、授業も難しい。でもやっと英語にも慣れてきたこと、そして何よりも先生方の期待に応えたい気持ちがあり、もう1年、せめてGCSEだけでも終えようと、戻る決心をしました。 重たい足を引きずり、再び寮に戻ると、先生が「戻ってきてくれてよかった」と声をかけてくれました。複雑な心情で戻ってきたけれど先生方がいれば頑張れると思いました。 私の学年に新しい留学生が増え、寮にも何人か入ってきました。英語が全く話せなかった中国人の生徒が1人いて、その子に英語を教えながら暮らしていたらいつの間にか自信もつき、留学生活が楽しくなっていました。そして授業にもついていけることに気が付きました。友達も増え、去年から同じクラスだった生徒達に「Yui、英語すごく上達したね」と言われたときは本当に嬉しかったです。 おかげでGCSEは良い成績で卒業できました。次回はA-level、やホストファミリー、休暇の過ごし方について書きたいと思います。 https://passporter-media.com/articles/9/

新着記事

New articles

NEW

King's College Londonに入学!新入生の1週間どう過ごした?

こんにちは、キングスカレッジロンドン(KCL)のAyanoです。 私が通っているKCLでは、実際に授業が始まる週の前に、1週間「新入生オリエンテーションウィーク」のようなものを設けています。この週では自分のコースの説明会や、サークルを紹介するWelcome fairをはじめとした大学のイベントがたくさん開催されていました。今回はロンドンに到着してからの最初の1週間をどう過ごしていたのかを紹介していこうと思います。 キングスカレッジロンドンの最初の1週間 大学寮の入寮日は、オリエンテーションウィークが始まる直前の週末でした。学生のほとんどがこの週末に入寮するため、寮内でのウェルカムイベントもこの週末にありました。アイスブレーカーや、ピザパーティーなどがあったと思います。また寮は早期入寮することもできます。 キングスカレッジロンドンのAtlasに入寮! 入寮してからは日用品を買ったり、持ってきた荷物を片付けたりする必要があるので、大学が始まる数日前にはロンドンへ来ておくといいのかなと思います。入寮日に寝られるように、寝具や枕などは事前にオンラインで注文し、入寮日までに届くようにしておくのがおすすめです。 オンラインで注文しておいた荷物 寮のルーフトップからの景色が綺麗だったのがお気に入りです! 大きめのスーパーが近くにあれば、食料品だけでなく、フライパンや食器などのキッチングッズのほか、タオルなどの日用品も売っていますし、今はロンドン中心部にIKEAもあるのでおすすめです! コースの説明会とオリエンテーション 最初の1週間では、どのコースも説明会のようなものを行います。オンラインと、キャンパスでやるものがあります。私がファウンデーションの時は、説明会はオンラインで、その後に対面でオリエンテーションイベントがありました。1年後の学部課程の説明会ではキャンパスで行われました。 対面のオリエンテーションで配られたお菓子 キングスカレッジロンドンのコース説明会 ファウンデーションの時は学部課程の進学までの流れを中心とした説明でしたが、学部課程の説明会では3年間のコースを通しての説明で、卒論の流れや、交換留学についてなども説明がありました。まだ授業が始まっていない時期なので少し緊張もありましたが、説明会に参加して「いよいよ大学が始まるんだな」という実感が湧きました。 学生証の受け取りと事前の予約手続き 学生証の受け取りは事前に予約する必要がありました。学生証受け取り予約にはイギリスに到着していることを証明するため、パスポートのスタンプや航空券を大学側へ送った気がします。 新学期の間は学生証がなくてもキャンパス内に入れるように手続きをするブースがあるので、それがキャンパス内にあるうちに学生証の受け取りを済ませておくと楽かなと思います。 学生証をもらいにキングスカレッジロンドンのキャンパスへ! キングスカレッジロンドンの学生証 キングスカレッジロンドンのWelcome fair 新学期に開催されるWelcome fairにも参加しました。これはSociety(サークル)などが集まってブースを作り紹介している新歓のようなイベントです。KCLには約400のSocietyがあります。スポーツの他、文化系やアカデミックなものもあります。 気になっていたサークルがあればこのWelcome fairで話を聞くこともできますし、私は行くまで知らなかったサークルも見つけたので面白いなと思いました。 キングスカレッジロンドンのWelcome fairの様子 キングスカレッジロンドンJapan Societyのブース キングスカレッジロンドンのWelcome fair会場に入るまでの長蛇の列 これはキャンパスではなくイベントスペースを借りて開催され、無料のチケットを事前に予約しておく必要があります。私は2、3週間前に予約していたのですが、ロンドンに来てからの予約だと売り切れになってしまうことがあるので、事前に予約しておくといいと思います。 またスポーツ系のサークルを中心に新学期が始まって最初の数週間はメンバーシップを購入しなくてもテスターのセッションやレッスンに参加することができます。その宣伝もここで行われていました。 最後に 最初の1週間は授業がないとはいえ、ロンドンでの新生活に慣れるのに大変だったなと思います。イベントや、荷物の整理など思っていたよりも忙しく過ぎていきました。新しい環境に慣れる時間でもあり、大学生活が始まる前の準備期間としてとても大事な1週間だったと思います。オリエンテーションウィークのイベントをうまく活用して、大学生活のスタートを楽しんでほしいなと思います。 最後まで読んでいただきありがとうございました!みなさんの留学を応援しています! https://passporter-media.com/articles/49-kcl-foundation/

