こんにちは、編集長のMidoriです。今回はイギリス留学にかかる費用について解説していきます。
一口でイギリス留学といっても、ロンドンかそれ以外の都市かでかなり金額が変わってきます。また、ここ数年間で加速している円安の影響やイギリスの物価高で生活費がかなり圧迫されています。その対策としての節約術もお伝えします。私がThe University of Manchester(マンチェスター大学)に交換留学した際の経験も交えてご紹介します。
なお、本記事に出てくる日本円は1ポンド=215円で換算していることをご留意ください。
イギリス留学にかかる費用の目安
年間での出費は専攻や居住都市、生活スタイルによってかなり変わってきますが、一般的な大学・専攻への進学を想定した場合、年間600万~1000万円程度を見込んでおくとよいでしょう。
| 項目 | 年間の目安 |
| 学費 | 1万〜3.8万ポンド(215万~817万円) |
| 生活費 | ロンドン:1.5万ポンド〜 (322.5万円~) 地方:1万ポンド〜(215万円~) |
| ビザ申請 | 558ポンド(12万円)(一回のみ) |
| IHS | 776ポンド(16.7万円) |
| 航空券(往復) | 10万~30万円 |
| その他 | 留学保険、教材費、交通費、娯楽など |
イギリス渡航前にかかる費用(留学準備費)
留学が決まってから実際に飛行機に乗るまでの間にも、まとまった出費が発生します。
学生ビザ/IHS(Immigration Health Surcharge)
イギリスで正規留学する場合、Student visa(学生ビザ)を取得する必要があります。主な費用は以下の2つです。
- ビザ申請料: 1人あたり558ポンド(約12万円)(2026年4月現在)
- IHS(Immigration Health Surcharge): 学生の場合、1年あたり776ポンド(約16.7万円)。NHS(イギリスの公的医療制度)を利用するための費用で、ビザの許可期間分をまとめて前払いする仕組みです。
これに加えて、場合によっては英語力証明のためのテスト受験料(150〜250ポンド(約3.2万〜5.4万円)程度)や、TB(結核)検査費用(50〜100ポンド(約1.1万〜2.2万円)程度)もかかります。ビザ関連の費用だけで、コース期間によっては3,000ポンド(約64.5万円)を超えることも珍しくありません。
場合によっては、ビザ申請時に証明が必要なMaintenance funds(生活費)です。これは「支払う費用」ではなく「口座に保有しておくべき残高」ですが、資金計画上は必ず押さえておく必要があります。
| ロンドンの大学 | ロンドン以外の大学 | |
| 月あたりの必要額 | 1,529ポンド(約32.9万円) | 1,171ポンド(約25.2万円) |
| 最大9ヶ月分の総額 | 13,761ポンド(約295.9万円) | 10,539ポンド(約226.6万円) |
※上記は学費とは別に必要な生活費の証明額です。また、この残高は申請前の連続28日間、条件を満たした状態で維持されている必要があるため、直前になって慌てないよう早めの準備がおすすめです。
航空券
日本からイギリスへの往復航空券は、時期や航空会社、直行便かどうかによって大きく変動しますが、目安としては往復10万円台〜30万円台が相場です。繁忙期(夏休みシーズンなど)は高騰しやすく、逆に閑散期を狙えば費用を抑えられます。
留学の場合は片道の可能性もあり、また大きな荷物(スーツケース2〜3個)を預ける前提でチケットを選ぶ必要があるため、預け荷物の無料枠を必ず確認しておきましょう。学生向けの割引運賃(STA運賃など)を扱う旅行代理店もあるので、比較検討がおすすめです。