イギリスのファウンデーションコース|現役KCL生が日本の高校から進学するまで

こんにちは、キングスカレッジロンドン(KCL)のAyanoです。今回は日本の高校からイギリスのファウンデーションコースに進学するまでの各段階でどういう準備をしたのかを紹介していこうと思います。 ファウンデーションコースとは? ファウンデーションコースは、日本の高校など、イギリスの大学入学資格(A-levelやIB)を持っていない高校を卒業した生徒が、イギリスの大学に進学するために必要な準備をする1年間のプログラムです。 このコースでは必要な英語力に加えて、学部課程で希望する専攻に近い内容を学びます。 私が通っていた日本の高校の卒業資格では直接イギリスの大学の学部課程に進学できなかったため、高校3年生の時にファウンデーションコースに出願しました。 イギリスのファウンデーションコース: 出願準備〜合格まで 高校2年生の終わり〜3年生の春: 進学先決め この時期にイギリスの大学に出願することを決め、本格的に出願準備を始めました。ファウンデーションコースはイギリスの大学が提供しているものと、大学以外の教育機関が実施しているものがあります。大学が実施しているファウンデーションコースだと、ファウンデーションコースからその大学への入学がある程度保証されているため、そちらを選びました。 この時期はイギリスの大学を調べながら、 どういう大学に行きたいか 行きたい大学があればそこはファウンデーションコースも提供しているか そのファウンデーションコースから進学したい学部へ行けるか などを調べ、いくつか候補を絞っていきました。 当初は生活費が高いため予算的にロンドンは選択肢に入れておらず、最終的に進学し今も在籍しているKCLはもっと後になって出願することを決めました。 この時期に候補に入れていたのはThe University of Sheffield(シェフィールド大学)、Lancaster University(ランカスター大学)、University of York(ヨーク大学)などのファウンデーションコースだったと思います。 同時にIELTSの受験準備も進めていました。 高3の6月: IELTS受験 この時期にIELTSを受験しました。IELTSには主に2種類の試験があり、留学を目指す人が受けるIELTS Academicと移住や就労を目指す人が受けるIELTS General Trainingに分かれます。高2の時には現状を知りたいと思いGeneralのIELTSを受験しましたが、この時に受けたIELTSが初めてのAcademicでした。 ファウンデーションコースの場合は、英語要件がIELTS Overallで5.5〜6.0程度と、学部への直接進学要件に比べるとかなり低いのでありがたかったです。 この時Overallで6.5を取れたため、これ以降IELTSは受験していません。 IELTSの有効期限は2年なので、高校2年生ぐらいから早めに準備し受験しておいてもいいのかなと思います。 https://passporter-media.com/articles/8/ 高3の夏: Personal Statementや出願書類の作成 この時期は大学へ提出するPersonal Statement(パーソナルステイトメント)を書きました。私はUCASを経由して出願していないのですが、Personal Statementと同じようなものがファウンデーションコースの出願にも必要でした。 また10月ごろに出願開始となるので、高校側に必要な書類を依頼しました。予想の成績証明書や卒業見込証明書は日英両方で作ってもらい、英語での推薦書も依頼しました。推薦書は英語の先生に依頼しました。 私が通っていた高校から海外進学する人はほぼいなかったと思うのですが、それでも先生方が協力してくださり、とても恵まれたと思います。 高3の秋: イギリスの大学見学 この時期に、実際にイギリスの大学を見てみようということで、母と2人で1週間ほどイギリスへ行きました。出願する大学に実際に足を運んでキャンパスを見学しました。また、それまでイギリスに行ったことがなかったので、母とロンドン観光もしました。 見学したシェフィールド大学 見学したイギリスの大学の図書館の様子 そしてロンドンを観光する中で「ロンドンに住みたい!」と思うようになり、ロンドンにある大学にも出願することを決め、日本に帰ってきてから急いで出願準備を始めました。 当初は経済的な負担が大きくなると思いロンドンは避けていたのですが、やっぱりロンドンの大学に進学したいと両親に伝えたらあっさりとOKしてくれたので、最初から両親としっかり話しておけば良かったなと思っています。 ここで新しく出願することにしたのがQueen Mary University of London(ロンドン大学クイーンメアリー校)と、今通っているKCLです。 実は母とロンドン観光している時に、KCLのキャンパスのすぐ隣にあるCourtauld Galleryという美術館に行ったのですが、その時すぐ隣にあるKCLを見て、「これがロンドンの大学なんだ〜」とぼんやり思ったのを覚えています。その後実際にそこに出願し、通うとは思いもしませんでした。 キングスカレッジロンドンの隣にあるCourtauld Galleryに向かう途中 高3の12月: ファウンデーションコースへ出願完了 ロンドン以外のファウンデーションコースは全て出願が始まった10月ごろに願書を出しました。新しく出願することになったロンドンの2校には12月に出願して、この時期に出願は全て終わったという状態でした。 高3の2月: キングスカレッジロンドンからファウンデーションコース合格通知 2月上旬に第一希望にしていたKCLから合格通知が来たので、KCLに進学することにしました。ファウンデーションコースでも学部と同じようにConditional offer(条件付きオファー)という形でもらったのですが、その条件が「高校を総合成績4.0以上で卒業すること」だったので、問題ないだろうと思い、すぐにデポジットを払った記憶があります。 イギリスのファウンデーションコース: 受講開始までの流れ 高3の3月: キングスカレッジロンドンの寮の予約 確かこの時期に大学の寮のポータルがオープンしたので寮を予約しました。KCLの寮は一度予約してデポジットを払っても1回までなら変更可能ですし、8月ごろまでにキャンセルすれば、そのデポジットが返金される仕組みでした。そのためオファーを受諾するかわからなくても、とりあえず予約する人が多いのかなと思います。 どの寮にするか迷ったのですが、Atlasという寮にしました。 キングスカレッジロンドンのAtlasという寮の部屋(https://www.kcl.ac.uk/accommodation/residences/atlasより) 幹線道路沿いのため音が気になりましたが、綺麗な寮で駅や大型スーパーにも近くて良かったと思います。キッチンのみシェアのEn-suiteでした。 KCLはロンドンの他の大学と比べて、どの寮も大学まで少し遠い場所にあるのが残念です。私が住んでいたAtlasもZone 1にあるのですがキャンパスまでは電車を乗り継いで30分ほどかかります。 ロンドンのZone区分(https://www.graddinghomes.com/blog/uk/london-zonesより) もう少し通いやすい場所に寮を作ってくれたらいいのにと思っています。そのためか、1年生でもプライベートの寮やフラットに住んでいる人も意外と多かったです。 ファウンデーションコース開始前の7月: イギリス留学のビザ申請 渡航まであと2ヶ月となったところで、大学からCASが発行されビザ申請の準備ができたので、東京のビザセンターに行ってきました。ビザ申請は全て自分で行いました。日本人の場合、財政証明は基本的に必要ないため、特別に準備する書類もなくスムーズにできました。審査には3週間ぐらいかかると聞いていたのですが、5日ほどでビザが下りました。 この時に申請したビザはファウンデーションコース用のビザだったので期限が1年ほどです。そのため翌年、学部課程用にまたビザを申請したのですが、この時も5日ほどでビザが下りました。 多くのファウンデーションコースで同じかもしれませんが、KCLのファウンデーションコースでは、ファウンデーションコースが終わる日と、その後の学部が始まる日の間の日数の関係で、ファウンデーションコースが終わった後の夏休みにイギリス国内でそのままビザを申請することができません。そのため、ファウンデーションコースが終わった後はビザ申請のため日本に帰る必要があります。 https://passporter-media.com/articles/5/ ファウンデーションコース開始前の9月: いざ渡英! そして無事にロンドンへ向かうことができました!この時は、両親と一緒にロンドンへ来ました。両親は私の入寮の手伝いなどもしてくれました。また、一緒に大学周辺を散策したり、ロンドンを観光したりできてとても良かったです。 キングスカレッジロンドンのファウンデーションコース入学のため渡英 イギリスでファウンデーションコースを実際に受けてみて 日本の高校からの出願で大変だったのは、イギリスの大学に関する情報収集、共有し合える仲間が身近にいないこと、そして英語での書類作成に学校側も慣れていなかったことなどです。しかし、最終的にスケジュール的に問題もなく出願でき、今振り返ると意外となんとかなるんだなと感じます。 ファウンデーションコースで学ぶことで、英語でのエッセイやプレゼンなどの基礎的なスキルを身につけてから学部課程へ進学できるので、とても良かったと思います。 最後まで読んでいただきありがとうございました!みなさんの留学を応援しています! その後のファウンデーションコースでの学びや学部への進学プロセスについて気になる方はこちらの記事もチェックしてください! https://passporter-media.com/articles/41/