留学保険
学生ビザでIHSを支払うとNHS(イギリスの公的医療制度)は利用できますが、これは緊急時や一般的な診療をカバーするものであり、盗難・紛失、賠償責任、緊急帰国費用、留学中断時の学費補償などはカバーされません。そのため、多くの留学生は日本の保険会社が提供する「留学保険」に別途加入します。
保険料はプラン内容や留学期間によって大きく異なるため一概には言えませんが、渡航前の予算組みの段階で見積もりを取っておくことをおすすめします。保険会社によっては学生向けの割引プランや、クレジットカード付帯保険との組み合わせでコストを抑えられる場合もあるので、比較してみましょう。
イギリス留学中にかかる費用
渡航後、毎月・毎年発生する費用です。特に居住費は生活費全体の中で最も大きな割合を占めるため、重点的に解説します。
学費
正規留学(学位課程)の場合、学費は生活費以上に大きな出費です。日本人のようなInternational Student(留学生)向けの学費は大学・コースによって幅が広く、目安は以下の通りです。
- Undergraduate(学部): 年間約1.1万〜3.8万ポンド(約236.5万〜817万円)(医学系などはさらに高額)
- Postgraduate(大学院): 年間約9,000〜3.5万ポンド(約193.5万〜752.5万円)(1年制の修士課程が主流で、2年制が主流の国と比べてトータル費用を抑えやすいのが特徴)
大学や専攻によってかなり異なるため一概には言えませんが、Russell Group(ラッセルグループ)*の大学は学費が高めの傾向にあり、それ以外の大学は比較的抑えられる傾向があります。医学部・獣医学部などの専門職学位課程は、年間3万〜5万ポンド(約645万〜1,075万円)を超えることもあります。
*1994年に設立されたイギリスを代表する24の主要研究型大学からなる連盟です。オックスフォード大学やケンブリッジ大学、インペリアルカレッジロンドン、UCLといった、世界トップ10に名を連ねる名門校が加盟しています。
居住費
生活費の中で最大の出費になるのが住居費です。選択肢は主に3つあります。
- University halls(学生寮): 大学が運営、または提携する寮。水道光熱費・Wi-Fiが家賃に含まれていることが多く、初めての留学生にとって安心感があります。食事付の寮もあり、食費の節約につながります。
- シェアハウス: 2年目以降の学生に人気。家賃は寮より安くなる場合が多いですが、光熱費やWi-Fi代を別途フラットメイトと折半する必要があります。
- 一人暮らし(単身のフラット): 自由度は高いですが、家賃が最も高いです。
全国平均では、学生向けの家賃は月575ポンド前後(約12.4万円)が目安とされています。ただし都市差が非常に大きいため、詳細は「ロンドンと地方都市の生活費比較」で解説します。
契約時にはDeposit(敷金)も必要です。イギリスでは年間家賃が5万ポンド(約1,075万円)未満の物件の場合、敷金の上限は家賃5週間分と法律で定められており、Deposit Protection Scheme(DPS)などの公的スキームで保管されます。退去時にきちんと返還されるよう、入居時の物件の状態を写真で記録しておくと安心です。

食費
食費は「自炊中心」か「外食中心」かで大きく変わります。
- 自炊中心: スーパーの使い分け次第で、月100〜250ポンド(約2.2万〜5.4万円)程度に抑えることも可能です。
- 外食を交えた生活: カフェやレストランを頻繁に利用する場合、月300ポンド(約6.5万円)以上になることもあります。

食事付の寮に入る場合、寮費に食費が入っているため、追加の出費がなくて済みます。私がマンチェスター大学に留学していた時は朝夕を食堂で食べ、昼食のみを自分で解決する必要がありました。
交通費
交通費は住む都市によって大きく異なります。ロンドンを例にすると、公共交通機関(地下鉄・バス)の利用が前提になるため、以下の学生向け制度を活用するといいでしょう。
- 18+ Student Oyster photocard: 18歳以上のフルタイム学生向けの割引カード。Travelcard(定期券に近いもの)やバス・トラムの週間・月間・年間パスが30%割引になります。発行手数料は20ポンド(約4,300円)。ただしPAYG(単発利用)の運賃自体は割引対象外です。
- 16-25 Railcard: 年会費35ポンド(約7,525円)で、イギリス国内の鉄道運賃がおおむね3割引に。上記のStudent Oysterと組み合わせると、ロンドン市内の単発利用運賃にも割引が適用されるようになります。
地方都市では公共交通機関の利用頻度がロンドンほど高くない場合も多く、徒歩や自転車で生活できるエリアに住めば交通費を大きく抑えられます。都市間の移動(週末旅行や帰省)には、National Expressなどの長距離バスや鉄道の早期予約割引を活用すると安く済みます。
教材費
留学中は学業がメインなので、当然ながら教科書代・印刷代・実習や施設利用料など、授業に付随する費用も発生します。近年は電子教材やオンラインリソースの活用、大学図書館での貸出、先輩からの中古教科書の譲り受けなどでコストを抑える学生が増えています。理系・美術系など、実験器具や画材が必要な学部では、文系よりも教材費がかさむ傾向がある点も押さえておきましょう。
交際費・娯楽
友人との外出、映画、旅行、Society(サークル)の会費など、学生生活を充実させるための費用です。イギリスの大学にはSocietyと呼ばれるサークル活動が非常に盛んで、年間で無料〜数十ポンド(数千円)程度の会費がかかるものから、活動内容によってはそれ以上かかるものまであります。パブでの一杯の相場は全国平均で5ポンド台(約1,075円〜)、ロンドンではやや高めというのが目安です。
通信費
イギリスで使える携帯番号が必要なため、SIMの契約が必須です。SIMカードを買うかeSIMを契約する方法があります。
また、契約期間は30日更新のフレキシブルなものから12〜24ヶ月契約まであり、短期留学なら縛りのないプランを、長期滞在なら12ヶ月契約でやや割安な料金を選ぶのがおすすめです。イギリスの大手キャリア(EE、O2、Three、Vodafone)の回線を間借りする格安ブランド(giffgaff、SMARTY、VOXIなど)も人気で、コストを抑えたい学生に選ばれています。