留学生が知っておきたい「英語メールの書き方」: メールから見るイギリス文化

こんにちは。ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)で物理学を専攻しているAyatoです。今回は、イギリスでの生活や学業において避けては通れない、電子メールの作法について深く掘り下げてみたいと思います。 イギリスという国で生活を始めると、日本とはまた違った種類の礼儀作法や、言葉の裏に隠された機微に驚かされることが多々あります。特に電子メールという、相手の顔が見えない文字だけのコミュニケーションにおいては、その傾向が顕著に現れます。 イギリス人にとってのメールは単なる情報伝達の手段ではなく、相手との良好な関係を維持し、お互いのプライバシーや時間を尊重していることを示すための、きわめて高度な社交ツールなのです。 英語メールの実践的な執筆例とテンプレート まずは実際の執筆例をテンプレートとして見てみましょう。例えば、大学のIT担当者にプログラムの環境構築について質問する場合、以下のような構成が理想的です。 件名:Query regarding Environment Setup for Project A - Student ID 1234567 本文: Hello [相手の名前(宛名の詳細は後述)], I hope your week is going well. I am writing to kindly ask for some guidance regarding the environment setup for Project A. I have been following the instructions provided, but I seem to have encountered a small issue with the dependencies. I was wondering if you might be able to offer some advice or point me in the right direction when you have a spare moment? I have attached a screenshot of the error message for your reference. Thank you very much for your time and help. Kind regards,Ayato この短い文章の中には、週の半ばの挨拶、「kindly ask」というクッション、「I was wondering if」という婉曲表現、そして相手の負担を最小限にするための資料添付という配慮がすべて凝縮されています。こうしたテンプレートを基盤に、AIと共に自分の意図を肉付けしていくのが上達への近道です。それぞれの詳細については後述します。 英語メールの宛名の書き方 宛名の書き方は相手の立場や関係性によって異なり、ケースバイケースなので表にして以下にまとめました。始め方が丁寧でないのではないか、と気になる場合は、最も丁寧な形にすると良いでしょう。 相手の立場関係性宛名大学職員/その他初コンタクト/ 名前不明To whom it may concern/ Dear 〇〇 Team大学職員/その他相手からの返信に対する返信Dear Ms./ Mr. [Surname]大学教授(Professor)初コンタクトDear Professor [Surname]/ Dear Prof. [Surname]大学教授(Professor)顔見知り/親しいHi Prof. [First name]※教授との距離による。Surnameの方が丁寧大学教員(Dr.)初コンタクト/ 親しいDear/ Hi Dr. [Surname]/ [First name] 挨拶という名の社交儀礼と時間軸 ここからはイギリス人とメールでやり取りする際に、気を付けるべき事項についてお話しします。メールを書き始める際、まず直面するのが挨拶の書き方です。事務的な問い合わせであれば依然としてフォーマルな表現が使われますが、大学内でのやり取りや一度会ったことのある相手であれば、かなり早い段階で“Hi 〇〇” (〇〇さんこんにちは)といった親しみやすい挨拶に移行します。しかし、ここで重要になるのが挨拶の直後に続く一言です。 イギリス人は本題に入る前に、必ずと言っていいほど相手の近況を気遣う一言を添えます。月曜日であれば週末がどうだったかを尋ね、週の後半であれば週末の予定が良いものになるよう願う言葉を添えるのが、もはや儀礼的な習慣となっています。週の半ばであれば、一週間が順調に進んでいることを願うといった具合です。 この一文は、単なる社交辞令以上の意味を持っています。相手が仕事や勉強以外の生活を持っていることを認め、その時間を尊重しているという意思表示なのです。 ロンドンという多種多様な背景を持つ人々が密集して暮らす都市において、この一見無駄に見える数行が、コミュニケーションの摩擦を抑えるために不可欠な役割を果たしています。これを省略してすぐに用件に入ってしまうと、相手に「事務的すぎる」、あるいは「余裕のない人間」だという印象を与えかねません。こうした細やかな配慮の積み重ねが、長期的な信頼関係を築くための第一歩となると考えています。 イギリスの英語メールならでは: 婉曲表現の扱い方 冒頭のテンプレートでも紹介しましたが、イギリスのメールで最も難解であり、かつ面白いと思うのが婉曲表現です。 「行間を読む」重要性 彼らは自分の意見や不満を伝える際、驚くほど柔らかい言葉を選びます。しかし、その柔らかい言葉の裏には、時として非常に強いメッセージが隠されています。この曖昧さや遠回しな表現は、日本人にとっては結局何が言いたいのかと困惑させる原因にもなりえます。 しかし、この「行間を読む」作業こそがイギリスでの生活を豊かにします。 例えば、教授からのフィードバックに「これは興味深い視点ですね」と書かれていた場合、それは必ずしも面白いねと絶賛されているわけではありません。文脈によっては「少し的外れだが、まあ着眼点は分からなくもない」という非常に丁寧な否定であることもあります。 彼らは対立を避けるために、肯定的な言葉の中に否定的なニュアンスを忍び込ませる、受動的攻撃性、いわゆるpassive aggressive(パッシブ・アグレッシブ)と呼ばれる技術に長けています。 イギリス人の受動的攻撃を受けた実体験 これを理解していないと、メールでのやり取りで致命的な誤解が生じることがあります。 私が以前、プログラムの環境構築の方法について担当者に問い合わせた際のこと。担当者から「マニュアルの中に解決策があると確信しています」という返信が来ました。言葉通りに受け取れば非常に前向きで親切な言葉に見えますが、その真意は「そんなことはマニュアルに書いてあるのだから、わざわざメールで聞かずに自分で調べなさい」というかなり強い釘刺しであったことに後から気づきました。 こうした言葉の裏側を読み取る力は、単なる語学力ではなく、現地の文化に浸り、人々の反応を観察することでしか養われない感覚です。 クッション言葉の使用 また、何かを頼む際にも、「もしよろしければ(I would be more than happy if you wouldn’t mind doing ~)」や「もしお手すきであれば(I was wondering if you could ~ in your good time)」といったクッション言葉を多用します。これにより、相手に断る余地を与えつつ、こちらの要望を伝えることができます。こうした控えめな姿勢は、相手に対する強要を避け、自由な意思を尊重しているというメッセージになります。 結びの言葉に宿る微かな感情 メールの最後を締めくくる結びの言葉も、相手との距離感を示す重要な指標です。ビジネスやフォーマルな場では一般的で礼儀正しい「Best regards」といった表現が好まれますが、より親密な関係であれば、温かみのある言葉「Warm regards」「 Yours」「 Best wishes」、時にはイギリスらしいカジュアルな表現「Best」が選ばれます。 面白いのは、これらの言葉から相手の感情の変化を読み取れることです。それまで非常に丁寧で温かい結び言葉を使っていた相手が、急に事務的で短い「Regards」という一言だけの結び方に変えた場合、それは何らかの理由で不快を感じているサインかもしれません。 あえて温かい言葉を意図的に抜き去ることで、自分の不快感を示すわけです。これは非常にイギリス的な、声高に叫ばない抗議の形です。結びの一語にまで気を配ることで、相手との現在の関係性を再確認することができるのです。 AIを活用したイギリス式英語メールの実践的な練習法 さて、こうした複雑なニュアンスを身につけるのは一朝一夕では難しいものです。そこで、現代的な練習方法としてAIを活用したトレーニングを提案したいと思います。 まず、書きたいメールの概要を伝えてAIに文面を書いてもらいましょう。そして、生成された文章をそのまま使うのではなく、なぜそのように書かれているのか、あたかもプログラムのソースコードにコメントをつけるかのように、それぞれのフレーズの意図を自分の頭で考えて書き込んでいきます。この際、正解かどうかを気にする必要はありません。あなたがその表現を読んでどう感じたか、どのような効果を狙っていると思ったか、という自分なりの解釈が重要です。 コメントを書き終えたら、その文章をAIに送り返しましょう。その際に、自分の解釈がAIの意図したものと同じか、あるいは違うのかを判断してほしいと依頼します。 もし解釈が異なっていた場合は、本来はどういう意図だったのか、なぜその特定の表現でその意図を表現できるのかを詳しく教えてもらうように聞きましょう。そうすると、表現に隠された今まで自分の知らなかった世界を教えてくれるものです。 単なるテンプレートを丸暗記するのではなく、言葉の選択の背後にあるロジックを理解することで、より自然で説得力のあるメールが書けるようになります。これは、異文化間のコミュニケーション能力を鍛えるための非常に強力な訓練になります。 AIを活用したメール作成における効率化と注意点 業務の効率化という観点から、AIをメール作成に活用することは現代において非常に有効な手段の一つとして広く推奨されています。 特に英語が母国語ではない私たちにとって、文法的な正確さを担保し、自然なフレーズを瞬時に生成してくれるAIの存在は、精神的なハードルを下げる心強い味方となります。しかし、そこには無視できないいくつかの注意点が存在します。 