私はビザ申請の際にもらったLebaraというSIMカードを使っていました。毎月の契約更新で、イギリスの電話番号と5GBのネット通信で月5ポンド(約1,075円)でした。大学と寮にいる時はキャンパスのネットワーク(eduroam)が利用できるため、月5GBは余るくらいあまり使わなかったです。
イギリスの物価は日本と比べて高い?
イギリスの物価は全てが日本より高いというわけではありません。ものによっては日本より安く購入できる場合があります。以下に一例を示します。
| 品目 | 価格帯(ポンド) | 円換算(目安) |
| 外食(レストランでの1食・カジュアル) | 12〜18ポンド | 約2,580〜3,870円 |
| 外食(ミドルレンジのメイン料理) | 15〜25ポンド | 約3,225〜5,375円 |
| パン(食パン1斤) | 0.55〜1.50ポンド | 約118〜323円 |
| 牛乳(1L) | 約1.00〜1.20ポンド | 約215〜258円 |
| 卵(6個) | 約1.50〜2.00ポンド | 約323〜430円 |
| チーズ(チェダー、200g程度) | 約1.50〜2.50ポンド | 約323〜538円 |
| バター(250g程度) | 約1.50〜2.50ポンド | 約323〜538円 |
| 鶏むね肉(1kg) | 約6〜8ポンド | 約1,290〜1,720円 |
| バナナ(1kg) | 約0.90〜1.20ポンド | 約194〜258円 |
| パスタ(500g) | 約0.50〜1.00ポンド | 約108〜215円 |
| カフェのコーヒー(テイクアウト1杯) | 約3.00〜3.50ポンド | 約645〜753円 |
| パブのビール(1パイント) | 4〜6ポンド(ロンドンは5.50〜7.50ポンド) | 約860〜1,290円(ロンドンは約1,183〜1,613円) |
ロンドンと地方都市の生活費比較
同じイギリス留学でも、住む都市によって生活費は大きく変わります。ここでは代表的な3エリアを比較します。
| 項目 | ロンドン | マンチェスター/バーミンガム | エディンバラ |
| 学生家賃(月) | 約793〜1,000ポンド(約17万〜21.5万円) | 約615〜845ポンド(約13.2万〜18.2万円) | 地方都市の中では高め |
| 光熱費(月) | 約80〜120ポンド(約1.7万〜2.6万円) | 約60〜90ポンド(約1.3万〜1.9万円) | 約70〜110ポンド(約1.5万〜2.4万円) |
| 生活費全体の傾向 | 最も高い | ロンドンよりかなり抑えられる | ロンドンよりは安いが地方都市の中では高め |
※家賃は物件の種類・時期によって変動します。掲載の数値はあくまで目安として参考にしてください。
ロンドン
イギリスで最も物価が高いエリアです。学生の家賃相場は月800〜1,000ポンド超(約17万〜21.5万円超)と、全国平均を大きく上回ります。光熱費も月80〜120ポンド(約1.7万〜2.6万円)程度かかることが多く、公共交通機関への依存度も高いため交通費もかさみがちです。