まず、AIは時に過剰に丁寧すぎたり、逆に文脈を読み違えて不自然に冷淡な表現を選んだりすることがあります。先述したようなイギリス特有の微妙なニュアンスや、特定の相手との間に築かれた固有の信頼関係に基づいた微調整は、最終的には人間にしかできない非常に繊細な作業です。 また、機密性の高い情報や個人情報を安易に入力してしまうことは、セキュリティやプライバシー保護の観点から厳に慎まなければなりません。AIが生成した文章はあくまでも優れた土台として捉え、必ず自分自身の目で見直し、自分の声や相手に対する真摯な思いが最終的な言葉に反映されているかを確認するプロセスを欠かさないことが、効率化と誠実さを両立させるための鍵となります。 AIへ入力するプロンプト(指示文)の工夫 AIを単なる代筆者としてではなく、自分の意図をより正確に伝えるための共創パートナーとして活用するためには、プロンプトの組み立て方に独自の工夫を凝らすことが重要です。 単に「メールを書いてください」と指示するだけでは、どうしても平均的な文章になりがちですが、いくつかの要素を意識的に盛り込むことで、文脈に即した文面を得ることができます。 受信者との関係を詳しく伝える まず、リライトを依頼する際には、送り手である自分と受け手である相手との現在の関係性を具体的にAIに伝えることが欠かせません。さらに、そのメールを送ることで相手にどのような行動をとってほしいのかという最終的なゴールも明示します。 AIに役割を与える プロンプトを工夫する際にもう一つ意識したいのは、役割設定という手法です。 AIに「あなたはイギリスの大学で長年学生指導にあたっているアドバイザーです」といった役割を与えます。その上で「私の下書きを、相手の機嫌を損ねることなく、かつこちらの要望が明確に伝わるようにイギリス風にリライトしてください」と依頼するのです。 また、一度のリライトで満足せず、対話を重ねるプロセスも有効です。生成された文章に対して「もう少し親しみやすさを出してください」といった具体的なフィードバックを返すことで、AIは代替となるフレーズを提案してくれるだけでなく、なぜそのフレーズの方が適切なのかという理由まで説明してくれます。 学業における実践的コミュニケーション 学生として教授や大学のスタッフにメールを送る際は、丁寧さと同時に簡潔さが求められます。彼らは日々膨大な数のメールを受け取っているため、いかに相手の時間を奪わずに要件を伝えるかが重要になります。 件名には必ず、自分の学生番号、氏名、そして用件を明確に記載してください。本文では冒頭で簡潔に要件を伝え、最後には「お忙しいところ恐縮ですが、お手隙の際にお返事をいただけますと幸いです」という謙虚な姿勢を見せます。この構成こそが、相手の手間を最小限にし、かつ自分の誠実さを伝えるための最短ルートです。 また、イギリスでは返信のスピードも信頼関係の一部です。すぐに答えが出せないような複雑な内容であれば、まずはメールを受け取ったことと、現在確認中であることを伝える一報を入れるのが洗練された対応です。 ネイティブの感覚を養うためのリソース ここで、私自身もイギリスでのコミュニケーションを円滑にすることを目的として参照している、おすすめのリソースをいくつか紹介します。 Oxford Learner's Dictionaries 一つ目は、Oxford Learner’s Dictionaries(オックスフォード・ラーナーズ・ディクショナリーズ)という無料のウェブ辞書です。おすすめの理由は三つです。 https://www.oxfordlearnersdictionaries.com 第一に、英英辞典であるということです。英和辞典は対応する日本語を素早く掴みたい時に便利ですが、正確な定義や文脈中におけるニュアンスの理解がしにくくなるという欠点があります。英英辞典はその点を解決します。 第二に、発音が聞けるということです。発音を知っておくことは損ではないと思います。また、イギリス発音と、アメリカ発音の二つが聞けるのも特徴です。 第三に、学習者用の辞書であるということです。日本語の辞書でも、英語の辞書でも経験する問題としては、知りたい言葉の説明の中に自分の知らない単語があるということだと思います。その点、学習者用の辞書では、調べた単語のレベルよりも低いレベルにカテゴライズされた単語のみで説明が出てくるので、上記のようなことは起きにくくなっています。 Hedgingを学べるサイト 二つ目は、Hedgingに関するウェブです。 Hedgingとは、確度を下げて主張を行う技術のことです。例えば、「〜だ」を「〜かもしれない」「〜という可能性もある」というように書くことです。以下の大学提供のサイトに、詳しい説明や例があるので、興味がある方はご覧ください。 UEfAP↓ https://www.uefap.org/writing-features-hedging George Mason University↓ https://writingcenter.gmu.edu/writing-resources/research-based-writing/hedges-softening-claims-in-academic-writing Grammarly 三つ目は、Grammarlyという文法添削サイトです。ニュアンスを理解するというよりは、文法的をチェックすることで正しく伝わるかどうかを見るためのものです。 https://www.grammarly.com 無料版と有料版があり、文法、スペルは無料でチェックできます。有料版は、文法的に誤りではないが、このようにするとより簡潔、よりよい表現であるという提案をしてくれます。 異文化理解という旅の終わり イギリスのメール文化を学ぶことは、単に英語の表現を覚えること以上の意味を持っています。それは、彼らが大切にしている価値観や、他者との接し方を理解することに他なりません。表面的な言葉の裏にある、相手を尊重し、調和を尊ぶ精神を感じ取ることができれば、メールのやり取りはもっと実りあるものになるでしょう。 完璧な英語を目指すよりも、相手を思いやる気持ちを言葉に込める努力を続けることが、最も大切なマナーだと言えるでしょう。今回の記事が、皆さんのイギリスでの円滑なコミュニケーションの一助となれば幸いです。学業も、そしてこうした日常の些細な学びも、すべてが皆さんの滞在生活を形作る大切な要素です。 どうぞ、一通のメールを丁寧にしつらえて、充実した日々を過ごしてください。ところで、今回お話ししたような相手の領域を侵さず、相手に選択権を与えるような丁寧さのあり方は、社会学ではnegative politeness(ネガティヴ・ポライトネス)と呼ばれているそうです。 Ayatoの他の記事↓ https://passporter-media.com/articles/35/

【海外大生の就活事情】ボスキャリ(BCF)2025参加体験談

こんにちは。Midoriです。今回は日英バイリンガルを対象とした世界最大級の就活イベント、ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)について参加者の体験談をご紹介します。 ボスキャリ(BCF)とは? ボスキャリはキャリアフォーラムネット(CFN)が主催する日英バイリンガルを対象とした3日間の就活イベントです。ボストン以外でもロンドン、ロサンゼルス、東京、大阪で開催されていますが、11月下旬に開催されるボストンのものが最大です。 約200社の説明会 面接して内定の可能性も ボスキャリには約200の企業が出展し、世界中から参加学生が集まります。普通の就活イベントというと説明会や面談がメインのものを想像されるかと思いますが、ボスキャリでは多くの企業で実際に選考が進みます。当日中に内定が出ることも珍しくありません。 当日企業説明を聞いてみて気になったところにレジュメを出して面接するということも可能なので、効率よく就活を進められます。 ロンキャリとの比較 ちなみにロンドンで開催されるロンドンキャリアフォーラムはヨーロッパ最大級ですが、ボスキャリと比べると規模ははるかに小さいです。例年40社ほどが出展し、同様に就職活動を行うことができます。 イギリス留学中で「ボストンまで行くのはちょっと……」と思った方はぜひそちらも調べてみてください。キャリアフォーラムの雰囲気を掴むという意味でもいい経験になると思います。 @passporter_ ロンキャリって何?ボスキャリとの違いは by Ayaka ロンキャリは、イギリス・ロンドンで開催される海外大生向けの就活イベント🇬🇧 ボスキャリとの違いはまず「企業数」。ボスキャリは企業数も多く、採用枠も多い。ロンキャリは参加企業数が少な分採用枠も少なめ。勤務地はどちらも日本配属が中心。 「開催地」の違いは、ボスキャリ→ボストン、ロンキャリ→ロンドン。 「開催時期」も違っていて、ボスキャリは年末ごろ、ロンキャリは年始ごろ。 「参加者」は、ボスキャリ→北米中心、ロンキャリ→ヨーロッパ中心。 ボスキャリのほうが規模が大きいけど、ロンキャリならではのメリットもある‼️ メリット①二日間だから体力的にも楽 企業数が限られている分狙い撃ちができるから、初参加でも回しやすい! メリット②ボスキャリのいい練習になる しかも最近参加企業数が増えているから、今後もっと伸びる可能性もある。企業によってはイギリス🇬🇧と日本🇯🇵のインターン枠も出てるから、イギリス在住の学生はぜひチェックしてみてね。 ➡️ メディアサイトでは留学生によるお役立ち記事も読めるよ!プロフィール欄のリンクからアクセス @passport_to___ 【Who are we?】 📚 海外留学を目指す学生や、いま留学中の学生に向けて 経験者のリアルな情報を発信しています。 🎓 運営メンバーは現役海外大学生&卒業生! 留学を目指す人と留学生がつながれる場所になっています✨ 🤝 海外大学生同士でつながれるコミュニティ 交流会や就活・キャリアイベントを開催予定 ! #留学生活#海外大学#イギリス留学#イギリス大学#就活 ♬ Vlog - wouldliker ボスキャリ2025参加の流れ ここからは実際に参加してきた学生の体験談です。 大学に進んだとなれば次に気になるのは就職のことですよね。 私は最終学年であるにもかかわらず、あまり就活について深く考えていなかったのですが、行ってみたいと思える企業に出会い、内定を頂いた過程をご紹介します。まずはボスキャリ参加の流れです。 ①参加登録・各企業に応募 まずはCFNでアカウントを作成し、参加登録を行います。基本情報を入力し、レジュメを記入すれば準備完了です。 とはいえ、そのまま出願するのはもちろんおすすめしないので、CFNのサイトに書かれたTipsなども見てみてください。