一方で、学生向けのアルバイトやインターンシップなどの選択肢が比較的多く、時給水準、学生向け割引・イベントの豊富さといった利点もあります。
マンチェスター/バーミンガムなどの主要地方都市
ロンドンに次ぐ規模の学生都市で、家賃相場はロンドンのおよそ半分程度です。マンチェスターの学生家賃は月845ポンド前後(約18.2万円)、バーミンガムは月615ポンド前後(約13.2万円)が目安とされています。光熱費もロンドンより低めで、月60〜90ポンド(約1.3万〜1.9万円)程度です。

都市機能は十分に整っており、コストと利便性のバランスが良いエリアとして人気があります。
エディンバラなどスコットランドの都市
歴史ある街並みと高い人気を背景に、地方都市の中では家賃が高めの傾向にあります。光熱費も月70〜110ポンド(約1.5万〜2.4万円)程度と、冬の寒さや古い建物の断熱事情から暖房費がかさみやすい点に注意が必要です。
一方でスコットランドは学部が4年制である分、初年度からじっくり専攻を選べるという教育的なメリットもあります。

イギリス留学の費用を抑える節約術
ここからは生活費の負担を軽くするための実践的な工夫を紹介します。
自炊
外食に頼らず自炊を基本にすることが、食費削減の一番の近道です。週単位で献立とスーパーでの買い出しを計画すると、無駄な出費を防げます。
徒歩
短距離の移動はできるだけ徒歩や自転車を活用しましょう。特にマンチェスターなどの地方都市ではキャンパス・住居・スーパーが徒歩圏内に収まることも多く、交通費をほぼゼロに抑えられるケースもあります。
学生割引(TOTUM/UNiDAYSなど)の活用
TOTUM(旧NUS extra)カードは年間15ポンド前後(約3,225円)で発行でき、ASOSやAmazon、飲食チェーンなど幅広い加盟店で割引が受けられます。UNiDAYSやStudent Beansといった学生証明アプリも無料で使え、オンライン・実店舗どちらでも活用できるので、大学のメールアドレスで登録しておくと便利です。
スーパーの使い分け(Aldi、Lidl vs Waitroseなど)
日本のスーパーは店によって価格帯が異なるのと同様に、イギリスのスーパーにもあります。また、買う物によって日本より安いものもあります。例えば食パンは20枚入りで1ポンド(約215円)もかからないで買えるなど、いろいろな食材を見てみるのがいいでしょう。

スーパーの物価感としては、Aldi・Lidlなどのディスカウント系スーパーは日本のスーパーの感覚に近い価格帯、Tesco・Sainsbury’sなどの大手チェーンは標準的な価格帯、Waitrose・Marks & Spencerは高級志向の価格帯、というイメージを持っておくと選びやすくなります。
そのため、日常の買い物はAldiやLidlなどのディスカウントスーパーを軸にし、特定の食材だけTescoやSainsbury’sで購入する、といった使い分けが定番の節約法です。閉店間際の値引き品を狙うのも効果的です。
中古品・セカンドハンドの活用
家具や自転車、教科書などは、新学期の始まりや終わりのタイミングで先輩や卒業生から譲ってもらえることが多くあります。大学のFacebookグループやマーケットプレイスアプリ(Vinted、eBay、Facebook Marketplaceなど)を活用すれば、初期費用を大きく抑えられます。
アルバイト
学生ビザでは、学位レベル(RQF6以上)のコースであれば、学期中は週20時間まで、休暇中は制限なくアルバイトが可能です(コースのレベルや大学の状況によって条件が異なるため、詳細は必ず自分のCASや大学の案内で確認してください)。
アルバイト収入を生活費の一部に充てることで、家族からの送金や貯蓄への依存を減らせます。ただし、あくまでも学業を本業として、その傍らでやることにとどまるべきです。そのため、留学資金をアルバイト代で賄う前提で組まないようにするのが大切です。
まとめ
イギリス留学の費用は、「渡航前の準備費用」「学費」「居住費を中心とした生活費」の3つを合わせて考える必要があります。特に居住費は都市によって2倍近く差が出ることもあるため、進学先の都市を選ぶ段階から生活費のシミュレーションを行っておくと、留学後の資金繰りに余裕が生まれます。
また、学生向けの割引制度やアルバイトを上手に活用すれば、想定より費用を抑えることも十分可能です。この記事を参考に、渡航前から現実的な予算計画を立て、安心してイギリス留学のスタートを切ってください。

