大学によってはCFNの担当者が講演しに来ることもあるので、そちらも併せて参加すると理解が深まると思います。オンラインでも説明会が多数行われています。 ボスキャリ2025のウェブページ また、事前応募を行い、何度かオンライン面接を終えておくのが無難です。特に人気の企業だと、当日は最終面接のみというところもあります。事前にある程度選考が進んでいると、企業から開催日のディナーに呼ばれることもあるので、ぜひトライしてみてください。 ②飛行機と宿を取る 当初あまりピンと来る企業がなかったため、自分の重い腰を上げるためにも先に飛行機と宿を取りました。時期が近づくと高くなるので早めに押さえておいたほうが良い、というのもあります。 飛行機はヒースロー空港(LHR)から出るBritish Airwaysにしたので特筆することはなく、割愛させてもらいます。宿はホテルではなく、他大学の友人と6人で空港近辺のAirbnbを取りました。大人数で泊まるメリットとして、朝は6人でタクシーをシェアできたので、比較的安い値段で会場まで辿り着くことができました。人と泊まることにそこまでストレスを感じない方でしたらおすすめです。 キャリアフォーラムには「トラベルスカラシップ」というありがたい制度があり、運が良ければ$350(イギリスからボストンへ飛ぶ場合)が支給されます。早めに飛行機を取れば大部分はこれでカバーできるのではないかと思います。こちらは事前応募が必須で当日受け取りなので、忘れずにチェックしておいてください。 いざボストンへ!ボスキャリ2025レポ ここからはある程度キャリアフォーラムについて知っている方向けのレポです。ご存知ない方にとっては想像がしづらいかと思いますがご容赦ください。 事前応募した企業との面接 前述の通り就職についてあまり考えていなかったのですが、それでもさすがに10社弱は応募してからボストンへ向かいました。 ボストンへ行くまでにご縁がないと判断された企業もありましたが、ご縁のあった4社とは面接を予約させてもらいました。一次と二次がそれぞれ2社ずつでした。面接後、そのまま次の面接に案内していただいたこともあれば、結果は後日というところもあり、そのあたりは企業によります。 ボスキャリのWalk-in(ウォークイン) 事前応募は締め切っていても当日受付(Walk-in)が可能な企業も多くあります。そのため、事前に何社か目星をつけた上でレジュメを出して回りました。 ボスキャリ当日の会場の様子(CFNウェブページより) その場ですぐ面談となる場合もあれば、面接予約を取る場合もありましたし、まずは書類審査からという会社もありました。書類審査が先にあり会期中に選考へ進める場合は、電話やメールで面接の連絡が来ます。 面接へ行き、レジュメを出し、説明会を聞き、面接の準備をして、みたいなことを繰り返しているとあっという間に1日が過ぎていました。 ボスキャリ中の面接で聞かれたこと 受けた企業に限る話かもしれませんが、大体は「留学の理由」「ガクチカ」「就活の軸」「実現したいこと」など同じようなことを聞かれました。それぞれの企業で若干深掘りの仕方が異なるという印象です。 Walk-inの場合は特に深い企業研究は想定されていないので、就活生の人となりの方を重視しているのだと思います。私は業界研究すらままならないまま行ってあまりうまくいかなかったので、皆さんはせめて就活の軸と業界は定めてから行ったほうが良いと思います。 逆に、ビジネス全般に幅広く興味があり、どの業界もある程度知識があるという方であれば、卒なくこなせるのではないかと思います。Walk-inでは企業分析の時間が取れていない人がほとんどなのでそこまで求められないわけです。 ボスキャリで企業主催のディナー ディナーの有無や誰が招待されるかなどは完全に企業によるため、あまり明言はできませんが、私は金曜日と土曜日の両日それぞれ別の企業に招待していただきました。 写真はディナーで食べたパスタです。ボストンは海沿いにあり、海鮮が有名なようで非常に美味しかったです。 ボスキャリのディナーで振舞われた海鮮パスタ 企業によっては選考の一環であるといった話を小耳に挟みましたが、私が参加したディナーではそのようなことはありませんでした。説明会や質問会などと比較してより長い時間をかけて企業の方とお話しできますし、よりラフな感じで実際の職場の環境も聞けるので非常に有意義な時間でした。 また、他の就活生がどのような勉強をしていて、どんなキャリアパスを考えているのかを聞くのも、自分の就活を見つめ直すきっかけにもなりましたし、単純に他の大学、地域の話を聞けて楽しかったです。 ボスキャリ終了後 Web面接 私は事前応募が遅く、かつ少なかったので当日中に内定は出なかったのですが、後日Web面接を設定していただけた企業がいくつかありました。ボスキャリ当日に応募して後日選考に進んだ企業もあります。 ボスキャリでさまざまな企業の方とお話しする中で、自分の目指したい姿が固まったこともあり、その後無事、心に決めた企業から内定を頂くことができました。案外どうにかなるものですね。 以上、参加者による体験談でした。海外留学経験者の就活の参考になれば幸いです。皆さんの就活がうまくいくことを願っています!

会員登録

会員限定記事やイベント情報を受け取ろう!

Subscribe  Sign In